2013年8月26日
|長見晃の海外トピックス
モバイル機器の活況で昨年のペースをほんの少し上回っているという本年の世界半導体販売高の現時点であるが、猛暑のなか秋の気配が見え始めているところ、9月前半のアップルの新型iPhone発表、インテルの開発者向け会議、そしてサムスン、ソニーなど出展するコンシューマ・エレクトロニクスショー「IFA 2013」と、目白押しの新製品打ち上げが行われ、いよいよ競い合い秋の陣の到来である。マイクロソフトのバルマーCEOの退任も伝えられ、スマートフォンを中心とするモバイル革命の荒波が続く最中である。
[→続きを読む]
2013年8月19日
|長見晃の海外トピックス
日本列島が猛暑に見舞われるなか、世界の半導体市場もモバイル機器関連の引き続く熱気が引っ張って、分野別の温度差は見られるものの今後に向けて注目せざるを得ないダイナミックな動きが噴出している。PC用MPUの低調を補って余りあるタブレットおよび携帯電話用プロセッサ、SoCがメモリを大きく上回っていくテスト装置市場、と変わる市場の様相がデータに表われている。さらに、ついにというかスマートフォン販売数量がこの第二四半期にfeature phonesを初めて上回るなど、以下波乱含みの現時点の市場である。
[→続きを読む]
2013年8月12日
|長見晃の海外トピックス
米SIAより月次の世界半導体販売高が発表され、今回はこの6月分、今年の前半を折り返すデータ内容である。年初からの販売高累計が$145.1 billion、前年同期比1.5%増であり、このところ半導体業界に立ち塞がっている$300 billionの壁に対して今年はどうなっていくか、後半にかかってくる。
今回のデータでは、Americas地域が引き続き伸びを引っ張り、販売高の60%近くを占めるAsia Pacific地域が堅実に支える全体構図である。モバイル機器の売れ行き、メモリ価格に敏感になる現時点の市場となっている。
[→続きを読む]
2013年8月 5日
|長見晃の海外トピックス
予定通りの運びではあるが、米国Micron Technology社によるエルピーダメモリの完全子会社化が完了して、DRAM世界トップのSamsung Electronicsにウェーハvolumeでは肉薄する規模のDRAMメーカーがスタートすることになった。圧倒的に少ないマスク枚数、小さなチップサイズでDRAM業界を驚かせたかつてのMicronを思い起こして、いよいよこれから一層絞られたプレーヤー間の新たな業界競合模様の展開である。相次いだ我が国の半導体メーカー・拠点を巡る激動を、そのような目でそれぞれに受け止めている。
[→続きを読む]
2013年7月29日
|長見晃の海外トピックス
high-endスマートフォンの売れ行き低迷など不安要因が出ているなか、アップル、QualcommそしてSamsungの第二四半期売上高は過去最高を示し、モバイル機器に当面の伸びを託さざるを得ない状況である。このようななか、売上げアップを図るあの手この手ということで目についたのが、インテルの先端プロセス品はもちろんとしてカスタム半導体へのアプローチ、そしてアナログ半導体を引っ張るテキサス・インスツルメンツ(TI)の設計データ提供のアピールであり、ともに顧客密着の原点を感じている。
[→続きを読む]
2013年7月22日
|長見晃の海外トピックス
パソコンからモバイル機器への急激な流れのなか、代表する大手の設計および製造の今後の方向性を巡る取り沙汰が喧しくなっている。Appleは、自前のfabを手に入れて自分ならではの半導体を作るか、ファウンドリー委託先をさらに増やすかの分かれ道が見られる。一方、インテルはパソコンの低迷が色濃く表れる業況を発表、モバイル巻き返しにかけてパソコンとのツートッププロセッサ戦略という軸足転換を打ち上げている。肝心の市場では、ハイエンドのスマートフォンの売れ行きが思わしくなく、新興経済圏のGDPの伸び率低下が進むという難しい追い打ち局面を呈している。
[→続きを読む]
2013年7月16日
|長見晃の海外トピックス
10年ひと昔、3年ひと昔、ドッグイヤーなど折に触れて技術変化の激しさあるいは周期を表わしてきた感じ方であるが、このところのパソコンからモバイル機器への急激な流れは、今までの基準、通り相場を大きく変えるdisruptiveという表現がより当てはまりそうな情勢である。技術的には、低電力設計、材料と半導体業界の立ち位置が変わらざるを得ないとともに、ビジネス的にもモバイルへの怒涛の急流に舵を切り直さざるを得ない大手プレーヤーの変革の動きが続いている。
[→続きを読む]
2013年7月 8日
|長見晃の海外トピックス
米SIAから恒例の月次世界半導体販売高の発表が行われ、今回は先の5月分である。大方の予想を上回って、3年余りぶりとなる前月比伸び率4.6%と大きく飛躍、全地域が前月比プラスとなるのも2012年9月以来となっている。内訳としては、AmericasとAsia Pacificが大きく引っ張り、欧州と我が国は微増に留まっている。スマートフォン、タブレットなどモバイル機器の伸びに依存する昨今の市場情勢をさらに色濃く映し出しており、TSMCおよびSamsungを巡る動きにそれが端的に表われている。
[→続きを読む]
2013年7月 1日
|長見晃の海外トピックス
新興市場を代表する中国、そしてモバイル機器の急拡大、と何をいまさらという感じであるが、いろいろな切り口で改めての認識が求められる雰囲気を感じている。半導体市場の6割近くをAsia Pacificが地域別に占め、その中の大きな比率を中国が引っ張る現時点である。グローバルエレクトロニクス生産の半分以上が中国という下りが見られるが、当然かもしれない。もう一つ、DRAM市場も然り、応用分野として長らく引っ張っているパソコンをモバイル機器が今にも追い抜くというデータが表われている。
[→続きを読む]
2013年6月25日
|長見晃の海外トピックス
年2回開催される世界的なスーパーコンピューティングに関する国際会議、ISC'13(International Supercomputing Conference)(6月17-20日:Leipzig, Germany)にて、恒例のトップ500が発表されている。世界各国が威信をかけて計算速度を競うこの場、今回は中国が開発した「天河2号」が、我が国の「京」などを抜いて2年半ぶりの世界一となっている。目まぐるしく変わるランキングとともに、高性能を実現する中身、そしてこのようなアプローチの蓄積から拡がる興味深い応用展開に注目している。
[→続きを読む]