2025年1月 8日
|服部毅のエンジニア論点
2024年10月に執筆した「Intelが発表した事業立て直し計画を検証する」と題するブログで、米Intelが同年9月に開催された取締役会で業績立て直しのための今後の戦略について討議し、それを踏まえてPat Gelsinger(パット・ゲルシンガー)CEOが発表した方針や戦略を検証し、産業界はIntelの復興はままならないと見ていることをお伝えした(参考資料1)。
今回はその後のIntelの状況をフォローし、業績が果たして回復するかを再び検証しよう。
[→続きを読む]
2024年12月25日
|服部毅のエンジニア論点
米国政府は12月に入り、半導体商業製造施設向けCHIPSインセンティプログラムに基づく直接資金(いわゆるCHIPS補助金)を韓Samsung、韓SK hynix, 米Micron Technology, 米Texas Instrumentsなど、いままで未支給だった大手半導体メーカーに支給することを相次ぎ最終決定した(参考資料1)。
[→続きを読む]
2024年12月 5日
|服部毅のエンジニア論点
ベルギーimecのVan den hove CEOインタビュー:
今から40年前の1984年、半導体産業とは無縁のベルギーの片田舎、ベルギー・フランダース地方(ベルギー北部のオランダ語圏、日本では「フランダースの犬」のアニメで有名)に大学の共同利用クリーンルーム・研究施設であるInteruniversity Micro Electronics Center(imec)が誕生した。40年後の現在、imecは、世界最大かつ最高レベルの最先端半導体研究所に成長した。同社のLuc Van den hove CEOが、東京で年次研究紹介イベントimec Technology Forumを開催のために来日した機会をとらえて、本稿著者らメディアのインタビューに応じた(図1)。同社の目覚ましい成長の秘訣と今後の戦略を読者諸氏と共有することにしよう。
[→続きを読む]
2024年11月12日
|服部毅のエンジニア論点
米Intelと韓Samsungは、先端ロジックデバイスの製造歩留まりが低迷し、大口顧客をほとんどつかめない上に、最先端プロセス開発のための研究投資や設備投資が巨額化し、ファウンドリ事業が赤字に陥っている。一方、TSMCは、先端に位置する5/3nm製品が売上の過半を占め、来年以降の量産開始に向けて2nm試作も順調のようで、過去最高収益を挙げて一人勝ち状態にある。そんなTSMCの戦略を読み解くことにしよう。ただ、その前にライバルの戦略を簡単にレビューしておこう。
[→続きを読む]
2024年10月 8日
|服部毅のエンジニア論点
米Intelは、9月中旬に取締役会で3日間にわたり、業績立て直しのための今後の戦略について討議し、それを踏まえて、Pat Gelsinger CEOは、9月16日に従業員にあてに今後取り組む方針や戦略を詳細に説明するメールを送った(参考資料1)。同氏の方針に異を唱える取締役やEVPやSVPが8月までに依願辞任しており、Gelsinger氏の思い通りの計画が取締役会で承認されたようである。
[→続きを読む]
2024年9月10日
|服部毅のエンジニア論点
フランスの半導体市場調査会社が発表した2023年世界MEMSサプライヤ売上高ランキングトップ30(参考資料1)によると、トップ企業はドイツのRobert Bosch、2位は米国のBroadcom、3位は日本のTDKだった。1位と2位がともに2023年の売上高を前年比減じているのに対して3位のTDK売上高を増やして前年の7位からいっきに3位に駆け上がった(図1)。
[→続きを読む]
2024年8月 2日
|服部毅のエンジニア論点
前回、ベルギーimecが発表した2039年に至る夢のようなロジックデバイスの微細化ロードマップを紹介した(参考資料1)。現実の世界で、先進ロジック半導体メーカー3社(台湾TSMC、韓国Samsung Foundry、米国Intel Foundry)の微細化ロードマップはどうなっているだろうか。imecのロードマップと対比させながら見て行くことにしよう。
[→続きを読む]
2024年7月18日
|服部毅のエンジニア論点
ベルギーの世界最先端半導体研究機関であるimecは去る5月下旬に創立40周年記念イベント「ITF(imec Technology Forum)World 2024」をベルギー・アントワープで開催した。その基調講演で、同社CEOのLuc Van den hove氏(図1)が、ロジックデバイス微細化のロードマップ2024年最新版を発表した。さらに、imecは、EUやベルギー・フランダース政府の補助金および民間企業の出資金、総額約4200億円で、2nmおよびそれ以下のデバイスの試作ラインを建設することを発表した。同社は、半導体要素技術開発だけではなく、ロードマップを自ら実証するため、試作や少量生産まで手掛ける模様である(参考資料1)。
[→続きを読む]
2024年7月 3日
|服部毅のエンジニア論点
韓国仁川(インチョン)国際空港の南50kmに位置する京畿道安山(アンサン)市に漢陽(ハニャン)大学ERICAキャンパスがある(注1)。ERICAとは、Education Research,Industry Cluster at Ansan(安山における教育・研究・産業集合体)の略で、文字通り、巨大キャンパス内に、評判の高い工学部はじめ9学部42学科の校舎や研究棟のほか、Korea Electrotechnology Research Institute など3つの韓国国立研究所やLG Innotek などの民間企業の研究所、韓国大手インターネット・サービスプロバイダであるKAKAOの巨大データセンタや多数のスタートアップの事業施設などが同居している。
[→続きを読む]
2024年6月25日
|服部毅のエンジニア論点
米国の半導体装置業界動向調査会社であるVLSI Researchは、1988年以来、毎年、世界半導体製造装置メーカー顧客満足度調査を世界中の半導体工場のユーザー対象に大規模に実施しており、この種の調査としては半導体業界唯一である。 この度、同社より「2024年版半導体製造装置顧客満足度ランキング・トップ10」情報を入手することができたので紹介しよう。
[→続きを読む]