服部毅のエンジニア論点
韓国Samsung Electronicsの李健熙(イ・ゴンヒ)会長は、いまは心筋梗塞の後遺症で長期入院中であり、経営判断を下せる状態に全くないといわれているが、現役時代の社員に向けた経営メッセージは常に先見性に満ちていた。
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米国と中国の半導体やハイテク分野の貿易摩擦がますます激化している。米商務省は、2018年4月16日、米国企業による中国通信機器大手の中興通訊(ZTE)との取引を、今後7年間禁止する決定を下した。このため、ZTEはIntelやQualcommからスマートフォン製造に必須の半導体チップを使用できなくなった上に、米国市場を失い、同社のスマートフォン事業は存続が危ぶまれる事態に陥った。
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中国政府は、2014年6月、輸入に頼り切っていた半導体製品の国産化を目指して「国家IC産業発展推進ガイドライン」を公表し、2030年までに、世界トップクラスの半導体メーカーを中国国内で育成するという目標を掲げた。中国国務院は、2015年5月に「中国製造2025」と呼ばれる自給計画を発表し、現在は20%の自給率を2020年には40%、25年には70%に引き上げることを目指している。
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ソニーは、昨年11月1日に、犬型ロボットaiboを戌年にちなんで今年1月11日発売すると発表した。平井社長は発売に先立ち「自分の夢であり、ソニーの象徴だ」として、今年年初にラスベガスで開催された「CES」で新しいaiboを紹介した。2009年に発売開始した初代AIBO(名前の由来は、飼い主に寄り添う「相棒」)は、2006年に製造・販売中止されて以来、12年ぶりの復活になった。今回のaibo復活は、画期的な商品で人々に感動を与えてくれるソニーの復活の象徴としてマスコミにも好意的に受け止められており、平井社長もそれを狙ってわざわざAIBOの復活を決めたのであろう。
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「東芝メモリの2兆円と言われる資産価値は30年前、一人の男から生まれた。元東芝社員・舛岡富士雄は半導体記憶媒体フラッシュメモリを発明。開発を強引に押し進めたが、それは当時あまりに“非常識”な製品だった。日本発の革新的技術はいかにして生まれ、どう世界を変えたのか?今ではスマホなどあらゆる電化製品に組み込まれるフラッシュメモリの開発秘話に迫る」。
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オランダ南部に位置するアイントホーフェン市は、オランダを代表する世界企業フィリップスの発祥の地であり、人口当たりの特許出願件数が世界一(OECD調べ)のハイテク都市である。いわば、オランダのシリコンバレーだ。フィリップスから2006年に分離独立した車載半導体で世界トップのNXP セミコンダクタ―ズ本社所在地でもあり、近郊には世界最大の半導体リソグラフィ装置メーカーASML本社工場や富士フイルムの欧州研究拠点がある。
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