技術分析
Texas Instruments(TI)が開発したSiCパワートランジスタ向けのゲートドライバIC製品「UCC5880-Q1」は、SiCパワーMOSFETの欠点を解消したドライバICだ(図1)。SiCはIGBTと比べ、少数キャリアの蓄積時間がない分、高速にスイッチできる。しかし、オーバーシュートやリンギングなどのノイズを発生しがちになる。TIのチップはこの欠点を解消した。
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クロックの立ち上がりと降下でトリガーをかけるLPDDR(Low Power Double Data Rate)技術は、これまでDRAMの高速化技術であった。これを高速アクセスに使ったNORフラッシュメモリをInfineon Technologiesが開発、サンプル出荷を開始した。狙いは車載コンピュータのリアルタイム動作である。LPDDR4のDRAMと比べ読み出しアクセス時間が10nsと5倍速いという。
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波長13.5nmのEUV(Extreme Ultra Violet)リソグラフィでもダブルパターニングが導入され始めた。ただし、解像度が30nmまでしか得られないため、位置合わせが難しい。Applied Materialsは、最小のパターン幅を安定に形成するパターンシェイピング技術を導入する装置「Centura Sculpta」を開発した。これを使えばダブルパターニングと同等な寸法を安定に形成できる。
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プロセスノード2nm以降の次世代半導体チップ製造に欠かせない、計算機リソグラフィ(Computational Lithography)のエコシステムをTSMCとNvidia、ASML、Synopsysが設立した。3nmノードの実チップ上での最小寸法が13nm台までやってきて、波長13.5nmのEUVリソでもOPC(光近接効果補正)の導入が欠かせなくなってきた。計算機リソはそのための技術である。
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プリント基板だけではなく、テフロンなどの基板にも密着性の良い配線を形成できる技術を岩手大学が開発、高周波特性の優れた回路を容易に形成できるようになる。岩手大のi-SBと呼ばれる技術は、分子接合材を用いる異種材料接合技術である。産業界もすでに着目し始め、実用化に向けたエコシステムの構築中だ。この技術を普及させるためのプラットフォームを今秋には構築する計画で進めている。
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半導体工場の脱炭素化が求められるようになってきたが、ベルギーの研究開発会社であるimecは、リソグラフィとエッチング工程における環境負荷を定量的に評価するシミュレーションを発表した。半導体プロセスの環境評価によりCO2削減への対策を打つことができる。まずはリソとエッチング工程でEUVの優位性が示された。
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AIチップならFPGAが向いている。こういった考えでAI(機械学習)プラットフォームを作り、さまざまな分野に応用するため起業した東京工業大学発のスタートアップがいる。Tokyo Artisan Intelligence(TAI)社だ。漁の養殖場での尾数計測作業を自動化し、鉄道のレール検査などにもAIを活用し、POC(実証実験)を終えたところにいる。
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高耐圧のパワー半導体には、物質特性としてSiよりも絶縁耐圧の高いSiCやGaNの方が有利だ。しかしながらSiCでは1200Vの耐圧を得られるが、高価でなかなか普及しない。GaNの横型HEMTトランジスタは650V程度しか耐圧が得られない。こんな常識がSi、SiC、GaNのパワー半導体でこれまでまかり通っていた。
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先端パッケージ技術が次世代の高集積化技術として注目されている。チップレットや3次元ICのパッケージングでは、これまでとは異なる技術が求められる。研究開発向け半導体チップのパッケージングを手掛けるコネクテックジャパンがインプリント法で10µmピッチの電極を形成する技術や、80°Cで半田バンプをチップ接続する技術で受注を獲得し続けている(図1)。
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STMicroelectronicsが自動車仕様にPCM(相変化メモリ)を集積したマイクロコントローラ(MCU)Stellarファミリを東京ビッグサイトで開催されたオートモーティブワールド2023で展示した。Intel/Micron連合がPCMを利用したX-Point Memoryの事業を断念したのとは対照的だ。STの狙うのはあくまでも160°Cのような高温でも使えるPCMを開発、車載コンピュータへの応用だ。なぜか。
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