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2024年最新のOSATトップテンランキング

最新2024年のOSAT(半導体後工程専門の請負サービス業者)ランキングが発表された。トップはASE、2位Amkorとこれまでとさほど変わっていないものの、中国勢の伸びが著しい。中国トップのJCETは前年比(YoY)で19.3%増となり、ASEの同0.7%減、Amkorの同2.8%減と比べると成長が著しい。OSAT10社全体ではYoY3%増の415.6億ドルになった。

図1 2024年のOSATトプテンランキング 出典:TrendForce

図1 2024年のOSATトプテンランキング 出典:TrendForce


トップの台湾ASEは、2023年の46%の市場シェアから45%にわずかながら減らしたものの、売り上げは185.4億ドルとなった。ASEのようなOSATはパッケージ組立後のテストも行っているが、大手顧客の中には自分でテストする所も現れているという。第2位の米Amkorも売り上げを2.8%落とし63.2億ドルの売上額になった。主に自動車分野の在庫調整と世界的なクルマの販売減少によるという。

OSATには台湾と中国の企業が多い。3位のJCETと4位のTFME、6位のTSHT、7位Wise Roadは中国企業、5位のPTI、9位KYEC、10位のChipMOSは台湾企業、8位の Hana Micronは韓国企業である。

JCETは2023年末に半導体の在庫が改善し民生用の需要が立ち上がったことで潤った。特にAI PCの立ち上げとミッドレンジのスマートフォンによって成長した。4位のTFME (TongFu Microelectronics)は通信と民生の需要がリバウンドし、AMDからの強い需要があった。

5位のPTI(Power Technology、Inc.)はYoY1%増のメモリパッケージとテストのリバウンドがなく、22.8億ドルに留まった。しかし先端パッケージへ移行時期でもあるとしている。

6位のTSHT(HT-Tech)が10社の中で最も大きな成長率を示し、YoY26%の20.1億ドルの売上額だった。ローエンドやミッドレンジのパッケージングだけではなく、ハイエンドの先端パッケージにも投資しAIやHPC、自動車エレクトロニクス、メモリ分野にも注力した。次に大きいな成長を示した8位のHana Micronはメモリ顧客からの強い支持を得て、YoY23.7%増の9.2億ドルの売上額となった。

TrendForceによると、OSATプロバイダはヘテロ半導体集積やWLP(ウェーハレベルパッケージ)、さらに3D-ICのようなダイスタッキングなど技術的に厳しい要求や、先端的なテスター、高周波、高集積パッケージなどの採用に直面しているという。特にAIやエッジコンピューティングなどの要求によるもので、後工程も従来のような変化の少ない分野から急激に新しい技術へと変わってきている。OSAT分野では新規参入者やその順位など今後大きく変わることが予想される。

(2025/05/14)
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