キオクシア、AIデータセンターで売上額過去最高の25年10〜12月期決算
先週、2025年度(FY)第3四半期(3Q:2025年10〜12月期)キオクシアの決算が発表され、売上額が過去最高の5436億円、営業利益率は27%という好調な結果だった。AIデータセンター向けのSSD(半導体ディスク)が好調だった。また、中国が着々と国内のサプライチェーンを構築しつつあることが2月10日から4回に渡って連載されている。
図1 キオクシアのFY2025Q3期は過去最高の売上額 次四半期はさらに更新する見通し 出典:キオクシアホールディングス
キオクシアの売上額をけん引したのはSSDおよびデータストレージ部門であり、全売上額の55%を占めた。前年同期比(YoY)では7.8%増にすぎない3004億円だが、前四半期比(QoQ)では22.8%増と急速に上昇している。データセンターおよび企業向けが約6割、PC向けが約4割という。スマートフォンやタブレット、テレビなどの民生機器を含むスマートデバイス部門も好調で全売上額の34%を占め、YoYが59.1%増、QoQでも18.4%増となっている。第8世代のBiCS Flash製品への意向が3Qも続き奏功したという。SDメモリカードやUSBメモリなどのその他は同10%で、YoY5.2%増、QoQは22.5%増となっている。
キオクシアの2025カレンダー年での売上額は、1〜3月3471億円、4〜6月3428億円を底に、7〜9月4483億円、10〜12月5436億円と急速に回復を示している。2025年全体では、これらの合計の1兆6818億円となる。
次の四半期となるFY2025Q4の見通しは8450〜9350億円と見ており、1年前のFY2024Q4が3471億円だったから、YoYでは2.43倍〜2.69倍の伸びとなる。半導体製造ではウェーハ投入枚数と出荷時期、売上げの入金、という過程がほぼ見える形であるため、見通しが大きく崩れることはない。2025年度通期では2兆1798億円〜2兆2698億円が見込まれる。前年度の売上額が1兆7065億円だったため、その成長率は27.7%〜33.0%になる。
同社の成長を支えるデータセンター/企業向け製品需要は、大幅に増加しており、需要が供給を超える状況が当面続くと見ている。
AIの演算では、学習・推論過程の間ではHBM(高バンド幅メモリ)のようなDRAMを使い、NANDフラッシュはデータを貯めるだけで、DRAMのような一時記憶とは違う用途と見られていた。学習されたデータを貯めるのはNANDフラッシュを搭載したSSDであるが、生成AIでは学習前後のチューニングやRAG(検索拡張生成)などの調整に学習されたデータをすぐ使うことが多い。同じストレージでもHDD(ハードディスク装置)だとアクセス速度が遅いためSSDが強く求められている。
日経の特集「中国半導体自立自強の道」によると、中国の半導体産業は、ファウンドリのSMIC、NANDフラッシュのYMTC、DRAMのCXMTというビッグ3社がおり、それらに設計ツールと製造装置を提供する企業も育ってきている。一方で、人材の引き抜き合戦も活発でいわゆる産業スパイが暗躍、また海外で高度な半導体製造経験を積んできたエンジニアをエキスパートとして認定し、個人を優遇する制度もあるという。
この特集では、NvidiaのGPU「H20」を巡り、中国政府が輸入禁止した背景も描かれている。当初、米国バイデン政府はH20の輸出を認めており、そのハイエンド品H200の輸出を禁止していたが、トランプ政権はH200の輸出もOKとした。しかし中国政府がH200/H20の輸入を禁止した。この特集では、中国当局が米国政府との意地の張り合いで禁止しただけにすぎなかったことが描かれている。中国国内のAIモデル開発者はH200の輸入を強く望んでいた。ただ、中国側はすでにH200の次のBlackwellも手に入れた可能性があるという。


