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パワー半導体メーカー売上高ランキング、トップ20に日本企業5社

フランスのMore-than-Moore中心の半導体市場調査会社であるYole Groupが、2025年世界パワー半導体メーカー売上高ランキング・トップ20を発表した(参考資料1)。これら20社を国・地域別でみると米国6社、日本5社、中国5社、欧州4社となる。首位は独Infineon Technologies(以下、Infineon)で、Si、SiC、GaNを幅広く展開する製品ポートフォリオを背景に圧倒的な強みを発揮しており、2位以下を大きく引き離す規模となっている。2位は米onsemi、3位は欧STMicroelectronics(以下、ST)と、トップ3を欧米勢が占めている。

Top 20 Power Device Manufacturers' Revenue / YOLE Group

図1:2025年世界パワー半導体メーカー売上高ランキング・トップ20:各社のパワーデバイス・カテゴリー別内訳(赤=シリコンMOSFET、黄=シリコンIGBT、緑=SiC、青=その他のパワー半導体) 出典:YOLE Group


日本のパワー半導体メーカーが束になってもInfineonにかなわない

2025年のパワー半導体メーカートップ20で、日本勢は4位に三菱電機、5位に富士電機、6位に東芝が並んだほか、8位にローム、14位にルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)がランクインしている。

ランキングをデバイス別売り上げ構成で見ると、三菱電機や富士電機はSi IGBTの売り上げ比率が圧倒的だ。IGBT売り上げだけで比較すると、三菱電機はInfineonに次ぐ2位、富士電機は3位に位置していることが分かる。東芝はSi MOSFETでInfineon、onsemiに次ぐ3位となっていて、IGBTも一定の規模を展開している。ロームは日本勢の中でSiCの売り上げが最も大きく、SiC事業への積極投資を反映する結果となっている。しかし、これら日本勢5社の売上高を合計しても、あるいは、ランク外のサンケン電気など、残りの中小パワー半導体メーカーの売上高を加えても、首位のInfineonの売上高に達しない。


猛攻する中国勢の存在感が高まっている

中国勢は9位にChina Resources Microelectronics、10位にSilan Microelectronics、11位に中国Wingtech Technology傘下のNexperia、13位にBYD、20位にCRRCがランクインしている。中国勢は、順位は高くないが、中国内の需要を後押しにSiCウェーハ、電気自動車(EV)向けパワーエレクトロニクス、産業用パワーモジュールなどの分野でシェアを拡大させており、今後も新興企業がランキング上位にエントリしてくる可能性がある。Yoleのパワー半導体アナリストも、パワーエレクトロニクスのバリューチェーン全体における中国企業が存在感を高めている点が注目されるとしている。


パワー半導体市場は年平均7%で成長して2031年に413億ドルに

世界のパワー半導体市場は、2025年から2031年にかけて年平均成長率(CAGR)7.1%で成長し、2031年には413億ドル規模に達することが予想されるという。中でもEVがもっとも成長が期待されており、2025年のシェア25%から2031年には32%まで拡大することが見込まれている。特に、SiCおよびGaNデバイスは市場を拡大しており、自動車、再生可能エネルギー、AIデータセンターなどが高電圧化をけん引する形で、2031年までに合わせてパワー半導体市場全体の31%のシェアを獲得すると予測されている。


日本のパワー半導体業界未だ再編ならず

ますますシェアを伸ばす欧米勢と猛追してくる中国勢の板挟み状態にある日本勢は、束にならなければ生き残れない。デンソーによる買収を嫌ったロームは、東芝や三菱電機に声をかけ、2026年3月27日、3社による事業統合および経営統合に関する協議開始に向けて基本合意書を締結した(参考資料2)。しかし、赤字会社のロームが主導権を握るのは困難だったようで、最近は日の丸パワー半導体業界トップの三菱電機が主導権を握ろうとしている。各社の事務方同士の話し合いではらちが明かないようで、三菱の漆間社長自らが陣頭指揮して強引に統合を進めようとしている。しかし、プライドの高い同床異夢3社の話し合いは未だにまとまらない。

実は、これら3社は企業統合するわけではないようだ。各社の「パワー半導体事業」だけを切り出して新会社を設立するというが、各社がどの範囲の事業まで新会社に出すか話がまとまらぬようである。ロジック半導体各社が不要技術しか持ち寄らなかったために成果があげられずに終わったASPLA(2002年〜2005年に経産省が主導した 半導体国家プロジェクト)や日の丸半導体産業凋落のデジャブを感じてしまうのは著者だけだろうか(参考資料3)。危機感とスピード感がなければ生き残れそうにはない。

参考資料
1. “Power electronics at a turning point”, Yole Group プレスリリース、(2026/07/06)
2. 服部毅、「日の丸パワー半導体業界の再編本格化するも勝ち残るのは厳しい現実」、セミコンポータル、(2026/04/07)
3. 伊藤元昭、「強いはずの日本のパワー半導体に感じる凋落のデジャブ」、週刊エコノミストonline、(2022/01/24)

Hattori Consulting International代表/国際技術ジャーナリスト 服部 毅
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