半導体製造装置の納期が間に合わないという大パニック〜大手サプライヤの納期は1年以上〜
とんでもない半導体ブームが到来している。昨年の世界半導体市場は約120兆円であったと目されるが、2026年は何と倍増の240兆円というミラクル成長を遂げると言われている。筆者は、40年以上にわたり半導体記者生活を続けているが、こんなにもすごい半導体の成長を見たことがない。まさにミラクルといって良いだろう。
ここにきて、外資系半導体メーカーの決算が軒並み発表されているが、これまた凄まじいことになっている。Intelの2026年2Q(第2四半期)の売上は前年比25%増の161.3億ドルとなり、市場予想144.2億ドルを大きく上回った。何といってもAIデータセンターへのCPU需要が一気に増えてきたからだ。TIの2Q売上も絶好調である。前年比23%増の54.6億ドルを達成しており、データセンター、自動車、産業機器など幅広い分野で拡大している。
こうした半導体デバイス業界の活況に煽られる形で半導体製造装置メーカーも増産に次ぐ増産を強いられている。東京エレクトロン、Applied Materials、ASML、Lam Researchなど大手半導体装置メーカーの納期はこれまでの半年から一年以上と長期化している。また、後工程装置メーカーについても納期は1.5倍に長期化している。
筆者は先ごろ、半導体工場の張り付きで活況となっている熊本エリアを訪れた。東京エレクトロン九州も出荷台数は倍増を迫られており、フルフル稼働になっている。これを支える周辺の中小企業についてもすごい事になっている。熊本のある中小企業の社長はため息をついてこう言うのだ。
「それは私だって経営者として残業を増やしたくはないです。でも、どうにもならないのです。納期は遅れるばかりであり、休暇も取れない状況なのです。従業員に過重労働を強いているわけですが、彼らは体を張って頑張っている。頭が下がりますよ。」
まさに半導体製造装置のサプライチェーンが深刻なボトルネックに陥っているのであるが、これは決して一時的な事ではない。TSMC、Micron Technologyなど世界のトップをいく半導体企業が設備投資を大幅に上方修正しており、この装置不足はかなり長期間にわたると推測されている。SEMIは、世界の半導体製造装置販売額が5年連続で過去最高を更新すると予測している。空前絶後の一大半導体ブームが巻き起こしている大旋風は、装置メーカーに莫大な利益とそれに伴う負荷をもたらしている、と言えるだろう。


