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AI需要増大&先行き不透明の渦中、市況実態、増産の備え、当面の対応

AI(人工知能)が引っ張る需要増大による、かつてない異次元の半導体市場の伸び関連に引き続き注目させられている。特に代表的にあらわされるメモリ半導体であるが、高帯域メモリ(HBM)はじめ先端のAI向け仕様への生産対応重点化から、従来世代製品の供給が不足するとともに、価格の非常に大幅な上昇の事態が続いている。その反動として、パソコンやスマホの本年の出荷数量伸び率の減少が予測されている。このような市況を受けて、メモリ半導体市場を引っ張る韓国では、SamsungおよびSK Hynixの非常に大規模な新工場建設による増産計画が打ち上げられている。先行き不透明の気分を孕む中、今後に向けた各社のそれぞれに戦略的な取り組みがあらわされている。

≪いっそう目が離せない展開&推移≫

現下のAIが引っ張る市況の実態について、大まかな項目分類で示している。

[メモリの不足&価格高騰]

◇The memory shortage shaking Apple and Microsoft is ‘existential crisis’ for smaller players (6月27日付け CNBC)
→1)*AppleとMicrosoftは今週、主要製品の価格引き上げを発表した。これは、高騰するメモリの調達コストの一部を消費者に転嫁するためである。
  *一方、小規模な電子機器メーカーにはそのような余裕はなく、必要な部品の確保や、事業存続を脅かすほどのコスト増への対応に追われ、破綻の危機に直面している。
  *IDCのアナリスト、Nabila Popal氏は、「メモリ供給業者は大手企業の要求にしか応じないため、小規模メーカーはメモリを調達できないであろう」と指摘している。
 2)メモリチップの不足とDRAM価格の高騰により、Mono Technologiesをはじめとする電子機器メーカーは生産計画の見直しを余儀なくされている。コストは最大260%も急騰している。AppleやMicrosoftといった巨大企業が価格を引き上げる一方で、小規模な企業は利益率の圧迫や納期の遅延、さらには事業存続に関わるリスクに直面している。

◇DRAMの旧世代品、スポット価格7倍 メモリー大手「AIシフト」で品薄 (6月29日付け 日経 電子版 16:57)
→半導体メモリー「DRAM」で旧世代モデルの価格が急騰している。大口向け(4〜6月期)は前四半期から最大で2倍に上昇。スポット(随時契約)も1年間で7倍強になった。メモリー各社がAIなど向けの先端モデルに生産をシフトする中、急速に品薄感が強まっている。

◇旧世代メモリー急騰、大口価格2倍に AIシフトで品薄感 (6月30日付け 日経)
→「DRAM」で旧世代モデルの価格が急騰している。大口向け(4〜6月期)は前四半期から最大で2倍に上昇。スポット(随時契約)も1年間で7倍強になった。メモリー各社がAIなど向けの先端モデルに生産をシフトする中、急速に品薄感が強まっている。

[当面の市場予測]

◇SEMI Projects 300mm Memory Equipment Investment to Surpass $50 Billion in 2026―AI-driven Demand for HBM, DDR5 and Data Storage Lifts Memory Investment Outlook, With Spending Projected to Approach $80 Billion by 2029 (6月29日付け SEMI)
→SEMIは、AI需要の急増を背景に、2026年には世界の300mmメモリ・ファブ装置への投資額が初めて$50 Billionを超えると予測している。DRAM、HBM、およびDDR5技術への旺盛な投資が、2027年にかけて継続的な成長を後押しすると見込まれている。

◇SEMI Projects 300mm Memory Equipment Investment to Surpass $50 Billion in 2026 (6月29日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)
→SEMIは本日発表した最新の「300mm Fab Outlook(300mmファブ見通し)」において、世界のメモリ分野における300mmファブ装置への投資額が、2026年に初めて$50 billionを突破し、前年比29%増の$52 billionに達するとの予測を明らかにした。さらに2027年には11%増の$57 billionへと拡大する見込みである。こうした成長は、AIインフラ、データセンター、および次世代コンピューティングシステムへの投資拡大に支えられ、先端メモリに対するAI主導の需要が継続していることを反映している。

◇半導体装置の26年度販売見通し、1兆円上方修正 半年間で大幅上振れ (7月2日付け 日経 電子版 18:15)
→日本半導体製造装置協会(SEAJ)は2日、2026年度の装置販売額が前年度比26%増の6兆5502億円になるとの予測を発表した。1月時点の予想を1兆498億円(19%)上方修正した。先端半導体の需要増加で投資規模が拡大する。

[世界市況]

◇世界株高、韓台日がけん引 メモリー高騰でキオクシアは株価5倍―Quarterly Review 2026年4〜6月(上) (6月30日付け 日経 電子版 02:00)
→2026年4〜6月の世界の株式市場ではAI・半導体関連銘柄が主役の座に復活した。上昇が目立つのは韓国、台湾、日本のデータセンター向けメモリー半導体関連だ。債券価格に比べてなお上昇余地があるとの見方もある。
 世界の主要株価指数の上昇率トップ3を東アジアが独占した。29日時点で韓国総合株価指数(KOSPI)が66%、台湾加権指数が42%、日経平均株価が36%上昇した。

[売上げ伸び率]

◇台湾IT19社、5月38%増収 AIサーバー量産が寄与 (6月30日付け 日経)
→半導体やデジタル製品を供給する台湾主要19社の2026年5月の合計売上高は前年同月比38.4%増えた。3月以降、2兆台湾ドル(約10兆円)超の高水準が続く。米エヌビディアのAI向け次世代サーバーの量産が本格的に立ち上がり、需要を押し上げている。

[パソコン&スマホ関連]

◇Global notebook exports to fall amid rising prices: expert (7月2日付け Taipei Times)
 →1)TrendForceは、部品コストの上昇に伴う価格引き上げや消費者による買い替え需要の減退を背景に、今年のノートPCの世界出荷台数が13.6%減少すると予測している。Appleは比較的底堅い動きを見せているが、MacBookの価格引き上げが出荷台数の伸びを鈍化させ、市場全体の成長にさらなる下押し圧力をかける可能性がある。
  2)TrendForceは、部品コストの上昇に伴う価格高騰と消費者需要の減退により、今年のノートPCの世界出荷台数が13.6%減少すると予測している。法人・教育市場向けの販売は堅調に推移しているものの、価格上昇が買い替えサイクルを鈍化させる可能性がある。そうした中、MacBookの成長は鈍化する見通しであるが、Appleは競合他社を上回る業績を維持すると予想されている。

◇パソコン出荷台数11%減、5月、前年の買い替え反動で (7月3日付け 日経MJ(流通新聞))
→電子情報技術産業協会(JEITA)は5月の国内のパソコン出荷台数が前年同月比11・4%減の50万1000台だったと発表した。
 メモリー価格上昇などによる単価上昇で、ノートPCの出荷金額は前年同月から2・4%増えた。

◇スマホに値上げ圧力 メモリー価格急騰、NVIDIAのAIサーバーで逼迫 (7月4日付け 日経 電子版 05:00)
→米エヌビディアが開発しているAIサーバーの影響で、スマホの本体価格に上昇圧力がかかっている。スマホで使われるのと同種のメモリーがサーバーで採用されることとなり、急激な品不足が起こっているためだ。
 値上がりしているのは短期記憶用のDRAMのひとつ「LPDDR5」。消費電力が少なく、スマホやパソコンなどに使われる。

次に、このような市況に備えて、主として韓国における大規模な増産の動き関連が以下の通りである。中に一つ、光通信の半導体材料生産の引き上げも含まれている。

◇Samsung, SK Hynix plan AI spending push: report (6月27日付け Taipei Times)
→サムスン電子とSKハイニックスは、韓国大統領との会談に際し、半導体、AIデータセンター、および物理AI(フィジカルAI)分野の事業拡大に向けた大規模な新規投資計画を発表する予定である。これには、サムスンが今後10年間で$646 billionを投じると報じられている投資計画も含まれる。

◇South Korea says Samsung and SK Hynix investing in AI, semiconductor mega-projects (6月29日付け CNBC)
→1)*韓国政府がAIおよび半導体分野における大規模なプロジェクト計画を発表した後、月曜29日の株式市場ではサムスン電子とSKハイニックスの株価が下落した。
  *これら半導体大手2社は、総額800兆ウォン($517.87 billion)規模のプロジェクトの一環として、同国南西部に新たな半導体製造工場を2カ所建設する予定である。
  *同国のリーダーシップを強化するため、大規模な投資と新たな生産能力の増強を通じた計画が発表された。
 2)韓国が数千億ドル規模に及ぶAIおよび半導体プロジェクトを発表した後、サムスン電子とSKハイニックスの株価は下落した。この計画には、世界の技術分野における同国の主導的地位を強化すべく、4つの新たな半導体工場の建設、AIインフラの拡充、そして生産の加速などが盛り込まれている。

◇韓国サムスン・SK、半導体に83兆円の巨額投資 4工場を新設 (6月29日付け 日経 電子版 19:03)
→韓国半導体大手のサムスン電子とSKハイニックスは29日、国内に半導体工場を計4工場建設すると発表した。投資額は計800兆ウォン(約83兆円)にのぼる。AI普及に伴う需要増が続くなかで大型投資に踏み切る。29日に韓国政府が「大韓民国大飛躍3大メガプロジェクト」と題して発表した。

◇[News] Samsung, SK hynix 800 Trillion Won Expansion Strains Chipmaking Tool Supply, Potentially Pressures TSMC, Intel (6月30日付け TrendForce)
→サムスンとSKハイニックスが計画する800兆ウォン規模の半導体生産能力拡大により、半導体製造に不可欠な装置の世界的な供給が逼迫すると予想される。これにより、最先端の製造装置を巡る競争が激化し、次世代プロセス技術の導入を進めるTSMCやインテルにとって、生産上の課題が生じる可能性がある。

◇SK、韓国中部にNAND工場を新設 8兆円投じ29年稼働 (7月2日付け 日経 電子版 17:55)
→韓国半導体大手SKハイニックスは2日、80兆ウォン(約8兆円)を投じて長期記憶用のNAND型フラッシュメモリーの工場を新設すると発表した。2029年上半期に稼働する。AIの普及に伴い、NANDの需給が逼迫している。
 韓国中部の清州市内で27年に着工する。22年ごろから新設計画が浮上していたものの、市況悪化などで見送られてきた。

◇住友電工、光通信の半導体材料生産3倍 AI需要で従来計画引き上げ (7月2日付け 日経 電子版 17:49)
→住友電気工業は光通信部品に使う半導体材料を増産する。180億円を投じ2028年度までに生産能力を24年度比で3.1倍に増やす。従来よりも増産幅を引き上げた。AIの普及で、データセンター内の光通信部品の需要増に応える。
 増産するのは「インジウムリン基板」という半導体材料。伊丹製作所(兵庫県伊丹市)の既存設備を増強する。

◇SK hynix Plans $713B Domestic Investment (7月3日付け EE Times)
→*SKハイニックスは、韓国国内での半導体生産能力を拡大するために$713 billionを投資するほか、ナスダックへの上場も計画している。
 *同社はHBM4Eのサンプル出荷を開始し、$29 billion規模のナスダック上場を計画している。
 *韓国のメモリ半導体メーカーであるSKハイニックスは、国内の生産能力を拡大するため、1,100兆ウォン(約$713 billion)規模の中長期投資計画を発表した。この事業拡大の資金を調達するため、同社は米国ナスダック市場への上場を計画している。

このような市況に向けて、今後如何に立ち向かうか。各社の当面の対応が以下それぞれにあらわされている。Appleについては、以下に続く≪市場実態PickUp≫でも取り上げている。

[Lenovo]

◇[News] Lenovo Reportedly Sees Higher Memory Prices Becoming the New Normal Into 2030 (6月26日付け TrendForce)
→Lenovoは、AI需要が引き続き供給を上回る状況が続くため、DRAMやNAND型フラッシュメモリの高止まりした価格が2030年まで業界の標準であり続けると予測している。同社は、こうした部品コストの上昇が、今後数年にわたりPCやデバイスの価格に圧力をかけ続けるとの見解を示している。

[Apple]

◇Apple Being Forced To Drop 2nm Process After Just Two Generations Because Of AI, As Race To Secure 1.4nm Supply Takes Paramount Importance―Apple eyes 1.4nm chips amid AI-driven supply challenges (6月28日付け Wccftech)
→AI需要に伴う3nmおよび2nmチップの需要拡大により、TSMCで供給制約が生じていることを受け、Appleは2028年までに1.4nmチップへ移行する計画を立てている。1.4nmチップへの移行には多額のコストがかかるが、iPhoneの出荷台数が増加し続ける中、Appleは供給を確保し、不足事態を回避することを目指している。

◇Appleが中国からメモリー調達検討、半導体株下落 サンディスク14%安 (7月3日付け 日経 電子版 06:03)
→米アップルが中国2社からメモリー半導体を調達するとの観測が2日、半導体関連株の売りを招いた。既存サプライヤーの優位が揺らぐとの見方から日韓に続き、米国市場でも株価下落を招いた。半導体受注の情報で相場が一喜一憂する展開が続いている。

[Micron]

◇Micron CEO: Customers driving hard bargain on price contributed to memory shortage (6月30日付け CNBC)
→1)*マイクロン社のSanjay Mehrotra(サンジェイ・メロートラ)CEOは、長年にわたる顧客からの厳しい価格圧力と投資不足が、AI需要の急増直前におけるメモリー業界の投資不足を招き、現在のチップ市場における供給不足の一因となったと述べた。
  *業界の低迷期にあってもマイクロンは製造や技術への投資を継続してきた。メロートラ氏は、メモリーの供給逼迫が2027年以降も続くと予想される中、この戦略こそが同社をAIブームの恩恵を享受できる立場に置いたと語っている。
 2)マイクロン社のサンジェイ・メロートラCEOは、顧客からの厳しい価格要求と長年の投資不足が、AI需要に起因する現在のメモリーチップ不足を悪化させたと指摘した。同社は急増する需要に対応するため$200 billionを投じて製造能力を拡大する計画であるが、メロートラ氏は供給の制約が2027年以降も続くと見込んでいる。

◇米マイクロン、広島で最先端メモリー生産へ 1.5兆円投資で新棟起工 (7月4日付け 日経 電子版 17:00)
→半導体大手の米マイクロン・テクノロジーは4日、広島県の工場で新製造棟の起工式を開いた。AI向けの次世代メモリーの量産に1兆5000億円を投じる。先端半導体を巡る国内のサプライチェーン強化につながる。
 「メモリー需要はこれまでにないほど増加している」。マイクロンのサンジェイ・メロートラCEOは起工式で強調した。

[Samsung]

◇[News] Samsung Reportedly Restarts 1.4nm Push, Targets 2029 Mass Production to Close Gap with TSMC, Intel (6月30日付け TrendForce)
→サムスンは、当初の計画を延期していた1.4nmファウンドリプロセスの開発を再開し、2029年の量産開始を目指していると報じられている。この戦略は2nmプロセスの製造能力強化を優先しつつ、先端チップの生産においてTSMCやインテルとより激しく競い合える体制を整えることを狙いとしている。

[ASE]

◇[News] ASE Reportedly Raises Advanced Packaging Quotes by More Than 20% in Latest AI-Driven Price Hike (7月1日付け TrendForce)
→AI需要の拡大、原材料費の高騰、そして巨額の設備投資に伴う生産能力の逼迫を受け、ASEが先端パッケージングの価格を20%以上引き上げたと報じられている。今回の価格改定はCoWoSやFoCoSといった主要技術を対象としており、大手チップ顧客のコスト増につながっている。

[台湾シリコンウェーハサプライヤ]

◇Taiwan silicon wafer suppliers signal further price hikes (7月1日付け Taiwan News)
→1)レガシー・ノード(成熟プロセス)における供給逼迫と稼働率の着実な回復が、6インチから12インチ・ウェハの価格堅調さを支えている。
 2)台湾の主要シリコンウェハ・サプライヤーは、AI需要の拡大、レガシー・ノードでの稼働率向上、そしてレガシー向けウェハの生産能力縮小による供給逼迫を背景に、下半期もさらなる価格上昇を見込んでいる。受注の増加や継続的な価格交渉の動きは、半導体サプライチェーン全体における緩やかな回復を示唆している。
 3)台湾の主要シリコンウェハー供給各社は、AI関連需要の拡大、稼働率の上昇、そしてレガシー(旧世代)ウェハーの生産能力縮小による供給逼迫を受け、下半期に向けたさらなる価格引き上げの準備を進めている。
 成熟世代向け半導体市場の回復や継続中の価格交渉が、半導体サプライチェーンの勢いを維持すると見込まれている。

[キオクシア]

◇キオクシア、次世代メモリー出荷開始 韓中勢と競合「技術優位は1年」―ビジネスTODAY (7月3日付け 日経 電子版 17:00)
→キオクシアホールディングスは3日、北上工場(岩手県北上市)で半導体メモリーの次世代品の出荷を始めたと発表した。データ処理性能では競合との技術差は縮小しており、次世代品で韓国や中国の競合を引き離そうとしている。
 同日、北上工場で開いた第2製造棟の式典で太田裕雄社長は「AI向け需要が非常に強くなっている。市場の成長に応えていく」と強調した。

半導体市況、そして各社の対応、と当面目が離せないところである。


激動の世界の概況について、以下日々の政治経済の動きの記事からの抽出であり、発信日で示している。

□6月29日(月)

中国の我が国に対する厳しいスタンス事例がこのところ目立つとともに、台湾に対する変わらぬ立ち位置が改めて以下に続いている。

◇「日本は軍国主義」中国の宣伝、友好国に浸透 パキスタンなどが声明―「新型軍国主義」中国が外交の場で提起 (日経 電子版 11:00)
→中国による高市早苗政権の「新型軍国主義」批判が同国の友好国に広がりつつある。対米国で共闘するロシアや北朝鮮だけでなく、パキスタンやバングラデシュといった国も呼応した。日本とこうした国との外交関係に影響が及びかねない。
 首相の台湾有事を巡る国会答弁をきっかけに日中が対立した2025年11月以降、中国は対日圧力を強めてきた。

◇中国、軍民両用品の対日輸出禁止第2弾 三菱電機系や日鋼特機など (日経 電子版 11:58)
→中国商務省は29日、防衛研究所など日本の20企業・団体を輸出規制の対象リストに加えたと発表した。輸出管理法などに基づき軍民両用(デュアルユース)品の輸出を禁止する。同日から適用した。2月に三菱造船などを対象にした措置の第2弾にあたる。対象は計40社となった。

□6月30日(火)

◇NYダウは反発し最高値更新、初の5万2000ドル台 テック株に買い (日経 電子版 06:11)
→29日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発した。終値は前週末比306ドル63セント(0.59%)高の5万2182ドル74セントと約2週間ぶりに最高値を更新した。終値で初めて5万2000ドル台に乗せた。テック株を買い直す動きが広がった。
 AI投資の収益性を巡る懸念などからAI関連株や半導体関連株に売りが目立ち、テック株比率が高いナスダック総合株価指数は前週に4.6%下落していた。

□7月1日(水)

◇NYダウ続伸、連日の最高値 巨大テック株に見直し買い (日経 電子版 06:10)
→6月30日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸した。終値は前日比136ドル46セント(0.26%)高の5万2319ドル20セントと連日で最高値を更新した。AI・半導体関連株を中心に買いが優勢だった。
 AIインフラへの投資拡大で恩恵を受けるキャタピラーやエヌビディアなどが買われた。ダウ平均の構成銘柄ではないが、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)やインテルといった半導体株、KLAなどの半導体製造装置株への買いも目立った。

◇習近平氏「台湾統一を断固推進」 中国共産党創立105年で演説 (日経 電子版 14:37)
→中国共産党は1日、創立105年の記念式典を北京の人民大会堂で開いた。習近平国家主席は演説で台湾問題に言及し「祖国統一の大業を断固として推進する」と強調した。
 式典には習氏を含め計7人いる中央政治局常務委員メンバーが全員出席した。習氏は「全党を挙げて社会主義現代化強国と中華民族の偉大な復興という壮大な目標に向かって前進する」と掲げた。

□7月2日(木)

◇NYダウ小反落、13ドル安 AIや半導体関連株に売り (日経 電子版 05:33)
→1日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに小幅反落した。終値は前日比13ドル96セント安の5万2305ドル24セント(速報値)だった。AIや半導体の関連株が大幅安となり、投資家心理の重荷となった。一方、米連邦準備理事会(FRB)の早期利上げ観測が後退したことは相場を支えた。
 ダウ平均の構成銘柄ではないが、マイクロン・テクノロジーやインテルなど半導体株が大幅安となった。年前半に急騰していたAI関連や半導体株に持ち高調整や利益確定目的の売りが広がった。

□7月3日(金)

◇NYダウ反発594ドル高、最高値更新 半導体安でナスダック総合は続落 (日経 電子版 05:22)
→2日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、終値は前日比594ドル83セント(1.13%)高の5万2900ドル07セントだった。2日ぶりに最高値を更新した。6月の米雇用統計を受け、FRBの早期利上げ観測が後退。消費関連や景気敏感などを中心に主力株への買いが優勢となった。

□7月4日(土)

米国は、7月4日は独立記念日、建国250年を迎えての以下の論調である。
7月3日が振替休日となっている。

◇米建国250年のひずみ 分断と成長の歴史、矛盾抱える超大国―3Graphics (日経 電子版 16:00)
→米国が7月4日、独立宣言による建国から250年の節目を迎えた。資源に恵まれた広大な国土に新天地での成功を夢見る移民が流れ込み、様々な矛盾を抱えながらも絶え間ないイノベーションで世界に君臨する超大国へ駆け上がった。その歩みを「分断」と「成長」のキーワードで振り返る。深刻な分断が懸念される米国だが、これは近年の現象にとどまらない。


≪市場実態PickUp≫

【Nvidia関連】

技術面、米国政府そしてスタートアップと、それぞれに取り組みの構築が示される以下の内容である。

◇Reports: Nvidia shifts Rubin Ultra GPU to dual-die design (6月30日付け Tom's Hardware)
→SemiAnalysisの報道によると、Nvidiaは製造上の問題により、当初2027年に予定していたquad-die構成の「Rubin Ultra」GPUの開発を中止したとのこと。同社は代わりにdual-die構成を採用する計画であるが、この構成は製造が容易である一方、AMDの「Instinct MI500」シリーズに対する競争力が低下する可能性がある。なお、Rubin UltraにはHBM4Eメモリが採用され、Nvidiaの液冷式rack-scaleシステム「Kyber」の一部として展開される予定である。

◇パランティア、NVIDIAと米政府向け特注のAI開発、安全保障に活用 (6月30日付け 日経 電子版 03:16)
→データ分析プラットフォームの米Palantir Technologiesと米エヌビディアは29日、米国政府向けのAI開発で提携すると発表した。国家安全保障など機密性の高い分野で、AIの活用を後押しする。
 パランティアがエヌビディアのAIモデルを活用し、米政府向けの最先端の特注AIモデルを開発する。

◇Nvidia offers start-up customers chance to swap compute power for revenue share―Nvidia, AI startups join revenue-sharing program (7月2日付け CNBC)
→1)*半導体メーカーのNvidiaは、急成長中のスタートアップ企業に対し、将来の利益の一部と引き換えに計算リソース(コンピューティングパワー)を利用できる機会を提供すると発表した。
  *この収益分配型の契約により、クラウドベースのAI企業やその他の事業者は、開発に必要な計算リソースを利用するための「トークン・クレジット」を受け取ることができる。
  *最初の提携パートナー2社は、インドネシアのバタム島に建設予定のデータセンターを含め、合計20万基以上のGPUsへのアクセスを提供する予定。
 2)NvidiaはAIスタートアップ向けに、将来の利益と引き換えに同社のチップを用いた計算リソースを利用可能にする収益分配プログラムを導入した。本プログラムの最初のパートナーは、最大4万基のNvidia製GPUsを利用するSharon AI社と、17万基のNvidia製GPUsを収容するデータセンターをインドネシアに建設中のFirmus Technologies社である。


【インテル関連】

次期CPU、そして先端半導体製造に向けた能力アップを図るSanta Clara拠点の拡張開始、と以下の通りである。

◇Intel's next-gen 52-core Nova Lake CPU could pull up to 474W - high-end LGA1954 motherboards may need three 8-pin power connectors to feed the monster―Intel's Nova Lake CPU may require three 8-pin connectors―A power-hungry flagship awaits. (6月27日付け Tom's Hardware)
→Intelの次期CPU「Nova Lake」は最大474Wの電力を消費する可能性があり、そのため8ピン電源コネクタを3基備えたハイエンドなLGA1954マザーボードが必要になると見られている。dual-compute tileアーキテクチャを採用したこの52コア・プロセッサは、AMDの「3D V-Cache」技術に対抗することを目指しており、DDR5-8000メモリ、Thunderbolt 5、およびPCIe 5.0をサポートする予定である。

◇[News] Intel Reportedly Breaks Ground on Santa Clara Expansion for Next-Gen EUV Mask Capacity (7月1日付け TrendForce)
→報道によると、Intelはサンタクララにおける拡張工事に着手した。このプロジェクトは、同社の「18A-P」および「14A」プロセスノード向けのEUVフォトマスク生産能力を増強するものであり、先端半導体製造への需要拡大に対応しつつ、同社のファウンドリ・ロードマップを強化するものである。

◇Intel expands production of photomasks in California: EUV and High-NA EUV in the focal point―Intel is expanding photomask production at Calif. campus―More masks, more EUV layers. (7月2日付け Tom's Hardware)
→Intelは、フォトマスクの生産能力を増強するため、カリフォルニア州サンタクララにある拠点の拡張を開始した。これには、極端紫外線(EUV)リソグラフィや高開口数(High-NA)EUVリソグラフィといった最先端のプロセス技術を支えるための新製造施設やユーティリティ棟の建設が含まれる。子会社であるIMS Nanofabricationを通じて自社でフォトマスク描画装置を製造しているIntelは、今回の拡張により、米国の半導体製造能力の強化を図る狙いである。


【Apple関連】

メモリ半導体の中国企業からの調達許可を米国政府に求めている件、インド独禁当局とのやりとり、そして折り畳みなどiPhone新モデル計画、と以下の通りである。

◇The Chinese chipmaker Apple suddenly needs (6月30日付け Finshots)
→1)AI需要の拡大に伴い世界のメモリ供給が逼迫しコストが上昇する中、Appleは中国のChangXin Memory TechnologiesからDRAMチップを調達することについて、米国政府の承認を求めている。サムスン電子、SKハイニックスおよびマイクロン・テクノロジー以外に有力な代替の供給元が限られているため、Appleはデバイス価格の引き上げか、あるいは利益率の低下という選択を迫られている。
 2)AI関連の需要拡大により世界のメモリチップ供給が逼迫する中、Apple製品の価格が上昇している。コスト増に直面したAppleは、米国政府の制裁対象リストに掲載されている中国の半導体メーカー、CXMTからDRAMを調達する許可を求めた。CXMTは、国家の支援を背景に急速に台頭し、世界のメモリ市場の勢力図を塗り替えた企業である。

◇Apple accuses India of ‘copy-pasting’ rivals’ claims in antitrust investigation (6月30日付け Taipei Times)
→Appleはインドの独占禁止法規制当局に対し、同社がApp Storeの規則を悪用したとする調査結果を退けるよう求めた。同社は、調査担当者が独自の調査を行う代わりに競合他社の主張をそのまま流用したと主張している。また、制裁金が科された場合、投資やインドでの事業運営に支障をきたす恐れがあるとも警告した。

◇iPhone、折り畳み機含む5モデル計画 27年前半までに (7月2日付け 日経 電子版 14:30)
→米アップルが2026年後半から27年前半にかけ、折り畳み型を含む少なくとも5モデルのiPhoneを投入する計画であることが分かった。26年の折り畳み型の生産見込みは約1000万台とサプライヤーに伝えた。
 事情に詳しい関係者がNikkei Asiaに明らかにした。折り畳み型の生産計画は数カ月前時点の約700万〜800万台との予測から引き上げられたという。


【Infineon関連】

新製品2件、そして同社史上最大規模の単独投資案件で世界最大のパワー半導体fab「Smart Power Fab」の稼働開始である。

◇Infineon sampling AIROC UWB―Infineon introduces ultra-wideband chip for varied uses (6月29日付け Electronics Weekly (UK))
→1)Infineonは、同社初のUWB製品ファミリーとなる「AIROC UWB TSL100」のサンプル提供を開始した。ご要望に応じてサンプルキットをご利用いただける。
 2)インフィニオン テクノロジーズは、測距(レンジング)とセンシング機能を統合し、セキュリティの向上と消費電力の低減を実現するチップ「AIROC Ultra-Wideband TSL100」を発表した。TSL100は、将来の規格や業界コンソーシアムに対応するスケーラブルなプラットフォームの一部を構成する製品であり、車両アクセス、屋内ナビゲーションおよび資産追跡といった車載、民生および産業分野のアプリケーションをターゲットとしている。

◇Next-Gen MCUs Target Motor Control and Power Conversion―Infineon MCUs enhance motor control, power conversion (7月1日付け Electronic Design)
→1)Infineonが開発したPSoC Control C3マイコンは、システムの効率、信頼性、および柔軟性の向上に重点を置いている。
 2)Infineon Technologiesは、システムの効率、柔軟性および信頼性を高めることでモーター制御や電力変換を最適化する、PSoC Control C3マイコンを投入した。これらのマイコンは、Arm Cortex-M33、高性能A/Dコンバータ、およびCORDICアクセラレータを搭載しており、処理速度を25%向上させるとともに、リアルタイム性が求められる重要なタスクへの対応を可能にする。

◇Infineon opens smart power fab in Dresden―Infineon is opening a smart power fab in Germany (7月2日付け Electronics Weekly (UK))
→1)本日、Infineonはドレスデンにて、50億ユーロを投じたスマートパワー半導体工場を開設する。
 2)インフィニオン・テクノロジーズは、ドイツのドレスデンにスマートパワー半導体工場を開設し、欧州最大の半導体拠点である「Silicon Saxony(シリコン・ザクセン)」の地位を強化する。同工場は、「欧州半導体法(European Chips Act)」およびイノベーション支援プログラム「IPCEI」に基づく政府の資金援助を受けて建設された。再生可能エネルギーや工業用水の活用による資源保全に取り組み、Leadership in Energy and Environmental Design(LEED:環境性能評価システム)認証の取得や2030年までのカーボンニュートラル実現を目指している。

◇Infineon Opens the World’s Largest Fab for Power Semiconductors and Analog/Mixed-Signal Technologies in Dresden (7月2日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)
→インフィニオン・テクノロジーズは、ドレスデンにおける「Smart Power Fab」の稼働を、予定より数ヶ月前倒しで開始した。総額50億ユーロを投じたこの新工場は、インフィニオン史上最大規模の単独投資案件であり、ドイツ国内でも最大級の投資プロジェクトの一つとして、1,000人の新たな直接雇用を創出する。この新工場の稼働により、同社のドレスデン拠点における生産能力は倍増し、インテリジェント・パワー半導体およびアナログ/ミックスドシグナル技術の分野において、世界最大の工場が誕生することになる。


【AIモデル関連】

AIトークン消費支出のやりくり、我が国のAI基盤への官民の取り組み、そしてAnthropicの先端AIモデル提供再開について、以下の通りである。

◇How Companies Are Managing AI Token Spend―Firms spend big on AI, but ROI remains elusive (6月30日付け The Wall Street Journal)
→1)AIエージェントの利用拡大に伴い、企業のAIトークン関連支出が増加する見通しであり、一部の企業ではコストを抑制するためにクラウド時代の技術を活用する動きが見られる。
 2)チャットボットから自律型AIエージェントへの移行により、トークンの消費量とコストが急増している。専門家の予測によれば、利用量は今後4年間で24倍、2040年までには55倍に達し、モデル提供者による価格引き下げのペースを上回ると見られている。こうしたエージェントは膨大な計算リソースを必要とするため、企業は全体として大幅な支出増に直面している。

◇国産AI連合に国費1兆円 ソフトバンクなど軸に44社 脱・米国依存なお遠く (7月1日付け 日経)
→国産のAI基盤の実現へ官民プロジェクトが動き出す。経済産業省は30日、最大1兆円規模の支援事業の対象にソフトバンクなどの企業連合を選んだと発表した。米中がAI開発で先行するなか、技術主権の確立を狙う。
 AI基盤の開発はソフトバンクとホンダ、NECとソニーグループの4社を中核に設立された会社「Noetra(ノエトラ、旧日本AI基盤モデル開発)」と、同省が所管する産業技術総合研究所(産総研)が共同で手掛ける。

◇アンソロピックのAI「Fable」提供再開 米政府が許可と発表 (7月1日付け 日経 電子版 09:16)
→米新興アンソロピックは30日、先端AI「クロード・フェイブル(Claude Fable)」の提供を再開すると発表した。米政府の許可を得たという。米国時間7月1日に日本も含めて一般消費者や企業が使えるようにする。同社は米商務省から輸出規制の解除通知を受け取ったと明かした。フェイブルとサイバー性能が高い「ミュトス5」が対象。

◇アンソロピックのAI「Fable」2日再開 禁輸解除も定額は1週間限定―米政府が輸出管理を撤回 (7月1日付け 日経 電子版 16:09)
→米新興アンソロピックは30日、米政府の指示で停止した先端AI「クロード・フェイブル」の提供を再開すると発表した。米国時間7月1日(日本時間2日)から世界の有料顧客が使える。1週間で従量課金に移行する。
 フェイブルはソフトの脆弱性発見に優れる高性能の「クロード・ミュトス」の兄弟モデルにあたる。

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