AIブームでキオクシアが待望のトップ10入り、その陰でブーム乗り損ね組は苦戦
WSTSによると、世界の半導体市場は、2026年第1四半期(1〜3月)に前年同期比で史上最高成長率である79%も増加した。前四半期比では25%増となった。四半期ごとの25%の成長率は、WSTSの40年以上にわたるデータの歴史の中で最高であり、2009年第2四半期の20%の成長率を上回った。
Semiconductor Intelligenceがまとめた2026年第1四半期半導体企業売上高ランキング・トップ20(表1)(参考資料1)によれば、上位20社に限れば、前四半期比で30%増加した。さらに、AIブームに乗る米NVIDIAとメモリサプライヤ(Samsung、SK Hynix、Micron Technology、キオクシア、Sandisk)5社に限れば49%増だった。Nvidiaとメモリ企業の売上高は合計2,080億ドルに達し、上位20社の売上高の70%を占めた。AIブームに乗ってHBM(高バンド幅メモリ)やDRAMに続いて遅ればせながらNANDフラッシュメモリの価格が高騰し、キオクシアの売上高が2026年第1四半期に前四半期比85%急増し、念願のトップ10入りを果たした点が注目される。第2四半期のガイダンスも前四半期比75%増としており、今後とも売上高は続伸間違いない。
しかし、それ以外の半導体企業全体の成長率は、たった1%にとどまり、しかも20社中8社がマイナス成長に陥った点も注目される。つまり、半導体産業は、空前の好景気といわれているが、それはAIがらみのGPUアクセラレータやメモリサプライヤだけの話だということである。NAND 価格高騰で、キオクシアがやっとAIブームに乗れたほかは、日本勢はAIというメガトレンドに乗れず、苦戦している企業が多い。
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表1 2026年第1四半期の世界半導体企業売上高ランキング・トップ20:日本企業は、キオクシアが9位、ソニーが15位、ルネサスが19位。出典:Semiconductor Intelligence
2026年世界半導体売上高予測は今後も上方修正の連続か
予測をはるかに上回る売上高急騰を続ける世界半導体産業の今後を代表的な市場調査企業がどう見ているか検証してみよう。昨年末から今年初めにかけて各社は、2026年(暦年通期)世界半導体市場売上高を9.5%〜30%と予測していた。世界半導体市場統計(WSTS)の予測は26.3%だった。(図1参照)
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図1 主要市場調査会社による2025年末/2026年初当時の2026年の世界半導体市場の対前年比成長率予測 出典:Semiconductor Intelligence 、2026年2月
ところが、今年4/5月時点の予測では、各社とも52%〜80%増と上方修正している。2026年6月に発表されたWSTSの最新の予測(参考資料2)は、昨年12月の26.3%から89.9%へと大きく上方修正している。WSTSは、その理由として、「引き続き大手 IT 企業による積極的なデータセンター投資が見込まれ、AI サーバー向けのメモリや、GPU を含むロジックの高成長が見込まれる」ためとしている。
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図2 主要市場調査会社による2026年4/5月時点での2026年の世界半導体市場の対前年比成長率予測:本稿著者が最下段にWSTSの2026年6月発表の予測を追加した。 出典:Semiconductor Intelligence 、2026年5月
米国半導体工業会(SIA)が6月5日に発表した直近の2026年4月の世界半導体月間売上高は前年同月比94%という驚異的な伸びを示した。世界半導体売上高は、今まで例を見ないほどのうなぎ登りの状況にある。これらの情報を横目に見ながら、各社の2026年世界半導体市場予測は、今後さらに上方修正され、過去最高の成長率を記録する可能性が高い。しかしその陰でAIブームの恩恵に浴せずに苦戦する半導体企業も少なくない。
参考資料
1. Semiconductor Intelligence ニュースレター、(2026/05/21)
2. WSTS 2026年春季半導体市場予測(日本語版)、JEITA、(2026/06/02)
3. 米国半導体工業会(SIA)ニュースリリース、(2026/06/05)


