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キオクシアとSandiskの契約を5年延長、SOCAMM2が有力AIメモリに浮上

NANDフラッシュの生産能力を上げる動きが始まった。キオクシアとSandiskの両社が運営する四日市工場における合弁会社の契約期間が5年間延長され、2034年12月31日までとなった。Micron TechnologyはシンガポールにNANDフラッシュの工場をもっているが、その敷地内にNAND新工場建設の起工式を行った。AIメモリではHBMに加え、SOCAMM2も有力になる可能性が出てきた。

キオクシア四日市工場

図1 キオクシアの四日市工場 出典:キオクシア


キオクシアとSandiskとのこれまでの合弁契約期間は、2029年12月31日までだった(参考資料1)。さらにこの先5年間も契約を延長するということは、生成AI向けの需要が拡大されるNANDフラッシュの安定生産を推進するためだとしている。この合意において、Sandiskは、製造サービスと継続的な製品供給に対し、キオクシアに11億6500万米ドルを支払い、2026年から2029年にかけて分割して支払われるという。

AIにおけるニューラルネットワークモデルの演算では、データ演算・一時記憶・データ出力、という一連の動作をニューラルネットワーク層ごとに行うため、DRAMが使われている。このため大量のデータを記憶し、次の演算ですぐに使うため、大容量・高速(バーストモード)のHBM(広帯域メモリ)が使われ、NANDフラッシュのようなストレージは演算プロセスでは直接関係しないはずだった。

しかし、学習させたデータをストレージとしてのSSD(半導体ディスク装置)に蓄えても、ファインチューニングやRAG(取得拡張生成:Retrieval Augmented Generation)、転移学習など、データをすぐに使って再び学習させる作業が、生成AIには増えてきている。このためストレージデバイスから学習済みのデータを素早く読み出したい。従来のHDD(ハードディスク装置)では読み出し速度が遅いためこのストレージには適さない。だからNANDフラッシュを搭載したSSDが生成AIで求められるのである。

Sandisk会長兼CEOのDavid Goeckeler氏は、「NAND市場は2026年には1500億ドル規模と予測される成長を続けています。パートナーシップの新たな段階は、オペレーション規模の拡大と両社の利益につながります。今後10年にわたるパートナーシップを楽しみにしています」と述べている。

また、DRAMとNANDフラッシュの両方を生産するMicron Technologyは、シンガポールにNANDフラッシュの工場を持っているが、その敷地内に10年間にわたり総投資額240億米ドルを投資して、NANDフラッシュを増産する(参考資料2)。このほど起工式を行った。クリーンルームの床面積は70万平方フィートになる。ウェーハ出荷は2028年後半に始まる計画だ。

MicronはHBM(DRAMを複数重ねて実装するメモリ)のパッケージング工場も同敷地内に設ける計画で、こちらは2027年にHBMを出荷する予定である。NANDフラッシュのプロセスで1600名、HBMパッケージング工場で1400名の新規雇用を生むと見積もっている。ファブではもちろん、キオクシアと同様、AIを活用して生産性を上げる予定となっている。


キオクシア四日市工場

図2 Micronが開発したSOCAMM2 出典:Micron Technology


生成AIデータセンター向けにDRAMメモリモジュールの一種であるSOCAMM2(Small Outline Compression Attached Memory Module)(図2)をこれまでのNvidiaに加えて、AMDとQualcommも採用しそうだ(参考資料3)。もともとNvidiaが新しいAIモジュールの「Vera Rubin」にSOCAMM2をHBMに加えて採用するが、AMDとQualcommも同じ方向に向く。このメモリは生成AIやエージェンティックAIなど大量のトークンを素早く処理させるために、キャッシュとメモリ(HBM)との間に置く。

狙いはCPUあたりのメモリ容量をテラバイトに持っておくこと。SOCAMM2の最大のメリットは、従来のDDRやHBMと違いハンダ付けして接続するのではなく、圧着で電極同士を付けるため、将来の大容量DRAMメモリをアップグレードできることだ。SOCAMM2はMicronが開発したメモリモジュールで、電源回路(PMIC)もモジュールに搭載しており、性能・消費電力を最適調整できるようになっている。

参考資料
1. 「四日市工場における合弁会社の契約期間延長について」、キオクシアニュースリリース、(2026/01/30)
2. “Micron Breaks Ground on Advanced Wafer Fabrication Facility in Singapore”, Semiconductor Digest, (2026/01/30)
3. “AMD & Qualcomm Are Now Looking to Get Their Hands On the “SOCAMM” Memory Type For Next-Gen AI Products, Following the Footsteps of NVIDIA”, WCCTECH, (2026/01/28)

(2026/02/02)
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