Semiconductor Portal

» ブログ » インサイダーズ » 長見晃の海外トピックス

2月の世界半導体販売高、さらに大幅増加;国内での半導体業界の動き

米国半導体工業会(SIA)より2月の世界半導体販売高が今週末の締めに発表され、$88.8 billionで、前年比61.8%増、前月比7.6%増と大幅な増加である。ここ5ヶ月で$70 billion台に入っての駆け上がりであり、今回は$90 billionに迫っている。AIブームが引っ張る増勢を、引き続き感じさせている。もう1つ、我が国における半導体業界関連のいろいろ相次ぐ動きである。国内のパワー半導体再編の動き、富士通が純国産の先端AI半導体を開発し生産はラピダスに委託する取り組み、更にTower Semiconductorが富山県の魚津工場を完全子会社化、TSMCが熊本第2工場で2028年までに3-nmの量産を開始する計画、とそれぞれに今後の展開&推移に注目させられている。

≪2月の世界半導体販売高;我が国における取り組み≫

米国・SIAからの今回の発表が、次の通りである。

☆☆☆↓↓↓↓↓
〇2月のグローバル半導体販売高が大幅に増加―2月の世界半導体販売高、前年比61.8%増、前月比7.6%増 (4月3日付け SIA/Latest News)

米国半導体工業会(SIA)は本日、2026年2月のグローバル半導体販売高が$88.8 billionで、前月、2026年1月の$82.5 billionと比べて7.6%増、そして前年同月、2025年2月の$54.9 billionを61.8%上回った、と発表した。
月次売上高は世界半導体貿易統計(WSTS)によって集計され、3ヶ月移動平均を示している。SIAは、売上高で米国半導体業界の99%、米国以外の半導体企業の約3分の2を代表している。

「2月のグローバル半導体販売高は引き続き非常に好調で、1月の販売高を上回り、昨年2月の売上高を大きく上回った」と、SIAのpresident and CEO、John Neuffer(ジョン・ニューファー)氏。「アジア太平洋地域、南北アメリカ、および中国への販売が、前年比成長の主要な原動力となった。世界的な需要は今年後半も堅調に推移すると予想され、年間売上高は世界全体で約$1 trillion(1兆ドル)に達すると見込まれている。」

地域別では、2月販売高前年比で、Asia Pacific/All Other (93.5%), the Americas (59.2%), China (57.4%), およびEurope (42.3%)では増加したが、Japan (-0.3%)では減少した。2月販売高前月比では、Americas (12.6%), Europe (10.2%), Asia Pacific/All Other (6.0%), China (3.6%), およびJapan (3.0%)と、すべてで増加した。

                      【3ヶ月移動平均ベース】

市場地域
Feb 2025
Jan 2026
Feb 2026
前年同月比
前月比
========
Americas
18.65
26.38
29.70
59.2
12.6
Europe
4.01
5.18
5.70
42.3
10.2
Japan
3.78
3.66
3.77
-0.3
3.0
China
15.02
22.82
23.63
57.4
3.6
Asia Pacific/All Other
13.42
24.50
25.98
93.5
6.0
$54.89 B
$82.54 B
$88.78 B
61.8 %
7.6 %

--------------------------------------
市場地域
9-11月平均
12- 2月平均
change
Americas
24.89
29.70
19.3
Europe
5.02
5.70
13.6
Japan
3.83
3.77
-1.6
China
20.78
23.63
13.7
Asia Pacific/All Other
22.83
25.98
13.8
$77.35 B
$88.78 B
14.8 %

-------------------------------------

※2月の世界半導体販売高 地域別内訳および前年比伸び率推移の図、以下参照。
https://www.semiconductors.org/wp-content/uploads/2026/04/February-2026-GSR-Table-and-Graph.pdf
★★★↑↑↑↑↑

今回の発表に関連する業界紙の取り上げは、週末締めのタイミングでまだ見られていない。

2021年、2022年と相次いで年間半導体販売高の最高を更新して、2023年は減少に転じたが、2024年はAI需要が牽引してまたも過去最高を更新するとともに、$600 billionの大台に初めて載せた経緯となっている。そして、2025年は$800 billionが望める水準に大きく飛躍、本当にどこまでいくのか、本年2026年は$1 trillion(1兆ドル)に達するとの予測が出るまでに至っている。
パソコン、スマホなど従来の主要応用分野の本格回復がいまだ道半ばという見方の中、AIが大きく引っ張る現下の市場がどう推移するか、引き続き今後に注目するところである。そこでAI牽引の状況があらわれた2024年以降について、以下の見方を続けることにする。
以下、米国・SIAの月初の発表時点の販売高、そして前年同月比および前月比が示されている。
2026年販売高データについての蓄積メモ:
2024年12月から2025年2月までは、前月比減少で停滞したが、それもあって2026年1月は前年比46.1%増にもなっている。$80 billion台に達して、年間$1 trillionの予測に向け幸先良い出だしである。
2月は、前年が底の水準ということで、前年比61.8%増と大幅増、$90 billionに迫る値となっている。ここ5ヶ月で$70 billionに入っての駆け上がりであり、この増勢いつまでどこまでとの見方になりがちである。

販売高
前年同月比
前月比
販売高累計
2024年 1月 
$47.63 B
15.2 %
-2.1 %
2024年 2月 
$46.17 B
16.3 %
-3.1 %
2024年 3月 
$45.91 B
15.2 %
-0.6 %
2024年 4月 
$46.43 B
15.8 %
1.1 %
2024年 5月 
$49.15 B
19.3 %
4.1 %
2024年 6月 
$49.98 B
18.3 %
1.7 %
2024年 7月 
$51.32 B
18.7 %
2.7 %
2024年 8月 
$53.12 B
20.6 %
3.5 %
2024年 9月 
$55.32 B
23.2 %
4.1 %
2024年10月 
$56.88 B
22.1 %
2.8 %
2024年11月 
$57.82 B
20.7 %
1.6 %
2024年12月 
$56.97 B
17.1 %
-1.2 %
$616.70 B
 
2025年 1月 
$56.52 B
17.9 %
-1.7 %
2025年 2月 
$54.92 B
17.1 %
-2.9 %
2025年 3月 
$55.90 B
18.8 %
1.8 %
2025年 4月 
$56.96 B
22.7 %
2.5 %
2025年 5月 
$58.98 B
19.8 %
3.5 %
2025年 6月 
$59.91 B
19.6 %
1.5 %
2025年 7月 
$62.07 B
20.6 %
3.6 %
2025年 8月 
$64.88 B
21.7 %
4.4 %
2025年 9月 
$69.47 B
25.1 %
7.0 %
2025年10月 
$72.71 B
27.2 %
4.7 %
2025年11月 
$75.28 B
29.8 %
3.5 %
2025年12月 
$78.88 B
37.1 %
2.7 %
$766.48 B
 
年間最高更新
 
2026年 1月 
$82.54 B
46.1 %
3.7 %
2026年 2月 
$88.78 B
61.8 %
7.6 %


次に、我が国における半導体業界関連の相次ぐ注目の動きである。以下、項目分類して、記事内容を取り出している。

[国内パワー半導体再編]

◇パワー半導体再編 3シナリオ デンソーと3社連合、株主価値競う (3月31日付け 日経)
→パワー半導体再編が大きく動き出した。ロームと東芝、三菱電機の3社が事業統合の協議入りで合意した。ロームにはデンソーも買収提案しており、今後については3つのシナリオが浮上する。
 (1)3社事業統合
 (2)買収受け入れ
 (3)統合後に買収

◇Rohm Joins Toshiba and Mitsubishi to Create a Power Chip Titan―Rohm, Mitsubishi, Toshiba team up in power semiconductors (3月31日付け EE Times)
→1)*この提携は、日本の半導体分野におけるグローバルな存在感を強化し、細分化されたIC市場の課題解決に貢献する可能性がある。
  *ローム半導体が東芝、三菱電機と手を組み、パワー半導体の三社合弁事業を立ち上げるというニュースは、規模とグローバルな競争力がますます重要視される市場において、日本企業が戦略的に存在感を高めようとする動きを象徴するものだ。その第一歩として、東芝の子会社である東芝電子デバイス&ストレージ(TDSC)が、三菱電機およびローム半導体との協議開始に向けた覚書に署名した。
 2)ローム半導体は、三菱電機および東芝と提携し、電気自動車や再生可能エネルギーが牽引する市場における日本のグローバルプレゼンス強化を目指し、大手パワー半導体企業を設立した。この提携により、合弁会社はインフィニオン・テクノロジーズに次ぐ世界第2位のパワーチップサプライヤーとなる可能性がある。
 3)ローム、東芝、および三菱電機は、グローバル展開とインフィニオン・テクノロジーズへの対抗を目指し、パワー半導体合弁会社を設立する動きを見せている。この提携は、電気自動車(EV)市場とエネルギー市場をターゲットとするとともに、細分化された日本の半導体業界の構造を再構築し、デンソーの買収戦略を複雑化させる可能性がある。

◇デンソー「半導体メーカー」に賭け 電動化・民生進出へ領域拡大 (3月31日付け 日経 電子版 17:06)
→デンソーは31日、2031年3月期までの中期経営計画を策定した。売上高8兆円や自己資本利益率(ROE)11%を目指す計画を掲げた。半導体大手ロームに買収提案するなど、自動車の電動化・知能化でカギとなる半導体を軸に、自動車部品メーカーの枠を超えた成長を描く。

◇ローム社長がねらう半導体3社連合の船頭 デンソーの買収提案に警戒 (4月3日付け 日経 電子版 05:00)
→デンソーからの買収提案を受けたロームが東芝・三菱電機とのパワー半導体事業の統合に向けた協議に踏み出した。ロームの東克己社長は3社連合において議論をリードしたい考えだ。デンソーの提案に対する警戒感もにじむ。「自分たちが中心でやりたい思いはある」。3社の事業統合の協議入りを発表した3月27日、報道陣の取材に答えた東社長は「船頭が多いのは良くない」としたうえで、業界再編を引っ張る考えを示した。

[富士通のAI半導体開発、生産はラピダス]

◇Fujitsu plans dedicated 1.4nm AI chip manufactured entirely in Japan by Rapidus - AI chip to be designed and manufactured domestically―Fujitsu to develop 1.4nm AI chip with Rapidus in Japan―NEDO is expected to fund roughly two-thirds of the \58 billion development cost. (3月31日付け Tom's Hardware)
→1)本日掲載された日経アジアの報道によると、富士通はラピダス社が開発した先進的な1.4nmプロセスを用いたニューラルプロセッシングユニット(NPU)の開発を計画している。このチップはサーバーや関連システムにおけるAI推論向けに設計され、開発費約580億円($363 million)のうち約3分の2は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が負担する見込みだ。このプロジェクトでは、NPUの設計と製造は完全に国内で行われる。
 2)報道によると、富士通はAI推論向け1.4nmニューラルプロセッシングユニットの開発を計画しており、設計と製造はラピダス社と提携して国内で行う。開発費約$363 millionのうち約3分の2はNEDOが負担する見込みだ。

◇富士通が純国産の先端AI半導体 経済安保へ技術確立、生産はラピダス (3月31日付け 日経 電子版 18:00)
→富士通はサーバーなどに搭載してAI処理に特化するAI半導体を開発する。回路線幅1.4ナノ(ナノは10億分の1)メートルの最先端品で純国産、省電力なのが特徴となる。先端半導体量産を目指すラピダスへ製造を委託する方針だ。
 経済産業省も開発費を一部支援する見通し。経済安全保障を背景に自国主導でAI技術を確立しようとする世界の動きに対応する一歩となる。

◇Fujitsu plans 1.4nm AI chip Japan-based production with Rapidus (4月1日付け DigiTimes)
→日経新聞によると、富士通は1.4nmプロセスで製造するAIチップを開発し、日本のラピダス社に生産を委託する計画だ。

◇Rapidus steps up 1nm development as Japan seeks to close gap with TSMC―Rapidus accelerates 1nm, 2nm chip development (4月2日付け New Electronics (UK))
→1)日本のラピダスは、先端半導体製造への取り組みを加速させており、1nmプロセスノードにおいてTSMCとの技術差を約6ヶ月に縮めることを目指していると、Kazunari Ishimaru CTOが明らかにした。
 2)ラピダスは、TSMCとの技術差を6ヶ月に縮めるため、1nmチップの開発を加速させている。同社は、今年後半に顧客設計の2nmテストチップの製造を開始し、2027年には量産体制に入る予定だ。ラピダスは既に2nmトランジスタの動作実証に成功しており、開発ペースを加速させている。

[Tower Semiの300mm工場]

◇Tower Acquires 300mm Fab From JV Partner in Japan (3月26日付け Semiecosystem)
→1)半導体ファウンドリメーカーのタワーセミコンダクターは、シリコンフォトニクス技術の需要増に対応するため、300mmファブの生産能力を増強する。
 2)タワーセミコンダクターは、魚津工場を完全子会社化し、Nuvoton(ヌヴォトン)との合弁事業を再編することで、日本における300mmファブの生産能力を増強する。これは、シリコンフォトニクスに対する急増する需要に対応するとともに、既存顧客への安定供給を確保するためである。

◇Tower Semiconductor Announces Plans to Expand 300mm Capacity in Japan (4月1日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)
→高付加価値アナログ半導体ソリューションのファウンドリであるタワーセミコンダクターは本日、現在TPSCo(タワーが51%、Nuvoton Technology Corporationの完全子会社、Nuvoton Technology Corporation Japan[NTCJ]が49%の日本の会社)の下で運営されている日本事業の戦略的再編を発表した。この再編により、タワーは300mm工場(Fab 7)を完全子会社の日本法人の下で運営し、NTCJは200mm工場(Fab 5)を完全所有することになる。

[TSMCの熊本第2工場での3-nm生産]

◇TSMC plans 3-nanometre chip production launch in Japan in 2028 (4月1日付け Reuters)
→TSMCは、日本の第2工場に設備を設置し、2028年までに3ナノメートルウェハーの量産を開始する計画で、これにより先端チップの生産能力を大幅に向上させる。同工場は月間1万5000枚のウェハーを生産する予定で、従来計画していたより低技術の半導体技術に重点を置いた生産体制から大きく拡大する。

◇熊本で28年に3ナノ半導体 台湾当局許可 TSMC、量産開始 (4月1日付け 日経)
→台湾の経済部(経済省)は31日、TSMCの熊本工場を巡り、回路線幅3ナノメートルの先端半導体の生産を許可したと発表した。2028年に製造装置の搬入や半導体の量産開始を予定する。TSMCは建設中の熊本第2工場(熊本県菊陽町)について、AI向けなどに使う3ナノ半導体の生産を検討すると2月に表明していた。従来は通信や自動車向けなどに使う6〜40ナノメートル品を27年に量産するとしていた。

以上、我が国での取り組みとして、それぞれに今後の展開&推移に注目するところである。AI関連の我が国におけるマイクロソフトの以下の発表が行われている。海外そして我が国、AIが引っ張る現下の市場とPC・スマホ・産業機器・自動車の従来の半導体市場、とますます目配りを要する様相を感じている。

◇Microsoft、日本でデータ拠点に1.6兆円 ソフトバンク・さくらネットと連携 (4月3日付け 日経 電子版 11:37)
→米マイクロソフトは3日、日本でデータセンターなどに100億ドル(約1兆6000億円)を投資すると発表した。2029年までの4年間で、ソフトバンクやさくらインターネットと組みAIを国内で運用するデータ基盤を構築する。
 AI向けインフラでは経済安保の観点から、重要データを自国内で管理する「データ主権」の重要性が高まっている。


激動の世界の概況について、以下日々の政治経済の動きの記事からの抽出であり、発信日で示している。

中東情勢が大きく影を落とした以下今週の推移となっている。

□3月30日(月)

◇世界株安3つの要因 原油高・AI警戒・金融懸念、4月も下げ圧力 (日経 電子版 02:00)
→世界の株式相場の下落が鮮明だ。米国・イスラエルによるイラン攻撃は開始から1カ月が経過したが、なお収束の見通しは立たない。市場は攻撃の長期化や原油高による景気減速、企業業績の悪化を意識し始めた。AI関連銘柄の短期的な過熱感や、プライベートクレジット(ノンバンク融資)への不安も株安を招いている。

◇日経平均一時2800円超安 中東不安が企業業績に影、5万円割れ意識 (日経 電子版 13:00)
→30日の東京株式市場で日経平均株価は大幅に続落し、午前終値は前週末比2436円94銭(4.57%)安の5万0936円13銭だった。下げ幅は一時2800円を超えた。米国とイスラエルのイラン攻撃から1カ月たったが収束の兆しは見えず、中東情勢は悪化の一途をたどる。原油価格の高止まりが続き、国内企業の来期業績にも影を落とし始めた。

□3月31日(火)

◇NYダウ小幅反発49ドル高 悲観と楽観が交錯、原油相場の見立て左右 (日経 電子版 05:50)
→米国とイスラエルによるイラン攻撃が始まって1カ月が経過した。米株式相場は軟調な展開が続き、30日のダウ工業株30種平均は前週末比49ドル高と小幅反発で取引を終えた。直近の高値と比較するとほぼ1割安の水準にとどまる中、投資家の間では悲観論と楽観論が交錯している。

□4月1日(水)

◇NYダウ1125ドル高、高まる停戦期待 楽観いさめる原油高止まり (日経 電子版 05:33)
→31日の米株式市場でダウ工業株30種平均は大幅続伸し、前日比1125ドル(2%)高の4万6341ドルで終えた。米国とイランからの報道で戦争が早期終結する可能性が意識されているが、高止まりする原油相場は株式市場の期待傾斜に警鐘を鳴らしている。

□4月2日(木)

◇NYダウ3日続伸、224ドル高 景気減速懸念が弱まる (日経 電子版 05:16)
→1日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸し、前日比224ドル(0.5%)高の4万6565ドルで取引を終えた。米国とイランの軍事衝突が終結に向かうとの観測や堅調な米経済指標から、株式には引き続き買いが入っている。

◇トランプ氏演説、イランに「圧倒的勝利」主張 2〜3週間攻撃継続 (日経 電子版 10:47)
→トランプ米大統領は1日午後(日本時間2日午前)、イラン攻撃に関し米国民向けに演説し「米軍は圧倒的な勝利を収めた」と強調した。「今後2〜3週間」と期限に言及し、軍事作戦と停戦協議を並行する考えも示した。

□4月3日(金)

◇イラン革命防衛隊「アマゾン、オラクルの施設攻撃」 米企業に報復 (日経 電子版 05:23)
→イランの革命防衛隊は2日、バーレーンにある米アマゾン・ドット・コム、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイにあるオラクルのデータセンターを攻撃したと発表した。イランのタスニム通信などが報じた。革命防衛隊はアマゾンが「(米国などによる)標的の選定や追跡」に関与していたと主張した。

◇米原油111ドル、欧州超えが示す長期化不安 NYダウ61ドル安 (日経 電子版 06:00)
→米原油指標のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)先物は2日、前日終値比で11%高の1バレル111.54ドルを付けた。通常はWTIより高値で推移する欧州の北海ブレントの価格を上回った。需給逼迫が警戒される中、商品の受渡期日の早い商品を優先しようとする市場心理が働いた。

◇イラン、ホルムズ通航料1バレル1ドルか 「友好国」の旗掲揚を要求 (日経 電子版 06:13)
→イランがホルムズ海峡で課しているとされる通航料の実態が明らかになってきた。米ブルームバーグ通信は1日、原油1バレルあたり少なくとも1ドル(160円)程度を課していると報じた。リスクを避けようと、足元では代替ルートを探る動きも活発になっている。


≪市場実態PickUp≫

【半導体製造材料逼迫】

これも中東情勢によるインパクトであるが、特に半導体製造に用いられるヘリウムがキーワードに映る以下の内容である。

◇The Tech Download: How Russia could profit from Iran war helium supply chain disruption in the chip sector (3月27日付け CNBC)
→1)*半導体製造に不可欠なヘリウムは、イラン戦争が世界のサプライチェーンに影響を与える中で、ハイテク業界にとって重要な焦点となっている。
  *紛争が長期化すれば、価格は高止まりし、一部のヘリウム購入企業は調達先の多様化を急ぐことになるだろう。
  *主要なヘリウム供給国であるカタールは、中東紛争の影響で輸出が大幅に制限されるため、ロシアは恩恵を受ける可能性がある。
 2)半導体製造に不可欠なヘリウムは、イラン紛争によるカタールの輸出途絶(世界の生産量の約3分の1が減少)を受けて、供給逼迫に直面している。北米とロシアが調整を行う一方で、中国はロシアからの供給への依存度を高め、半導体サプライチェーンの再構築を図っている。

◇Chipmakers race to secure helium as tensions disrupt supply, prices reportedly up 50% (3月30日付け Digitimes)
→中東情勢の緊迫化によりサプライチェーンが混乱する中、半導体メーカー各社はコスト上昇にもかかわらず生産継続を最優先し、重要材料の確保に奔走している。操業停止を回避するための迅速な対応は、世界の半導体製造における脆弱性を露呈させ、希少資源をめぐる競争を激化させている。

◇Asia’s chip industry faces naphtha squeeze - and South Korea feels it the most (3月31日付け South China Morning Post)
→1)韓国のロシア産ナフサ(naphtha)への回帰 ― 半導体製造に不可欠なナフサ - イラン紛争下におけるアジアの脆弱なサプライチェーンを浮き彫りに
 2)中東情勢の混乱によりナフサ供給が途絶え、輸入依存が露呈する中、韓国は石油化学産業におけるリスクに直面している。米国による制裁免除措置によりロシアからの輸入は限定的となるものの、競争激化、価格高騰、そして政情不安が半導体産業をはじめとするアジア産業を脅かしている。

◇Korea's memory big 2 focus on May U.S.-China summit as export boom faces turning point (3月31日付け Digital Today)
→1)5月に予定されている米中首脳会談を控え、韓国の半導体産業は再び貿易変動の影響を受けることになる。ピーターソン国際経済研究所の報告書によると、両国は半導体と重要鉱物資源における相互依存度を低減するため、「ウィンウィン」の関係を模索する可能性がある。韓国の半導体輸出は3ヶ月連続で過去最高を記録しているが、首脳会談の結果次第でこの好況の行方が左右される可能性がある。リスクは、設備・材料の調達から中国への販売ルートまで多岐にわたる。
 2)5月の米中首脳会談が近づくにつれ、半導体と鉱物資源をめぐる緊張緩和の提案は、世界の貿易構造を大きく変える可能性がある。会談の結果は、韓国の好調な半導体輸出に大きな影響を与え、緩和による利益もあれば、リスクも伴うだろう。

◇世界の供給網に「ヘリウムショック」 MRI検査からAI半導体まで波及 (4月1日付け 日経 電子版 05:13)
→産業向けの重要素材「ヘリウム」に供給懸念が出ている。イラン軍事衝突で生産の3割を占めるカタールの生産が被害を受け供給が減っている。AI向け半導体の製造やMRI(磁気共鳴画像)検査にも使われるが、代替は米国やロシアなどに限られる。世界の供給網の脆弱性の盲点をあらわにした。


【Apple創業50年】

Steve Jobs, Steve Wozniak, およびRonald Wayne各氏が、1976年4月1日にApple Computer社を設立、以下の記事があらわされている。1980年代に訪問して行った打ち合わせを思い起こしている。

◇Apple半世紀、端末25億台で情報を民主化 ジョブズ氏の遺産なお (3月30日付け 日経 電子版 02:00)
→米アップルが4月1日、創業から50周年を迎える。「iPhone」や「Mac」など現在、世界で使われている端末は計25億台にのぼる。故スティーブ・ジョブズ氏は一部の専門家向けだったコンピューターを一般消費者にも広げ、情報の民主化を果たした。高性能コンピューターの開発競争は半導体の進化を後押しし、AI時代の礎ともなった。

◇Five key questions Apple faces entering its second half-century (4月1日付け CNBC)
→1)*創業50周年を迎えるアップルは、後継者問題、AIにおける役割、そしてプレミアムブランドとしての地位を維持できるのかといった課題に直面している。
  *同社の株価は、2025年のS&P500指数を下回るパフォーマンスを記録した後、今年に入ってS&P500指数よりも大きく下落している。
  *アップルは、米中貿易摩擦など、地政学的な大きな課題にも直面している。
 2)創業50周年を迎えるアップルは、膨大なデバイス基盤とサービス力にもかかわらず、成長の鈍化、AIの不確実性、そして競争の激化といった課題に直面している。経営陣の後継者問題、地政学的リスク、そしてiPhone後の時代を形作るブレークスルーの模索が、アップルの未来を左右するだろう。


【SamsungとTSMC】

最先端微細化でTSMCを追いかけるSamsung、そしてそれぞれテキサス、アリゾナの米国拠点拡充、と以下関連する内容を取り出している。

◇Samsung To Reportedly Introduce Its 1nm Process By 2031 By Adopting‘Fork Sheet’ Technology To Pack More Transistors Within The Same Chip Area―Reports: Samsung to offer 1nm process with fork sheet tech (3月30日付け Wccftech)
→1)新たな報道によると、サムスンは第2世代および第3世代の2nm GAAプロセス開発に加え、同社が「夢の半導体」ノードと呼ぶ最先端リソグラフィ技術である1nmプロセスの導入にも取り組んでいる。予想通り、この技術を韓国の巨大企業であるサムスンが実用化するには数年かかる見込みだ。同社の研究開発スケジュールは2030年までに完了し、製造プロセスは2031年に導入される予定とされている。
 2)報道によると、サムスン電子はフォークシート技術を用いてトランジスタ密度を高め、2031年までに1ナノメートルプロセスを導入する計画だ。トランジスタ間に非導電性の壁を設けることで、サムスンはチップ面積あたりのトランジスタ数を増やすことを目指している。

◇TSMC's 2028 Capacity Full, Samsung Foundry Emerges as Alternative (3月30日付け The Chosun Daily)
→1)TSMCの2ナノメートルプロセスは2028年まで予約で埋まり、AIチップ需要の急増を背景に、サムスン電子ファウンドリが大手テクノロジー企業顧客を獲得するチャンスが生まれている。
 2)TSMCはAIチップ需要の急増に直面しており、アップル、NVIDIA、AMDなどが供給確保に奔走する中、2nmプロセスの生産能力は2028年まで予約で埋まっている。この供給逼迫はサムスンファウンドリにとってチャンスとなるが、競争力を維持するためには歩留まりの改善が不可欠だ。

◇[News] Samsung Pushes Advanced Nodes, Reportedly Targets 1nm by 2030; 2nm Yields Top 60% (3月31日付け TrendForce)
→サムスンは、トランジスタ密度を高めるforksheetアーキテクチャを採用し、2030年までに1nmプロセスの製造を目指すなど、先進チップ開発ロードマップを加速させている。また、2nmプロセスのバリエーションを拡大し、歩留まりを60%以上に向上させ、カスタムAIチップの開発を進めることで、競合ファウンドリとの競争を激化させている。

◇Foundry 2.0 expansion boosts Taiwan’s chip packaging industry―Advanced manufacturing and packaging emerging as dual growth engines in semiconductor supply chain (3月31日付け Taiwan News)
→AIチップ需要の高まりが半導体市場の成長を牽引し、ファウンドリ2.0市場の拡大、高度なパッケージングおよびテスト技術の強化につながっている。TSMCの生産能力逼迫により受注はパートナー企業へとシフトしており、CoWoS技術と統合サプライチェーンが重要な競争要因として浮上している。

◇TSMC eyes SiPh breakthrough as industry consensus forms―TSMC shifts SiPh packaging platform to mass production (4月1日付け DigiTimes)
→TSMCは、シリコンフォトニクス(SiPh)先進パッケージングプラットフォームであるCompact Universal Photonic Engine(COUPE)の開発段階から商用量産段階へと移行を進めている。

◇Samsung upgrades Austin fab, signals dual-track US chip strategy―Samsung touts upgrades at its Austin fab in dual US chip strategy (4月2日付け DigiTimes)
→サムスン電子は、テキサス州オースティンにある半導体工場において、次世代製造装置の導入を加速させている。これは、同工場を長期的な操業体制に位置づけるための大規模なアップグレードプログラムの一環である。

◇TSMC reportedly plans to build 12 fabs, four packaging facilities in Arizona - plan purportedly part of Taiwan's agreed $500 million investment in the US―TSMC reportedly eyes major expansion in Arizona―Another expansion, or unsubstantiated rumors? (4月3日付け Tom's Hardware)
→TSMCはアリゾナ州での大規模な事業拡大を検討していると報じられており、これにより製造工場を12カ所、先端パッケージング施設を4カ所、研究開発センターを1カ所増設する可能性がある。この事業拡大は、米国と台湾の間で締結された$500 billion規模の投資協定の一環であるとされている。

◇TSMC Reportedly Converting Its 4nm Node Capacity Into 3nm Chip Production Lines As Demand From Entry-Level And Mid-Tier Smartphones Faces Utter Decimation―Reports: TSMC shifts production from 4nm to 3nm (4月3日付け Wccftech)
→報道によると、TSMCは、エントリーレベルおよびミドルレンジのスマートフォンの需要減少を受け、4ナノメートル(4nm)の生産ラインを3nm(3nm)に転換している。この転換には最長1年かかると見込まれており、MediaTekとQualcommが4nmチップの生産量を削減し、ウェハー生産量が減少する中で実施される。


【メモリ半導体関連】

AI需要に引っ張られてAI向けメモリ品が絶好調、半面従来品が不足して価格高騰、といびつなインパクトを受けるメモリ半導体について、以下いろいろな切り口で関連する内容である。

◇Who Breaks First in the Memory Supercycle?―An elasticity lens for 2026-2028 (3月27日付け EE Times)
→AI主導の需要と供給不足によりDRAMとNANDの価格が高騰する中、メモリ市場は構造的に非対称なスーパーサイクルに突入する。一方、その影響は部品表(BOM)の弾力性によって異なり、AIサーバーは依然として弾力性が低く、産業市場は適応し、そして消費者向けデバイスはコンテンツを削減したり、発売を延期したりする。

◇Chip prices set to rise again amid supply shortage and higher oil costs (3月30日付け Digital Today)
→AI主導のDDR5需要と供給逼迫を背景に、DRAMの契約価格は最大95%上昇する見込みだ。原油価格の上昇はコスト圧力を高め、サプライヤーの価格決定力を強化し、メモリ価格の上昇が下半期も続くことを示唆している。

◇Micron reportedly developing stacked GDDR to address shifting AI memory demand (4月1日付け DigiTimes)
→ET Newsによると、マイクロンはAIメモリの需要変化に対応するため、垂直積層型グラフィックスDRAM(GDDR)製品を開発しているとのことだ。

◇Micron developing stacked GDDR for AI inference, with prototype targeted for 2027―Reports: Micron eyes 2027 for stacked GDDR prototype (4月2日付け New Electronics)
→1)Micron社は、業界初となる積層型グラフィックスDRAM(GDDR)の開発に取り組んでいると報じられており、AI推論や高性能グラフィックスアプリケーション向けのメモリ選択肢に大きな変化をもたらす可能性を示唆している。
 2)報道によると、Micron Technology社は、AI推論および高性能グラフィックス向けの初のGDDRの開発に取り組んでおり、2027年にはプロトタイプが完成する見込みだ。積層型GDDRは、高帯域幅メモリ(HBM)の性能には及ばないものの、コスト効率の高い代替手段となる可能性がある。

◇Nanya Q1 revenue surges by 582.91% (4月3日付け Taipei Times)
→1)AIブームによる需要増:同社は、AIブームに伴うDRAMチップ価格の高騰、特に主力製品であるDDR4 DRAMチップの好調な売れ行きから恩恵を受けている。
 2)Nanya Technologyは、DRAM供給不足と価格高騰を背景に、第1四半期の売上高が過去最高を記録した。AI需要の高まり、DDR4の生産量制約、そして先進メモリへの業界シフトが成長を後押しし、事業拡大計画と設備投資の増加につながった。

◇SSD価格、1〜3月期は5割高 AI向け需要急増で逼迫 (4月3日付け 日経 電子版 15:00)
→パソコンに組み込む記憶装置、ソリッド・ステート・ドライブ(SSD)の大口取引価格が急騰した。1〜3月期は前四半期比で5割程度高い。AI向けが急増し、4四半期連続の値上がり。需給逼迫は深刻で調達難となっている。


【中国半導体市場関連】

米国の制裁を受けるなか、自給自足化を図っている状況に随時注目、現下の動き&推移である。中国のAIおよびグラフィックスチップメーカーの昨年の市場シェアの伸びに特に注目している。

◇China’s top chip foundry SMIC unveils action plan for seizing new growth opportunities―SMIC outlines 2026 growth strategy amid chip demand (3月27日付け South China Morning Post (Hong Kong))
→1)*半導体受託製造大手SMICは、「既存在庫の最適化と新規増産の開拓」計画に基づき、今年度、平均以上の成長を目指す。
  *中国最大の半導体受託製造企業であるSMICは、既存事業の強化と2026年までの新たな成長機会の創出を目指す行動計画を発表した。同社は、中国の半導体自給自足推進の中核企業としての地位を確固たるものにすることを目指している。
 2)SMICは、中核事業の拡大と新たな成長の推進を目的とした2026年行動計画を発表し、中国の半導体自給自足への取り組みを強化した。同社は、特殊半導体、サプライチェーンの国内回帰、国内代替を優先し、業界平均を上回る売上高の伸びを目指す。

◇China’s tech self-sufficiency drive reaches new milestone with powerful RISC-V chips (3月27日付け South China Morning Post)
→中国は半導体の自給自足体制を加速させ、中国科学院とアリババが共同開発したRISC-Vチップを発表した。XiangshanとXuanTieのC950は高い性能を発揮し、新OS「Ruyi OS」はオープンソースのエコシステムを強化する。

◇Top Chinese chipmaker alleged to supply to Iran (3月28日付け Taipei Times)
→米国当局は、SMICが約1年間にわたりイランの軍事産業に半導体製造装置と訓練を提供し、制裁措置に違反した可能性があると主張している。この主張は、米国が中国の先端半導体技術へのアクセスをさらに制限しようとする中で、米中間の緊張を高めるものとなっている。

◇Chinese analogue chipmakers join wave of global price rises as mature-node firms eye gains (3月29日付け South China Morning Post)
→1)アナリストらは、価格上昇によって中国の成熟ノードメーカーは、利益率を大きく犠牲にすることなく、米国や欧州のライバル企業と競争できる余地が生まれると指摘している。
 2)AI主導の需要拡大とコスト上昇が半導体業界全体に波及する中、中国のアナログ半導体メーカーは世界の同業他社と同様に価格を引き上げている。アナリストらは、この動きは生産能力の拡大と競争力のある価格設定を可能にすることで、中国の成熟ノードメーカーの業績向上につながる可能性があると述べている。

◇China's homegrown silicon suppliers gain traction as Nvidia struggles to get its chips into the market - Huawei, Cambricon and more step up to fill crucial market gap―Chinese chipmakers gain market share from Nvidia―When the GPU cat is away, the mice will play. (4月2日付け Tom's Hardware)
→ファーウェイやアリババ傘下のT-Headなど、中国のAIおよびグラフィックスチップメーカーは2025年に市場シェアを大きく伸ばし、国内サプライヤーがAIサーバー市場の41%を占めるようになった。一方、米国の制裁措置や貿易制限によりNVIDIAの中国へのグラフィックス処理ユニット(GPUs)の出荷が制限されたため、NVIDIAの市場シェアは2022年の95%から55%に低下し、国内代替品の台頭を促した。

◇Nexperia’s China unit nears fully local production of chips: company sources (4月3日付け Taipei Times)
→ネクスペリアの中国法人は、地政学的緊張の高まりを受け、欧州の規制を回避するため、半導体生産を完全国内で行う方向へと転換している。この転換は、オランダの親会社との摩擦にもかかわらず、サプライチェーンの再構築、生産能力の拡大、そして2026年末までに生産の大部分を現地化することを目的としている。

ご意見・ご感想