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先端を巡る取り組みから:TSMC対Samsung、TeraFab、実装後工程関連

かつてのMooreの法則の進展からPost Mooreと言われるようになった半導体の世界の最先端の展開が、AI(人工知能)インパクトでさらに煽られそうな様相を感じるこの頃である。現下の取り組みからの注目、まずは2-nm市場も制覇を目指して先行するTSMCに対して、追い込みを図っているSamsungの現状の対比があらわされている。次に、イーロン・マスク氏のTeraFabであるが、AI5ハードウェアの初期サンプルが公開されるとともに、サプライヤに対し、"光の速度"の対応をと発破をかけるマスク氏。それに対して、近道はないとTSMCトップの反応が見られている。そして、三次元&重ね合わせの展開を図る先端実装および後工程関連の内容を取り出している。

≪AIが早めるか、日進月歩の度合い≫

2-nmを巡って先行するTSMCに対して追い込みを図るSamsungの現時点が、以下の通りあらわされている。

◇TSMC To Rule The 2nm Market With An Iron Fist, As Samsung Falters In Its Progress, Next-Generation Process Yields Dropping To Subpar Levels (4月13日付け Wccftech)
→*2nmプロセスの歩留まりが50%台というのは、プロセスが「稼働中」であることを示しているに過ぎず、サムスンが長期的な顧客を確保できたという兆候は全く見られない。
 *サムスンはTSMCと2nmプロセス開発競争に参入したが、多くの顧客にとって有力な選択肢と見なされているにもかかわらず、ライバルと対等な立場で競争するには程遠い状況である。最新の報告によると、サムスンは2nm GAAプロセス技術の開発で壁にぶつかっており、最新の推定では歩留まりは50%台半ばにとどまっている。さらに悪いことに、後工程が完了すると歩留まりは40%まで低下すると予想されている。つまり、サムスンの2nm GAAプロセスの歩留まり60%という数値は正確ではなかった可能性が高いということである。

◇[News] Samsung 2nm Yields Reportedly at ~55%, Below Mass Production Threshold; Qualcomm May Opt for TSMC (4月14日付け TrendForce)
→サムスンは2nmプロセスの歩留まりが50%台半ばにとどまり、加工後には40%近くまで低下するなど、量産に必要な水準を下回っている。TSMCの60〜70%に大きく遅れをとっており、主要顧客を失うリスクを抱えている。ただし、テスラや小規模なパートナー企業からの受注は限定的ではあるものの、サムスンにとっては追い風となっている。

◇Samsung 2nm yields reportedly remain below mass production threshold―Sources: Samsung makes strides in 2nm yield progress (4月14日付け DigiTimes)
→1)業界関係者によると、サムスン電子は2ナノメートルプロセスの歩留まりを昨年の20%から約55%に改善したが、量産に必要な60%にはまだ達していない。TSMCは60%から70%の歩留まりを達成したと報じられており、この差はサムスンがファウンドリ顧客を確保する能力に影響を与える可能性がある。
 2)サムスン電子は2nmプロセスにおいて技術的な節目に近づいているものの、歩留まりが低く、安定した量産に必要な水準には達していないため、次世代チップ分野における主要なファウンドリ顧客を獲得できるかどうかについて懸念が生じている。

実際はどうなのか、引き続き注目するところであるが、Appleが1-nm以下のチップを数年以内に発表ということで、独占半導体パートナーであるTSMCとともに線表が描かれている。

◇Apple Could Unveil Its Sub-1nm Chips In A Few Years, As TSMC Said To Fire Up Trial Production In 2029―Apple, TSMC both target sub-1nm chips (4月17日付け Wccftech)
→1)*TSMCの新たなリソグラフィロードマップによると、同社は1nm以下のプロセスにおいて、まず5,000枚のウェハー生産を目標とし、様々な設備を活用してこれを実現する予定だ。
  *2nmチップセットの第一波は今年後半に登場予定で、AppleはiPhone 18シリーズ向けにA20およびA20 Proチップセットを発表するが、特に半導体業界においては、休んでいる暇はない。なぜなら、この製造プロセスの次に何が来るのかが重要な課題だからだ。最新の報道によると、時価総額1兆ドル規模のアップルの独占半導体パートナーであるTSMCは、数年以内に1nm以下の微細化技術を導入し、新たなマイルストーンを達成する計画だ。試作は2029年に開始される見込み。
 2)アップルは今後数年以内に1nm以下のチップを発表する予定で、TSMCは2029年に試作を開始し、2028年には1.4nmチップの量産を開始する計画だ。TSMCは、台南A10工場とP1〜P4工場を活用し、1nm以下のプロセスで月間5,000枚のウェハー生産を目指している。

先週インテルが参加ということでとりあげたイーロン・マスク氏のAI半導体製造プロジェクト、TeraFabであるが、AI5ハードウェアの初期サンプルの公開について以下の通りである。

◇Elon Musk demonstrates first sample of Tesla AI5 processor, accidentally thanks TSC rather than TSMC - claims 40X performance boost over the predecessor―AI6 and Dojo 3 enroute too. (4月15日付け Tom's Hardware)
→イーロン・マスク氏は水曜15日、テスラの自動車、Optimusロボット、そして将来的にはxAIデータセンターにおけるAIアプリケーションの駆動に使用される、テスラのAI5ハードウェアの初期サンプルの一つを画像で公開した。マスク氏によると、AI5プロセッサはレチクルサイズが約半分で、業界標準のメモリを使用しているにもかかわらず、特定のシナリオではAI4よりも最大40倍高速になるという。

◇Tesla stock adds nearly 8% as Elon Musk touts chip progress (4月15日付け CNBC)
→1)*テスラ株は水曜15日、同社が車両向けソフトウェアアップデートをリリースし、イーロン・マスクCEOがチップ技術の進歩を強調したことを受け、約8%上昇した。
  *この急騰は、火曜14日に以前は弱気だったUBSのアナリストが格上げを発表したことを受けてのものだった。
  *テスラ株の投資判断を「売り」から「中立」に変更し、目標株価を約1ドル引き上げて352ドルとしたことも背景にある。
 2)テスラ株は、イーロン・マスク氏がAI5チップが重要な技術的マイルストーンを達成し、生産開始が間近だと述べたことを受け、約8%急騰した。同社はスペースXと共同でチップ工場を建設する計画で、インテルもこのプロジェクトに参加している。また、UBSはテスラ株の投資判断を引き上げ、目標株価も上方修正した。

このA15チップも、TSMCとSamsungによる製造とされている。

◇[News] Musk Confirms AI5 Tape-Out, but Wrong TSMC Tag Triggers Social Media Mix-Up (4月15日付け TrendForce)
→テスラはAIロードマップを前進させ、AI5チップのテープアウトを完了し、サムスンとTSMCによる製造準備が整ったことを示唆した。2027年の生産開始を予定しているAI5は、自動運転とロボット工学を対象としており、次世代AI6とDojo 3プログラムも予定通り進められている。

インテルのTeraFabでの役割があらわされようとしている。

◇Intel To Disclose Full Details of Elon’s Ground-Breaking TeraFab Project That Will Reshape The Chipmaking Industry―Intel to detail Musk's TeraFab collaboration (4月16日付け Wccftech)
→インテルは、自動車、ロボットおよびAI向けのチップ製造に重点を置いた、イーロン・マスク氏とのTeraFabプロジェクトにおける協力の詳細を公表する予定だ。このプロジェクトには製造工場の建設が含まれており、テスラのチップ生産を自社で行うことを目標としている。一方、マスク氏はAI5プロセッサを発表し、前世代と比較して最大40倍の性能向上を実現したと強調している。

◇[News] Intel Reportedly to Brief Staff on TeraFab Involvement in Coming Weeks, While Key Foundry Details Remain Limited (4月16日付け TrendForce)
→インテルは、イーロン・マスク氏の半導体ベンチャー「テラファブ」における自社の役割を詳細に発表する予定で、これをAI、ロボット工学、および宇宙システムを支援するための戦略的提携と位置づけている。主導権や事業範囲は明らかになりつつあるものの、コスト、スケジュール、および製造歩留まりといった重要な疑問点は依然として未解決のままだ。

イーロン・マスク氏は半導体製造にどう取り組むか。サプライヤに対して"光の速度"で動くよう求めているが、TSMCのウェイCEOは「近道はない」と飾り気のない反応となっている。

◇Musk asks suppliers to move at ‘light speed’ on Terafab project (4月17日付け Taipei Times)
→イーロン・マスク氏のチームは、計画中のテラファブ建設に向けて、主要な半導体製造装置メーカーに連絡を取り、迅速な見積もりと生産能力の確保を求めている。業界の懐疑的な見方にもかかわらず、この野心的なプロジェクトは、大規模なAIチップ生産体制の構築を目指しており、2029年までの試作生産開始を目標に、TSMCに挑戦する構えだ。

◇TSMC projects over 30% sales growth (4月17日付け Taipei Times)
→1)近道はない:イーロン・マスク氏のテラファブ構想について問われたTSMCのC.C.ウェイCEOは、工場建設には2〜3年、生産量拡大にはさらに1〜2年かかると述べた。
 2)TSMCは、AIチップ需要の急増、$56 billionへの設備投資増、そして世界的な3nmプロセス拡大を理由に、今年の売上高成長率予測を30%以上に引き上げた。また、クラウドサービスプロバイダーからの受注に牽引され、過去最高の利益と力強い業績見通しを発表した。

そして、三次元に切り開いていく実装後工程関連の取り組みが、以下多彩なビジネス&技術の内容である。

◇[News] ASE Reportedly to Break Ground on Six New Plants in 2026; CPO Mass Production Expected to Begin This Year (4月10日付け TrendForce)
→ASEホールディングスは、高雄の仁武工場で起工式を行い、2026年に6つの新工場を建設する計画で大規模なグローバル展開を示唆した。1,083億台湾ドルの投資を約束し、AI需要の高まりを見込んで設備投資額の増加を狙い、AIブームの中、今年中にCPOの量産を目指す。

◇ASE plans to invest more than US$3.1bn in new fab (4月11日付け Taipei Times)
→1)エネルギー問題:TSIAは、中東戦争が半導体供給の安定性に及ぼす影響を軽減するため、政府に対し天然ガスとヘリウムの備蓄量を増やすよう要請した。
 2)ASEテクノロジーは、AI主導の需要に対応し、生産能力を拡大し、数千人の雇用を創出するため、高雄に1,000億台湾ドル以上を投じて新たな先端チップテスト施設を建設する計画だ。半導体パッケージングとテスト事業の急成長を受け、建設を加速させている。

◇Samsung reportedly bets on Vietnam with $4bn chip packaging push; Amkor expands presence (4月13日付け DataQuest)
→1)Amkor Technologyは、ベトナムでの事業拡大を加速させるとともに、現地当局と協力して計画や政策を策定し、半導体工場へのLPG供給を優先的に進めている。
 2)AIチップ需要の急増を受け、半導体大手各社は東南アジアにおける先端パッケージング事業の拡大を加速させている。サムスンはベトナムに$4B規模の工場を建設する計画で、インテルはマレーシアの工場建設を進めている。一方、AmkorはBac Ninh省の事業を拡大し、エネルギー、補助金、および人材確保のための支援を求めている。

◇[News] TSMC Advances Panel-Level Packaging, CoPoS Pilot Line Reportedly Set for June Completion, 2028-29 Ramp Eyed (4月13日付け TrendForce)
→TSMCは、AIチップのボトルネックを緩和するため、パネルベースの先進的なパッケージング技術を推進し、CoPoSパイロットラインの開発を進めている。装置が到着し、6月までに完成予定で、2028〜2029年には量産開始が見込まれる。米国と台湾の生産能力は、NVIDIA、AMD、Appleの旺盛な需要に対応するため拡大される。

◇[News] Samsung-Backed Vertical Die Research Reportedly Targets 10x I/O and 4x Bandwidth Gains for HBM (4月13日付け TrendForce)
→1)JEDECはHBMの高さ制限を緩和し、HBM4の775マイクロメートルから約900マイクロメートルに引き上げる予定だが、業界は従来のHBMアーキテクチャの構造的な限界を克服する方法を模索し続けている。ET Newsによると、サムスン電子の未来技術研究プログラムの下で進められている「垂直ダイ」ベースの先進パッケージングプロジェクトは、目に見える進歩を遂げているという。
 2)サムスンが出資する研究者らは、チップを垂直に配置する「垂直ダイ」パッケージング技術を開発し、HBMの限界を突破しようとしている。この設計により、I/O密度が最大10倍、帯域幅が4倍に向上し、レイテンシが低減されるほか、革新的な冷却システムとガラスベースの相互接続が追加され、次世代AIおよびHPCシステムへの応用が期待される。

以上、それぞれの取り組みの進展、開花に引き続き注目するところである。


激動の世界の概況について、以下日々の政治経済の動きの記事からの抽出であり、発信日で示している。

中東情勢が引き続き大きく影を落とす以下今週の推移である。

□4月12日(日)

米国とイランの協議は合意に至らず、改めての開催が模索されている。

◇米イラン協議、20時間超も合意に至らず 核開発やホルムズ海峡で相違 (日経 電子版 18:00)
→米国とイランは11〜12日にかけて戦闘終結をめぐり20時間以上にわたって協議した。合意には至らず、米国が放棄を求めるイランの核開発などで溝が埋まっていない。ホルムズ海峡通航の本格的な再開や今後の交渉の道筋を描けないまま、両国の代表団は帰国の途についた。

□4月14日(火)

和平協議への期待で、中日水曜以外は上げ基調、最高値が視野に入る水準で締めた今週の米国株式市場である。

◇米S&P500が反発、イラン攻撃前水準を回復 和平協議の継続観測で (日経 電子版 06:15)
→13日の米株式相場は反発し、主要指数のS&P500種株価指数は前週末比1.0%高い6886で引けた。米国とイスラエルがイランを攻撃する直前の2月27日の水準(6878)を回復した。戦闘終結に向けた前週末の協議では合意に至らなかったが、協議継続への期待は消えていない。
 ダウ工業株30種平均は前週末301ドル68セント(0.6%)高の4万8218ドル25セントだった。

□4月15日(水)

IMFは、本年の世界経済成長予測を下方修正している。

◇世界成長3.1%に減速 IMFの2026年予測、原油高続けば2%に (日経)
→国際通貨基金(IMF)は14日、中東紛争の早期収束を前提に2026年の世界経済が3.1%成長になると予測した。前回1月時点から0.2ポイント下げた。原油高が長引けば、成長率は約2%まで鈍ると警告した。エネルギー価格の高騰を招いた米イランの衝突の先行きはなお見通しにくい。今回は影響を3パターンに分けて試算した。

◇米ナスダック総合、4年5カ月ぶり10連騰 停戦期待が迫る戦略転換 (日経 電子版 06:36)
→14日の米株式市場でハイテク株の比率が高いナスダック総合指数が前日比2.0%高の2万3639で引け、10営業日連続で上昇した。10連騰は2021年11月以来、約4年5カ月ぶり。米国とイランの和平協議に対する期待から、先物などデリバティブ(金融派生商品)に買いが入り、急速な相場回復を主導する。
 ダウ工業株30種平均は前日比317ドル74セント(0.66%)高の4万8535ドル99セントと続伸して取引を終えた。

□4月16日(木)

◇米国市場データ NYダウは72ドル安と3日ぶりに反落 (4月15日) (YAHOO! JAPAN)

◇中国の実質GDP5.0%増 1〜3月、輸出・生産がプラス (日経 電子版 11:23)
→中国国家統計局が16日発表した1〜3月の国内総生産(GDP)は、物価の変動を調整した実質で前年同期比5.0%増えた。2025年10〜12月は4.5%増だった。輸出や生産が全体を押し上げた。
 1〜3月の前年同期比増加率は日本経済新聞社と日経QUICKニュースが調べた市場予測の平均(4.7%)を上回った。

□4月17日(金)

◇米国株、ダウ反発し115ドル高 和平協議の進展期待、ナスダックは連日最高値 (日経 電子版 05:39)
→16日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発した。終値は前日比115ドル00セント(0.23%)高の4万8578ドル72セントと3月4日以来の高値だった。米国とイランの戦闘終結に向けた交渉が進むとの観測が相場を支えた。相場が短期間に大きく上げていたため、利益確定の売りは上値を抑えた。

□4月18日(土)

◇ナスダック13連騰、NYダウも紛争前水準 「モンスター級買い戻し」―NYダウ、一時1100ドル高 (日経 電子版 06:09)
→17日の米株式市場は大幅上昇した。ダウ工業株30種平均が前日比868ドル(2%)高の4万9447ドルと米国がイランを攻撃する直前の2月27日の水準(4万8997ドル)を回復。イランが原油輸送の要衝ホルムズ海峡の開放を表明し、投資家のリスク選好が強まった。
 ダウ平均の上げ幅は一時1100ドルを超えた。2月10日につけた最高値(5万0188ドル)の更新も視野に入る。


≪市場実態PickUp≫

【Nvidia関連】

Nvidiaの最先端を切り開く多彩な内容、以下今週での取り出しである。
特に、量子コンピューター開発用AIとして発表された「Ising」に注目している。

◇Nvidia’s Stephen Jones on the toolkit powering GPUs: ‘A wild ride’feature―Nvidia's CUDA toolkit architect reflects on its impact (4月14日付け Computerworld)
→1)技術革新におけるAI革命を支える基盤技術は、量子コンピューティング、ロボット工学、および自動運転車といった新たな分野へのNVIDIAの進出も推進している、とCUDAアーキテクトは述べている。
 2)NVIDIAのCUDAツールキットの主要アーキテクトであるStephen Jones氏は、20年にわたるCUDAの進化と、AI、量子コンピューティングおよび自動運転車といった分野への影響について語る。ジョーンズ氏は、NVIDIAのハードウェアチームとソフトウェアチームの緊密な連携を強調し、CUDAの適応性が新興技術の要求に応える上で極めて重要であったと述べている。

◇NVIDIA Preps GeForce RTX 5060 Ti & RTX 5060 With 9 GB GDDR7 Memory, 1 GB Extra Memory, Launch In May-June―Nvidia to release GeForce RTX 5060 Ti, 5060 with 9GB GDDR7 (4月14日付け Wccftech)
→*NVIDIAのGeForce RTX 5060 TiとRTX 5060 GPUsは、帯域幅を犠牲にしてメモリ容量が1GB増加する予定。
 *NVIDIAは、GeForce RTX 5060 TiとRTX 5060グラフィックカードの2つの新モデルを準備していると報じられている。これらの新モデルは、メモリ容量が9GBに増量されています。
  最近、NVIDIAがGeForce RTX 5050グラフィックカードの9GB版を開発中であると報じられたが、メモリ容量が増加したモデルがさらに登場するよう。

◇Nvidia says AI cuts 10-month, eight-engineer GPU design task to overnight job - company is still 'a long way' from AI designing chips without human input―Nvidia harnesses AI to drastically speed up GPU design―Nvidia reveals how AI speeds up its chip design process. (4月14日付け Tom's Hardware)
→Nvidiaはチップ設計プロセスにAIを統合し、開発期間を短縮した。同社によれば、かつて8人のエンジニアと10ヶ月を要した作業が、NB-CellのようなAIシステムや、Chip NemoやBug Nemoといった大規模な言語モデルのおかげで、今では1つのGPUで一晩で完了できるようになったという。チーフサイエンティストのWilliam Dally氏は、AIはまだプロセッサを独立して設計できる段階には達していないものの、回路設計やアーキテクチャ探索といった分野では優れており、人間のエンジニアよりも優れた結果を生み出していると指摘している。

◇量子コンピューター開発用AI エヌビディアが公開 (4月15日付け 日経)
→米半導体大手エヌビディアは14日、量子コンピューターの開発者向けのAIモデルを公開すると発表した。原理上生じてしまう計算ミスを素早く見つけ出す。量子計算の実用化を後押しする。
 「Ising(イジング)」と呼ぶAIモデルを公開する。量子コンピューターの開発や運用の際に研究者が時間をかけていた調整作業や、計算ミスの検出を効率化する。

◇Nvidia releases open AI models for quantum computing tasks - 'Ising' said to be 2.5x faster and 3x more accurate than existing tools for decoding―Nvidia introduces Ising AI models for quantum computing―Nvidia brings its open model onslaught to quantum computing. (4月15日付け Tom's Hardware)
→Nvidiaは、量子プロセッサのキャリブレーションとエラー訂正を目的としたオープンソースのAIモデル群であるIsingを発表した。NvidiaのCUDA-QおよびNVQLinkと統合されたIsing CalibrationとIsing Decodingは、それぞれキャリブレーション時間の短縮、デコード速度と精度の向上を実現する。

◇Quantum stocks on pace for a massive week after Nvidia debuts AI models to boost the tech (4月16日付け CNBC)
→1)*NVIDIAが有望な量子コンピューティング技術の発展を促進する新たなオープンソースAIモデルを発表したことを受け、量子コンピューティング関連株が今週急騰した。
  *IonQ、D-Wave Quantum、Quantum ComputingおよびRigetti Computingは大幅な上昇が見込まれる。
  *これらの発表は、量子技術への一般の認識を高めるために科学者グループが2021年に設立した「世界量子デー」に合わせて行われた。
 2)NVIDIAが量子コンピューティングを加速させるオープンソースAIモデル「Ising」を発表したことを受け、量子関連株は今週急騰した。IonQは50%以上、D-WaveとRigettiは30%以上上昇した。これは、AIを活用したエラー訂正とスケーリングにおけるブレークスルーへの期待感によるものだ。


【TSMC関連】

AI需要インパクトの恩恵を受けるTSMC、そして次項に示すASMLである。
TSMCの第一四半期は非常に好調な業績内容である一方、先行きの需要に応えきれない可能性、またAI需要はいつまで続くのか、懸念を孕んだ市場の反応がうかがえている。

◇TSMC posts 35% jump in revenue to new record high as AI chip demand stays strong (4月10日付け CNBC)
→1)*TSMCは、第1四半期の売上高が前年同期比35%増の1兆1300億台湾ドル($35.6 billion)に達したと発表した。
  *この半導体大手は、アップルやNVIDIAといった主要顧客からの先端半導体に対する持続的な需要に支えられている。
  *投資家は来週、半導体業界の先行指標と目されるASMLの決算発表にも注目している。
 2)TSMCは、NVIDIAやアップルなどの顧客からのAIチップ需要の好調に牽引され、第1四半期の売上高は前年同期比35%増の1兆1300億台湾ドルと過去最高を記録した。3月の売上高は、価格上昇とAIインフラ投資の拡大により45%増加した。

◇TSMC sales beat estimates despite the conflict in Iran (4月11日付け Taipei Times)
→TSMCは、四半期売上高が前年同期比35%増の1兆1300億台湾ドルに達したと発表した。これは市場予想を上回り、中東情勢の懸念にもかかわらず、AIチップの需要が堅調であることを示している。先進ノードの好調な販売は、AIデータセンターやデバイスへの継続的な投資を裏付けている。

◇TSMC likely to book fourth straight quarter of record profit on insatiable AI demand (4月13日付け Reuters)
→1)*第1四半期の純利益は50%増の見込み
  *TSMCはAIブームの恩恵を他の半導体ファウンドリよりも大きく受けている
  *第1四半期の売上高は35%増
  *決算説明会は木曜日午前6時(グリニッジ標準時)
 2)TSMCは4四半期連続で過去最高益を記録。AIチップ需要の急増を受け、利益は約50%増となる見込み。NVIDIAとAppleからの3nmプロセスおよび先端パッケージング製品への受注が好調で生産能力が逼迫。業績見通しと時価総額は1.6兆ドル近くまで上昇し、過去最高益の連続記録を更新した。

◇TSMC Q1 profit up 58% YoY―TSMC's Q1 profit rose 58% on demand for advanced nodes (4月16日付け Electronics Weekly (UK))
→1)TSMCの第1四半期利益は前年同期比58%増の$18.2 billion、売上高は前年同期比40.6%増の$35.90 billion、2025年第4四半期比6.4%増となった。
 2)TSMCは、第1四半期利益が前年同期比58%増の$18.2 billion、売上高は40.6%増の$35.90 billionとなったと発表した。3ナノメートルおよび5ナノメートル技術への強い需要がこれらの好業績を牽引し、先端技術がウェハ売上高の74%を占めた。

◇TSMC1〜3月純利益58%増 最高益更新、AI需要なお旺盛 (4月16日付け 日経 電子版 14:47)
→半導体世界大手のTSMCが16日発表した2026年1〜3月期決算は、売上高が前年同期比35%増の1兆1341億台湾ドル(約5兆6800億円)、純利益は58%増の5724億台湾ドルだった。AI向け先端半導体の需要が増え続けている。
 売上高・純利益ともに四半期として過去最高を更新した。

◇TSMC and ASML post-earnings stock moves could be a sign of what’s to come from chip companies (4月16日付け CNBC)
→1)*TSMCとASMLは今週、ともに好決算を発表したが、株価は下落した。
  *これは、NVIDIAの直近の好決算発表が売り浴びせに遭ったように、半導体メーカーにとって天文学的な期待が重荷となっている最新の事例だ。
  *TSMCとASMLはともに、AIチップの堅調な需要が続いていることを示した。
 2)TSMCとASMLは、AIチップ需要の急増に支えられ好決算を発表した。TSMCは利益が58%増加し、過去最高益を記録したが、ウォール街の過剰な期待と将来の成長に対する懸念が、堅調な業績を覆い隠し、両社の株価は下落した。

◇TSMC first-quarter profit rises 58%, beats estimates as AI demand fuels record run (4月17日付け CNBC)
→1)*TSMCは、AIチップの好調な需要に牽引され、利益が58%増加したと発表した。
  *売上高は予想を上回り、4四半期連続で過去最高を記録した。
  *TSMCによると、当四半期のウェハー売上高全体の約75%は先端チップによるものだった。
 2)TSMCは、AIチップの好調な需要に牽引され、第1四半期の利益が58%急増し、予想を上回り、過去最高の売上高を達成したと発表した。同社は2026年の力強い成長を予測し、設備投資を増額、生産能力を拡大するとともに、世界的な懸念の中でも強固なサプライチェーンを維持していることを示した。

◇TSMC Chases Soaring AI Demand (4月17日付け EE Times)
→*TSMCはAI大手向けチップ生産拡大のためガス供給を急増させているが、供給不足が懸念される。
 *TSMCはAI需要の急増に対応し、競合他社を凌駕するべく、投資計画を引き上げている。
  世界最大の半導体ファウンドリであるTSMCは今週、NVIDIA、AMD、およびAppleといったAI顧客からの需要に応えるため、生産能力に「多額の投資」を行い、今年度約$56 billionを投じる見込みだと発表した。しかし、この増額投資をもってしても、2027年には需要に追いつけない可能性が高いことをTSMCは否定しなかった。


【ASML関連】

米中、オランダと中国、と地政学インパクトに敏感にならざるを得ないオランダの半導体製造装置メーカー、ASMLであるが、TSMC同様にAI需要を受けて、本年の売上高見通しを上方修正している。先行き懸念を注視しながらの当面当分の対応である。

◇ASML CEO Warns: Nexperia Conflict Exposes Fragile Chip Supply Chain―Dialog is Key to Preventing Semiconductor Industry Crises (4月11日付け National Today)
→オランダと中国がネクスペリアを巡って対立したことを受け、世界の半導体業界では地政学的な緊張が高まっている。ASMLのChristophe Fouquet CEOは、脆弱なサプライチェーンにおいては、紛争がより広範な危機に発展するのを防ぐため、積極的な対話が必要だと警告し、オープンなコミュニケーションを強く求めている。

◇ASML、通期売上高見通しを上方修正 1〜3月期の純利益は17%増 (4月15日付け 日経 電子版 15:00)
→オランダの半導体製造装置大手ASMLホールディングは15日、2026年12月期の売上高見通しを上方修正した。売上高見通しの上限を10億ユーロ(約1900億円)引き上げた。旺盛なAI関連投資の恩恵が続く。
 1月に公表した26年通期の売上高見通しは340億〜390億ユーロだった。15日に360億〜400億ユーロと上方修正した。前期比で10〜22%増となる。売上高総利益率(粗利益率)は51〜53%と従来予想を据え置いた。

◇ASML boosts 2026 sales forecast despite shrinking China sales―ASML raises sales outlook amid strong AI chip demand (4月16日付け South China Morning Post (Hong Kong))
→*オランダの半導体メーカーASMLは、第1四半期決算発表後、年間純売上高を360億ユーロ($42.5 billion)から400億ユーロと見込んでいる。
 *ASMLは水曜15日、堅調な需要を理由に2026年の売上高見通しを上方修正した。これは、世界出荷量に占める中国の割合が引き続き低下し、米国が中国を標的とした新たな輸出規制を導入する可能性に同社が警戒している中での発表となった。
  ASMLは第1四半期決算発表で、年間純売上高を360億ユーロ($42.5 billion)から400億ユーロと予測した。これは、1月に発表した従来の予測である340億ユーロ〜390億ユーロから上方修正されたものだ。

◇ASML raises 2026 sales forecast as AI demand fuels growth (4月16日付け Taipei Times)
→ASMLは、AI主導の半導体需要の急増を受け、通期売上高予測を360億〜400億ユーロに引き上げた。同社は、短期的な四半期業績見通しの悪化や中国市場の逆風にもかかわらず、TSMC、サムスンおよびSKハイニックスといった顧客企業が生産能力を拡大する一方で、供給制約は継続すると見込んでいる。


【メモリ不足&価格高騰関連】

AI需要のためにメモリ半導体が来年まで不足、対象品の価格が大幅に値上がりして世界スマホ出荷が11四半期ぶりに減少している。特に影響を受けているのが中国であり、Xiaomiがランキング・トップ5から外れている。

◇世界スマホ出荷 1〜3月4%減 メモリー不足響く (4月16日付け 日経)
→米調査会社IDCは14日、2026年1〜3月期の世界のスマートフォン出荷台数が、前年同期比4%減の2億8970万台だったと発表した。メモリーの供給不足や価格高騰が逆風となった。出荷台数の減少は四半期ベースで11四半期ぶり。
 メモリー不足の解消には時間がかかり、スマホメーカーの業績の下押し要因になる。影響が大きいのは中華系スマホメーカーだ。小米(シャオミ)は前年同期比19%減の3380万台、OPPO(オッポ)は10%減の3070万台と苦戦した。

◇半導体メモリー27年まで不足 AI優先、米韓3社増産ペース追いつかず (4月17日付け 日経 電子版 05:00)
→半導体メモリーの不足が2027年ごろまで長期化しそうだ。一時記憶に使うDRAMは米韓3社が寡占するなか、増産のペースは需要を満たす必要量に対し6割程度にとどまる。本格的な供給回復は28年になる見通しで、家電製品や自動車などの生産への影響が懸念される。
 ホルムズ海峡の事実上の閉鎖が、電気代や素材コストを押し上げる恐れがあり、半導体各社が増産投資に一層慎重になる可能性もある。

◇中国、スマホ出荷3%減 1〜3月、メモリー高騰で 小米は上位5位から転落 (4月17日付け 日経)
→米調査会社IDCが発表した1〜3月の中国のスマートフォン出荷台数は6900万台と前年同期比3.3%減少した。主要部品であるメモリー半導体の高騰を受けて中国メーカー各社が値上げを実施した影響があった。出荷台数のマイナスは4四半期連続。消費低迷に加え、コスト増が重荷になっている。特に減少が目立つのは小米で、メーカー別の出荷台数で上位5位から転落した。


【Anthropic関連】

OpenAIから袂を分かって安全性や信頼性を特に重視するAIモデルに取り組むAnthropicという受け止めであるが、自律的に脆弱性を探し出す能力を持つ「自律型セキュリティAI」、「Claude Mythos」の反響が引き続く現時点、同社に関連する内容を以下取り出している。

◇[News] Amazon Weighs In-House Chip Sales as Unit Set to Exceed $20B Annually; Anthropic Explores Custom Silicon (4月10日付け TrendForce)
→AI需要の急増を受け、大手テクノロジー企業は自社製チップの開発を加速させている。アマゾンは大規模な成長を目指し、チップやラック全体を外部に販売することを検討している一方、アントロピックは供給不足の中、カスタムシリコンの開発に着手しており、NVIDIAへの依存からの脱却を示唆している。

◇アンソロピックの新AI「Mythos」 サイバー攻撃試験で成功率7割 (4月14日付け 日経 電子版 06:50)
→米新興アンソロピックの新型AI、「Claude Mythos」の実力が徐々に見えてきた。英政府機関、AIセキュリティー・インスティテュート(AISI)は13日、サイバー攻撃力の試験で成功率が7割だったと発表した。専門家は悪用を防ぐ国際ルールが必要だと指摘する。

◇アンソロピックが招くAI国有化論 米識者指摘、Mythos拡散脅威で (4月15日付け 日経 電子版 05:25)
→米新興アンソロピックの新技術がAI開発への国家介入の強化につながるとの見方が出てきた。AIは軍事やサイバー攻撃に使われる戦略資産となり、拡散を防ぐため国の統制が強まるシナリオが現実味を増す。アンソロピックは7日に新型AIモデル「Claude Mythos(クロード・ミトス)」を発表した。

◇アンソロピック辞めた研究者「世界は危機に」 開発競争で理念が無力化―AI開発で価値観を貫く「難しさ」―AIが変えるアメリカ (4月17日付け 日経 電子版 05:00)
→米国でAI開発の最前線にいた安全性に関わる研究者が相次いで現場を離れた。一線を去った開発者の言葉から浮かび上がるのは、進化したAIの暴走を人類は止められるのか、AIは豊かな未来をもたらすのかという根源的な問いだ。

◇アンソロピック、新AI「Opus4.7」提供 ソフトの弱点発見能力は制限 (4月17日付け 日経 電子版 05:40)
→米新興アンソロピックは16日、新型のAIモデル「Claude Opus 4.7(クロード・オーパス4.7)」の一般提供を始めたと発表した。サイバー攻撃への悪用を防ぐため、ソフトの弱点を見つける能力は制限した。
 アンソロピックは7日にソフトの脆弱性を特定する性能が高いAIモデル「Claude Mythos」を発表し、不正利用の懸念から一般提供をやめ、一部の企業に限定して公開した。

◇アルトマン氏宅放火犯は標的リスト所持 「反AI思想」先鋭化の闇 (4月18日付け 日経 電子版 04:50)
→米オープンAIのサム・アルトマンCEOの自宅に火?瓶が投げられた事件で、逮捕・起訴された男はAI普及に反対する主張を繰り返していた。AIに対する社会不安が、暴力行為の先鋭化を招いている。

◇アンソロピックCEO、ホワイトハウス訪問 関係改善へ首席補佐官仲介 (4月18日付け 日経 電子版 05:43)
→米新興アンソロピックのダリオ・アモデイCEOが17日、米ホワイトハウスを訪問した。ワイルズ大統領首席補佐官と面会する。AIの軍事利用で米国防総省と対立する中、関係回復を模索している。

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