2026年第1四半期のTSMC売上額、過去最高額をまたも更新
TSMCの2026年第1四半期(1Q:1〜3月期)の決算が発表された。それによると売上額は前年同期比(YoY)で40.6%増の359億ドル営業利益率は58.1%、純利益率50.5%と好調が続いている。前四半期の決算では今期の売上額を346〜358億ドルと見ていたことから、それよりもわずかだが上振れした。ASMLの決算も発表され、EUV売上額が全売上額の66%も占めるようになった。AIデータセンター市場が急速に拡大しており、AIチップをセットで使うメモリ需要の高まりでPCやスマートフォン向けの不足が続きそうだ。
図1 TSMCのプロセスノード別売上額 出典:TSMC
4月17日の日本経済新聞でも報道されたように、TSMCは先端製品で売り上げを伸ばしている。3nmプロセス品の売上額は全売上額の25%を占め、5nmプロセスのそれは36%、7nmは13%となっている(図1)。Nvidiaの最新GPUである「Rubin」は、AIデータセンターやスーパーコンピュータなどHPC(高性能コンピューティング)向けに3nmプロセスで製造されている。用途別では、HPC向けが全売上額の61%、スマホは26%となっており、その比率は前四半期比(QoQ)で20%増となっている。
次の四半期(4〜6月期:2Q)の見通しは390〜402億ドルと今回の売上額よりも8.6〜12.0%増と見込んでいる。TSMCは売り上げ至上主義ではなく、しっかりと利益を確保する戦略をこれまで取ってきたことから、次四半期の粗利益率は65.5〜67.5%、営業利益率は56.5〜58.5%と見ている。2Qの成長はAI関連需要、特にCSP(クラウドサービスプロバイダ)の顧客需要がさらに強まっているからだとC.C.Wei CEOは述べている。
ただし、2nmプロセスの立ち上げによって(最初は歩留まりが悪いため)、今年後半の粗利益率は下がるため2026年全体でも2〜3%下がるという。さらに中東戦争の影響で半導体製造に必要な化学薬品やガスの値上げが利益率を下げるだろうと見ている。とはいえ、2026年の設備投資額は、当初予定の520〜560億ドルの高い方になりそうだという。
昨年第4四半期に量産開始した2nmプロセスのN2ノードは、さらに高性能版であるN2PやA16を含むN2ファミリをさらに展開していく一方で、N3プロセスの生産能力も上げていく。「これまでは量産目標に達したプロセスノードの生産能力をさらに上げることはなかったが、これが初めてのケースとなる」とWei CEOは述べている。それはHPC/AIやスマホの需要からHBMベースチップや自動車、IoTの顧客が使うという需要が堅調に膨らんでいるからだという。N3ファブは台南だけではなく、アリゾナや熊本などの工場(JASM)を追加建設中であり、それぞれ2027年上半期、同年下半期、2028年の稼働開始を予定している。
15日に発表されたASMLの決算も好調になってきた。世界の半導体製造装置メーカートップを続けるASMLの売上額は、2026年1Qに88億ユーロ(1ユーロ=186.8円)となっており、その内ロジック向け装置が31億、メモリ向けが32億、サービス(保守・メンテナンス)が25億のユーロとなっている。
特に今期はEUVリソグラフィ装置売上額が41億ユーロとこれまでの最高金額で、全売上額の66%を占め、出荷台数は16台となっている。このことから1台当たりの平均価格を算出すると、2.56億ユーロすなわち約479億円となり非常に高価な製品である。この中には高NA製品も含まれており、それはもっと高価である。今のASMLの売上額を稼ぐ最大の製品となっている。
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