2013年7月16日
|長見晃の海外トピックス
10年ひと昔、3年ひと昔、ドッグイヤーなど折に触れて技術変化の激しさあるいは周期を表わしてきた感じ方であるが、このところのパソコンからモバイル機器への急激な流れは、今までの基準、通り相場を大きく変えるdisruptiveという表現がより当てはまりそうな情勢である。技術的には、低電力設計、材料と半導体業界の立ち位置が変わらざるを得ないとともに、ビジネス的にもモバイルへの怒涛の急流に舵を切り直さざるを得ない大手プレーヤーの変革の動きが続いている。
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2013年7月 8日
|長見晃の海外トピックス
米SIAから恒例の月次世界半導体販売高の発表が行われ、今回は先の5月分である。大方の予想を上回って、3年余りぶりとなる前月比伸び率4.6%と大きく飛躍、全地域が前月比プラスとなるのも2012年9月以来となっている。内訳としては、AmericasとAsia Pacificが大きく引っ張り、欧州と我が国は微増に留まっている。スマートフォン、タブレットなどモバイル機器の伸びに依存する昨今の市場情勢をさらに色濃く映し出しており、TSMCおよびSamsungを巡る動きにそれが端的に表われている。
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2013年7月 1日
|長見晃の海外トピックス
新興市場を代表する中国、そしてモバイル機器の急拡大、と何をいまさらという感じであるが、いろいろな切り口で改めての認識が求められる雰囲気を感じている。半導体市場の6割近くをAsia Pacificが地域別に占め、その中の大きな比率を中国が引っ張る現時点である。グローバルエレクトロニクス生産の半分以上が中国という下りが見られるが、当然かもしれない。もう一つ、DRAM市場も然り、応用分野として長らく引っ張っているパソコンをモバイル機器が今にも追い抜くというデータが表われている。
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2013年6月25日
|長見晃の海外トピックス
年2回開催される世界的なスーパーコンピューティングに関する国際会議、ISC'13(International Supercomputing Conference)(6月17-20日:Leipzig, Germany)にて、恒例のトップ500が発表されている。世界各国が威信をかけて計算速度を競うこの場、今回は中国が開発した「天河2号」が、我が国の「京」などを抜いて2年半ぶりの世界一となっている。目まぐるしく変わるランキングとともに、高性能を実現する中身、そしてこのようなアプローチの蓄積から拡がる興味深い応用展開に注目している。
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2013年6月17日
|長見晃の海外トピックス
スマートフォン用プロセッサ受託製造対応が引っ張って、ファウンドリー最大手、TSMCの5月販売高が最高を更新、前年同月比17.2%増と勢いが続いている。そのようななか、インテルからは、モバイルも含めたプロセッサ製品ラインの整備、AMDはゲーム機CPU、Broadcomは市場最高性能の通信用プロセッサの打ち上げと、新たな市場開拓に向けた追い上げが高まってきている。一方、半導体市場、そして世界経済と全体で見ると停滞感が否めないところがあり、危機感の警鐘が随時聞こえてくる受け止めである。
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2013年6月10日
|長見晃の海外トピックス
SIA(Semiconductor Industry Association)から4月の世界半導体販売高およびWorld Semiconductor Trade Statistics organization(WSTS)の2013年春季グローバル半導体販売高予測が発表され、本年の累積販売高は依然辛うじて昨年のペースを上回り、今後の拡大に期待する内容となっている。データで目立つのは、4つに分けた地域別の販売高で、我が国が3月、そして4月と欧州を下回って最下位になっていることである。WSTSの中期予測も下方修正されており、我が国、業界全体の盛り返しが強く望まれる状況である。
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2013年6月 3日
|長見晃の海外トピックス
モバイル機器活況に大きく傾斜、パソコンが盛り返しを図る現時点の半導体を取り巻く市況のなか、欠かせないのは絶え間ない微細化、高性能化に向けた最先端技術への取り組みである。これは半導体の歴史でこれまで繰り返してきて当然のことではあるが、技術面、経済面ほかのますます高まる現状の障壁を打開するために、新たな地域、連携の取り組みが時を同じくして打ち上げられている。世界半導体業界として"グローバルな協調と競争"が謳われて約17年、今日まで進展してきた中でのひとつ新しい段階を感じている。
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2013年5月27日
|長見晃の海外トピックス
昨年、2012年のmicroprocessor(MPU)販売高ランキングがIC Insights社から発表され、これまでのインテルおよびAMDのx86アーキテクチャー圧倒的2強にARMモバイル勢が迫っていたのが、ついにQualcommおよびApple向けを担うSamsungの2社がAMDを追い抜く結果となっている。とはいっても、依然桁違いに抜きん出ているインテルであり、AMDともども今後のパソコンの方向性に向けて新たな路線の打ち上げが見られている。長らく半導体の最大応用分野を維持しているパソコンに対する今後の市場の反応に注目である。
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2013年5月20日
|長見晃の海外トピックス
エレクトロニクス業界の現状がくっきりと表れている2013年第一四半期半導体ベンダーランキングが、IC Insightsから発表されている。モバイル機器活況、パソコン低迷が続いて各社順位、伸長率にさらに変化の度合いを増しているし、我が国の半導体メーカーについては特に急激に進んだ円安の動きから増幅されて大幅な落ち込みを示している。当然ながらモバイル機器関係半導体が主力のメーカーはさらに伸ばそうとする動きが活発化する一方、立て直し、挽回を図る各社各様の戦略打ち上げの動きが見えてきている。
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2013年5月13日
|長見晃の海外トピックス
モバイル機器が活況を増す一方で、パソコンおよび産業用市場は厳しい局面が続いている。従来PCで容赦ない低下が続く一方、産業用エレクトロニクスの大手サプライヤ8社が、2012年は売上げが減少、取り巻く市場の弱含みの状況を反映している。これに対してスマートフォン、タブレットまで照準に入れた新アーキテクチャー、カスタムのファウンドリー製造対応、新規に顧客を開拓してのカスタム設計半導体事業対応、など各社の培った強みを前面にして打開を図る動きが見られている。
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