2012年11月26日
|長見晃の海外トピックス
新興経済圏の台頭、パソコンと携帯電話の2大分野と、半導体の市場の世界を追っていきながらこの10年余りで経てきている時代のうねりであるが、ここにきてパソコン停滞、モバイル機器活況という新たなうねりを強く感じるところがある。身近にはパソコンで十分事足りるという感じ方であるが、若い世代を中心に目的地に辿り着くなどリアルタイム情報にスマホが急速に浸透している。直接、間接どの程度結びつくかはあるが、新しい時代の波に合わせた大手プレーヤーの動きというものを受け止めている。
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2012年11月19日
|長見晃の海外トピックス
半導体が様々なシステムの中に入っていって、システム機能ごとにますます位置づけを考えざるを得ない、と足を運んでみたEmbedded Technology 2012展示会(11月14日〜16日:パシフィコ横浜)での率直な感じ方である。新たな機能が生まれるとともに、機能ごとにさらに細かく分化、高度化していく流れが見られて、全体の把握から入るのに大変さを感じるところがある。それぞれに今まで集積した成果の賜物であり、市場の理解を得て価値を精一杯プレゼンするマーケティングの凌ぎ合いの局面を受け止めている。
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2012年11月12日
|長見晃の海外トピックス
米国大統領選挙は、オバマ(Barack Hussein Obama, Jr.)大統領が再選されたが、その直前に前回の本欄で述べた米国の半導体雇用の伸びの実態が発表されたのに続いて、選挙日の前日に恒例の月次世界半導体販売高がSIA(米国半導体工業会)からリリースされている。9月の販売高について、米国が2年以上ぶりの前月比伸び率を示していて、雇用の伸びとともに半導体業界ここにありと、精一杯のアピール、働きかけが伝わってくる。選挙翌々日には、情報技術合意(ITA)の拡張促進を求める発表が冷めやらず行われている。
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2012年11月 5日
|長見晃の海外トピックス
事業再構築の厳しい逆風のさなかにある我が国の半導体・エレクトロニクス業界であるが、米国半導体業界の声を政府に働きかけることが重要な使命の1つであるSIA(Semiconductor Industry Association)から、米国労働省労働統計局(BLS)の2011年データをもとに、米国の半導体雇用が他分野の伸びを上回って約250,000に達しているという発表が行われている。11月6日に迫った大統領選挙に照準を合わせたものと思われるが、先端技術を確保していくアピールとして身近に必要性、緊急性を感じている。
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2012年10月29日
|長見晃の海外トピックス
あの発売を待ち焦がれるワクワク感がどちらが優るだろうか、そんな見方になってしまいがちなアップルからの小型タブレット(iPad Mini)そしてプロセッサを新たにした新版full-size iPad、それらに対抗するマイクロソフトのWindows 8とそれを搭載する各社からのパソコンおよびタブレットという図式である。仕事に生活になくてはならず離せなくなっているパソコン、モバイル機器にどのような転機が訪れるか、世界の市場の反応に注目である。
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2012年10月22日
|長見晃の海外トピックス
半導体そしてパソコン業界について各国・地域各様の事業再構築に迫られる事態となって、大統領選挙を控える米国ではjobsの確保と創出が最大の争点の1つに改めて浮上している。我が国ではルネサスエレクトロニクスの救済に国が乗り出し、トヨタ、日産はじめ約10社が出資に協力する方向となっており、業際を超えて基幹半導体製品を確保する動きとなっている。欧州でもSTマイクロの事業再構築に、フランス政府がjobs確保を最優先に取り上げている動きで、それぞれに将来を担う業界の確保に官民挙げての取り組みが必須という状況をますます伺わせている。
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2012年10月15日
|長見晃の海外トピックス
今年のノーベル生理学・医学賞の受賞者の1人に、様々な種類の細胞に変化できるiPS細胞(induced Pluripotent Stem cell)を作製した京都大学iPS細胞研究所長の山中伸弥教授が選ばれて、連日喜びの声で沸き上がっている。
半導体デバイスにおいても医療機器での応用に微細化プロセス、システム小型化技術を最大限活用する取り組みが続いているが、難病に苦しむ人たちの痛み、不便さを少しでも和らげ取り除いていく同じ目標に向かって、これを機に開発・実用化のテンポにさらに拍車がかかる強い期待感がある。
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2012年10月 9日
|長見晃の海外トピックス
iPhone 5が市場の話題を賑わせるなか、米国SIAから8月の世界半導体販売高データが発表されている。前月並みの値となっているが、前年同月には3.2%減と及ばず、本年1月から8月までの累計では前年に比べて4.6%減っている。
モバイル活況が引っ張る盛り返しが期待されているが、一方で欧州そして米国と経済の減速懸念がさらに強まって、中国、インドはじめ頼みの新興経済圏の伸びを脅かせており、折しも米国大統領選挙をはじめとする節目の動向に半導体業界も固唾を飲んで注目していかざるを得ないところと思う。
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2012年10月 1日
|長見晃の海外トピックス
最先端プロセス世代をリードするプレーヤーが数えるほどに絞られてきている一方、iPhone 5はじめ先端技術の粋を競うモバイル機器市場の世界的な活況が続いている。パソコン市場も劣勢挽回の動きが今後活発化するのは必至というなか、ファウンドリー業界の大手プレーヤー間の一層の凌ぎ合いの様相を、特に先端プロセス、モバイル市場、MEMSという切り口で見い出している。ファブレス、Fab-lite化がますます進む流れを受け、ファウンドリー業界の最先端プロセスおよび市場獲得を巡る先陣争いに注目せざるを得ない。
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2012年9月24日
|長見晃の海外トピックス
iPhone 5が発売され、発表に続く余韻、反響が引き続いている感じ方である。アップルの株価も記録的な大台を突破した後の発売となり、即日に中身のteardown解析による概要データがいくつか記事に表われて、スピード溢れる展開に高揚感を覚えるところがある。直接結びつくかどうかはあるが、Globalfoundriesが、モバイル市場拡大に向けてFinFETベースで工夫を施した新14-nmプロセス技術を発表、今後への期待感をもたせている。活性化材料とそれによる意気発揚の空気拡大を期待する1つの表われと感じている。
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