2011年11月28日
|長見晃の海外トピックス
中国、インドはじめ新興経済圏の市場拡大が世界経済の中軸になっている現実の一方で、欧州の金融危機による打撃を受けて欧州向けの製品・部品輸出を行っている地域の急激な衰退の現実が伝えられている。新興経済圏の中でも仕向け先、業容による強烈な斑模様を感じさせられている。また、半導体最先端技術の世界においても、先行性を競うプレーヤー間のいろいろな切り口の濃淡の実態が垣間見えてきている。変化への即応力とともに、それを可能にする実力の真価如何がますます問われようとしている。
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2011年11月24日
|長見晃の海外トピックス
展示会、セミナーなど顔を出す機会が続いた中に、ドイツの現況を紹介、産業交流を促進しようというイベントがあった。1980年代、90年代前半を中心に小生も数回訪れており、メモリ関係顧客回りの80年代の印象がなお色濃いところがあるが、東西ドイツの統一、EU統合、ユーロ発行などこのところの大きな節目は90年代以降となる。久しぶりに目に耳にする現時点の内容は、我が国と同様、技術そして貿易立国の色合いとともに、ビジネス展開上の連携・統合のますますの重みをリフレッシュして感じさせるものである。
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2011年11月15日
|長見晃の海外トピックス
世界経済、自然災害と短期的には厳しい情勢がのしかかっているものの、本年の世界半導体市場は今までの蓄積から史上最高をぎりぎり更新するのでは、という見方かと思うが予断を許さない現状となっている。それを反映するようにいいのか悪いのか、本当はどうなのか、と交錯する見方に整理が難しくなる感じ方がある。そんな中、グラフィックス性能の凌ぎ合い、フラッシュメモリの微細化と、意地でも首位そして従来の展開スピードをキープしようという凌ぎ合いが健在で、常にこれまっしぐらの半導体と受け止めている。
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2011年11月 7日
|長見晃の海外トピックス
ビジネス的にも技術的にも半導体の世界の規模が膨らんできて、ごちゃ混ぜ、混乱状態になってくるのは、何回か我が身に覚えのあるところである。
20-nm台、$300 Billion規模ともなると、枝分かれ、パラメータが複雑化し、データそして先行きの読みがますます難しくなってきている。技術に留まらず世界経済、地域経済はじめ広範な切り口の理解が、ますます必要になる状況を感じている。"グローバルな協調と競争"による相互理解の展開が、一つ一つのデータ把握に欠かせなくなっている。
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2011年10月31日
|長見晃の海外トピックス
最先端の新技術、新製品の発表が続く中、ARMおよびXilinxからのそれに注目させられている。ARMからは、20-nm、64-bit、"little dog, big dog"といった高性能化、省電力化へのアプローチが見られる一方、Xilinxからは2.5D IC stacked実装、すなわち"インターポーザ"を駆使した世界最高容量のFPGAが、ともに実機デモによるアピールである。TSMCによる製造、CadenceによるCADなど、グローバルなコラボがあってこそ実現される半導体最先端技術という流れをここでも強く感じている。
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2011年10月24日
|長見晃の海外トピックス
Jobs氏死去から2週間、追悼期間の区切りを示すかのように、俄かにエレクトロニクス・半導体業界各社の新製品発表、競合鬩ぎ合いの動きが活発に熱気を帯びて行われている。Jobs氏が強く対抗意識をむき出しにしたというグーグルからも、サムスンと組んだ新規スマートフォンが発表されている。モトローラやカナダのリサーチ・イン・モーション(RIM)も負けじと新たな打ち上げがあり、スマホ、タブレットそしてPCの凌ぎ合いが経済低迷のなかの消費者心理と対峙する形と受け止めている。
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2011年10月17日
|長見晃の海外トピックス
「カリスマの残像」、手は「芸術家」・言葉は「機関銃」、などなどSteve Jobs氏を巡る記事や番組が引きも切らず、発売された「iPhone 4S」も事前評価以上の人気を呼んで米アップルの株価が終値の最高値を更新している。
パソコン業界も挽回を図るよう、超薄型・超軽量に使い勝手の工夫を施して「ウルトラブック」が各社から発表されようとしており、業界全体に改めて活が入った様相である。グローバルに通用して、感動、共感を呼ぶ製品・技術・サービス力の発揮が、今また問われている受け止め方である。
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2011年10月11日
|長見晃の海外トピックス
秋もたけなわ、半導体販売高、展示会そしてアップル社のiPhone 4S発表売り出しと立て続け半導体・エレクトロニクス業界の動きに注目していたところに、そのアップル社の総帥、Steve Jobs氏の訃報である。朝パソコンをのぞき込み始めた瞬間の第一報に非常に驚かされるとともに、その後の世界からの報道が何より物語るように、世界を次々と根本的に変えた同氏の一言ではなかなか表わしようがないもの凄さが時間とともに増幅してくる。業界の動きを追うなかでの測り知れないインパクトを感じている。
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2011年10月 3日
|長見晃の海外トピックス
半導体市場の各社業績、半導体および製造装置の売上げ予測について当面および先行きの下方修正の発表が大方を占めており、欧州はじめ世界経済の懸念がその主因となっている。鈍化、低迷の気分が増すなか、米国から最先端半導体技術の研究開発に向けた大規模な取り組みが発表され、向こう2世代および450-mmウェーハ向けのプロセス技術開発に重点が置かれるとのことである。先端技術の開拓は永遠、このような市場環境でこそ前向きな取り組みをという絶妙な打ち上げタイミングを感じている。
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2011年9月26日
|長見晃の海外トピックス
企業法人向けPCに重点化し、利益率の低い個人消費者向けPC事業は分離していくと発表したばかりのHewlett-Packard(HP)でトップの交代が発表され、かつてのIBMを想起させる動きで早速市場の反響を呼んでいる。新たなモバイル機器活況のなか、現下の潮流変化に今後どう対応していくかに注目である。一方、半導体・エレクトロニクス関係の展示会、学会の季節を控えて、将来に向かう新技術へのアプローチの概要が見えてきている。市場の現実と技術の夢の狭間で両睨みのスタンスにならざるを得ないところがある。
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