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当面する課題の中の新年、2012年のスタート、長期的伸びへの期待

登り竜のイメージがまず出てくる辰年が始動したが、大震災、金融危機、洪水、円高などいずれも経験したことのないほどの並外れたインパクトへの対応、対策に引き続き追われる中、まずは意識的にも笑顔、明るい空気・雰囲気作りの必要性を訴える各界の共通する年頭コメントが印象的である。何もなくて笑ってばかりはいられないが、伸びている分野、伸びる材料への引き続き重点化を、それこそグローバルに連携して経済的拡大に向けて回していくことの重みを、一層受け止めている新年のスタートである。

≪新年第1週の動きから≫    

早々に米SIAから定例のグローバル半導体販売高月次発表が行われ、次の通りである。漸減傾向が続いているが、2011年は史上最高の2010年販売高を上回るという見方が期待をもって維持されている。

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○グローバル半導体販売高に見える短期的課題、長期的伸長−2011年11月販売高は$25.1 Billion …1月2日付けSIAプレスリリース

半導体製造&設計の米国のleadershipを代表するSemiconductor Industry Association(SIA)が本日、2011年11月の世界販売高が$25.1 billionで前月の$25.7 billionから2.4%減少と発表した。年初からの累積、1-11月総計では前年同期比0.8%増となっている。月次販売高の数値はすべて3ヶ月移動平均で表わされている。

「タイの洪水から生じているsupply chainの混乱が短期的な半導体販売高に影響を与えているが、OEMsでは向こう数ヶ月わたるうちに生産の落ち込みから回復する見込みである。」とSIA President、Brian Toohey氏は言う。
「11月の販売高には加えて引き続く欧州の金融危機が影響しており、他の経済およびグローバル需要に広範なインパクトを与えている。」

短期のsupply chainおよびグローバル経済の課題にも拘らず、我々の業界の2011年は依然伸びて締まると思われ、2012年に向けてはさらに良くなっていくと見ている。

※11月の世界半導体販売高 地域別内訳および前年比伸び率推移の図、以下参照。
http://www.sia-online.org/clientuploads/November%202011%20GSR%20Charts.pdf
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この発表を受けた記事の見出しが以下のように表わされている。

◇Global chip sales continue to slip in November (1月3日付け EE Times)

◇Thai flooding, eurozone woes crimped IC sales in November (1月3日付け JEDEC SmartBrief)

新年、2012年の半導体市場の最新の見方として次の通りである。

◇Analyst sees another flattish year for ICs in 2012 (1月3日付け EE Times)
→Wall StreetのBarclays Capitalアナリスト、CJ Muse氏。2011年は約1-2%の伸びと見込まれる中、2012年の半導体売上げが0-4%の伸びを予測する旨。2012年第一四半期が景気の谷で在庫不足になり、2012年第二四半期になって末端市場に向けた半導体の伸びが見込まれるという回復の見方で、プラスのスタンスを維持する旨。

半導体在庫が大きな焦点になっているが、昨年7-9月四半期に2年ぶりに減少したというデータが発表されている。

◇IHS: Chip inventories declined in Q3, Q4 (1月4日付け EE Times)
→IHS iSuppli発。半導体サプライヤが抱える半導体在庫が、2011年第三四半期に8四半期ぶり減少、第四四半期にはさらに減る見込み、第三四半期の半導体stockpilesは81 days of inventory(DOI)、第二四半期の83 DOIから約2.5%減った旨。
・≪グラフ≫ 半導体サプライヤ保有世界DOI:2009年3Q〜2011年3Q
http://www.eetimes.com/ContentEETimes/Images/120104_ihs_ic_inventory.png

◇Chip inventories contract, reversing 7 quarter trend-IC inventories shrink for the first time in 2 years, IHS iSuppli reports (1月4日付け ElectroIQ)

これが上昇気流に乗っかる気運につながるかどうか、当面の注目である。

本年は早々のタイミングとなった業界賀詞交歓会であるが、出席したJEITA賀詞交歓会で受け止めた要旨メモ、次の通りである。  

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□JEITA(一般社団法人 電子情報技術産業協会) 平成24年 新年賀詞交歓会

○矢野会長 年頭所感
・2011年:3月の東日本大震災→電力供給の制約
              →世界規模でのサプライチェーンの混乱
      欧米の金融・財政の問題、歴史的な円高値を記録
      タイの洪水被害の拡大→再び世界的なサプライチェーンの混乱
・電子情報産業の2011年における世界生産額は約205兆円、前年比1%減
 電子工業の日本国内の生産額は約14兆円、前年比で10%減
・2012年の世界経済:アジアを始めとする新興国の自律的で力強い経済成長
            我が国においても「スマート化」という新しい産業創出に向けた流れ
・エネルギー、農業、医療・ヘルスケア等、世界的な成長が見込める産業とITとの融合による新産業創出に繋げる中核としてのIT・エレクトロニクス業界
・必ずしも良好でない世界経済の天候、業界が一致団結、復興を遂げる日本の活力を世界に強く発信、豊かな社会の構築に貢献できるよう、本年も引き続き積極的に事業を推進

○経済産業省 松下副大臣
・業界と政府は問題を共有、一緒に汗を!
・どの国からも我が国に対して同じ言われ方
*モンゴル大統領(42才)…目覚まし時計が鳴っており、日本のみなさん、早く起き上がって行動を!
*イラク マリク首相 …日本の時間がかかる決断、行動しない
・大震災を受けて反省、根本から政治の仕組み、欠ける対応を作り直す機会
・歯がゆい思いに溢れており、対策実行したい
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困難のなか詰る思いを方々で感じさせられる新年であるが、米国でも製造革新への奮起を促す論調が見られている。  

◇Needed: A U.S. manufacturing renaissance (1月4日付け EE Times)
→米国大統領選挙を控える今年、米国経済を再生、経済成長のための新しいエンジンを同定する具体的な提案に注目していく良い機会、U.S. manufacturing renaissanceなるものへの重点化から始まるという論説。

インドでは科学での遅れを取り戻すよう、早々のメッセージが出されており、長期的な伸びに向けた備え、重点化が世界的に叫ばれている様相を感じている。

◇PM: China has overtaken India in science, R&D (1月5日付け EE Times India)
→インド南東部オリッサ州ブヴァネーシュヴァル(Bhubaneswar)での第99回Annual Session of the Indian Science Congressにて、同国首相、Manmohan Singh氏の基調講演。「ここ数十年にわたり科学の世界におけるインドの相対的な地位は低下してきており、中国などの国々に追い越されている。」

≪市場実態PickUp≫

新年の半導体業界、テーマは何になるか、1つとして次の見方である。スマートフォン、Windows 8など思い浮かんでくる。

【2012年半導体業界テーマ・トップ10】

◇Analysts List Top Semiconductor Trends for 2012 (1月5日付け SemiMD.com)
→Barclays Capitalのアナリスト、C.J. Muse氏が、consolidationの流れのほかに挙げる2012年半導体業界のテーマ・トップ10:
 1. Smart mobility
 2. Smart mobility and RF
 3. Volatile year in PCs
 4. Server product cycle
 5. Touch screen growth
 6. Wireless infrastructure
 7. FPGAs rule
 8. Dogs of the Dow Theory
 9. What about analog?
10. Year of EUV

cloud computingも大きな注目、今後の伸びっぷりとして以下の見方が出されている。

【cloud市場】

◇Mobile cloud computing will generate 45 billion dollars revenue by 2016 (1月1日付け EE Times)
→Visiongainのリサーチ"Mobile Cloud Computing Industry Outlook Report: 2011-2016"発。以下の見方:

2011年⇒
CAGR⇒
2016年
全体cloud市場
$77B
$240B
モバイルcloudサービス売上げ
55.18%
$45B

曲げられる、折り畳める、これも今後大きな期待感を抱かせるプラスチック
・エレクトロニクスであるが、その各種応用イメージが描かれている。

【plastic electronics】

◇Solution-based fabrication techniques for flex and stretch electronics (1月1日付け EE Times)
→solar cellsからpacemakers、clothingまで、いわゆる"plastic electronics"に向けたsmartアプリは、flexibleでありstretchableであることが身上、描かれている以下のアプリ例:
*紙のようにたためるelectronic pads
*クラックなど構造欠陥について表面を監視するcoatings
*感染を治療する医療用包帯
*損傷を検出する食物包装


≪グローバル雑学王−183≫

新春早々大いに笑おうの第二弾は、海の向こうにありながら「近い国」、アメリカが対象である。

『100万人が笑った! 「世界のジョーク集」傑作選』 (早坂  隆/著:中公新書ラクレ 400)  
 …2011年11月10日 発行

より、世界を引っ張り、世界の警察とも言われるアメリカについて「笑う」ジョークは、アメリカの実態を突くところ大とそれぞれに感じさせられる。


第2章 アメリカを笑え!

◎反米論を越えて
・安全保障、経済の重要なパートナー、アメリカ
 →「叩く」のでもなく「こきおろす」のでもなく「笑う」

■本屋にて 【軍事大国】
ある青年が本屋へ行って店員に聞いた。
「『平和国家・アメリカ』という本は置いてありますか?」
「ええあるわよ。そこのファンタジーノベルの棚に」

◎戦争国家という側面
・アメリカは大量破壊兵器の保有、使用の「元祖」
 →常に硝煙の匂いのする国
・スマートに見せるエンタテインメント的能力に長ける

■確率  【九・一一】
アメリカ人のジョンは九・一一以来、飛行機に乗るのが恐くてたまらなくなった。彼は友人に相談した。
「僕はハイジャックに遭うのが恐くて仕方がないんだ」
「気持ちはわかるがね。でも、考えてみろよ。爆弾を持った男と一緒の飛行機に乗る確率なんて、一億分の一くらいのものさ」
「なるほどね。では例えば、爆弾を持った二人の男が同じ飛行機に乗る確率はどうだろう?」
「まあそれはゼロと言っていいだろうね」
その後、ジョンは常に鞄に爆弾を入れて搭乗するようになったのである。

◎グラウンド・ゼロを訪ねて
・人類史上に残る悲惨な事件、九・一一
 →約3000の命が失われる
・2004年10月、その歴史的現場、「グラウンド・ゼロ」を訪ねる
・報復として行われたアフガニスタン戦争 →約3000人もの人民の命大義(正当理由)さえ疑われる中のイラク →1万人以上の犠牲者
 →これほどの多大な惨禍をもたらす道理が本当にあったのか

◎アメリカニズム
・移民による人工国家であり多民族国家であるアメリカ
 →「アメリカニズム」とでも言うべきイデオロギー的なコミットが求心力
・自らのアメリカ的イデオロギーを邪魔する運動律は「悪」と見なされる
 →自分の持つ価値観には揺るぎない自信
 →一方、柔軟に再点検することは少ない

■非常識  【民族性】
中東のある町に赴任してきたアメリカ人のビジネスマンが、アパートを借りた。しかし、彼はその新居に大きな不満があるようだった。彼はアメリカの友人に電話をした。
「まったくアラブ人というのは常識のない連中だよ」
「どうしたんだい?」
「右隣の部屋の奴は深夜まで壁をドンドンと叩くんだ。左隣の奴は明け方までコップを壁にぶつけて割るんだぜ。まったくクレイジーな奴らさ。信じられないね。常識のない連中には本当にウンザリするよ」
「それは困るだろう。そんな時、君はどうしているんだい?」
「俺かい? 俺はいつも朝まで大好きなトランペットを吹いて気を鎮めている」

■人間の矛盾  【健康】
人間とはしばしば矛盾を冒す生き物である。それはアメリカ人が住む家をみれば一目瞭然である。
そこにはダイエットのためのルームランナーやバーベル、室内用自転車等が並んでいるが、その向こうには高さ2メートルほどの巨大な冷蔵庫が置いてあるのである。

◎肥満に悩む国
・アメリカ人の抱える最大の悩み →肥満の問題はその本丸
 →体内の脂肪を燃やすために、必死になって右往左往、日本以上に過熱気味のよう
・ダイエットについての番組やCMがやけに多いアメリカのテレビ

■10キロ減  【健康】
デブのジャネットが友人にこう言った。
「私、ダイエットで乗馬を始めたのよ」
「それで効果は?」
「10キロほど減ったわよ」
「凄いじゃない! そんなに痩せたの!」
「そうなの。馬がね」

◎今後の日米関係
・今日まで50ヶ国以上の国を訪問、初めて行った外国はアメリカ
・なんとなく「解放感」を感じさせる国、アメリカ
 →今でもいい旅の思い出
・近年、アジアの台頭は目覚ましく、西から東へのパワーシフト(力関係の変化)は加速
 →アメリカに対し、「おい、もうちょっとしっかりしてくれよ」と言えるくらいの余裕のあるスタンスがあっていいはず

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