2014年9月 1日
|長見晃の海外トピックス
米アップルが来る9月9日に新製品発表会を開くことが明らかにされたが、その前からの世界各地での様々に関連する前哨戦が一層活発化している。次期iPhone 6の中身が早くも取り沙汰されるに留まらず、かくあっては鬼も笑えない来年2015年に向けたA9モバイルプロセッサの生産対応が取り上げられている。大型iPadそして「iWatch」と発表会の内容に世界が注目という情勢であるが、もう1つ、半導体・エレクトロニクスの自立化を目指す中国を巡ってのいろいろな切り口での動きが目覚ましくなってきている現時点である。
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2014年8月26日
|長見晃の海外トピックス
モバイル機器で中国、インドの現地メーカーの伸びが目覚ましく、サムスン、アップルの市場シェアの低下が引き起こされているが、それに留まらず世界の国・地域間の半導体・エレクトロニクス業界の地図模様を大きく変える可能性を孕んだ動きが相次いでいる。高い市場価格水準で今のところ推移しているDRAM市場も、プレーヤー統合によるトップ3席巻の構図が定着してきているが、こんどは欧米間のパワー半導体を巡る大型買収の動き、中国が米国イメージセンサメーカーの買収に乗り出すなど、また新たな業界模様の出現を予感させている。
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2014年8月18日
|長見晃の海外トピックス
半導体技術・市場の進展を追っていくなか、ここ数年どうしてもモバイル機器の動向に目が行かざるを得ないところがあるが、草創期からの半導体の世界の両雄、両巨人と呼ぶに相応しいインテルとIBMから次世代を切り拓く新技術が発表され、市場から期待感のこもった反応が早々に相次いでいる。最先端プロセスで着実に世界を引っ張っているインテルからは、注目の14-nmプロセスであり、IBMからは同社Cognitive Computing(認識するコンピューティング)に向けた人間の脳の働きをまねるというプロセッサである。
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2014年8月11日
|長見晃の海外トピックス
米国Semiconductor Industry Association(SIA)から定例の月次世界半導体販売高の発表が行われ、今回はこの6月、そして今年前半のデータが表わされている。今年に入ってから史上最高を塗り替えるデータが相次いでいるが、6月販売高は業界月次販売高の最高となっており、1月から6月まで、すなわち今年前半の販売高累計も、年間販売高の最高を記録している昨年、2013年の同期に比べて11.1%増と大きく上回っている。全地域、ほとんどすべての製品カテゴリーが前年比で増加する内訳となっている。
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2014年8月 4日
|長見晃の海外トピックス
アップル社の四半期業績発表で特に注目を引いたのが、中国でのスマートフォン「iPhone」の販売台数の伸びであり、予想を大きく上回るものとなっている。もう一つ、Huawei, Lenovo, およびXiaomiなど中国地場の低価格帯スマートフォンが、新興経済圏での拡大を煽るとともにシェアを大きく伸ばしてきている。サムスンは反動を受けて、低価格機種および中国市場と大きく影響を受けて、業績が落ち込んでいる。第二四半期の業績および市場データを軸として、もう一歩進んだ中国インパクトの現時点を追ってみる。
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2014年7月28日
|長見晃の海外トピックス
多分に繰り返し言い古された感じになってしまう上記のタイトルであるが、予想を下回るアップル社の売上げの伸びの中で大きく伸びている中国市場、アップルの新製品に備えるアジア経済圏の国々、さらに細かく焦点を当ててみると、サムスン電子スマホ関連受注の低迷が響く我が国電子部品業界、中国のhandsetメーカーからのlicensing売上げを集める問題を抱えるQualcomm、そしてアップルへの最大供給元になっていく勢いのTSMC、と上記の3つのキーワードが互いに織り成す当面の波乱含みの市場状況を受け止めている。
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2014年7月22日
|長見晃の海外トピックス
米主要企業の意外な組み合わせ、ITの両雄、アップル・IBMの提携が株価を押し上げという見出し(7月19日付け日経 電子版)が見られるが、こればかりではなくインテルのmicroprocessor(MPU)出荷が四半期最高を記録、市場予想を越える好業績となるなど市場の好感を呼ぶ大手プレーヤーの動きが相次いでいる。一方、マイクロソフトのノキアhandset事業部門買収に絡んだ人員削減、そして富士通の半導体生産の撤退で10年以上に及ぶ我が国業界再編に一区切りと、いろいろな記憶、思いが去来する現下の動きとなっている。
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2014年7月14日
|長見晃の海外トピックス
米Semiconductor Industry Association(SIA)からこの5月の世界半導体販売高のデータが発表され、全地域にわたって前年同月比、前月比ともに増加して、1-5月累計も昨年を上回っている。Gartner社からは2014年のグローバル半導体市場が、2013年から6.7%増$336 billionと予測の上方修正が見られている。同じタイミングでの各社の6月そして第二四半期の業績発表では、まずSamsungの変調という表わし方もある売上げ落ち込みが目立つ一方、台湾勢は過去最高を更新する発表が相次いで、波乱、激動を感じさせている。
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2014年7月 7日
|長見晃の海外トピックス
IBMが半導体fabs売却を検討という報道が続き、時代の一区切りという見方も出てくる一方、同社の研究所ではシリコンに代わりnanotubeトランジスタがいよいよ出番にという先行きが発信されている。今年は、IBMの例が特に軸と感じるが、Moore則、そしてシリコンscalingの限界、あるいは打開を巡る議論が、SEMICON West(7月8-10日:Moscone Center in San Francisco)を迎えるこのタイミングにまたぞろ噴出している。技術のみならずビジネスとしてのブレイクスルーを図る業界挙げての猛突進に、本当に期待である。
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2014年6月30日
|長見晃の海外トピックス
最先端プロセスを駆使する高性能化の流れについて、Moore則の限界など象徴的に繰り返しその鈍化が云々されている。年に2回のスーパーコンピュータの計算速度を競う世界ランキング発表が行われるInternational Supercomputer Conference(ISC-14)(6月22-26日:Leipzig, Germany)および半導体および装置サプライヤ業界のThe ConFab 2014(6月22-25日:Las Vegas, NV)での議論、観測でも、この流れの停滞感および問題意識が表わされており、業界一丸となった打破が求められる状況を感じている。
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