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アップルiPhone新モデルと続く低コストAndroid One発表の波紋

アップルのiPhone新モデル、iPhone 6およびiPhone 6 Plus、そしてwearable端末「アップルウオッチ」の発表のいろいろな切り口からの余韻、そして波紋が続いている。これに競い合う各社からの発表も続いており、中でもGoogleのAndroid One-ブランド, 低コストスマートフォンのインドでの展開が目を引き、MediaTekのモバイルプロセッサが搭載されている。世界のスマートフォンはじめ携帯機器のhigh-endそしてlow-endユーザ層の拡大に向けた市場の動き、反応に当面注目である。

≪アップルとグーグル≫

スマートフォンに注目、まずはアップルiPhone新モデルについての動き、反応、波紋である。A8プロセッサについて次の見方である。

◇Apple, Samsung in 20nm Race (9月15日付け EE Times /Designlines blog)
→Anandtechは、A8プロセッサがImagination Technologies Group製のsix-core PowerVR Series6XT GX6650 graphics processing unit(GPU)を使っているとしている旨。

市場の熱い反応を見込んで、TSMCには来年第一四半期に至る受注が見えているとのことである。

◇TSMC see follow-up IC orders for iPhone 6 devices (9月16日付け DIGITIMES)
→業界筋発。海外のチップセットサプライヤが、iPhone 6機器に用いられる半導体のfollow-up発注をTSMCに行っており、受注visibilityが2015年第一四半期に伸びている旨。アナログICサプライヤ数社によると、Appleが2014年にiPhone 6およびiPhone 6 Plusの80-100 million台出荷を狙っており、新しいiPhone機器への初期の反応は熱烈で弾みがつく可能性の様相の旨。

アプリ開発についても早速追随、展開を図る以下の動きである。

◇iPhone 6 Future Revealed (9月17日付け EE Times)
→Appleの新しいiPhone-6および-6 Plusについてかなりピッタリ予測していたモバイルアプリ開発トップ10の1つ、Appetizer Mobile(NYC)のchief executive officer(CEO) and founder、Jorden Edelson氏。iPhone-6および-6 Plusのoperating system(OS)、iOS-8にコンパチとなるよう、彼の会社が開発している150超のアプリ適応作業にすでに懸命に取り組んでいる旨。該プラットフォーム上で如何にすれば今後のソフトウェア・アプリがもっと有用になるか、今や社内特ダネがある旨。

TSMC製造のA8プロセッサで見られる高い性能について、AppleのPC製品向けプロセッサを供給するIntelはそれ以上に付いていけるのか、という見方が表わされている。

◇Intel: Apple's ‘A8′ Chip Exposes Shortcomings, Says Semi Advisors-Analyst: Apple may be out-designing competitors with A8 chip (9月17日付け Barron's /Tech Trader Daily blog)
→Semiconductor AdvisorsのRobert Maire氏。AppleがTSMCの20-nmプロセス製造に成るcustom A8プロセッサについて謳っている性能向上は、Appleのdesktopおよびlaptop computersに入るプロセッサを供給するIntelがその
顧客、Appleに付いていけるかどうか疑問を引き起こしている旨。Appleは非常に高い性能基準を置いている旨。

もう1つ、20-nmプロセッサ搭載についてアップル対サムスンの競い合いである。ここでも両社の売り出し、そして市場の反応に注目である。

◇Apple vs Samsung: Who has better 20nm mobile chip? (9月17日付け EE Times India)
→Samsungが同社Exynos 5430に搭載して20-nmスマートフォンSoCの最初のサプライヤになると思われたが、Appleが発表したばかりのiPhone 6および6 Plusは自前の20-nm A8プロセッサで動き、9月19日に売り出される旨。
これまた9月に出荷予定のSamsung Alphaスマートフォンに、Exynos 5430が最初に入る旨。どちらの出荷が早いかは余計なことだが、最も興味深いのは、該新プロセスノードが異なるやり方で使われていることである旨。

アップルiPhone6の発売について、2次発売国からも漏れた、と韓国からの反応である。

◇iPhone6、第2次発売国からも韓国除外 (9月17日付け 韓国・中央日報)
→9日に公開された「iPhone6」と「iPhone6プラス」の最初の24時間の予約注文が400万台を超え、過去最高となった旨。アップルは第1次発売国に続き、26日の第2次発売国からも中国と韓国を除いた旨。

アップルの大型画面iPhone 6 Plusについてのteardown解析概要が以下の通り表わされている。

◇Apple's iPhone 6 Plus includes chips from Qualcomm, Skyworks: iFixit-Teardown of iPhone 6 Plus finds a Qualcomm modem with Avago, Skyworks chips (9月18日付け Reuters)
→gadget repair firm、iFixit発。AppleのiPhone 6 Plusは、Qualcomm, Skyworks Solutions, Avago Technologiesなどからの半導体を用いている旨。

◇What Apple Stuffed Inside iPhone 6 Plus-A8 SoC from TSMC (9月19日付け EE Times)
→Appleのflagship, 大きい方の"phablet" 6 Plusのteardown解析。以下の内容:
 1.iPhone 6 Plus
 2.Case features
 3.Display takes serious real estate
 4.Apple A8 APL1011 SoC stars
 5.Lots of hardware in a small space

そしてiPhone6発売を迎えているが、引き続く反応にしばし注視というところである。

◇iPhone6発売、携帯各社の店舗に行列 (9月19日付け 日経 電子版)
→携帯電話大手3社が19日午前8時、米アップルのスマートフォン「iPhone」の新機種「6」と「6プラス」の販売を始めた旨。

アップルから入れ替わってこんどはグーグルの低コストAndroid Oneスマートフォンであるが、以下の通りまずインドでの展開の発表となっている。

◇Phoneless Billions Lure Google to India-Android One Debuts in India, Ignites Next 5 Billion Battle (9月15日付け EE Times)
→Googleが月曜15日、Android One-ブランド, 低コスト“高品質”スマートフォンをインドで展開、budgetスマートフォンベンダーの間での新興市場に向けた戦いの真ん中にインドを急激に押し込んでいる旨。GoogleのAndroid Oneプロジェクトのこの最初のofferingは、価格6,399 rupees($105)の旨。

◇Android One enters India's budget smartphone market (9月16日付け EE Times India)
→Android Oneが、budget Androidスマートフォンに対するGoogleの答え、Android One initiativeをもってGoogleは、より良い一貫したサービスを約束、低コストhandsetsに対する支配を一層直接に行う旨。

かくも低価格のこのスマートフォンには、MediaTekのモバイルプロセッサが搭載されており、同社のアプローチ戦略含め以下の通り表わされている。

◇Google, MediaTek push Andoid One smartphones in India -India gets Android One phones with MediaTek chip (9月15日付け Electronics Weekly (U.K.))
→MediaTekのMT6582モバイルプロセッサが、GoogleのAndroid Oneスマートフォンの最初のリリースに搭載、まずインドで市場投入する旨。該Google handsetは、新興市場向け低コストスマートフォンとして設計されている旨。

◇Android One Rides Mediatek-Smartphone targets India's "super-mid market" (9月15日付け EE Times)
→台湾の大手モバイルベンダー、MediaTekが、新興市場に向けたAndroid One低コストスマートフォンを動かしており、MediaTekが“super-mid market”と呼ぶ大部分スマートフォンが使われていない地域にfeature-rich handsetsをもっていくinitiativeの旨。インドには約50 millionのスマートフォンユーザがおり、2017年までに500 millionに膨れ上がる見込み、とMediaTekの米国ビジネス開発、vice president and general manager、Mohit Bhushan氏。

◇Expect 2 million Android One handsets to be sold in 2014: MediaTek-MediaTek predicts 2M Android One phones will be sold in India this year (9月16日付け The Economic Times (India))

◇Android One smartphones released, says MediaTek (9月16日付け DIGITIMES)
→MediaTek発。MediaTekのARM CortexTM A7ベース・MT6582モバイルsystem-on-chip(モバイルSoC)を特徴とするAndroid One機器の第一波が打ち上げられている旨。該プロセッサは、MediaTekのCorePilot技術が管理、premiumモバイルexperienceに向けて優れたmulti-tasking性能および維持性能/電力が得られる旨。

Android Oneスマートフォン、そして中核のMediaTekのプロセッサへのまずはインドの新興市場の反応、広がり具合に注目である。


≪市場実態PickUp≫

【戦略的な動き】

Samsungが自社でgraphics processing unit(GPU)を開発するために設計人材を競合から求める動き、そして、IntelはSpreadtrumへ出資して中国でx86アーキテクチャーを広めるとともに生産対応も行うという噂、ともに戦略的な動きが見られている。

◇Samsung Reportedly Developing GPU For Exynos Chips In-House-Report: Samsung working on its own GPU for Exynos processors (9月16日付け Ubergizmo.com)
→Samsung Electronicsが、同社モバイルプロセッサ・Exynosラインとともに進むgraphics processing unit(GPU)を開発するために、Advanced Micro Devices(AMD), Intel, Nvidiaなどの半導体メーカーから設計エンジニアを募っている旨。現在同社は、ARM HoldingsからMali GPU設計ライセンス料を払っている旨。

◇Digitimes Research: Intel looking to promote x86 architecture to China chip designers-Research: Intel seeks to spread x86 architecture in China (9月18日付け DIGITIMES)
→Digitimes Researchの見方。Intelが中国のSpreadtrumへの出資を考えているという噂が最近中国のIT業界を駆け巡っており、この噂はSpreadtrumの製品開発が最近完全に止まっている理由を説明できる旨。Spreadtrumは、Intelとの連携に入って、社内でx86-ベース製品の開発を始める可能性の旨。Spreadtrumがx86 ecosystemに入れば、その半導体製造をIntelに委託する可能性、この協力により、Spreadtrumはコストを実行的に減らす上でIntelの先端製造プロセスからの優位性が得られる一方、Intelの方も空いているcapacityのいくらかを埋められる旨。

【2014年半導体販売高】

IC Insightsから本年の半導体市場の見方が発表され、地域別ではAsia-Pacificが59%、応用分野別では通信分野が昨年初めて上回ったcomputer分野に対するリードを広げるという内容である。

◇Asia-Pac is 59% of IC market and growing-IC Insights: Asia-Pacific represents 59% of 2014 chip sales (9月12日付け Electronics Weekly (U.K.))

◇Asia-Pacific dominates IC sales in largest system categories in 2014, says IC Insights (9月16日付け DIGITIMES)
→IC Insights発。2014年のIC市場、$285.9 billionについて、Asia-Pacificが約59%を占める予測、Americas地域, 欧州, そして日本と続く旨。Asia-Pacific地域は、特にcomputerおよび通信カテゴリーのIC市場シェアで特に支配的、consumerおよび産業用は少なめの旨。グローバルには、通信分野が2013年にcomputer分野を上回って最大のend use市場になったが、2014年はその市場シェアのリードを1.1ポイント拡げる見込みの旨。

◇Asia-Pacific IC Usage Domination Growing (9月17日付け EE Times)

【2015年グローバル半導体市場】

台湾からは、来年、2015年のグローバル半導体市場の予測が発表されており、全体では2014年に比べて3.1%増であるなか、台湾は6%増とグローバル平均より高い伸びを見込んでいる。

◇Semiconductor output to grow by 6 percent a year-Forecast: Chip sales to increase 3.1% in 2015 (9月17日付け The Taipei Times (Taiwan))

◇Global semiconductor market expects over 3% on-year growth in 2015, says MIC (9月18日付け DIGITIMES)
→MIC(Market Intelligence & Consulting Institute:台湾)発。2015年のグローバル半導体市場valueは約$336.3 billionに達する見込み、2014年から3.1%増、Apple WatchおよびIoT(Internet of Things)機器の到来で盛り上がる旨。台湾半導体業界の出荷valueは、グローバル平均より高く6%増、約NT$2.2 trillion($70 billion)に達する旨。台湾半導体メーカーの国際ブランドに向けたmid- to entry-endスマートフォン、新しいsmart handheld機器およびsmart wearables関連出荷増が、業界を引っ張る主な要素となる見込みの旨。

【中国のMEMS業界】

半導体業界に続く見え方になるが、中国政府がMEMS業界に資金注入して強化を図ろうとしている。米国のMEMS専業との連携が見られるとともに、試作生産に向けたウェーハ工場が建設されている。

◇U.S. foundry agrees to help expand China's MEMS ecosystem (9月15日付け EE Times Europe)
→専業MEMSファウンドリー、Innovative Micro Technology社(Santa Barbara, Calif.)が、中国・無錫(Wuxi, China)のChina R&D Center for Internet of Things(CIT-China)とのmemorandum of understanding(MoU)に調印の旨。

◇China promoting development of MEMS industry-Sources: China to develop MEMS production for handsets (9月16日付け DIGITIMES)
→業界筋発。中国のスマートフォンベンダーからのMEMSコンポーネントの力強い需要を考慮して、中国政府が、必要な財源をつけて中国のウェーハファウンドリーhouses、IC設計会社および半導体装置サプライヤを連携させ、現地のMEMS業界の展開を推進している旨。AppleおよびSamsung Electronicsが、MEMSコンポーネントの現在2大購入元であり、Bosch, STMicroelectronics, Texas Instruments(TI)およびHewlett-Packard(HP)が、主要MEMSコンポーネントサプライヤである旨。Shanghai Industrial Technology Research Instituteが、MEMSデバイスの試作生産に向けた8-インチウェーハfabrication facilityを建設している旨。 

【ASMLの微細化の見方】

stepper-メーカー、ASMLより、10-nmそして7-nmの半導体製造を現時点どう見ているか、以下の通り表わされている。焦点となるextreme ultraviolet(EUV) lithography全面適用は7-nm以降になるという見方のようである。

◇7nm EUV Could Ease 10nm Squeeze-ASML updates litho roadmap-ASML exec: EUV won't be fully ready until 7nm node (9月16日付け EE Times)
→1. stepper-メーカー、ASMLのpresident and chief technology officer(CTO)、Martin Van den Brink氏。ASMLは、顧客の大方が当面控え目に言っていることを今や妥当と認める旨。即ち、各社は10-nm半導体製造に長らく遅れているextreme ultraviolet(EUV)システムではなく、主に従来のimmersion lithographyを使っていく旨。しかしながら、それは10-nmノードを人気のないものにして、トランジスタ当たりコストを下げざるを得なくなる旨。最も厳しい層には3-4回の露光が必要になる
    旨。
 2. ASMLのMartin van den Brink氏。extreme-ultraviolet(EUV) lithographyの完全実行は7-nmプロセスノード以降になると見る旨。
  10-nm features半導体製造では最も臨界的な層について、immersion lithographyが必要になる旨。10-nmは、コスト削減が不十分で誰も好まない搾られたノードになろうが、前進させるに十分なコスト削減があると思う旨。

◇ASML on EUV: Available at 10nm (9月17日付け ELECTROIQ)
→SPIE Photomask Technology conference(Monterey, Calif.)にて、ASML Holdingのpresident and chief technology officer(CTO)、Martin van den Brink氏の同社のextreme-ultraviolet(EUV) lithography技術の進展アップデートについての基調プレゼン。EUV lithographyシステムは、10-nmプロセスノードで半導体の厳しいパターン層に有効となり、7-nmで193-nm immersion lithography装置から完全に引き継ぐ旨。


≪グローバル雑学王−324≫

西ローマ帝国の滅亡に至らしめたゲルマン民族の大移動、フランク王国の発展を今回として、3回にわたって古代帝国の滅亡とヨーロッパ・アジアの再編について、  

 『知れば知るほど面白い 地理・地名・地図から読み解く世界史』
  (宮崎 正勝 著:じっぴコンパクト新書 198) …2014年7月7日 初版第1刷発行

より、地名や地図の謎を織り交ぜて展開を見ていく。紀元後500年から1000年あたりの広がる世界の鳥瞰図であるが、断片の認識が縫い合わされていく感じ方がある。


第2章 古代帝国の滅亡とヨーロッパ・アジアの再編

7 なぜドイツのことを、英語では「Germany」というのか?
 ……→ゲルマン民族の大移動

◇地名の謎7:ドイツ国名に残された歴史の痕跡
・日本語と英語で呼び方が大きく違う国
 →「ハンガリー」…自国のことを「マジャーロルサーグ」(マジャール人の国)
 →「ドイツ」…「Germany」は「Germans(ゲルマン人)」に由来。もともとは「異邦人」「戦士」といった意味

◆世界史の展開7:

〓ヨーロッパに移住した「森の民」
・「ヨーロッパ」の原風景は「森」
 →「アドルフ」、「ルドルフ」など、狼(ウルフ)に由来する名前が多い
・森林地帯の西側 →現在のフランス周辺にはケルト人
         東側 →バルト海沿岸を原住地とするゲルマン人

〓ヨーロッパの土台をつくった民族移動
・北東部から西へ、南へ …大きな目で見たヨーロッパの人々(民族)の移動の方向
・紀元前4世紀後半、東からフン人と呼ばれるアジア系騎馬遊牧民が侵入
 →約200年の長きにわたるゲルマン人の大移動
・395年、ローマ皇帝、テオドシウスは、帝国を東西に分け、二人の子どもに分与
 →コンスタンティノープルを首都とする東ローマ帝国(ビザンツ帝国)
   ローマを首都とする西ローマ帝国
・ゲルマン人のオドアケル
 →476年、ローマ皇帝を追放、西ローマ帝国を滅亡へ導いた
 →各地に諸王国を建設

8 フランス人は、やり投げが得意?
 ……→フランク王国の発展

◇地名の謎8:「子牛」、「穏やかな港」……さまざまな国名の由来
・スペイン人が自国の皇太子、フェリペから名づけた「フィリピン」
・「穏やかな港(ポート)」を意味する『ポルトガル』
・語源が「子牛」である『イタリア』
 →この地で牛の放牧が多かったことから
・語源が「やり投げ」である『フランス』
 →投げやりを主力な武器としていたフランク人

◆世界史の展開8:

〓短命だったゲルマン諸国家
・ゲルマン諸民族は、いくつもの小国家を建設、多くは短命
 →ヴァンダル王国 …北アフリカのチュニジア
 →東ゴート王国 …イタリア
 →ブルグンド王国 …フランス東南部
 →西ゴート王国 …フランス西南部→イベリア半島へ
 →ランゴバルト王国 …北イタリア
・確実に勢力を拡大したのが
 →「やり投げ」を得意としていたフランク人の国、『フランク王国』

〓フランク王国とキリスト教
・フランク王国(メロヴィング朝)を建国したクローヴィス
 →キリスト教、それもローマ教会が正統とするアタナシウス派に改宗
 →フランク王国とローマ教会は結びつきを深め、東のビザンツ帝国と並び立つような勢力へと成長

9 あのナポレオンはイベリア半島をアフリカだと思っていた?
 ……→イスラーム帝国とフランク王国

◇地図の謎9:独特の文化が栄えたイベリア半島
・ナポレオンは、「ピレネーの向こうはアフリカだ」と語ったといわれる
 →イベリア半島は約300年にわたり、西ゴート王国の支配下に
 →それ以後、長きにわたりイスラーム勢力の支配下に
 →さらに独特の文化を形成

◆世界史の展開9:

〓イスラーム教の誕生とイスラーム勢力の伸張
・アラビア半島のメッカの町の一人の商人、ムハンマド(マホメット)
 →610年の夜、大天使、ガブリエルから啓示
 →イスラーム教を開く
・メディナ(ヤスリブ)の町に移住、ここを拠点に教団は発展 
 …『聖遷(ヒジュラ)』
・632年、ムハンマドが死去
 →カリフ(後継者の意味)が選ばれ、聖戦(ジハード)と呼ばれる征服活動
 →実に圧倒的な力
・四代のカリフの時代の後、シリア総督のムアーウィアが、ウマイヤ朝を開く
 →イベリア半島の西ゴート王国も滅亡させる

〓フランク王国とアッバース朝の発展
・破竹の勢いのイスラーム勢力、732年、トゥール・ポワティエ間の戦いに敗北、ヨーロッパへの進出は止まる
・フランク王国宮宰(家政の長の意味、行財政長官)、カール=マルテルの孫、カール大帝
 →800年のクリスマス、ローマ教皇より戴冠、西ローマ帝国の復活
・ウマイヤ朝に対する不満により反乱
 →ムハンマドの叔父の子孫をカリフとするアッバース朝が建てられる
  →新都、バグダードを建設
  →イスラーム文明は最盛期に
・ウマイヤ家の一族はイベリア半島へと逃走、後ウマイヤ朝を建てる
 →ますます一線を画す文明を形成

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