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待ち望んだハイテク有頂天、アップルとインテルの新製品&技術発表

天の最上にある天、絶頂を極めるという感じ方があるアップルとインテルからの新製品&技術が、今年もこの時期、9月に発表されている。2012年のiPhone 5、2013年のiPhone 5S、iPhone 5Cに続く今年は、iPhone 6およびiPhone 6 Plusとともに注目のApple Watchが発表される一方、インテルからは、サーバ、パソコン、スマホそしてIoT(Internet of Things)に向けた新製品、バージョンアップそして取り組みが打ち出されている。モバイル決済、ファッションとますます身近な応用で注目の幅、深みが広がっている。

≪全世界の注目と期待を一身に≫

米アップルの新商品発表会(9月9日:Cupertino, CA)を控えて、前哨戦も賑やか、期待感、そしていろいろ当たるかどうか、憶測である。

◇The Tech Rapture? Why Tuesday Sept. 9 is the nexus of all things high-tech (9月7日付け Venture Beat)
→ハイテクおよびgamingの世界で、すべてが火曜9月9日に起きようとしている旨。ともかくもすべていっしょにつながっているeventsの連鎖のように感じられる旨。

◇NFC: Locking iPhone Users In-It's all about the business model (9月8日付け EE Times)
→9日打ち上げ予定のAppleのiPhone 6について聞こえてくるリーク、憶測および噂の中で、最も興味深いのはAppleがとうとう、最新gadgets、iPhone 6および新しいiWatchにNear Field Communication(NFC)技術を組み込んでいる様相である旨。Financial Timesによると、巷の声はNXP SemiconductorsがNFC design-in slotを勝ち取ったとしている旨。

そして、当日の新商品発表、各紙の受け取りで次の表わし方、概要である。

◇Apple Unveils Watch, iPhone 6 (9月9日付け EE Times)
→30年前にMacintosh computerを投入したそのauditoriumにて、AppleがApple Watchを発表、wearable computing市場に参入の旨。また、2つの新しいiPhonesを披露、財布をモバイルpayment技術、Apple Payで置き換えようという意向を表わした旨。

◇The iPhone 6 Goes Big, as Apple Aims Small With a Smartwatch (9月9日付け The New York Times)

◇Apple Watch, biggest breakout product since iPod (9月10日付け EE Times India)
→Appleが、Apple Watchを擁してwearable computing市場への最初の動き、Apple Watchのインタフェースコントローラ、Digital Crownは、側面の回転式ダイアルを特徴とし、旧いiPodモデルのreoriented click wheelのように時計の画面を通してnavigationが行える旨。スマートフォン2モデルの画面仕様、次の通り。
 iPhone 6  4.7-インチ 1334p x 750p at 326 ppi
         …720p Retina HDディスプレイを上回る
 iPhone 6 Plus 5.5-インチ 1,920p x 1,080p resolution at 401 ppi
         …フル1,080p HD対応

◇米アップル、腕時計型端末を発表 大画面iPhoneも (9月10日付け 日経 電子版)
→米アップルが9日、腕時計型のウエアラブル端末「アップルウオッチ」3モデルと、スマートフォン「iPhone」の新型2モデルを発表、アップルが新分野の製品を発表するのは2010年のタブレット「iPad」以来4年ぶりの旨。腕時計型端末は韓国サムスン電子やソニーなどが先行しているが、デザインや機能で「アップルらしさ」を前面に打ち出して追い上げる旨。新型iPhoneは日米などで19日に発売、アップルウオッチは2015年初めに発売する旨。

◇アップル、新型アイフォーン「6」など発表 (9月10日付け YOMIURI ONLINE)
→米アップルが9日の新商品発表会で、新型アイフォーン「6」(4.7インチ画面)と「6Plus」(5.5インチ画面)を発表、発売日は9月19日、画面を大型化したほか、新しい決済機能「アップルペイ」を導入、NFC(近距離無線通信)技術を採用し、ワンタッチで決済が出来る旨。米国では10月からサービスの提供が始まる旨。

各国心待ちの風情がよく表れている、中国、韓国、そしてインドでの本件の扱いとなっている。

◇米アップルがiPhone 6など新製品を発表、中国大陸部では発売せず (9月10日付け 人民網日本語版)

◇より大きく、薄く、丸くなったiPhone6…19日に1次発売、韓国は除外 (9月10日付け 韓国・中央日報)
→アップルが9日午前10時(現地時間)、米国カリフォルニア州クパチーノのフリントセンターで「iPhone6」と「iPhone6Plus」をリリース、2製品は米国・英国・豪州・カナダ・フランス・ドイツ・香港・日本・プエルトリコ・シンガポールでは19日に発売されて米国などでは12日から予約注文を受ける旨。韓国は1次発売国から除外された旨。

◇iPhone 6 comes to India in October (9月11日付け EE Times India)
→インドのApple enthusiastsにとって長い待ち時間がまもなく解消へ、Appleの新しいiPhone 6およびiPhone 6 Plusが、米国のお店での販売開始から1ヶ月足らず、インドで10月17日までにリリースされる予定の旨。
Appleの早期リリースの決定は、インドのスマートフォン市場の力強い伸びを示している旨。

早速に、中核プロセッサ「A8」の解析概要が表わされている。

◇Apple’s A8 SoC analyzed: The iPhone 6 chip is a 2-billion-transistor 20nm monster (9月10日付け ExtremeTech)
→新しいiPhone 6およびiPhone 6 Plusの両方を動かしているAppleの新しいA8 SoCについて詳細解析。以下の要点:
・約20億個のトランジスタ。TSMCの20-nmプロセスによる最初のmass-marketコンポーネントの1つ。
・Appleによると、CPU tasksで先行品より約25%高速、GPU side of thingsでは50%高速。
・A8は、A7よりパワー効率が50%良く、トランジスタ数が約倍増にも拘らずdie sizeは13%小さい。

次にインテル、IDF(Intel Developers Forum) 2014(9月9-11日:San Francisco)について、製品そして技術の全体概要がそれぞれ次のように表わされている。

◇Intel Sampling Xeon D SoC for Microservers, Networking, Storage -Intel samples low-power Xeon D chip (9月10日付け eWeek)
→Intelが、低電力Xeon Dプロセッサのサンプル配布、14-nmプロセス製造、microservers, networkingおよびデータストレージ応用向けの旨。同社は、2014年末までにSofiaモバイルプロセッサを出荷、スマートフォンおよびタブレットcomputersの低コスト化向けの意味合いの旨。Intelはまた、Internet of Things(IoT)応用およびwearable electronicsに向けたEdison single-board computerを披露、今や世界中に出している旨。

◇Intel Opens Door on 7nm, Foundry-EUV not needed at 10, 7nm-Inside Intel’s foundry service-Low-cost alternative to 2.5D stacks-Intel on making 7nm, 10nm chips without EUV (9月11日付け EE Times)
→Intelは、長らく遅れているlithographyの進展なしでもMoore's Lawを7-nmまでもってこれると考える旨。また、同社の半導体製造の実力を共有するファウンドリーサービスについて最も詳細なアップデート、これには開発中である2.5D半導体stackingに対する新しい低コスト代替技術、Embedded Multi-Die Interconnect Bridge(EMIB)が含まれる旨。

ジャンル別に、サーバ、PC、そしてスマートフォン向けに注目した内容である。

◇Intel looks to modernize data centers with new Xeon server chips-Intel aims new Xeon processors at upgrading data centers (9月8日付け Computerworld/IDG News Service)
→Intelが月曜8日、Xeon E5-2600 v3プロセッサを投入、データセンターにおけるサーバ性能格上げに用いられる旨。この"Haswell"-アーキテクチャー半導体は、E5-2600 v2 "Romley"プロセッサでのa dozenコアに対し、最大18コアをもてる旨。複数のメーカーが、Xeon E5-2600 v3ベースのサーバを計画している旨。

◇Intel's Skylake chips set for PCs and tablets next year-Intel says Skylake will deliver better battery life and performance-Intel demos "Skylake" chips, made with a 14nm process (9月9日付け Techworld (U.K.)/IDG News Service)
→Intelが火曜9日、次期"Skylake"アーキテクチャー・プロセッサベースのdesktop PCを披露、来年desktopおよびタブレットcomputersで現われる予定の半導体の旨。該プロセッサは14-nmプロセスでの製造となる旨。同社CEO、Brian Krzanich氏は火曜9日、Intelがモバイル半導体事業でもっと大きなプレーヤーになるという目標に到達としている旨。

◇Smartphones under $100 with Intel chip could ship next year (9月10日付け Techworld)
→Intelが、スマートフォン向けに3G統合の低コストSofia半導体を置く計画、"明らかに$100以下"になる可能性の旨。

IoT(Internet of Things)に向けた新デバイス、そして多彩な応用が以下の通りである。smartwatch、ラジコンヘリ、そしてブレスレットと、華やかさ、ファッション性が目立ってきて、今後の応用にますます注目するとともに、大きな新しい時代の到来を予感するものがある。

◇Edison Leads Intel into Wearables-Phone chip powers consumer IoT drive (9月9日付け EET /Slideshow)
→IntelのNew Devicesグループが、今回の初日にcoming out partyを開催、発足1年のこのグループの現在のスターは、大きな郵便切手の大きさのワイヤレスPC、Edisonであり、consumer Internet of Things(IoT)に向けて多くのプラットフォームとなる旨。以下の内容:
 Basis gets upgrade …年末までに出荷予定のsmartwatchアップグレード版、Basis Peak
 Fully integrated team
 X86 quad-copters  …離陸・推進に4つの回転翼を用いる航空機の一種:ラジコンヘリ
 Sparkfun stacks Edison
 Edison powers robot kit
 Braille printers and dresses
 Bracelet on the way
 Tapping into bio-data


≪市場実態PickUp≫

【高効率自動車技術】

自動運転を代表的に高効率自動車技術への取り組みのいくつかが、下記の通り表わされている。2年以内にというGeneral Motorsの自動的な操舵機能が、特に間近で注目と思う。

◇GM Spurs Development of Automated Driving (9月9日付け EE Times)
→Congress of the Intelligent Transport Society(Detroit)にて、General Motors(GM)のChief Executive、Mary Barra氏。2年以内にGM車は、SuperCruise featureを装備、交通渋滞並びに高速道路で車の操舵が自動的に行える旨。欧州の自動車メーカーは自動運転に長期的な計画スタンスを置いている一方での、早い取り組み転換の旨。

◇Power Week: DOE - EVs Everywhere, Anyhow (9月11日付け EE Times)
→米国Department of Energy(DoE)が最近、高効率自動車技術のR&D前倒しに向かう31の新プロジェクトに$55 million以上を投資する計画を発表、その狙いは、Obama大統領が2012年3月に発表したEV Everywhere Grand Challengeの目標&目的、すなわち向こう10年以内に今日のガソリン車と同じくらいで入手できるplug-in電気自動車を米国が生産できること、に適合することである旨。

◇Connected cockpit paves way for autonomous driving (9月12日付け EE Times India)
→2020年までに生産版を約束するRenaultの自動運転車(autonomous vehicle)技術開発について。該NEXT TWO innovationプロジェクトからは、高度なconnected vehicleが得られ、運転車と乗る人に新しいユーザ経験を与えるよう設計されていて、彼等が他のことをする時間がもっととれる旨。

【台湾勢の8月業績】

台湾の半導体メーカーの8月業績の好調ぶりが、以下の内容から分かる通りである。アップル向けで最高記録、絶好調のTSMC、そして中国のスマホ向けプロセッサのMediaTekの売上げ高水準キープが目立っている。

◇UMC reports flat performance for August-UMC's Aug. revenues show 3.8% gain from a year ago (9月9日付け DIGITIMES)
→UMCの8月売上げがNT$11.42 billion($381.82 million)、前月比1.1%減、前年同月比3.8%増。2014年1-8月の売上げ累計がNT$90.52 billion、前年同期比10.1%増。

◇MediaTek revenues edge up sequentially in August-MediaTek posts Aug. revenues of $657.33 million (9月9日付け DIGITIMES)
→MediaTekの8月売上げがNT$19.66 billion($657.33 million)、前月比2%増、前年同月比54%増。

◇Foundry sales trend up-Taiwan foundries post higher revenues (9月10日付け Electronics Weekly (U.K.))

◇TSMC reports record high revenues for August-TSMC posts Aug. revenues of $2.31B, a company record (9月10日付け DIGITIMES)
→TSMCの8月売上げがNT$69.28 billion($2.31 billion)の最高記録、前月比6.7%増、前年同月比25.8%増。同社ガイドおよび市場予想に合っている旨。2014年1-8月の売上げ累計がNT$465.44 billion、前年同期比17.6%増。業界筋によると、同社は、AppleのiPhone 6スマートフォン用のA8プロセッサを指紋センサ、power management ICsおよびLCD driver半導体とともに生産しており、絶好調の第三四半期に向かう勢いの旨。

【Lenovo関連】

中国・Lenovo Groupの動きについて2件。新しいスマホに上述のMediaTekの4G LTE半導体を採用、もう1つは、IBMのlow-endサーバライン買収完了を控えてその後の取り組みが明らかにされてきている。

◇Lenovo to use MediaTek processors in new phone-MediaTek to supply processors for Lenovo smartphone (9月6日付け The Taipei Times (Taiwan))
→Lenovo発、MediaTekが、Lenovo Groupの新しいVIBE X2 premiumスマートフォンで用いられるeight-core MT6595プロセッサを供給する旨。
Vodafone Groupも、MediaTekの4G Long-Term Evolution(LTE)半導体を取り入れている旨。

◇Lenovo, IBM x86 server strategy gets clarity as acquisition looms-IBM will provide the high-end System X and Flex products to complement Lenovo's low-end ThinkServer products-IBM and Lenovo sort out server lines ahead of acquisition (9月8日付け Techworld (U.K.)/IDG News Service)
→IBMのx86-ベースプロセッサ搭載FlexおよびSystem Xサーバが、LenovoによるIBMのlow-endサーバラインの$2.3 billion買収完了後、Lenovo Groupの一部となる旨。IBMは月曜8日、これらサーバのメンテナンスを引き続き行うとしている旨。

【DRAM関連】

DDR4標準がリリースされて、DDR3との共存、移行のありようが、時あたかもIDF(Intel Developers Forum)などで、以下のような取り沙汰となっている。

◇Faster DDR3 Memory Complicates x86 Server Outlook-Faster DDR3 memory in x86 servers comes to market (9月5日付け The VAR Guy)
→新しいDDR4メモリ搭載のx86-ベースサーバがもっと広く使われて価格も安くなるまで、顧客は8-gigaバイトのDDR3メモリ搭載のx86サーバを考えたくなる可能性の旨。このようなメモリは現状のサーバに差し込める旨。

◇JEDEC Releases Wide I/O 2 Mobile DRAM Standard-JEDEC releases standards for mobile memory chips (9月9日付け EE Times)
→JEDEC Solid State Technology Associationが、2014年8月末にモバイルcomputing機器に向けてメモリ速度&効率を高める狙いのJESD209-4 Low Power Double Data Rate 4(LPDDR4)をリリース、続いてこんどは、JESD229-2 Wide I/O 2をリリース、これもモバイルメモリニーズを満たす狙いの旨。

◇DDR4 Ramps Up, Enterprise First-DDR4 memory suppliers gear up for enterprise servers (9月9日付け EE Times)
→IDF(Intel Developers Forum)たけなわの今週で、DDR4が確実に人気を集める議論の話題である旨。JEDECのDDR4 DRAM標準ベースのメモリ半導体が、複数のサプライヤから出てきており、当面の主要な応用はenterpriseサーバである旨。DDR4が大きく異なるアーキテクチャーであることから、DDR3およびDDR4メモリ半導体がある間市場を分け合う見込みの旨。

一方、DRAM生産については、新設工場の寄与は来年、2015年は望めず、安定化方向という見方が出ている。

◇DRAM industry profits to stabilize in 2015 as Korea-based makers slow capacity ramps, says DRAMeXchange (9月10日付け DIGITIMES)
→DRAMeXchange発。Samsung ElectronicsおよびSK Hynixの新しい製造工場建設が終わるのは2015年より後になり、来る年の製造capacityは依然計画段階の旨。

【フラッシュメモリの展開】

コスト面からまだまだdisk drivesというものの活発に見られるall-flashの取り組み、そしてもう1つ、中国のSMICのファウンドリーとして唯一というNANDフラッシュへの顧客対応が、以下の通りである。

◇Is the all-flash data centre just a tantalising dream?-Is the all-flash data center at hand? Not yet (9月8日付け The Register (U.K.))
→フラッシュ-ベースarraysが急いでアクセスしなければならないhigh-valueデータについて最もよく運用されているが、フラッシュarraysのコスト高で、大方のデータストレージは少なくとも見渡せる将来、disk drivesに残ることになる旨。十数以上のベンダーが、いろいろな設計でのnetworked all-flash arraysを提示している旨。

◇SMIC Introduces Independently Developed 38nm NAND Process Technology (9月10日付け Market Watch)
→SMICが、38-nm NAND Flashプロセス技術対応完を発表、NAND製品を顧客に向けて製造する唯一のファウンドリーとなる旨。このプロセス・プラットフォームは、全くSMICだけで独立に開発されており、高品質・低密度のNAND Flash製品をもってspecialtyメモリファブレス顧客における需要増大に供する道を引っ張っていく旨。


≪グローバル雑学王−323≫

世界の中緯度帯にある四つの大河流域で起こった四大文明から展開する世界の変遷を、

 『知れば知るほど面白い 地理・地名・地図から読み解く世界史』
  (宮崎 正勝 著:じっぴコンパクト新書 198) …2014年7月7日 初版第1刷発行

より、前回と今回の2回で追っている。タイトルに表している問いかけ、例えば分かりやすいものでは、"なぜ、中央アジアに「○○スタン」という名前が多いのか?"。そう言えばまったくその通りの感じ方があるが、地理・地名・地図の逸話から、世界史の展開のクイック・レビューと、現在進行中の話もあって認識が随所でアップデートされるところを感じている。


第1章 四大文明から始まった世界の変遷

4 なぜ、カルタゴ軍(ハンニバル)は、地中海を通らずアルプスを越えてローマへ進出したのか?
 ……→ローマ帝国の興亡

◇地理の謎4:象を率い、アルプス越えを敢行したハンニバル
・カルタゴの猛将、ハンニバル
 →まだ幼い頃にカルタゴの影響下にあったスペインにわたり、カルタゴ勢力の増進に尽力
 →スペインから陸地を伝い、ローマへ侵攻する方法をとった

◆世界史の展開4:

〓ローマは一日にしてならず(地中海帝国への道)
・フェニキア人によってつくられたニュータウン、カルタゴ
・ハンニバルの死後に行われた第三回ポエニ戦争で、カルタゴを滅亡させることに成功
 →ローマは地中海の大国へと変貌
・カエサル(シーザー)の死後、プトレマイオス朝エジプトの女王、クレオパトラと結んだアントニウスと、カエサルの養子、オクタビアヌスの争い
 →勝利を得たオクタビアヌスは、「アウグストゥス(尊厳者)」という称号、実質上の皇帝の位に
 →紀元前27年のこと。以降の約200年間「パックス=ロマーナ(ローマの平和)」時代。

〓すべての道はローマに通ず(ローマの繁栄)
・社会のインフラも整備、都市、ローマには100万もの人々
・五賢帝と呼ばれた皇帝たちの時代(96〜180)が最盛期
・キリスト教の成長
 →324年に即位したコンスタンティヌス帝により、ようやく公認

5 なぜ、中央アジアに「○○スタン」という名前が多いのか?

◇地名の謎5:「スタン」地名とペルシア人の帝国の関係
・「スタン」は、ペルシア語系の地名接尾辞
 →「○○の国、地方」といった意味
・国名には紆余曲折も
 →古い地名の「カザフスタン」は、ソビエト連邦に併合された際には「カザフ共和国」、ソ連崩壊に際してカザフスタンと変えることに
 →21世紀の現在、またしても国名変更の話が再燃

◆世界史の展開5:

〓ローマを苦しめたパルティアン=ショット
・紀元前3世紀の西アジア・中央アジア
 →セレウコス朝シリア、バクトリア、パルティアという3つの国が存在
 →最も栄え、最後まで存続したのが、ペルシア系のパルティア
・必殺技の「パルティアン=ショット」
 →馬上から振り向きざまに矢を射るという機動的な攻撃

〓イラン文明を復興させたササン朝
・紀元後226年、パルティアを滅ぼし、この地を支配することとなったのがササン朝
 →ペルシア系、農耕、定住型民族の国
・イラン文明の第二の繁栄期
 →紀元前7世紀頃に生まれたゾロアスター教が国教
・ペルシア風の水瓶やガラス製の碗
 →遠くササン朝の文化が伝わって、正倉院の御物に

6 有名な『赤壁の賦』が詠まれた場所で、赤壁の戦いが行なわれていなかったって、本当?

◇地図の謎6:三国志の激戦地「赤壁」はどこにある?
・魏・蜀・呉の三国に分かれて互いに覇権を争った中国・三国時代
 →「赤壁の戦い」→勝者:劉備、孫権の連合軍
             敗者:曹操の軍勢
 →八百数十年の時を経て、宋の蘇軾(蘇東坡)が詠んだ美しき韻文:『赤壁の賦』
・赤壁の戦いの古戦場は、中国湖北省赤壁市の西の地
 一方、蘇軾が『赤壁の賦』を詠んだのは、湖北省黄岡県
 →戦いの場所ではなかった

◆世界史の展開6:

〓太古より王朝の盛衰が繰り返されてきた中国
・中国で、その存在が確認できている最古の王朝は、紀元前16世紀頃に起こった殷(商)
・紀元前8世紀頃からは、いくつかの小国が覇権を争う春秋・戦国時代
 →諸子百家と呼ばれる思想家たち
・紀元前221年、秦国の王、政による統一事業
 →「始皇帝」と名乗る
 →「Chana」「支那」…「秦」に由来

〓漢の滅亡から三国時代へ
・秦は、統一からわずか15年で滅亡
・劉邦が中国を統一、漢王朝を開く
 →別の王朝に取って代わられた時期があるものの、四百数十年の長きにわたり、君臨することに
 →農民反乱、黄巾の乱で、220年滅亡
・魏・蜀・呉の三国時代に突入
 →『三国志』の世界を彩った三国は、ともに中国を統一することはできず
・漢人が江南、朝鮮半島、日本列島に大挙して移住する大混乱時代、五胡十六国・南北朝時代に

[Column]:紅海は赤くて、黒海は黒いのだろうか?
・紅海は、砂漠の「赤い砂」の印象から「赤い砂漠に囲まれた海」
 =「紅海」
黒海は、ペルシア人がペルシア湾と比べた印象から「暗い海」→
 「黒い海」=「黒海」となった模様

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