2015年6月29日
|長見晃の海外トピックス
半導体業界M&Aの熱い動きが依然続く中、世界の両大国、米国と中国の間の一方ではドイツの車載向けSRAM市場の覇権を巡る戦い、もう一つは中国の半導体業界自立化に向けた先端技術開発を行う合弁の設立と硬軟対照的な動きが業界の景観に映ってきている。前者はここ数ヶ月にわたり今なお及ぶCypressと中国投資家コンソーシアム、Uphillの間のIntegrated Silicon Solution Inc(ISSI)買収争奪戦であり、後者は中国政府から反競争的慣行について罰金を課せられたQualcommが中国のファウンドリー最大手、SMICなどとR&D合弁を組んで中国での14-nm技術開発を支援していく動きである。
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2015年6月22日
|長見晃の海外トピックス
市場シェア拡大、新市場創出に向けた半導体業界のM&Aの熱気が依然活発である。Integrated Silicon Solution(ISSI)を巡るCypressと中国投資家グループの攻防もまた反転の動きが見られている。IntelおよびKeysight(Agilentのテスト&計測事業スピンオフ)の買収はじめ新たな動きが加わって、一向に収まる気配となっていない。そんな中、新市場の代表格、Internet of Things(IoT)に向けた市場展開を促進する動きが目立ってきており、Renesas Electronics、Alcatel-Lucentなどからプラットフォームおよびツールキットの発表が相次いでいる。
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2015年6月15日
|長見晃の海外トピックス
半導体業界のM&Aについて、日替わりのように攻勢が急転する状況が見られている。先週のIntelのAltera買収に続いて今週は、Integrated Silicon Solution(ISSI)を巡って同じシリコンバレーのCypress Semiconductorが攻勢をかける一方で、中国の投資家グループが対抗する動きを仕掛けて、買収価格がつり上がってきている現時点である。週末では中国側が上回っているという理解であるが、昨年に比べて減速が避けられないという見方が支配的な半導体業界の事業拡大、新市場開拓に向けたこのような喧騒が、当面鳴り止みそうにない情勢を受け止めている。
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2015年6月11日
|大和田敦之の日米の開発現場から
よく知られているようにグーグル社は、全自動運転車の最初の試験を、2009年に始めて既に成功裡に終えたようだ。カリフォルニアの車道を10万マイル(約16万km)走ったとのことだ。その自動車旅行は通常の旅と比べて事故はより少なく信頼が置けて効率的だった、としている。東京(東名高速道路東京IC)から大阪(名神高速道路豊中IC)までの往復距離が1,048kmなので往復153回ということになる。筆者が考えるに相当まじめに走ったな!と思っている。当然ながら、路上試験は東名のような高速道路も必要だが、それだけでは駄目で、一般道路を含むあらゆる車道を走行試験する必要がある。グーグルは最近12件の事故の例を示していて公平な態度を示した(参考資料1)。
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2015年6月 8日
|長見晃の海外トピックス
事態が一転、IntelのAltera買収が発表され、ここ数ヶ月の半導体業界のM&Aの嵐が鳴り止まず、引き続いて増幅していく情勢がグローバルに見られている。そんな中、米SIAから恒例の月次世界半導体販売高が発表され、今回はこの4月分である。前年同月比で見た増加基調が続いてこの4月で24ヶ月連続と、モバイル機器が主に牽引する拡大が2年に及んでいる。先行きの規模の拡大、Iotはじめ新市場を見据えた現下のM&Aの展開は、半導体業界の新たなmap、勢力図を一層の時間軸速度で形作ろうとしている。
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2015年6月 2日
|泉谷渉の視点
いよいよというべきか。やっぱりというべきか。中国スマートフォンメーカー大手のシャオミ(小米科技)は、低価格モデルの「Redmi 2A」に初めて中国製のアプリケーションプロセッサを採用した。これまで米国や日本をはじめとする海外メーカーから半導体を調達していた中国が、ついに本格的な国産化への一歩を踏み出したのだ。
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2015年6月 1日
|長見晃の海外トピックス
この3月以降特に、シリコンバレーを主な舞台に繰り広げられる半導体業界のM&A(企業の合併買収)に目が離せなくなっている。NXP Semiconductors(オランダ)のFreescale Semiconductor(米国)を買収するとの発表に始まって、インテルがAlteraを買収するという噂が立ち上り、中国の投資家グループが関わる買収案件など続くところに、こんどはHP社の半導体部門が前身のAvagoが、自社より売上げが倍のBroadcomを買収するという発表が行われている。規模そして競争力に鎬を削る局面が続いていく情勢があり、半導体ベンダーランキングに異変をもたらしそうな激しい変化が加速されている。
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2015年5月25日
|長見晃の海外トピックス
半導体業界での米国、中国を軸とする様々な駆け引きが見えてきている。売上げ、市場シェアの拡大を目指す買収、統合が引き続いているが、米国メーカーが多くは引っ張る中に、中国の投資家グループが綱引きに加わる構図が見られている。一方、Intelが中国でのモバイル機器用プロセッサの拡販に向けて中国メーカーとの協調を図る動きが進んでいる。政治面、経済面で大きく見ても、米国、中国それぞれ、そして両国の間の同様の駆け引きの動きが一層拡大していく気配が強まってきている。
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2015年5月18日
|長見晃の海外トピックス
世紀の変わり目、2000年以降大きく激しく引き続いてきている半導体業界の統合の動きであるが、またまた新たな局面が見られてきている。1つは、1980年代の日米半導体摩擦から米国が我が国の競争力に対抗しようとして発足させた企業連合体「セマテック」が、その役割が今では国際半導体コンソーシアムと銘打つ形になっているが、このほど米国ニューヨーク州の最先端研究教育機関、SUNY Polytechnic Instituteの傘下に入るという動きである。もう1つ、米国を軸とする統合のさらなる展開が表面化してきている。
また新たな時代の局面の節目に余韻、思いがさらに交錯するところがある。
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2015年5月12日
|大和田敦之の日米の開発現場から
次世代をリードする技術の一つは、AI(Artificial Intelligence:人工知能)であろう。筆者もAIに高い興味を持っている。ロボット、AIシステムの応用を考えれば将来の半導体産業は、3兆円規模になるとの指摘もある。
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