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前月から持ち直した7月半導体販売高、昨年の後追い払拭できるか

米国Semiconductor Industry Association(SIA)から月次世界半導体販売高が発表され、今回はこの7月分で総額$27.1 billionであり、前月比2.6%増、前年同月比2.8%減となっている。この前月比の増加の大きさは3年ぶりということで残る今年の今後に期待感をもたせるとともに、現時点での1-7月累計では昨年同期に及んでいないが、今後挽回に至るかどうか、というところがある。世界経済そして半導体業界の本年の推移を見ると、多難でそう簡単には予断を許さない現状があり、引き続きあれこれ注目ということと思う。

≪7月の世界半導体販売高≫

米SIAからの発表内容が、以下の通りである。

☆☆☆↓↓↓↓↓
◯7月のグローバル半導体販売高が持ち直し−約3年ぶりの前月比3%増;昨年比では依然後追い …9月6日付け SIAプレスリリース

半導体製造、設計および研究の米国のleadershipを代表するSemiconductor Industry Association(SIA)が本日、2016年7月の世界半導体販売高が$27.1 billionに達し、前月6月の$26.4 billionから2.6%の増加と発表した。この7月販売高は、2013年9月以降最大の前月比販売高増となるが、2015年7月の$27.9 billionからは2.8%減少している。歓迎すべき増加を強調して、2015年10月以来ぶりに前月比販売高はすべての地域市場で増加となっている。月次販売高の数値はすべてWorld Semiconductor Trade Statistics(WSTS) organizationのまとめであり、3ヶ月移動平均で表わされている。

「7月のグローバル半導体販売高の増加は、約3年ぶりの該グローバル市場最大の前月比の伸びとなり、残る2016年およびそれ以降の販売高が力強くなる可能性という励みになる兆候である。」とSemiconductor Industry Association(SIA)のpresident & CEO、John Neuffer氏は言う。「数ヶ月の低迷を経て、Americas地域はすべての地域別市場を引っ張る3.3%の伸びを示し、7月はbright spotとなっている。一方、主要半導体製品カテゴリーの大方が7月は前月比販売高が増加し、DRAMが7.1%の伸びでリードしている。」

前月比販売高の伸びではAmericasに加えて、China(+3.2%), Japan(+3.1%), Asia Pacific/All Other(+1.8%), およびEurope(+0.7%)とすべて増加している。前年同月比では、China(+4.7%)は増加したが、Japan(-1.1%), Europe(-4.9%), Asia Pacific/All Other(-6.8%), およびAmericas(-7.5%)では減っている

【3ヶ月移動平均ベース】

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市場地域
Jul 2015
Jun 2016
Jul 2016
前年同月比
前月比
========
Americas
5.51
4.94
5.10
-7.5
3.3
Europe
2.83
2.68
2.70
-4.9
0.7
Japan
2.63
2.53
2.60
-1.1
3.1
China
8.18
8.29
8.56
4.7
3.2
Asia Pacific /All Other
8.71
7.97
8.12
-6.8
1.8
$27.87 B
$26.41 B
$27.08 B
-2.8 %
2.6 %

--------------------------------------
市場地域
2- 4月平均
5- 7月平均
change
Americas
4.78
5.10
6.7
Europe
2.64
2.70
1.9
Japan
2.60
2.60
0.4
China
7.80
8.56
9.8
Asia Pacific /All Other
8.03
8.12
1.1
$25.85 B
$27.08 B
4.8 %

--------------------------------------

「議会が今週Washingtonに戻ってきて、policymakersには半導体業界におけるおよび米国を通した成長と革新を促進するinitiativesをいっしょに進めるよう働きかける。」とNeuffer氏は言う。「このような方策の1つとしてTrans-Pacific Partnership(TPP)があり、Pacific-Rim諸国との通商上の障壁を取り除くlandmark合意である。議会は、米国のビジネス、消費者および我々の経済にとって正当なことを行なって、該TPPを承認すべきである。」

※7月の世界半導体販売高 地域別内訳および前年比伸び率推移の図、以下参照。
http://www.semiconductors.org/clientuploads/GSR/July%202016%20GSR%20table%20and%20graph%20for%20press%20release.pdf
★★★↑↑↑↑↑

これを受けた業界各紙の取り上げは、目に止まった範囲、次の1点である。

◇Global semiconductor sales rebound in July, says SIA (9月9日付け DIGITIMES)

現下の各社、各分野の状況を見ると、最高の販売高を記録する好調なところとして、中国のスマートフォンベンダーからの受注が高めている台湾のMediaTekの8月販売高がある。

◇MediaTek posts record August revenues (9月8日付け DIGITIMES)
→モバイルSoC specialist、MediaTekの2016年8月連結売上げがNT$25.87 billion($827.9 million)、前月比4.2%増、前年同月比36.1%増。該月次販売高はまた最高を記録、Oppoなど中国のスマートフォンベンダーからの力強い需要が、MediaTekの8月販売高を高めている旨。9月についても最高の売上げが見込まれる、と市場観測筋の見方。

一方では、ファウンドリー分野の10-12月四半期のcapacity稼働率が低下するという状況が見られている。

◇Foundry capacity utilization to drop in 4Q16 (9月5日付け DIGITIMES)
→業界筋発。TSMCはじめ専業ファウンドリーのcapacity稼働率が2016年第四四半期に低下、second-tierファウンドリープレーヤーはcapacity充足を迫られている旨。ファウンドリー半導体メーカーのいくつかは、ビジネスをもっと多く引き寄せるようdiscount戦略を取り入れ始めている旨。

Samsungのファウンドリー部門も、新規受注獲得に向けて値下げするなど躍起という現状が表わされている。

◇Samsung lowering foundry quotes to vie for orders (9月8日付け DIGITIMES)
→業界筋発。Samsungが、特にLCD driver ICs, power management ICsおよびCMOSイメージセンサの新規受注獲得に向けてファウンドリーの見積もり価格を下げている旨。Samsungはまた、競合よりもずっと低い価格を提示、ファウンドリー競合相手のsecond-tier顧客からの受注奪取を図っている旨。特に中国における中小規模ファブレスICメーカーが、Samsungのファウンドリー事業のターゲット顧客になっている旨。

メモリ価格については、下がり過ぎの反動の様相もあろうが、10-12月四半期には上がってくるという見方である。

◇DRAM contract prices to rise over 10% in 4Q16, says DRAMeXchange-DRAMeXchange: Memory contract prices to go up in Q4 (9月7日付け DIGITIMES)
→DRAMeXchange発。DRAMおよびNANDフラッシュメモリ価格が、2016年第四四半期に上がる見込み、DRAMの契約価格は前四半期比10%以上と見込まれる旨。

SEMICON Taiwan 2016(9月7-9日)が開催され、以下の≪市場実態PickUp≫でも示すが、ここではこの場関連でのTSMCについて以下の2点である。まずは、本年の売上高を約10%増と積極的な見方となっている。

◇TSMC looks to nearly 10% revenue growth in 2016, says co-CEO (9月8日付け DIGITIMES)
→SEMICON Taiwan 2016にて、TSMCのco-CEO、Mark Liu氏。TSMCの2016年売上げが約10%増の見込み、第四四半期に行われる可能性の顧客在庫調整にも拘らず、該四半期のTSMCの販売高が第三四半期のそれを依然上回ると見ている旨。

TSMCは、本年1-7月売上げ累計が前年同期比1.3%減であったが、この8月は同社史上最高を記録、1-8月累計が同3.6%増に押し上げられている。果たして年末には10%増に達するかどうかというところである。

◇TSMC reports record August revenues (9月9日付け DIGITIMES)
→TSMCの2016年8月連結売上げがNT$94.31 billion($3 billion)、前月比23.5%増、前年同月比40.7%増、これは同社史上最高の月次水準でもあった旨。2016年1-8月累計がNT$596.01 billion、前年同期比3.6%増。
UMCの2016年8月連結売上げがNT$12.93 billion、前月比3.5%増、前年同月比6.1%増。2016年1-8月累計がNT$96.83 billion、前年同期比3.7%減。

波乱要素の多い環境の本年となっており、できるだけ多くの切り口から今後を辿っていくべき状況を感じている。


≪市場実態PickUp≫

【「iPhone7」発表】

Appleが9月7日に新製品を発表するという予告を受けて、直前の台湾supply chainにおける部品発注踏み上げの動きである。

◇Apple reportedly hikes order volumes for new iPhone devices (9月5日付け DIGITIMES)
→台湾のiPhone supply chain筋発。Appleが、9月7日にリリース予定の新しいiPhone機器の生産に必要な部品&コンポーネントについて発注を10%上方修正の旨。この発注踏み上げは、Appleが現状iPhoneユーザからの新しいiPhonesについての置き換え需要を依然前向きにとらえていることを示している旨。Appleは当初、2016年後半の新しいiPhone機器の出荷は前年同期のiPhone出荷の60%と予想していた旨。

台湾のMediaTekには、iPhoneに向けたワイヤレス給電半導体にまつわる噂が見られている。すぐ後に示す今回の発表でのワイヤレスSoCとのつながり如何というところである。

◇MediaTek rumored to receive RFQ for wireless charging chip from Apple, says paper (9月5日付け DIGITIMES)
→関連する上流supply chain筋を引用、中国語・Economic Daily News(EDN)発。Appleが最近、MediaTekに対しiPhoneの場合についてワイヤレス給電半導体の見積もり要求を出している旨。しかしながら、MediaTekはこの噂へのコメントを控えている旨。

BroadcomがApple iPhone 7のより大きな所要をつかんでいるという見方も出てきている。

◇Broadcom gets bigger bite of iPhone 7 (9月6日付け EE Times India)

このような動き、見方のなか、Appleの新製品発表会が予定通り行われ、その内容が以下の通り表わされている。同社初のワイヤレスSoCなどシリコン半導体の充実ぶりである。

◇Apple Debuts Three Custom Chips-AirPods' W1 is company's first wireless SoC-New Apple products feature A10 app processor, a wireless SoC (9月7日付け EE Times)
→Appleの本日発表された製品には、少なくとも3つの新しい半導体が搭載され、同社初めてのワイヤレスSoCなどがあり、シリコンの実力の高まりが示されている旨。最大で最も複雑なのは依然iPhone applicationプロセッサにあり、iPhone 7および7 Plusにある64-ビットA10 Fusionは3.3 billion個のトランジスタの旨。今回のイベントの最大の驚きは、耳の穴に差し込むタイプのイヤホン、earbudにあり、Appleの新しいワイヤレスAirPodsおよび3つの新しいワイヤレスBeatsヘッドフォンには、Appleが設計した最初のワイヤレスsystem-on-a-chip(SoC)デバイスのカスタム半導体、W1が入っている旨。

◇Apple Creates Its First Wireless Chip For New Wireless Headphones, AirPods (9月7日付け Forbes)

iPhone 7 Plusのdual lensが、カメラの新たな方向性を示している。

◇Apple Heralds Dawn of Dual Lens Camera-Dual lens smartphones to become the norm, says Corephotonics (9月8日付け EE Times)
→Appleが新たに発表したiPhone 7 Plusは、dual-lensカメラを搭載、telephoto-zoomおよび被写界深度の両方が得られるように設計されており、モバイルphotographyについてこれまで決して想像されていないイメージ品質の新しい業界標準となりそうな旨。28mm広角レンズおよび56mm telephotoから成るiPhone 7 Plusのdual lensは、2倍の光ズームおよび最大10倍のディジタルズームが得られるよう設計の旨。

iPhoneでの「スイカ」利用、「アップルウオッチ」での「ポケモンGO」対応と、我が国仕様への傾斜が見られている。

◇新iPhoneは日本重視、フェリカもマリオも −「スイカ」10月末から (9月8日付け 日経 電子版)
→米アップルが7日、米サンフランシスコで新製品発表会を開き、10月末からJR東日本の電子マネー「スイカ」が利用できるところでスマートフォン「iPhone」による決済が可能になると発表、これにより、決済サービス「アップルペイ」が日本でもスタートする旨。
任天堂の「スーパーマリオ」のスマホ向けゲームの配信、「ポケモンGO」の腕時計型端末「アップルウオッチ」への対応開始も発表するなど、「日本重視」の発表会となった旨。

iPhone新モデルの価格は次の通りであり、「アップルウオッチ」についても部品発注踏み上げとAppleの積極的なスタンスとなっている。

◇アップル、iPhone新モデル「7」発表、価格は7万2800円から、16日発売 (9月8日付け 日経 電子版)
→アップルが7日、サンフランシスコで開いたイベントで、スマートフォンの新型モデル、「iPhone7」を発表、価格は「7」が649ドルから、大画面でカメラ機能を拡充した「7Plus」は769ドルからとなる旨。
デザインは従来の「6」をほぼ踏襲、一方でヘッドホンの差し込み口をなくし、無線でつなぐ新製品のワイヤレス・ヘッドホン「AirPods」を発表、耐水仕様を強めたほか、ステレオ・スピーカーを搭載した旨。

◇Apple pulls in chip orders for new Apple Watch, say sources (9月9日付け DIGITIMES)
→台湾のsupply chain筋発。Appleが、同社の新しいApple Watch Series 2製品向けの半導体およびコンポーネント発注を増しており、8月および9月の月次出荷数量がともに200万個を上回っている旨。

【SEMICON Taiwan】

恒例のSEMICON Taiwan 2016開催である。

◇SEMICON Taiwan 2016 opens tomorrow; 43,000 attendees expected (9月6日付け ELECTROIQ)
→SEMICON Taiwan 2016(9月7-9日:Taipei Nangang Exhibition Center, Hall 1)について。

開幕前の動きも活発な模様となっており、今回は台湾の総統が蔡英文氏に替わったばかりのタイミングということで、中国との連携推進を図るASEの主張が見られている。

◇Taiwan's leading chip assembler ASE advocates cooperation with China-ASE exec wants closer ties with chipmakers in China (9月6日付け Nikkei Asian Review (Japan))
→台湾のTsai Ing-wen総統に木曜8日会う予定のAdvanced Semiconductor Engineering(ASE)のCOO、Tien Wu氏。中国および台湾の半導体メーカーは、より緊密なコラボを通して相互の利益を獲得することを主張しており、可能な連携領域として、connected機器, drones, electric vehicles(EVs)およびvirtual reality(VR)がある旨。

◇ASE optimistic about SiP, demand for mid- and high-end smartphones-ASE is high on SiP tech, sees demand for smartphone chips (9月7日付け DIGITIMES)
→Advanced Semiconductor Engineering(ASE)のCOO、Tien Wu氏。mid-およびhigh-endスマートフォン向けの2016年の半導体需要が、予想を上回る状況の一方、SiP(system-in-package)需要が依然力強い旨。SEMICON Taiwanに先立つpre-show press conferenceにて、ASEの2016年後半の業績は前半を上回ると繰り返し、市場状況が予想より良くなっている旨。

TSMCも、ASEと同様、そして特に最先端技術への積極的な取り組みをアピールしている。

◇TSMC set to move 7nm to volume production in 1Q18-TSMC touts 7nm tech for area, performance, power (9月7日付け DIGITIMES)
→Semicon Taiwanを前にしたpre-show press conferenceにて、TSMCのビジネス開発senior director、Simon Wang氏。TSMCの7-nm技術は、面積、性能および電力の点で競合を上回り、該ノードは、2018年第一四半期に量産に移行する予定の旨。

そしていよいよ開幕当日を迎え、以下関連記事となっている。

◇SEMICON Taiwan 2016: Advanced packaging remains in the spotlight (9月7日付け DIGITIMES)
→Semicon Taiwan 2016(9月7-9日:台北)が開幕、先端実装が依然主要な重点の旨。

◇IC sector will continue lead Taiwan's industrial growth: minister-Taiwan official praises chip business for leading industrial sector (9月7日付け Focus Taiwan)
→SEMICON Taiwanの開幕式典にて、台湾・Economics Minister、Lee Chih-kung(李世光)氏。台湾のIC事業が、引き続き台湾産業界の伸びを引っ張っていく旨。IC業界はグローバル半導体市場で重要な役割を果たしており、台湾にとってITをさらに展開させる基礎になる旨。

【IoT半導体市場】

Internet of Things(IoT)が今後に向けての新市場の大きなキーワードにすでになっているが、IC Insightsが、IoTシステム機能用半導体販売高予測を以下の通り下方修正している。伸びる市場としての固まり具合に一石を投じる見方と受け止めている。

◇IC Insights updates semiconductor outlook for Internet of Things (9月6日付け ELECTROIQ)
→IC Insightsが、向こう4年にわたるInternet of Things(IoT)システム機能用半導体予測を下方修正、2016年は19%増の$18.4 billionと据え置いているが、2014年から2019年にかけての間のcompound annual growth rate(CAGR)を21.1%から19.9%としている旨。最終年度2019年について、当初$31.1 billionの販売高見通しが、こんどは$29.6 billionになっている旨。

◇IC Insights Trims IoT Chip Market Forecast (9月8日付け EE Times)

◇IC Insights cuts IoT semiconductor market forecast (9月9日付け DIGITIMES)

【買収と分離】

Intelが、超低電力computer visionプロセッサを開発するMovidiusを買収する計画を発表している。

◇Intel Buys Movidius: Automotive Vision in Play? (9月6日付け EE Times)
→Intel社が火曜早朝、超低電力computer vision-processorを開発するstartup、Movidius Technology(San Mateo, Calif.)を買収する計画を発表、該取引は、今年第三四半期後半あるいは第四四半期始めに完了する見込みの旨。

◇Intel buys computer vision startup Movidius as it looks to build up its RealSense platform-Intel snaps up Movidius for low-powered chip tech (9月6日付け TechCrunch)
→Intelが、"the power of sight to machines"が得られる低電力化半導体setsで知られる8年の会社、Movidiusを買収の旨。Intelは、該買収技術を同社RealSenseプラットフォーム推進に用い、artificial intelligence(AI)およびvirtual reality(VR)のような新興途上の分野における同社のデバイス強化を前進させる狙いの旨。

その一方では、6年前の買収を思い起こさせる「マカフィー」のセキュリティーソフト部門を以下の通り分離すると発表している。新市場の展開に備える事業戦略の重点シフトと映ってくる。

◇Intel Spins out Security Group (9月6日付け EE Times)
→Intel社が、同社セキュリティグループの51%をprivate equity会社に$3.1 billion in cashで売却、独立会社、McAfeeとして分離する旨。前chief executive、Paul Otellini氏のもと、2010年にMcAfeeを$7.68 billionで買収した経緯の旨。

◇米インテル、セキュリティーソフト部門を分離 (9月8日付け 日経 電子版)
→米インテルが7日、「マカフィー」ブランドの製品やサービスで知られるセキュリティーソフト部門を別会社として分離すると発表、新会社の名称はマカフィーで、株式の51%を米投資ファンドのTPGに売却する旨。負債を含む売却総額は42億ドル(約4300億円)。独立した事業会社にすることで機動力を高め、パソコン(PC)市場の縮小などを背景に伸び悩む同事業をテコ入れする旨。

【12nm FD-SOI】

ST Microelectronicsが起こしたFD-SOI(Fully Depleted Silicon On Insulator)技術の最先端をGlobalfoundriesが現在引っ張っており、12-nmプロセスがこのほど披露されている。

◇Globalfoundries Preps 12nm FDSOI Process-GlobalFoundries plots 12nm FD-SOI process for 2019 (9月8日付け EE Times)

◇GLOBALFOUNDRIES extends FDX roadmap with 12nm FD-SOI technology (9月8日付け ELECTROIQ)
→GLOBALFOUNDRIESが、新しい12-nm FD-SOI半導体技術を披露、業界初、multi-node FD-SOIロードマップを提示して主導的地位を先延ばししている旨。22FDX offeringの成功に立って、同社の次世代12FDXプラットフォームは、mobile computingおよび5G connectivityからartificial intelligence(AI)および自動運転車まで一連の応用にわたって明日のintelligentシステムを可能にするよう設計されている旨。

◇Globalfoundries unveils 12nm FD-SOI process (9月9日付け DIGITIMES)

もう1つ、Globalfoundriesは22-nm設計に向けたパートナープログラムを発表、Synopsysが参加を表明している。

◇GLOBALFOUNDRIES unveils ecosystem partner program to accelerate innovation for tomorrow's connected systems (9月8日付け ELECTROIQ)
→GLOBALFOUNDRIESが、新しいパートナープログラム、FDXceleratorを発表、顧客に向けて22FDX system-on-chip(SoC)設計を促進、time-to-marketを減らすよう設計されたecosystemの旨。

◇Synopsys joins GLOBALFOUNDRIES' FDXcelerator partner program (9月9日付け ELECTROIQ)
→Synopsysが、GLOBALFOUNDRIESの22FDX system-on-chip(SoC)設計の促進に向けたecosystem、FDXcelerator Partner Programに参加する旨。


≪グローバル雑学王−427≫

折しも主要20か国・地域(G20)首脳会議が、中国浙江省杭州にて9月4日から2日間開かれるタイミングであるが、グローバル化時代の日本外交はどうあるべきかについて、

『世界に負けない日本 −国家と日本人が今なすべきこと』
 (薮中 三十二 著:PHP新書 1045) …2016年5月27日 第一版第一刷

より、著者の外務省での最前線の経験から3回に分けて見方に触れていく。
まずは、基軸となる日米同盟関係、そしてアジアとの関わりのなかで鍵になるASEANとの連携について、それぞれの今現在をもとにあるべき戦略的スタンスなるものが示されている。


第3章 グローバル化時代の日本外交はどうあるべきか =3分の1=
・日本外交の舵取り、進むべき方向
 (1) 引き続き日米同盟関係を維持強化する路線
 (2) アジアへの関与をさらに強める路線
 (3) (1)の(2)の双方を上手くバランス
・(著者は、)(3)の道をとるべきと考えている

■安倍政権の「価値観外交」をどう見るか
・日本の重要な隣国の2つ、中国と韓国
 →安倍外交の現実的な対応により正常化の方向に向かったことは評価
・安倍外交は日米同盟の強化と共通の価値観を共有する国々との連携強化を優先してスタート
 →自由、民主主義、人権、法と国際ルールの遵守などが念頭にある「価値観の共有」
・「共通の価値観」を世界的に広め、世界各地でより民主的な国家を生み出すことが可能化どうか
 →極めて難しい現実
  →中東と民主化、これが両立するのかどうか、基本的な疑問すら出てくる始末
  →EU諸国は中国との関係強化を最重要政策の1つとしており、あからさまな国益重視政策

1 日米同盟のこれから――アメリカに対して主張すべきロジック

■オバマ大統領のG2構想
・アメリカは、G2、つまり米中関係を強化することで世界の運営をしようとしているのか
 →オバマ大統領は明らかに一時期、G2協調路線で世界をマネージできるのではないか、考えた節
・しかし、中国は国際問題で協調する姿勢を見せず、自国の利益に合致しない国際ルールは遵守しないという態度
 →中国が海洋進出を諦めることはなく、引き続き埋め立てた島に滑走路などを建設してゆく可能性が大

■アメリカに対して主張すべきこと
・日米同盟関係がアメリカにとっても有益であることを正確に理解してもらうこと
 →健全な日米関係を維持する上でも大事
 →上手に日米同盟のアメリカにとっての重要性を指摘、発信することが大事
・上手に説明する…「ロジックのある説明」
 →在日米軍基地は、米国のアジア太平洋戦略はもちろん、世界的な米国の軍事戦略上も極めて重要な意味
  →横須賀の米軍基地は米国が誇る第七艦隊の母港
  →嘉手納基地は米空軍の国外における基地として最も設備が整った基地

■「内向き」のアメリカ
・今日のアメリカの姿勢は、地上軍を世界に派遣、戦争することに極めて消極的
 →今後は絶対に米兵を戦争に向かわせない、米国は自国の安全に専念すべき、といった考え方が米国内で非常に強い
・アメリカ社会は大きく変化しつつあり、日本としてもその変化を冷静に分析、常に国益を冷徹に見据えて外交政策の舵取りをやっていかねば

2 アジア重視外交――鍵になるのはASEANとの連携

■ASEANにとって最も信頼できる国とは
・世界経済が減速する中、アジア全体はなお着実な経済成長、各種機関も比較的前向きな予測
 →日本はアジア諸国の経済成長を自国の成長につなげる努力をすべき
 →日本の外交政策としてもアジア諸国との連携強化が望ましい
・ASEAN諸国の指導者から聞こえる声
 →「日本と中国が対立した時に『どちらの肩を持つのだ?』と問いかけられるのだけは困る」
・ASEAN諸国が日本に臨んでいること
 →日本が中国との協力関係を築きながら、一方で中国の暴走を防ぎ、中国にルールを守らせるようにリーダーシップをとること
 →「アジアのことは日本に任せよう」と言われるくらいの指導力を発揮したいもの

■ASEANの労働者を受け入れるという戦略
・ASEANとの協力関係は、日本が抱える少子高齢化対策の観点からも重要に
 →そろそろ本格的、かつ大規模な外国人労働者の導入を考えるべき時
  →対象となるのが、ASEAN諸国、若い労働力を持つベトナムやミャンマーが有力な相手
・日本の近未来の問題は、今の繁栄を維持できないこと
 →ASEANとの一体化戦略を真剣に検討すべき

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