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Micron、東広島工場に1.5兆円の投資で新工場棟を建設へ

メモリ業界第3位のMicron Technologyが広島県東広島にある工場に新しい製造棟を、1.5兆円を投資して建設すると11月30日の日本経済新聞が伝えた。このニュースは週末世界中を駆け巡った。Nikkei AsiaはAI向けメモリ動向を報じた。また、米国にNANDフラッシュの工場を建設する構想が浮上している、と日刊工業新聞が伝えた。ラピダスが第2工場建設するという話も出てきた。

Micron東広島工場(2019年筆者撮影)

図1 Micronの現在の東広島工場 2019年筆者撮影


Micronの新工場建設の話は、日経が世界に先んじて報じた。Nikkei Aisa、さらにJapan Times、Bloomberg、RTTNewsなどが日経のニュースとして報じた。日経によると、「2026年5月に着工し、人工知能(AI)向けのHBM(High Bandwidth Memory)メモリの出荷を28年ごろに始める。投資額は1兆5000億円で経済産業省が最大5000億円を補助する」。

NvidiaやAMDのGPUをベースとするAIチップは、DRAMチップを4枚あるいは8枚、12枚重ねたHBMのような高集積・高速メモリと常にやり取りする。AIの基本となるニューラルネットワークでは演算結果を一時的に溜め、次の演算に使う。それを再び一時的に溜め、さらに次のレイヤーの演算に備える。このためにはDRAMのような絶えず読み書きの書き換えを行うメモリがAIチップと共に求められる。しかも高速・大容量の読み書きが必要となる。

Micronでは台湾でHBMの6割を生産しているようだが、HBMの量産にはそこだけでは不足することが目に見えている。そこで、2025年1月にシンガポールで新規HBM先端パッケージ工場に着工、26年に稼働を開始する。さらに日本の広島工場だと政府の援助が期待できる。2028年頃の出荷を想定すると、HBM4ないし5の量産となり、その生産は極めて複雑になる。広島工場はこの要求に応えられると判断したのだろう。

HBMでリードするのは現在、SK hynixであり、MicronもSamsungも追う立場にある。Nikkei Asia を翻訳した30日の日経によれば、3社全てフル稼働に近い状況で、2026年の生産枠はすべて販売先が決まっている状況だと複数の企業幹部がNikkei Asiaに明かしたという。スマートフォンやパソコン向けのDRAMでトップのSamsungは、AIサーバー向けのDRAMを最優先しているため、スマホやPC向けの供給不足への懸念が高まっていると見ている。


27日の日刊工業新聞は、NANDフラッシュの新米工場建設構想では、日米両政府が支援し、すでに協業関係にあるキオクシアホールディングスと米SanDiskが投資主体となる形で検討を進めると報じている。足元ではAIデータセンター向けのNAND需要が急増しており、米政府は工場建設の意向を強く示すという。ただし、資本構成や経営の主導権など両陣営の主張には隔たりがあり、実現は容易ではなさそうだ。


ラピダスは、まだ量産工場が立ち上がってもいないのに、第2工場の建設の話が出ている。
26日の日経は、「最先端半導体の国産化を目指すラピダスは2027年度に北海道千歳市で2棟目の工場に着工する。世界最先端となる回路線幅1.4nmの半導体の生産を29年にも始める」と報じた。さらに、同日の別の記事で「ラピダスは政府出資を受けるために経済産業省にこのほど提出した事業計画で、1.4nmや1nm半導体の開発・量産投資に31年度までに3兆円超を投資する方針を明らかにした。全体の投資額は7兆円超に膨らむ」と報じている。

これに対してラピダスは、「昨日から本日にかけ、一部の報道機関において、1.4nm世代ロジック半導体新工場の着工、および稼働の時期に関して報道されておりますが、当社から発表したものではありません。公表すべき事実について決定した場合には、速やかに発表いたします」という広報ニュースを流した。これまでの経験から、このような広報ニュースは、アナウンスの体制が整い次第、正式に発表されるケースが多い。虚偽の報道かどうかについてはコメントしていないことからも、ほぼ事実である可能性は高い。

(2025/12/01)
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