2012年5月 7日
|長見晃の海外トピックス
米SIAから発表された3月の世界半導体販売高は、前年同月比では7.9%減と及ばないものの前月比では1.5%増と小幅ながらも全市場地域がプラスとなっている。半導体各社の業績発表も、マイナスサイクルの底は打ったとする見方がいくつかまとまって出ており、今後への期待感が表われている。一方、エルピーダ支援の方向性が見えてきているとともに、Nokiaが長年維持した携帯電話首位の座をSamsungに譲っており、従来の日欧の大手には特に目まぐるしい動きとなっている現時点である。
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2012年5月 1日
|長見晃の海外トピックス
三次元トランジスタ、fin-FET、tri-gate技術といろいろ称されるキーワードをもつ新型トランジスタに成るインテルの22-nm製造プロセス技術プロセッサ、Ivy Bridgeが発表されている。前回はスマートフォン、タブレットの市場需要にTSMCはじめ28-nmノード生産が追いつかない事態を取り上げたが、このような最先端プロセスの事業化についてインテルとTSMCの間のジャブ応酬が垣間見える様相である。最先端の先鞭はつけている我が国であるが、肝心のビジネス収穫期でのプレゼンス、あり方がはたまた課題である。
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2012年4月23日
|大和田敦之の日米の開発現場から
世界で先頭を走りつつ超LSI製造事業に挑戦する企業は、2015年頃にはTSVによって3D積層構造なども採用すると筆者は考える。設計ノードが10nm台に到るにはEUVが実用化されなければ、道は険しいがEUVはどうなるか?寄生容量を減らす技術手段からは、SOIも考慮されるだろう。これらの路線の大きな問題は高コストに陥ることだ。このためコストダウンできる要因も開発プログラムに加えなければならない。
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2012年4月23日
|長見晃の海外トピックス
スマートフォンおよびタブレット用のプロセッサ最大手、Qualcommが生産委託しているTSMCからの28-nmノード生産が需要に追い着かないということで、ここにきて連日の慌ただしい動きとなっている。かつてのCPUの動作周波数にメモリの速度が追い着かないという事態を思い起こしている。モバイル機器の凄まじいまでの人気需要が、デバイス・プロセス開発のテンポ、そしてロードマップまでも前倒しの書き換えを迫る勢いであり、改めて市場アプリが引っ張るモチベーションというものを受け止めている。
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2012年4月16日
|長見晃の海外トピックス
我が国の半導体・エレクトロニクス業界の非常に厳しい状況が続いており、各方面でその改善、打開に向けた議論が行われ、喫緊求められる行動、対策が講じられている。先端科学技術立国に向けて如何に再生するか、世界を引っ張る新事業分野を如何に開拓するか、とはいえ、当面の売上げを高めて、あるいは集中・選択をさらに施して、事業運営が回転していかないと動き出す話ではない。心広く多様な価値観を受け入れていく基本で、グローバルな市場・顧客密着を図ることの重みを改めて考えている。
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2012年4月 9日
|長見晃の海外トピックス
米SIAから2月の世界半導体販売高が発表され、前月比1.3%減、前年同月比7.3%減となっている。プラスの伸びを示しているのは、前月比の米国地域だけであり、回復基調の米国経済に期待をかけて本年も伸びを見込んでいる米SIAのコメントである。IC Insightsから昨年、2011年の半導体ベンダーランキング・トップ25(ファウンドリーを入れた形)がリリースされているが、ここでも前年比伸長率の数字の上では、大きな変動の明暗が分かれる形になっており、ますますグローバル市場密着が必要な情勢を受け止めている。
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2012年4月 2日
|長見晃の海外トピックス
ものづくり、製造の回帰が米国で議論を呼んでいるが、実際に取り組んでこそ知的財産(IP)、ノウハウの蓄積・拡充に磨きがかかるものということと思う。市場が新興圏にシフトしている結果として、特にアジア勢の活発なIP領域での躍進が目立ってきている。また先進経済圏の老舗大手メーカーが、これまで蓄積した豊富なIP資産を武器に、昨今の市場シェアを席巻している顔ぶれを相手取って侵害を訴える、とこれまた繰り返す動きが高まっている。研究開発からビジネス化を即図る重みをまたぞろ感じている。
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2012年3月30日
|泉谷渉の視点
遭難や事故、さらには長い旅路から帰還したときに、日本人ならほとんどの人が、こう言うだろう。「温泉にでも入ってゆっくりしたい。日本酒とすしで悦楽のときをすごしたい」。
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2012年3月26日
|長見晃の海外トピックス
大震災から1年経って、復旧そして復興に日夜全力を尽くしている我が国について、半導体業界のグローバル売上げに対する比率が低落し続けている現況を指摘する記事に注目している。この比率が半分以上を超えて日本勢が世界をリードする状況となった1980年代にそのまま時計の針を戻すにはあまりにも時代が変わり過ぎているが、最先端をリードする国を挙げた取り組みによるNo.1の自信と熱気が、幅広い分野の経験・ノウハウを積み重ねてこそ成就する半導体の世界ではどうしても欠かせないという考え方に辿り着く。
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2012年3月22日
|鴨志田元孝の技術つれづれ
前報(参考資料1)で、実用化のため独創力を発揮した例として、喜多川儀久氏の業績に触れた。喜多川氏は米国のテキサス・インスツルメンツ・インコーポレイテッドで、1Tr. 1C(以下1Tr型と記す)の基本セルを使って4K DRAMを世界で初めて開発した(参考資料2-4)。前報の原稿を作成した時に事実関係確認のため、幾度か喜多川氏と私信を交わしたが、ご多忙の中、そのすべてに対して喜多川氏からご丁寧な返事を頂いた。その私信の中にも開発技術者に広くお伝えした方が良いと思われる内容が多く含まれていた。喜多川氏に公表のお伺いをしたところ快諾されたので、前報の続編として紹介しておきたい。本報では前報作成後に交換した私信も含めている。
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