AI半導体を巡る動き急;「H200」米中の応酬、メモリの不足&価格高騰
AI半導体を巡って、米国と中国の間、そしてDRAMはじめメモリ半導体業界に落ち着かない動きが見られている。NvidiaのAI半導体、「H200」の対中国輸出許可を米国政府が承認した一方、中国政府はその輸入を禁止する措置が見られたものの変更の可能性を孕むスタンスも伝えられている。米中間の探り合いの応酬の様相を受け止めている。AI半導体のHBMの生産強化が行われる反動で、スマホはじめ従来の応用分野向けのメモリが不足して価格が非常に高騰する動きが引き続き見られている。機器の値上げの動きが追随し始めている現時点である。さらに今後に微妙な地政学インパクトを孕んだ米国と台湾の貿易協定が締結され、台湾の半導体の関税が15%に抑えられている。
≪AIブームの中の駆け引き≫
「H200」についての米中の応酬を、それぞれの動きで大きく分けて次の通りである。
[中国]
◇Nvidia Bets Big on China with H200 Push (1月9日付け EE Times)
→(1)*中国政府は、地元企業による「仲介」を義務付けることで、NVIDIAのチップ販売を制限している。
*ラスベガスで開催されたコンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)で、NVIDIAのCEOであるジェンスン・フアン氏は、同社が直面する複雑な地政学的課題にもかかわらず、自信に満ちた様子を見せた。満員の聴衆を前に、フアン氏はNVIDIAの先進的なH200人工知能(AI)プロセッサに対する中国からの大きな需要を認めた。「サプライチェーンを稼働させており、H200は生産ラインを流れている」と、火曜6日の質疑応答で述べた。「現在、米国政府とライセンスに関する最終調整を進めている。」
(2)CESで、NVIDIAのCEO、ジェンスン・フアン氏は、H200 AIチップに対する中国での需要急増に自信を示した。NVIDIAはTSMCの生産を増強しているが、世界的な地政学的な変動の中で、米国における25%の手数料、ライセンス取得の遅延、そして中国政府による国産チップの推進が出荷を複雑化させている。
◇Beijing to approve Nvidia H200 imports, flagging overreliance (1月13日付け Asia Times)
→(1)中国政府は、成熟したチップを軸とした長期戦略を強化しつつ、米国製ハードウェアに対する短期的な柔軟性を示唆している。
(2)中国政府はNVIDIAのH200 AIチップの輸入を承認する準備を進めており、アリババとバイトダンスは20万個以上を発注している。中国の専門家は、外国製チップへの依存に警鐘を鳴らし、国内でのAIチップ開発と先進技術における戦略的自給自足を強調している。
◇Chinese customs told to block H200 imports, report claims - directive would effectively ban the Nvidia AI chip from China―Sources: China blocks Nvidia H200 chip imports―It's unclear if this is a temporary move or a permanent command. (1月14日付け Tom's Hardware)
→関係筋によると、中国税関当局はNVIDIAのH200 AIチップの輸入を阻止するよう指示を受け、事実上、同チップの中国への輸出を禁止された。中国政府はまた、国内のテクノロジー企業に対し、必要な場合を除き同チップを購入しないよう指示した。この指示の理由は不明だが、アナリストらは、ドナルド・トランプ大統領が4月に北京を訪問する予定であることを踏まえ、交渉材料としてこの動きが行われた可能性があると指摘している。AlibabaとByteDanceは同チップの購入に関心を示している。
◇Exclusive: China's customs agents told Nvidia's H200 chips are not permitted, sources say (1月14日付け Reuters)
→*北京の指示の動機は不明である
*情報筋によると、これが禁止措置なのか一時的な措置なのかも不明である
*米国は今週になってようやく中国へのH200輸出を正式に承認した
*中国は国内半導体企業の発展促進に意欲的
◇Chinese customs restrict Nvidia chips (1月15日付け Taipei Times)
→(1)「事実上の禁止」:関係筋によると、当局によるH200の輸入規制に関する文言は厳格だったが、状況の変化に応じて規制が変更される可能性もあるという。
(2)中国当局は今週、NVIDIAのH200 AIチップを事実上禁止し、国内企業に対し、限定的な研究開発用途を除き購入を控えるよう指示した。この動きは、供給過剰に陥り、在庫70万個に対して300万個以上のチップが発注されたことで、米中のテクノロジー関係を複雑化させている。
◇中国の税関当局、NVIDIA半導体「H200」輸入認めず ロイター報道 (1月15日付け 日経 電子版 11:15)
→ロイター通信は14日、中国が米エヌビディアのAI半導体「H200」の輸入を制限すると報じた。税関当局が職員に輸入を許可しないと通達したという。H200は米政府の対中輸出規制の対象だったが、トランプ米政権が出荷を認める方針を示していた。中国当局の意図は明らかになっていない。
[米国]
◇Trump administration clears way for Nvidia H200 chip sales to China with a 25% surcharge (1月14日付け CNBC)
→(1)*ドナルド・トランプ大統領は、ホワイトハウスがNVIDIAのAI向けH200チップの中国への販売を承認することを確認した。
*トランプ大統領は、こうした販売に関する正式な規制が発表された翌日、政府が売上高の25%を徴収すると述べた。
*中国の規制当局がNVIDIAチップの輸入を承認するかどうかは依然として不明である。
(2)トランプ大統領は、NVIDIAのH200 AIチップの中国への販売を米国が承認し、政府が25%の手数料を徴収すると発表した。出荷はセキュリティ、テスト、および供給に関する規則を満たす必要があり、輸出量は米国生産量の半分に制限されている。
◇US approves Nvidia H200 chip exports to China with some conditions―US to allow Nvidia H200 chip sales to China with conditions (1月14日付け Reuters)
→米国は、第三者による審査や、米国顧客に販売されたチップの半分以下と保証する上限設定など、一定の条件の下で、NvidiaのH200 AIチップの中国への輸出を承認した。
◇米、対中輸出は許認可制 エヌビディアなどのAI半導体 (1月15日付け 日経)
→米商務省は13日、米エヌビディアの「H200」など一部のAI向け半導体について、中国への輸出を原則禁じた従来ルールを見直し、輸出案件ごとの許認可制に切り替える方針を示した。トランプ米大統領が2025年12月にH200の対中輸出を認めると発表したことを受け、15日にルールを改定する。
◇米半導体関税、NVIDIAなど先端品に25% 対中輸出に「上納金」 (1月15日付け 日経 電子版 12:20)
→トランプ米大統領は14日、米エヌビディアの「H200」など一部の先端半導体に25%の追加関税をかけると発表した。米国内で使用する目的なら課税は免除し、中国などに再輸出する分から徴収する。今後の課税対象拡大には含みを持たせた。
トランプ氏は2025年12月、H200などの対中輸出を認めるかわりに25%の「上納金」を徴収する方針を表明済みだった。
◇US sets 25 percent tariff on select chips―NVIDIA DEAL: US sets 25 percent tariff on select chips (1月16日付け Taipei Times)
→米国は一部の先進半導体に25%の関税を課し、台湾で製造されたNVIDIAのH200 AIチップの中国への輸出を許可した。トランプ大統領は関税を輸出許可と関連付けたが、より広範な関税と国内チップ生産の拡大に関する交渉は継続されている。
米中それぞれの都合、駆け引きが感じられるが、引き続き推移に注目するところである。
本件、最新の状況として、以下を目にしたところである。
◇NVIDIAのAI半導体「H200」、部品生産を停止 中国が輸入認めず (1月17日付け 日経 電子版 16:39)
→英フィナンシャル・タイムズ(FT)は16日、米エヌビディアの主要なサプライヤーがAI半導体「H200」向けの部品生産を停止したと報じた。中国の税関当局がH200の輸入を認めない方針を示したことで、生産計画を見直しているという。
報道によると、生産停止したのはプリント基板などを含む部品。
AI半導体への生産傾斜によるメモリの不足&価格高騰について、関連する動き&内容が以下の通りである。
◇Chip Industry Week in Review―Chip sales record; chiplet ecosystem accelerator; CES blitz; SDV deals; global fabs; DRAM, NAND price spike; auto L4 delay; data center connectivity buy; GPU-driven swings in power demand; Intel’s 18A AI PC chip; glass substrate deal. (1月9日付け Semiconductor Engineering)
→2025年11月にグローバル半導体売上高が過去最高の$75.3Bに達したこと、HBM不足を背景にメモリ価格が急騰したこと、そしてCESで主要AIプラットフォームが展示されたことなどにより、世界の半導体市場は活況を呈した。ケイデンス、マーベル、そしてNVIDIAは、地政学的な要因により半導体取引の規制が厳格化される中、戦略を推進した。
◇AI memory is sold out, causing an unprecedented surge in prices (1月10日付け CNBC)
→(1)*今年は、NVIDIA、AMDおよびGoogleなどの高性能AIチップが大量のメモリを必要とするため、世界的な需要を満たすだけのメモリが供給されない見込みである。
*コンピューターメモリ(RAM)の価格は、2025年第4四半期と比較して、今四半期に50%以上上昇すると予想されている。
*ウォール街は、AppleやDell Technologiesなどの家電メーカーに対し、メモリ不足への対応策や、価格引き上げや利益率の低下を余儀なくされる可能性について質問している。
(2)AIチップの需要が世界的なRAM供給を枯渇させており、NVIDIA、AMDおよびGoogleは希少なメモリを優先的に確保している。Micron、SamsungおよびSK Hynixは2026年までメモリを完売しており、DRAM価格が前例のない50%以上高騰し、利益を押し上げる一方で、デバイスコストを押し上げている。
◇Mobile DRAM, NAND Flash Prices Have Risen By More Than 70% And 100%, Respectively; Separate Analysis States That Memory Accounts For 20% Of Total Smartphone Manufacturing Costs―Smartphone manufacturing costs surge amid DRAM shortage (1月12日付け Wccftech)
→*DRAM危機の影響で、スマートフォンの部品コスト(BoM)は2026年に25%上昇すると予測されている。一部のメーカーは、価格が天文学的なレベルまで高騰したことから、エントリーレベルのデバイスに4GB RAM構成を復活させることを検討している。メモリに加え、NANDフラッシュも高価になっており、ある調査会社によると、モバイルLPDDR RAMの価格が70%以上上昇し、ストレージコストは100%上昇している。複数の企業が今年後半に2nmチップセットを発表する予定であるため、これらのSoCsと前述のコンポーネントを搭載したスマートフォンは、消費者の財布に穴を開けると予想される。
*別の分析によると、DRAMは現在、スマートフォンの製造コストの20%以上を占めている。
◇AI gobbling up memory chips essential to gadget makers (1月13日付け Taipei Times)
→AIの台頭によりスマートフォンからスマートリングに至るまでのデバイス需要が拡大する中、ガジェットメーカーは深刻なDRAMとメモリチップ不足に直面している。サムスンやマイクロンといった企業は記録的な売上高を計上する一方で、コスト上昇により設計変更、機能削減、そしてソフトウェアのより厳格な最適化を迫られている。
◇パソコン、メモリー不足で大手のシェア上昇も 25年世界出荷は8%増 (1月13日付け 日経 電子版 14:46)
→米調査会社IDCは12日、2025年の世界のパソコン出荷台数(速報値)が前年比8%増の2億8470万台だったと発表した。2年連続でプラスだった。AI向けの需要拡大でパソコンのメモリーが不足する中、価格高騰への警戒から販売業者が前倒しで在庫を確保する動きが広がった。メーカー別では中国レノボ・グループが首位で15%増の7080万台だった。
◇Asus reportedly cancels the RTX 5070 Ti, as Nvidia scales back on 16GB cards―Reports: 16GB GPU supply may tighten as Nvidia shifts focus―Various sources claim that Nvidia is constraining supplies for the RTX 5060 Ti and 5070 Ti, the least expensive 16GB GPUs it offers. Asus may have completely stopped production of the 5070 Ti. (1月15日付け PCWorld)
→*PCWorldによると、ASUSはRTX 5070 Tiの販売を中止したと報じられている。これは、NVIDIAが16GBグラフィックカードモデルの出荷を縮小したため。
*この動きは、高メモリGPUsを必要とするPCゲーマーにとって大きな問題である。これらの人気カードは価格が上昇し、入手性が悪化しているからである。
*NVIDIAはAIチップへの注力と継続的なRAM不足により、通常は評価の高い16GBモデルよりも8GBモデルを優先している。
◇AI's Memory Squeeze: Capacity, Conflict, and a Market in Flux (1月15日付け EE Times Asia)
→AIによる需要の高まりでDRAM業界は混乱に陥り、HBM不足は2026年以降も続くとみられる。Micronは売り切れの中、新たな製造能力を求めており、一方、中国のCXMTは生産拡大と世界のメモリ動向の変革を目指してIPOを検討している。
◇最上位機種で1万円超上げ 小米のスマホ、メモリー高騰で (1月16日付け 日経MJ(流通新聞))
→中国スマートフォン大手の小米は最上位機種の新商品を発売した。独高級カメラメーカー、ライカ認証のレンズや大型センサーを搭載し、夜間撮影に強いのが特徴。半導体メモリーの市況高騰を受け、1世代前の商品に比べて販売価格は1万円以上高くなった。
メモリ半導体関連も、今後の推移に引き続き注目、よく見定めていく必要がある。
AI半導体についていろいろ流動的な事態となっているが、DeepSeek登場から1年という見出しも見られる中国の取り組みの現時点とその関連である。
◇China AI has ‘less than 20%’ chance to exceed US over next 3 to 5 years: Alibaba scientist (1月12日付け South China Morning Post)
→(1)中国のトップAI科学者たちは、チップ不足とリソースの限界を警告する一方で、5年以内に飛躍的な進歩を遂げると予測する者もいる。
(2)中国のAI専門家は、近年の進歩にもかかわらず、計算リソースの限界と半導体の格差により、中国が最先端AIで3〜5年以内に米国を追い抜く可能性は低いと認めている。しかし、若手研究者の台頭とリスクを負うイノベーションは、長期的な希望を与えている。
◇OpenAI expects another ‘seismic shock’ from China amid speculation of new DeepSeek release (1月15日付け South China Morning Post)
→(1)春節(旧正月)前後にDeepSeekのメジャーリリースが予定されていることへの期待が高まっている。
(2)OpenAIは、米中AI競争がますます複雑化していると警告している。中国は、オープンウェイトで手頃な価格のモデルによって世界的な導入を促進し、優位に立っている。高度な推論技術では米国が優位に立っているが、中国のAIは今や、世界中の未成熟な市場におけるAI導入を牽引している。
◇DeepSeek登場から1年、中国のAIモデル1500種に 本命はアリババ―DeepSeek衝撃1年(1) (1月15日付け 日経 電子版 04:30)
→2025年1月に市場に衝撃を与えた中国新興AIのDeepSeek。あれから1年、中国のAIプレーヤーは増え続け、米国の追随ではなく、異なる最適解を求め独自路線を歩みつつある。
◇中国AI半導体、脱NVIDIAへ急成長 26年に国内自給率8割の予測も (1月16日付け 日経 電子版 05:00)
→中国のAI半導体企業が急成長している。新興の摩爾線程智能科技(Moore Threads Technology[ムーア・スレッド])などが製品開発を急ぎ、政府も「自立自強」へ支援を強める。2024年に3割だった国内自給率は26年に8割へ高まるとの予測もある。ハイテク分野の競争力を高め米国に対抗する狙いだ。
AI半導体を巡る動きに注目していた今週後半になって、米国と台湾の貿易交渉についての内容を以下の通り目にしている。AI半導体も大きく関わる動きであるが、最先端微細化を一手に引っ張る台湾、そして国内半導体製造強化をなんとしても図りたい米国であり、米国への巨大投資で関税の税率を抑えるという台湾の取り組みがうかがえている。
◇Trump Imposes Limited Tariffs on Foreign Semiconductors (1月14日付け New York Times)
→トランプ大統領は水曜14日、一部の外国製半導体に25%の関税を課す大統領令に署名した。これにより、政府はAIに使用される高収益の半導体の販売で歳入を得る手段を得ることになる。木曜15日に発効するこの関税は、大統領が当初警告していたものよりもはるかに限定的なものとなる。
◇Taiwan will invest $250 billion in U.S. chipmaking under new trade deal (1月15日付け CNBC)
→(1)*米国と台湾は、米国内に半導体を構築および半導体工場を建設することで貿易協定を締結した。
*台湾の半導体・テクノロジー企業は、米国における生産能力に少なくとも$250 billionを投資する予定である。
*米国は、台湾に対する「相互」関税を15%に制限し、ジェネリック医薬品、その原料、航空機部品、一部の天然資源については相互関税を課さないことを約束する。
(2)米国と台湾は、TSMCを含む台湾の半導体企業に対し、米国での生産に少なくとも$250 billionを投資することを義務付ける貿易協定を締結した。これに対し、米国は関税を削減し、特定の輸入を許可することで、国内の半導体生産能力を強化する。
◇TSMC Will Struggle to Meet AI Demand for Years, Analysts Say (1月16日付け EE Times)
→TSMCは今年、過去最高の$52-$56 billionの生産能力増強予算を計上しているにもかかわらず、AIチップの需要への対応に苦戦するだろう。同社の設備投資は2025年から最大37%増加する見込みで、今後3年間は投資を拡大し続けることを示唆している。
◇Taiwan hails its ‘best’ trade deal with US, as China protests (1月16日付け Associated Press)
→台湾の首相は金曜16日、米国との新たな貿易協定について、対米貿易黒字国が享受する「最良の関税協定」だと称賛した。一方、北京の中国当局者はこの協定を非難した。この協定は、米国が台湾製品に課す関税を15%に引き下げる代わりに、米国のハイテク産業への$250 billionの新規投資を約束する。
◇TSMC buys up land in Arizona as Taiwan pledges US$500 billion US tech investment―TSMC buys more land in Ariz. for chip production (1月16日付け South China Morning Post (Hong Kong))
→(1)半導体大手、TSMCは米国に「ギガファブ・クラスター」を建設する計画で、台湾は新たな貿易協定に基づき$500 billionの投資を約束している。
(2)TSMCはアリゾナ州で新たな土地を取得し、同州におけるプレゼンスをほぼ倍増させた。これは、米国に$100 billionを投資するというより広範なコミットメントの一環である。これは、台湾が新たな貿易協定に基づき、米国の半導体産業に$500 billionの投資を約束している中での措置である。
◇TSMC plans record expenditure to meet AI demand (1月16日付け Taipei Times)
→TSMCは、2026年に過去最高の$52-56 billionの設備投資を計画しており、AI需要の急増に対応するため、先端チップとパッケージング能力を増強する。この拡張には、台湾の2nmファブとアリゾナ州のギガファブクラスターの開設が含まれ、2029年までの堅調な売上げと供給の成長を支える。
◇Not time to worry about TSMC’s reported expansion in US: Experts (1月16日付け Taipei Times)
→専門家は、TSMCが米国の半導体工場を急速に拡大しているという話は誇張されていると指摘する。経済的・構造的な障壁により、台湾は先進的な製造業において依然として優位に立っているからだ。米国の投資は長期的で、政治的に左右され、そしてインフラ整備の制約を受けている。
◇Taiwan and US clinch chip-focused trade deal to lower tariffs―US, Taiwan agree to 15% tariff cap on Taiwanese imports―'Reciprocal' levy on Taiwanese goods to be capped at 15%, Commerce Department says (1月16日付け Nikkei Asia)
→米国と台湾は、関税を引き下げ、台湾の対米投資を促進するための貿易協定を締結した。この協定では、台湾製品への相互関税の上限を15%とする。この協定は、半導体製造とサプライチェーンにおける協力を強化することが期待されており、現在の地政学的情勢と世界的な半導体需要を考えると、これは極めて重要な動きとみられている。
◇台湾が米国と関税合意 日本から半年遅れ、半導体の優遇獲得を優先 (1月16日付け 日経 電子版 17:49)
→トランプ米政権と台湾の貿易交渉が15日、合意に達した。台湾当局は基幹産業である半導体を巡り、米国から関税の優遇措置を獲得することを優先して交渉を続けてきたため、日本や韓国と比べ半年近く遅れての合意となった。
米商務省によると、台湾企業は半導体を中心に2500億ドル(約40兆円)の対米投資を約束する。台湾当局も2500億ドルの信用保証を設ける。
米中を軸に、米国と台湾の間の動きにもさらに注目である。
激動の世界の概況について、以下日々の政治経済の動きの記事からの抽出であり、発信日で示している。
□1月13日(火)
最高値から始まって、大まかには上げ下げ交互の展開で推移した今週の米国株式市場である。
◇NYダウ86ドル高、FRB議長捜査も「米国売り」軽微 見透かす市場 (日経 電子版 07:39)
→米司法当局が米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長に対する刑事捜査を開始した。中央銀行の独立性を揺るがす事態にもかかわらず、12日の米金融市場で「米国資産売り」は程度も期間も小粒なものにとどまった。市場は目先の金融政策への影響が限定的であると見透かす。ただ、中銀への政治キャンペーン激化は中長期的に禍根を残しかねない。
12日の米株取引開始直後こそ、ダウ工業株30種平均は前週末比500ドル近くまで下げ幅を広げる場面があった。売り一巡後は徐々に下げ渋り、米東部時間昼すぎにプラスに転じた。結局、86ドル(0.2%)高の4万9590ドルで引けた。
□1月14日(水)
◇NYダウは反落、398ドル安 地政学リスク警戒や金融株安で (日経 電子版 06:38)
→13日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反落し、終値は前日比398ドル21セント(0.80%)安の4万9191ドル99セントだった。地政学リスクなどへの警戒感が利益確定や持ち高調整の売りを誘った。金融株を中心に個別に材料の出た銘柄の下げもダウ平均の重荷となった。
□1月15日(木)
◇NYダウ、続落し42ドル安 半導体や銀行株が下落 (日経 電子版 06:16)
→14日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、前日比42ドル36セント(0.1%)安の4万9149ドル63セントで引けた。中国が米エヌビディアなどの半導体の輸入を許可しないとの報道を受け、半導体株が軒並み下落した。決算発表で投資家の期待を下回った銀行株も売られた。
□1月16日(金)
◇NYダウ、反発し292ドル高 金融や半導体関連に買い (日経 電子版 06:19)
→15日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反発し、終値は前日比292ドル81セント(0.59%)高の4万9442ドル44セントだった。四半期決算を発表した金融株に買いが入り、相場を押し上げた。半導体関連株の上昇も投資家心理の改善につながり、ダウ平均の上げ幅は一時400ドルを超えた。
□1月17日(土)
◇NYダウ、反落し83ドル安 FRB議長人事の不透明感が重荷 (日経 電子版 06:21)
→16日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、終値は前日比83ドル11セント(0.16%)安の4万9359ドル33セントだった。次期FRB議長人事を巡る不透明感から米長期金利が上昇し、投資家心理の重荷となった。半面、半導体関連株に買いが続き、相場を下支えした。
≪市場実態PickUp≫
【2025年半導体ベンダーランキング】
1980年代から馴染んで目にしているGartnerからのデータであるが、AI半導体を引っ張るNvidiaが依然大きく目立つ以下に示す内容である。
◇Gartner Says Worldwide Semiconductor Revenue Grew 21% in 2025 (1月12日付け Gartner)
→ガートナーによると、世界の半導体売上高は2025年に$793Bに達し、前年比21%増となる見込み。これはAI関連半導体が売上高の約3分の1を占めるためである。NVIDIAは$100Bを突破し、Samsungを$53Bほど上回った。一方、HBMは$30Bを超え、Intelのシェアは6%に低下した。AI関連チップの売上高は$200Bを超えた。
≪サプライヤランキング関連≫
*NVIDIAは2025年にSamsungとの差を$53 billionに拡大した。NVIDIAは半導体売上高が$100 billionを突破した最初のベンダーとなり、2025年の業界成長の35%以上に貢献している。
*Samsung Electronicsは第2位の座を維持した。Samsungの$73 billionの半導体売上高はメモリ(13%増)が牽引し、非メモリ部門の売上高は前年比8%減少した。
*SK Hynixは第3位に浮上し、2025年の売上高は$61 billionに達した。これはAIサーバーにおけるHBMの堅調な需要に支えられ、前年比37%の増加となる。
*Intelは市場シェアを失い、2021年の半分の6%で年を終えた。
[2025年世界半導体売上げベンダーランキング:金額USM$]
| 2025 | 2024 | ベンダー | 2025 | 2025 | 2024 | 2025-2024 |
| ランク | ランク | 売上げ | シェア(%) | 売上げ | 成長率(%) | 1 | 1 | NVIDIA | 125,703 | 15.8 | 76,692 | 63.9 | 2 | 2 | Samsung Electronics | 72,544 | 9.1 | 65,697 | 10.4 | 3 | 4 | SK Hynix | 60,640 | 7.6 | 44,186 | 37.2 | 4 | 3 | Intel | 47,883 | 6.0 | 49,804 | -3.9 | 5 | 7 | Micron Technology | 41,487 | 5.2 | 27,619 | 50.2 | 6 | 5 | Qualcomm | 37,046 | 4.7 | 32,976 | 12.3 | 7 | 6 | Broadcom | 34,279 | 4.3 | 27,801 | 23.3 | 8 | 8 | AMD | 32,484 | 4.1 | 24,127 | 34.6 | 9 | 9 | Apple | 24,596 | 3.1 | 20,510 | 19.9 | 10 | 10 | MediaTek | 18,472 | 2.3 | 15,934 | 15.9 |
| Others (outside top 10) | 298,315 | 37.6 | 270,536 | 10.3 | ||
| Total Market | 793,449 | 100.0 | 655,882 | 21.0 | ||
[Source: Gartner (January 2026)]
◇2025 semi revenue up 21% YoY at $793bn―Gartner: Semiconductor revenue jumped 21% to $793B in 2025 (1月14日付け Electronics Weekly (UK))
→(1)ガートナーによると、2025年の半導体売上高は$793 billionで、前年比21%増となった。
(2)ガートナーによると、2025年の半導体売上高は前年比21%増の$793 billionとなり、AI関連半導体は全体の約3分の1を占めた。AIインフラへの支出が急速に増加し続けるにつれて、この割合はさらに上昇すると予想されており、半導体業界全体におけるAIの影響拡大を示唆しているとガートナーは指摘している。
◇世界の半導体市場、昨年21%増 (1月14日付け 日経)
→米調査会社ガートナーは12日、2025年の世界の半導体市場が24年比21%増の7930億ドル(約126兆円)だったとの推計を発表した。生成AI用データセンターに搭載するGPUや高性能メモリーの需要が伸びた。個別企業ではAIメモリー企業が順位を伸ばし、米エヌビディアが首位となった。エヌビディアの25年売上高は64%増の1257億ドルだった。
【TSMC関連】
2025年第四四半期が最高益を記録、そして上記の米国と台湾の貿易協定に示す米国への巨額投資に伴う動き、などTSMCを巡る動きに暇がない感じ方である。
◇TSMC’s revenue comes in at high end of predictions (1月10日付け Taipei Times)
→TSMCは、AIチップの需要が引き続き好調で、予想の上限に達したことを受け、四半期売上高1兆460億台湾ドルを計上した。売上高は31.6%増の3兆8100億台湾ドルとなり、予想を上回った。これは、AI生産能力の逼迫により、台湾とアリゾナ州で3nmおよび2nmプロセスの拡張が進んだことが要因である。
◇TSMC’s 2nm N2P’s High Price Has Forced One Chipset Maker To Consider Samsung’s 2nm GAA Node As An Alternative, Tipster Doesn’t Confirm If It’s Qualcomm Or MediaTek―Sources: TSMC 2nm wafer price prompts chipset maker to mull Samsung switch (1月12日付け Wccftech)
→*AppleがTSMCの2nm N2生産能力の半分以上を確保したと報じられており、QualcommやMediaTekといった競合他社は供給を巡る争いに巻き込まれている。幸いなことに、数々の噂によると、両チップセットメーカーは、コストはかかるものの、若干改良された2nm N2Pプロセスへの切り替えという解決策を見出したよう。これにより、両社のSoCsはより高いCPU周波数を実現しつつ、十分な供給を確保できるようになった。
しかし残念なことに、QualcommとMediaTekのどちらかが尻込みしてしまい、ある情報筋によると、TSMCの2nm N2Pウェハの高価格を理由に、どちらかがSamsungの2nm GAAプロセスへの切り替えを検討しているとのこと。
*サムスンの2nm GAAプロセスに移行する可能性のある候補はクアルコムである。同社は製造コストを削減するためにデュアルソーシング戦略を採用したいと望んでいる例が数え切れないほどある。
◇TSMC’s Chip Demand Is So Gigantic That Customers Are Willing to Pay Up to a Whopping 100% Premium to Secure Allocation (1月12日付け Wccftech)
→TSMCは、NVIDIAやAMDを含む顧客が迅速な生産のために最大100%のプレミアムを支払うなど、AI主導のチップ需要がかつてないほど高まっている状況に直面している。Hot-runラインは売上げを押し上げる一方で、効率性を圧迫しており、グローバルAIサプライチェーンにおけるTSMCの重要な役割を浮き彫りにしている。
◇TSMC to hike US investment to $465bn―Reports: TSMC to invest $465B in Ariz. under US-Taiwan deal (1月14日付け Electronics Weekly (UK))
→(1)TSMCは、まもなく発表される米国と台湾の新たな貿易協定に基づき、アリゾナ州にこれまで発表済みの6つのファブに加え、さらに5つのファブを建設する予定だと、ニューヨーク・タイムズとウォール・ストリート・ジャーナルが報じている。
(2)TSMCは、米国と台湾の貿易協定に基づき、アリゾナ州にさらに5つのファブを建設する計画で、投資額は$165 billionから$465 billionに増額されるという。この協定には、アリゾナ州に2つのパッケージング工場と研究開発センターも含まれる。これと引き換えに、米国は台湾製品への関税を15%に引き下げる。
◇Arizona fabs could meet US’ chip demand: economist (1月14日付け Taipei Times)
→TSMCはアリゾナ州の生産拠点を6〜8カ所に拡張し、月産15万枚のウェハを生産する計画だ。これは米国のAIおよび高性能チップの需要をほぼ満たすことになる。関税協定の一環として行われるこの動きは、コストと地政学的な利害関係が高まる一方で、dual-hubモデルを構築する可能性がある。
◇AI半導体、増産追いつかず TSMCトップ「生産能力は非常にタイト」 (1月15日付け 日経 電子版 18:11)
→半導体世界大手のTSMCが先端品の増産を急ぐ。15日に2026年の設備投資を過去最高の最大およそ9兆円とする計画を発表した。同社はAI向け半導体の生産をほぼ総取りするが、需要の急増に供給が追いついていない。増産が滞れば米韓の競合の巻き返しにつながる可能性もある。
◇TSMC reports record quarterly profit amid AI boom―TSMC posts record profit for quarter driven by AI chips―Taiwan Semiconductor Manufacturing Company (TSMC) has posted a record fourth-quarter profit, driven by surging demand for artificial intelligence (AI) chips. (1月15日付け New Electronics (UK))
→TSMCは、AIチップの需要に牽引され、過去最高の四半期利益を計上したと発表した。世界最大の受託半導体メーカーである同社は、2025年第4四半期の純利益が$16 billionに達し、売上高$33 billionでアナリスト予想を上回った。同社は今年の売上高が30%増加すると予想しており、設備投資に最大$56 billionを計上している。
◇TSMC beats $100bn annual revenues (1月15日付け Electronics Weekly (UK))
→TSMCは第4四半期の利益が前年同期比35%増の$16 billion、売上高は$33 billion、通期売上高は初めて$100 billionを超えた。
◇TSMC delivers another record quarter as profit jumps 35% fueled by robust AI chip demand (1月15日付け CNBC)
→(1)*世界最大の受託半導体メーカーであるTSMCは、8四半期連続で前年同期比増益を達成した。
*TSMCは、AIサーバーからの需要が堅調に推移していることから、7ナノメートル以下の先端半導体が今四半期のウエハー売上高全体の77%を占めたと発表した。
(2)TSMCは、AIチップの需要急増を受け、利益が35%増、売上高が予想を上回り、過去最高の第4四半期決算を発表した。同社は、2ナノメートルの生産増強と利益率の向上を発表し、世界的な事業拡大の中で2026年の関税引き上げをリスクとして警告した。
◇TSMC、25年10〜12月最高益 NVIDIA向けなど先端品がけん引 (1月15日付け 日経 電子版 14:42)
→半導体世界大手のTSMCが15日発表した2025年10〜12月期決算は、売上高が前年同期比20.5%増の1兆460億台湾ドル(約5兆2000億円)、純利益は35%増の5057億台湾ドルだった。米エヌビディアなどに供給するAI向けの先端半導体の販売拡大がけん引した。
【8インチの変わり目】
AI半導体を巡る動きも加速要因となっているのか、TSMCおよびSamsungでの8インチ生産フェーズアウトの動きである。
◇Prices of 8-inch wafers to rise 20 percent (1月14日付け Taipei Times)
→(1)サイズは重要:TSMCは昨年、8インチウエハー生産の段階的な廃止を開始した一方、Samsungはより積極的に8インチ生産能力の廃止を進めているとTrendForceは報告している。
(2)TSMCとSamsungが旧型生産能力を廃止し、供給が逼迫する中、半導体メーカーは今年、8インチウエハーの価格を最大20%引き上げる見込みだ。AIとコンシューマーエレクトロニクスの需要増加は、ファブ稼働率の上昇とPCメーカーからの早期受注につながっている。
◇Samsung shifts to advanced nodes, 8-inch foundry capacity reportedly cut―Reports: Samsung to shut part of 8-inch foundry capacity in S. Korea (1月15日付け DigiTimes)
→報道によると、サムスン電子は、より高度な製造に向けてリソースを再配分するため、韓国の8インチ ファウンドリーの生産能力の一部を閉鎖する予定である。
【インテル関連】
米国政府がいまや大株主となっているインテルであるが、同社CEOのトランプ大統領との会談、そして最先端技術の取り組みについて、以下の通りである。
◇Intel stock jumps 10% after CEO meets with Trump as U.S. stake doubles value (1月9日付け CNBC)
→(1)*リップ・ブー・タンCEOがドナルド・トランプ大統領と会談した後、インテルの株価は急騰した。
*トランプ大統領は会談後、Truth Socialへの投稿でタンCEOとインテルを称賛した。
*「米国政府はインテルの株主であることを誇りに思う」とトランプ大統領は投稿した。
(2)リップ・ブー・タンCEOがトランプ大統領と会談した後、インテルの株価は10%上昇し、8月に米国でインテル株を保有して以来、株価は2倍に上昇していた。トランプ大統領は、タンCEOがインテルのCore Ultra 18Aプロセッサーが現在全米で出荷されていると述べたことを受け、インテルの米国製チップを称賛した。
◇Intel Debuts Core Ultra Series 3 (1月12日付け EE Times India)
→インテルは、米国で設計・製造されたインテル18Aプロセス・テクノロジーを採用した初のAI PCプラットフォーム、インテル Core Ultraシリーズ 3プロセッサーを発表した。このシリーズ 3は、世界有数のパートナー企業による200種類以上の製品に搭載され、インテルがこれまでに提供したAI PCプラットフォームの中で最も広く採用され、世界中で入手可能なプラットフォームとなる。
◇Intel Says Its EMIB Interconnect Solution Is Better Than Traditional 2.5D Chips: Cost Savings, Simple To Design & Provides More Flexibility―Intel touts EMIB interconnect as superior to 2.5D tech (1月15日付け Wccftech)
→インテルは、従来の2.5Dパッケージング技術に代わる優れた代替技術として、組み込み型マルチダイ・インターコネクト・ブリッジ(EMIB:embedded multi-die interconnect bridge)を発表した。EMIBは、コスト削減、設計の簡素化、そして柔軟性を特長としている。インテルによると、EMIBはシリコンインターポーザーを不要にし、コスト削減とスケーラビリティの向上を実現する。Ponte VecchioやGranite Rapidsなどのチップに採用されている。
【HBM4関連】
CESでも注目のキーワードとなっているHBM4であるが、コンパクトなパッケージに複数のメモリ層を垂直に積み重ね、シリコン貫通ビア(TSV)を使用して層を接続することで機能する仕組みとのこと。最先端のこの技術の今後に注目である。
◇The State of HBM4 Chronicled at CES 2026―HBM4 takes center stage at CES 2026 with major advancements―The sixth-generation HBM technology is all set to make waves in AI designs. (1月12日付け EE Times)
→(1)*CES 2026では、AIの限界を打ち破ることを目指したHBM4メモリ技術が注目を集めた。
*第6世代HBM技術は、AI設計に大きな変革をもたらすであろう。
*現代のAIシステム、特に大規模トレーニングモデルの実行に不可欠なコンポーネントであるHBMは、CES 2026の目玉であった。Micron、Samsung、およびSK hynixのメモリメーカー3社がHBM4カードを発表した。これは、AIのスケーリングを停滞させる恐れのある「メモリウォール」に対処するHBM4デバイスの対応力を示すものであった。
(2)CES 2026では、HBM4が大きな注目を集め、Micron、SamsungおよびSK HynixがAIシステムの「メモリウォール」への対応を披露した。HBM3のほぼ3倍の性能を誇るHBM4は、ロジックダイを統合し、メモリをアクティブコンポーネントへと進化させている。その主力はNvidiaのRubin GPUプラットフォームである。
SK Hynixは16層HBM4デバイスを発表し、Samsungはハイブリッドボンディングと1c DRAMを発表し、Micronは製造能力を拡大した。
◇HBM4 Sticks With Microbumps, Postponing Hybrid Bonding―Process cost and yield issues delay the adoption of hybrid bonding. (1月13日付け Semiconductor Engineering)
→JEDECの改訂版HBM4規格では、ハイブリッドボンディングなしで16段メモリスタックが許容されるため、導入は遅れるものの、完全には阻止されていない。HBM4は、より広く高速なインターフェースと優れた効率性によってAIの性能を向上させ、ハイブリッドボンディングは将来的に、より高く薄いスタックを可能にする。
【プロセッサIP事業統合】
GlobalFoundriesが、SynopsysのARC IP事業を買収して、傘下のMIPS事業と統合する動きである。その意味合いが以下の通りである。
◇GlobalFoundries’ MIPS To Buy ARC IP Business from Synopsys―GlobalFoundries to acquire Synopsys' ARC IP business (1月14日付け EE Times)
→(1)シノプシスがコアIP事業に注力する中、グローバルファウンドリーズのMIPSは、フィジカルAIに注力するARCにとって最適な選択肢となるであろう。
(2)本日、グローバルファウンドリーズは、MIPSとARCという2つの主要プロセッサアーキテクチャを1つの傘下に収めるという大胆な動きを見せた。同社は、エンジニアと設計者のチームを含むシノプシスのARCプロセッサIPソリューション事業を買収し、MIPS事業に統合すると発表した。
(3)GlobalFoundriesは、SynopsysのARCプロセッサIPソリューション事業を買収し、MIPS事業に統合すると発表した。この買収には、ARC-V(RISC-V)、ニューラルネットワークプロセッシングユニットIP、および関連ソフトウェア開発ツールが含まれる。
(4)GlobalFoundriesは、SynopsysのARCプロセッサIP事業(チーム、ツール、およびRISC-V資産を含む)を買収し、MIPSポートフォリオに統合する。この買収により、GFのAIロードマップが強化され、カスタムシリコンソリューションの提供が加速し、AIアプリケーション向けプロセッサIPの提供範囲が拡大する。
◇Synopsys Enters Definitive Agreement with GlobalFoundries For Sale of Processor IP Solutions Business (1月14日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)
→シノプシス社は本日、プロセッサIPソリューション事業をGlobalFoundries社(GF)に売却する正式契約を締結したことを発表した。シノプシスは、IP品質、包括的な技術サポート、そして堅牢なIP開発メソドロジへの多大な投資を通じて、設計者の統合リスクの軽減と市場投入期間の短縮を実現している。この取引により、SynopsysのIP事業は、HPC、モバイル、自動車およびコンシューマーにわたる顧客向けにクラウドからエッジに至るまで、AIを活用した最高価値の機会を追求するとともに、インターフェースおよび基盤IP におけるリーダーシップの地位を強化することに重点を置くようになる。



