CESにおけるNvidiaの基調講演、地に足の着いた基本技術を追加
先週、米国ラスベガス市で開催されたCES 2026では、事前のメディア向けの展示会では「フィジカルAI」というキーワードが注目されるとのことだった。基調講演を聴く限り、フィジカルAIといえるほど賢いロボットはなかったようだ。むしろ地に足を付けた、生成AIを超える数々のテクノロジーをNvidiaのJensen Huang CEOが講演で示した。

図1 CESで講演中の Nvidia CEOのJensen Huang氏
フィジカルAIはこれからロボットやドローン、自動運転車など実物(Physical)なものにAIを導入しもっと賢くしようという動きである。ヒューマノイドロボットがCESのプレビューで注目されたものの、従来通りのプログラムされた動きを示しただけにすぎなかった。自らのインテリジェントさはまだこれから導入が始まるという段階のようだ。人間のような形を作り、体操させたり身体を動かしたりするという動作はまるで人間のように見えるだけで、考えるというようなインテリジェントを備えているわけではない。
CESにおけるNvidia CEOのJensen Huang氏の講演では(図1)、より正確なAIを目指せば目指すほどデータ量が増え、コンピューティング能力がますます必要とされることを示した。また、学習前処理や学習後処理の能力を高めると共に、テスト時間の探査も必要であり、理由付けのしっかりしたAI(Reasoning AI)へと向かうことがこれからのAIで重要になるという。エージェンティックAIモデルはReasoning AIの初期段階だが、いわば信頼できるAIへの道に一歩ずつ近づいていく。
またAIは究極の少量多品種モデルとなるため、それに備える動きもNvidiaには見られた。同社の狙いはもっとスマートに、もっとインテリジェントに、である。このため、用途ごとにOSのように基本となるソフトウエアプラットフォームを用意する。フィジカルAI向けにCosmos、ロボット向けにGroot、自動運転向けにAlpamayo(アルパメイヨ)、エージェントAI向けにNemotron、地球上の自然現象の物理学を解析するAI向けにEarth-2、バイオメディカルAI向けにClaraなどを揃えている(図2)。

図2 用途ごとに基本となるソフトウエアプラットフォームを用意するNvidia
これらのソフトウエアプラットフォームの上でアプリケーションというべきAIモデルを走らせ、さらにカスタマイズすることになる。それぞれの用途ごとにオープンなAIモデルを入手できる。例えば、中国のDeepSeek R1は最初のReasoning AIモデルだった、とHuang氏は述べている。1月10日の日本経済新聞は、中国におけるAIモデルを紹介しているが、日本でも採用が多く、リスクを伴うことをやや警戒している。
CESでは、IntelやAMDも新しいAIチップを見せた。IntelのAIチップはすでに報じたようにPC向けであり(参考資料1)、AMDはデータセンターのサーバー向けとなっている。AMDは「Instinct MI455X」という製品名のGPUと、CPUのEPYCシリーズの「Venice」を組み合わせたAIボードを紹介し、並列動作させるために必要なネットワークプロセッサNICも紹介している。
参考資料
1. 「Intel 18Aを使った最初の製品の実性能・電力効率をCESでIntelが示す」、セミコンポータル、(2026/01/06)


