2016年12月19日
|長見晃の海外トピックス
今後の半導体応用の新たな分野の開拓を巡って多くのキーワードに注目しているこのところ、そして残り少なくなった今年、2016年であるが、特に高性能computingを駆使する3つの分野、Automotive(車載)、Augmented Reality/Virtual Reality(AR/VR:拡張現実/仮想現実)、artificial intelligence(AI)、すなわち3つのイニシャルA分野での活発な動き、競い合いが目立ってきている。Nvidiaが毎年開催しているGPU開発者向けのイベント、GTC(GPU Technology Conference)が引っ張る動きを、特に受け止めている。
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2016年12月12日
|長見晃の海外トピックス
米国Semiconductor Industry Association(SIA)から月次世界半導体販売高データが発表され、今回はこの10月で$30.45 billionで前月比3.4%増、前年同月比5.1%増と、今年後半に予想されている戻し基調に弾みがついている。
World Semiconductor Trade Statistics(WSTS)の秋季予測も今回出されており、注目の本年販売高は$335.0 billionと2015年から0.1%減とほぼ横這いの水準に上方修正されている。世界の政治情勢が激変にもまれるなか、半導体の世界でも米中間の摩擦がくすぶり始めており、本年もあと僅かとなってきたが、全体的な推移を慎重に見守っていく必要がある。
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2016年12月 5日
|長見晃の海外トピックス
依然収まらないグローバル半導体業界のM&A(企業の買収・合併)の動きについて、揺れる世界の政治経済情勢を背景とする摩擦の兆しを取り上げたばかりであるが、一呼吸もなく独占禁止、公正取引など審査する米国および台湾政府筋から待った!がかかって反対に至る案件が続いている。いずれも中国が関わる内容であり、国家5ヶ年計画に挙げて半導体業界の自立&拡大に向けてグローバルなM&Aに取り組む同国に対する警戒感が一層増幅してきている。Donald Trump次期米国大統領が台湾の蔡英文(ツァイインウェン)総統と電話会談という従来の殻を破る動きもあって、今後にますます注目となる。
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2016年11月28日
|長見晃の海外トピックス
ここのところ半導体業界関連で競い合いの熱さを感じてきている2件。まずは、モバイル機器用SoCに向けた10-nm版の先陣争いである。10-nmプロセスを巡ってTSMCとSamsungの競合が続いていたのが、具体的な製品発表の段階に至って現下ではSamsungの10-nmプロセスによるQualcomm半導体、Snapdragon 835の発表に注目している。もう1つ、Donald Trump次期米国大統領の一挙一動に揺れる世界の政治経済情勢となっているが、半導体関連でも摩擦の兆候予備軍、そして具体的な米中間の摩擦の事例が浮上してきている。
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2016年11月21日
|長見晃の海外トピックス
昨年嵐のように吹き荒れた半導体業界関連のM&A(企業の買収・合併)が、本年も大型化が増して引き続いているが、ここにきて日を同じくして注目される2件が発表されている。ドイツの情報通信、電力、交通など幅広い複合企業、Siemensが、米国の産業用ソフトウエア大手、Mentor Graphicsを、そしてSamsung Electronicsが、米国の車載技術&システムの設計メーカー、Harman International Industriesを、それぞれ買収する取引である。IoT、車載など新分野への移行、転換が進むなか、市場構造そして時代の変化というものをまたまた強く映し出しており、今後に注目である。
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2016年11月14日
|長見晃の海外トピックス
米国大統領選挙の意外な結末の余韻、インパクトが、世界中に続いている。
半導体業界においては、前回の本欄で取り上げたように、米国政府、White Houseより米国の半導体業界に影響を与える最重要課題を調べるグループが招集されたばかりである。中国の台頭、Moore則以後に加え、連邦予算、移民人材などのキーワードが挙げられている。世界の半導体を主導、牽引する米国であり、絶え間ない微細化の工夫、事業規模の拡大・多角化を積み重ねてきている業界の進展に乱れなきよう、一層必要な注目である。
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2016年11月 7日
|長見晃の海外トピックス
米国発の2件、ともに注目である。米国Semiconductor Industry Association(SIA)から世界半導体販売高の発表が行われ、今回はこの9月および7-9月第三四半期についてであるが、増加基調が続いており特にこの第三四半期は史上最高の四半期販売高を記録している。ただし年間累計では昨年2015年にまだ及ばず、今後年末までの販売高にかかる状況となっている。
もう1つ、White Houseより米国の半導体業界に影響を与える最重要課題を調べる半導体ベテラングループが招集されている。中国の台頭、Moore則以後がキーワードとして挙げられている。
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2016年10月31日
|長見晃の海外トピックス
internet of things(IoT)業界標準を作り出す活動を統合する動きとして、AllSeen AllianceとOpen Connectivity Foundation(OCF)がIoT応用の枠組みに向けたアプローチの一体化への合意を発表したばかりである。これに続く波動として、MPUアーキテクチャー構築の対抗、IoT向け製品&技術の発表、IoT機器および半導体へのセキュリティ対策、IoTについての業界各社間の連携、とIoTに重点化した動きがいろいろな切り口で打ち上げられている。さらには、IoT向け半導体市場での主導権を目指して、QualcommによるNXP Semiconductorsの買収という過去最大規模のM&A発表に至っている。
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2016年10月24日
|長見晃の海外トピックス
今年の上半期半導体サプライヤ・ランキング(ファウンドリーを含む)でも後続を大きくリードしているIntel、SamsungそしてTSMCのトップ3について、今後の半導体市場展開を見ていく上でやはりじっくり注目せざるを得ないところである。現下の動きとして、Intelは予想を上回って四半期ベース過去最高の売上高となった第三四半期業績、Samsungは新型スマートフォン発火事故で被った打撃の修復に向けて半導体新製品の打ち上げ、そしてTSMCは最先端プロセス対応先行の引き続くアプローチと、それぞれの中身、方向性を示している。慌ただしい競り合いの状況、推移を追ってみる。
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2016年10月17日
|長見晃の海外トピックス
韓国・サムスン電子の新型スマートフォン「ギャラクシーノート7」の発火事故が連日報道され、問題への根本的な解決にすぐには至らず、販売・交換の中止を決めた同日に生産・販売の終了に至る措置がとられている。スマートフォンの世界シェアが第1位、そして中核部品の半導体のランキングでは世界第2位、うちメモリでは圧倒的な第1位の同社であり、この事故を直ちに止めるとともに、残る今年戻しが見込まれる半導体そしてメモリの供給に対応しなければならない。激動のSamsungについて事態の推移を追っている。
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