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AI(人工知能)に向けた各社&世界的連携の取り組みの一層の高まり

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IoT機器、データセンター、自動運転車など新分野が着実に伸びて、国内外の展示会、各社プレゼンイベントを賑わせているなか、要素技術としてのartificial intelligence(AI:人工知能)のますますの重みを感じている。
AI時代に向けた展開のあり方が議論されるとともに、AI ecosystem、AI搭載車など具体的な成果に焦点が当てられている。インテル、Samsungはじめ各社のAI関係の取り組み、そしてARMおよびNvidiaと台湾政府機関との連携が打ち上げられる現時点でのアップデートを行っていく。

≪開発動向と打ち上げ≫

AI絡みの開発動向として、まずは、visionプロセッサのcomputing powerを供給するneuralエンジンの開発である。

◇Vision is the next big challenge for chips-Neural engines are already showing up in phones and chipmakers are racing to develop more powerful hardware to meet demand for vision processing in a growing list of applications.-Neural engines help chips to see (10月20日付け ZDNet)
→車載electronics, augmented/virtual reality(AR/VR), drones, robotics, スマートフォンおよび監視カメラで用いられている先端visionシステム。Intel, Nvidiaなど各社が約100のstartupsとembedded visionプロセッサの領域で競い合っており、その多くが人物、場所および対象物を見て認識するcomputing powerを供給するneuralエンジンを開発している旨。

AI時代に向けた半導体設計・製造の存続のあり方が議論されている。

◇Enabling the A.I. Era (10月23日付け Semiconductor Manufacturing & Design)
→半導体が今後設計、製造される方法は、artificial intelligence(AI)/deep learning, virtual and augmented reality(VR/AR), 5G, 車載, IoTそしてbioelectronics、dronesというほか多くの用途などいろいろな急速に伸びる応用により大方決められる、という強く支持される見方がある旨。大半の半導体メーカーにとって重要な問題は、このような流れからの恩恵は如何に可能かということ。
Applied MaterialsがNew Yorkでのinvestor dayにて最近行ったパネル討議で、その問題への打開が話し合われている旨。

memristor技術によるアプローチが進められている。

◇Toward Neuromorphic Designs-From synapses to circuits with memristors.-Neuromorphic chips mimic brain structures (10月25日付け Semiconductor Engineering)
→neuromorphicシステム需要が伸びており、研究者がデータcomputationの一層の高速化、高効率化を求めている旨。memristor技術がこのようなシステムの解になる可能性、その推計学的な応答がneuronsおよびsynapsesでの脳のような適応性をモデル化できる旨。

内外の展示会でもAIが中心のキーワードとなっており、TPCA(Taiwan Printed Circuit Association) ShowでのAI ecosystem追及である。

◇TPCA Show 2017 highlights tech advancements for AI (10月25日付け DIGITIMES)
→TPCA(Taiwan Printed Circuit Association) Show 2017(10月25-27日:Taipei Nangang Exhibition Hall)について。PCB-関連supply chainsからの400以上の出展社が、1,400超のブースで最新の製品&ソリューションを披露、AI(artificial intelligence) ecosystemにおけるPCBsの役割を強調、AI応用関連の非常に大きなビジネスopportunitiesを探求する狙いの旨。

東京モーターショーでは、AI搭載車が見られている。

◇EV続々、AI搭載車も登場、東京モーターショー公開 (10月25日付け 日経 電子版)
→「第45回東京モーターショー2017」が東京ビッグサイトで25日、報道陣向けに公開された旨。トヨタ自動車をはじめ各社は電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)のコンセプト車といった次世代エコカーを展示、人工知能(AI)搭載車など最先端の技術も見どころとなる旨。

このようななか、半導体関連各社のAI関連アプローチが一挙に目に入ってきて、まずはインテルについて。AI指向のプロセッサ投入が次の通りである。

◇Intel introduces an AI-oriented processor-The Nervana Neural Network Processor(NNP) is expected to help companies develop new classes of AI applications. It is expected to be on sale before the end of the year.-Intel's AI tech uses associative memory, deep learning (10月20日付け Network World)
→Intelが、2017年末前に出荷予定のNervana Neural Network Processor "Lake Crest"半導体でのdeep learningのレンズを通してartificial intelligence(AI)に対応している旨。同社はまた、Saffron Technologyの買収をもってassociativeメモリAIに向かっており、Xeonプロセッサ上で動くソフトウェアプラットフォーム、Intel Saffron Anti-Money Laundering Advisorを支えている旨。

このプロセッサも然りであるが、インテルのAI ecosystem投資戦略が以下の通り活発に展開されている。

◇Intel/Saffron AI Plan Sidesteps Deep Learning-Saffron uses associative memory AI, an AI branch separate from deep learning (10月23日付け EE Times)
→IntelのAI ecosystemへの$1 billion投資は広く報道されている話題の1つであり、これまで買収されたメーカーが以下の通りの旨。
 Altera    …2015年
 Saffron   …2015年
 Nervana   …2016年
 Movidius   …2016年
 Mobileye   …2017年

Intel Capitalはまた、Mighty AI, Data Robot, Lumiata, CognitiveScale, Aeye Inc., Element AIなどのstartupsで該AI portfolioを充実させている旨。
今月始め、Intelは、新製品、Intel Saffron Anti-Money Laundering(AML) Advisorを発表、AMLはXeonプロセッサで動くと思われるものの、該製品はハードウェアではなく、金融危機を探索する調査者およびアナリストに向けたtoolである旨。

スマホ用のカスタムAI半導体について、インテルとGoogleの連携である。

◇Google worked with Intel on a custom A.I. chip for its Pixel phones-Google says it worked with Intel on the Pixel Visual Core chip.-The chip is meant to boost artificial intelligence and image processing on the Google phones.-Intel helped Google with Pixel Visual Core chip (10月23日付け CNBC)
→Intelが、Google Pixel 2スマートフォンで用いられるPixel Visual Core co-processorの開発でGoogleと連携、該custom半導体は、HDR+(High Dynamic Range imaging)技術での写真撮りで電池寿命および速度を高め、そしてモバイルappsでのartificial intelligence(AI) workloadsを取り扱うことになる旨。

次にSamsungであるが、中国のAIチップセットstartupへの出資を行っている。

◇[Exclusive] Samsung invests in Chinese AI chipset startup DeePhi Tech: sources-Sources: Samsung invests in DeePhi Tech for AI chipsets (10月22日付け The Korea Herald (Seoul))
→Samsung Electronicsが、artificial intelligence(AI)チップセットおよびソフトウェア開発kitsに取り組んでいる中国のstartup、DeePhi Tech(北京のTsinghua Tongfang[中国のテレビサプライヤ] High-Tech Plaza)との連携でAmazon Web Services, MediaTekおよびXilinxに加わる旨。
Samsungからの投資を受け入れる一方、DeePhi TechはSK Telecomからの投資提案を拒んでいる旨。

◇AI startup draws big investors-DeePhi Tech gets $40 million in funding for data center, security services development (10月26日付け China Daily)
→artificial intelligence(AI)プロセッサstartup、DeePhi Tech(中国)が、Ant Financial Services Group(Alibaba Group Holding Ltd.の融資関連)およびSamsung Venture Investmentが主導する投資でのfinancing最終roundで約$40 millionを調達の旨。Ant FinancialによるAI半導体分野への最初の主要投資取引であり、先端業界を動かす世界レベルのcomputer用半導体を開発する中国のより広範な推進の一部でもある旨。

ARMは、自社イベントにてAIグループの組織化を披露している。

◇ARM Unveils New AI Group-No details on CPU, GPU, specialty cores (10月26日付け EE Times)
→ARMの新しいmachine learningグループについて、ARM Tech Con(SANTA CLARA, Calif.)でのpressイベントの後のbrief one-on-oneで、同社fellow、Jem Davies氏。CPUs, GPUsおよび専用coresでmachine learningを行うのは明らかだが、まだ何も発表していない旨。

bitcoin mining用ASICs設計に取り組んでいるBitmain Technologies(北京)も、AIに賭ける方向性を打ち出している。

◇Bitcoin ASIC Maker Bets on AI-China chip designer targets neural nets (10月25日付け EE Times)
→bitcoin mining用ASICs設計をスタートとしているBitmain Technologies(北京)が、同社初のmachine-learning accelerator、BM1680をサンプル配布しており、deep neuralネットワークス上の訓練および推論両方に最適化の旨。該半導体は、ファン冷却モジュール、SC1で販売されている旨。

各社のAIに向けた動きが相次いでいくが、台湾のMinistry of Economic Affairs(MOEA)とARM、そして同じくMinistry of Science and Technology(MOST)とNvidiaのAIでの連携、コラボが以下の通り見られている。各国・地域での取り組みの打ち上げが続いている。

◇ARM pledges cooperation with Taiwan firms in AI, IoT applications-Arm to work on AI, IoT with Taiwan firms (10月25日付け DIGITIMES)
→台湾・Ministry of Economic Affairs(MOEA)発。ARMが、MOEAとletter of investment intent調印、同社グローバルventure capital(VC)ファンドを通して台湾のAsia Silicon Valley Development Planに参加、AI(artificial intelligence)およびIoT(Internet of Things)応用分野で台湾メーカーとの協力を高めていく旨。

◇NVIDIA, Taiwan’s Ministry of Science and Technology to accelerate Taiwan AI revolution with NVIDIA AI computing platform (10月26日付け ELECTROIQ)
→NVIDIAが、台湾・Ministry of Science and Technology(MOST)とコラボ、台湾の商用分野にわたってのartificial intelligence(AI)の展開を加速していく旨。該コラボは、NVIDIAの台湾でのGPU Technology Conference(10月25-26日:台北)の間に共同開催したAI Symposiumでキックオフ、1,400人以上の科学者、開発者およびentrepreneursが参加、NVIDIAがMOSTの台湾でのAI推進を支援する旨。

◇GTC Taiwan 2017: Nvidia announces AI collaboration with Taiwan (10月27日付け DIGITIMES)


≪市場実態PickUp≫

【東芝メモリ関係】

東芝の臨時株主総会にて、半導体メモリ子会社、「東芝メモリ」の米ベインキャピタルなど日米韓連合への売却が承認されている。ただ、各国の独占禁止法審査、米ウエスタンデジタル(WD)との係争が立ちはだかってすっきりしない状況はそのままとなっている。

◇東芝、メモリ事業売却を可決、臨時総会ドキュメント (10月24日付け 日経 電子版 13:31)
→東芝は24日、幕張メッセ(千葉市)で臨時株主総会を開き、株主に諮った3つの議案の承認を得た旨。6月の定時総会で報告できなかった2017年3月期決算、綱川智社長をはじめとする取締役の選任、そして半導体メモリ子会社「東芝メモリ」の米ベインキャピタルなど日米韓連合への売却が議案で、いずれも必要な株主の賛成を得て可決された旨。

◇Toshiba shareholders approve $17.5bn memory unit sale-But the company's legal and strategy challenges mean an uncertain future (10月24日付け Nikkei Asian Review (Japan))

◇Toshiba weighing options in case chip unit sale not completed by March-Toshiba looks at possible delay in chip unit sale (10月24日付け Reuters)
→東芝の株主が同社メモリ半導体部門のBain Capital率いるコンソーシアムへの$17.5 billion売却を承認、東芝マネジメントは、該取引が3月の年度末までに完了しない場合に起こり得ることに備えているとしている旨。
「何も決まっていないが、あり得る対策を考えているのは事実」と、株主に対して東芝のPresident and CEO、Satoshi Tsunakawa氏。

◇東芝、株主の疑念晴れず、半導体売却は承認でも (10月24日付け 日経 電子版 21:58)
→東芝は再建への課題だった半導体メモリ事業売却について24日開催の臨時株主総会で株主から承認を得て、上場廃止基準に抵触する2期連続債務超過の回避へ半歩前進となる旨。ただ、2018年3月末までの売却完了には、各国の独占禁止法審査、米ウエスタンデジタル(WD)との係争が依然、立ちはだかり不透明感は払拭できていない旨。

日米韓連合のメンバーであるSeagate Technology、そして関門のWDについて、それぞれの臨むスタンスが改めてあらわされている。

◇Seagate pledges not to buy stake in Toshiba chip unit for 10 years: Bain document-Document: Seagate won't take stake in Toshiba chip unit for 10 years (10月26日付け Reuters)
→Bain Capital LPからの文書。東芝の半導体部門を買収するグループの1メンバー、Seagate Technology PLCは、該$18 billion取引の一部として10年間該部門におけるstakeを買収しないことを誓約の旨。

◇WD首脳「合意ない売却は認めない」、東芝半導体売却−強硬姿勢崩さず (10月27日付け 日経 電子版)
→東芝の半導体メモリ事業の売却を巡って対立する米ウエスタンデジタル(WD)のスティーブ・ミリガン最高経営責任者(CEO)は米国時間26日、「(東芝が契約した)日米韓連合への売却は明確に認められない」と主張した旨。売却差し止めを求めた国際仲裁裁判所での判断に「自信を持っている」とし、売却完了までに仲裁裁の判断が出るとの認識を示した旨。同日の2017年7〜9月期決算発表後のアナリスト向け電話会見で語った旨。

【30周年を迎えるTSMC】

台湾の経済の柱の1つと評されるに至っているTSMCが、30周年を迎えている。

◇At age 30, TSMC is one of Taiwan's economic pillars (10月21日付け Focus Taiwan News)
→今年30周年を迎えるTSMC。この世界最大のcontract半導体メーカーは長い道のりを経て、台湾の経済成長の一大中心になり、多くの台湾初を作り出している旨。

それを記念するイベントが次の通り開催されている。

◇TSMC marks 30th anniversary (10月23日付け DIGITIMES)
→TSMCが、30周年を祝うフォーラムおよびコンサートを10月23日台北で開催、該節目を一緒に刻すために多くの顧客、同業、サプライヤ、投資家および政府、一般からのパートナーを招いている旨。午後に"Semiconductors: the Next 10 Years"と題するパネル討議を行い、TSMCのchairman、Morris Chang氏がモデレーターを務める旨。

TSMC創立以来の総帥で来年6月の引退を最近発表しているMorris Chang氏の講演から、以下の抽出である。

◇Global semiconductor sector to see 4.5-5.5% CAGR in next decade, says Morris Chang (10月24日付け DIGITIMES)
→TSMCが30周年記念で10月23日に開催した技術フォーラムにて、TSMCのchairman、Morris Chang氏による"Semiconductors: The Next 10 Years"と題する講演。グローバル半導体分野はグローバルGDP拡大より2-3pp上回る成長、向こう10年で4.5-5.5%のcompound annual growth rate(CAGR)と見る旨。TSMCは平均を上回って5-10%の伸びに達すると楽観的な予測。

◇TSMC head optimistic about future of semiconductor market (10月23日付け Focus Taiwan News)

◇Moore's Law no longer valid, says Morris Chang (10月25日付け DIGITIMES)
→TSMCが30周年記念で10月23日に開催した技術フォーラムにて、同社chairman、Morris Chang氏。Moore's Lawは合わなくなっており、トランジスタ密度は実際に増え続けているものの、倍増に要する時間軸はもはや18-24ヶ月ではない旨。TSMCはトランジスタ密度を増やし続けているが、Moore's Lawに従うペースではない旨。

TSMCの最大顧客、AppleよりCOO、Jeff Williams氏が講演を行い、両社の親密、緊密な関係、やりとりがうかがえる以下の興味深い内容となっている。

◇Apple Talks About Sole Sourcing from TSMC-Apple, TSMC tout relationship (10月24日付け EE Times)
→TSMCが30周年記念で10月23日に開催した技術フォーラムにて、AppleのCOO、Jeff Williams氏の講演。AppleのA11 applicationプロセッサの唯一のサプライヤとしてのTSMCの役割およびelectronics業界の向こう10年における方向性に触れている旨。independent業界アナリスト、Andrew Lu氏は、TSMCがSamsung Electronicsの製造capabilitiesを上回れる限り、TSMCはAppleでのsole-sourceの役割を引き続き享受する、と憶測の旨。

◇Apple Talks About Sole Sourcing from TSMC (10月25日付け EE Times Asia)

◇Apple-TSMC partnership started from home dinner hosted by Morris Chang, says Jeff Williams (10月24日付け DIGITIMES)
→TSMCが30周年記念で10月23日に開催した技術フォーラムにて、AppleのCOO、Jeff Williams氏の講演。10年足らずのTSMCのビジネスパートナーであるが、売上げ寄与でTSMCの最大顧客になっているApple。両社の連携は、2010年にTSMCのchairman、Morris Chang氏がWilliams氏のために開いたhome dinnerでスタート、それぞれの大きな志を遂行するために両社の先端技術を統合する協力の可能性を議論した旨。何らcontingency plansなくAppleとしてTSMCに大きく賭ける実質的なリスクにも拘らず、両社はそのとき共同での大きな賭けを決定、今日の非常に大きな成功になっている旨。

◇Apple ‘grateful’ to TSMC for investment-FLAWLESS EXECUTION:TSMC had 6,000 people working around the clock to bring up the Tainan fab in just 11 months, Apple chief operation officer Jeff Williams said (10月24日付け Taipei Times)
→Appleのchief operating officer(COO)、Jeff Williams氏。Apple社はTSMCに対し、iPhonesおよびiPadsで用いられるすべてのプロセッサを供給するAppleとの最初のinitiativeへの$9 billionの設備投資に感謝している旨。

【半導体各社業績から】

メモリの高価格が引っ張る絶好調の半導体業界を、各社の直近四半期業績発表がよく裏づけている。まずは、Samsungに次いでメモリを牽引するSK Hynixは、連続して最高水準が相並ぶ以下の内容である。

◇SK Hynix posts record revenues, earnings for 3Q17 (10月26日付け DIGITIMES)
→SK Hynixの2017年第三四半期連結売上げがKRW8.1 trillion、前四半期比21%増、前年同期比91%増、operating profitsがKRW3.74 trillion($3.32 billion)、前四半期比23%増、前年同期比415%増。売上げ、operating profitsおよびnet profitsが、3四半期連続で最高水準到達の旨。

◇(4th LD) SK hynix reports record-breaking profits in Q3-SK Hynix posts Q3 net profit of $2.7B, a record (10月26日付け Yonhap News Agency (South Korea))
→SK Hynixが第三四半期について同社最高となる$2.7 billionのnet profitを計上、売上げが前年同期比91%増。第三四半期のDRAMsおよびNANDフラッシュメモリの出荷は、それぞれ前四半期比17%増および16%増。

半導体業界の最大手、インテルは前年比一桁(%)増の堅調な伸びを示し、急追するSamsungとのNo.1デッドヒートが気になるところである。「5年前は売上高に占める比率が30%だったPC以外の事業が、45%を占めるようになってきた」とブライアン・クルザニッチ最高経営責任者(CEO)のコメントがみられている。

◇Intel Lifts Sales Forecast After Strong Q3 (10月26日付け EE Times)
→Intelの第三四半期販売高が$16.1 billion、前四半期比2%増、前年同期比6%増、net incomeが$4.5 billion、前四半期比61%増、前年同期比32%増。
Wall Street予想を上回るこの結果を受けて、2017年販売高見通しを前回の$60.8 billion〜$61.8 billionから今回$61.5 billion〜$62.5 billionに、1株利益を前回の$2.61〜$2.71から今回$2.88〜$2.98に上方修正の旨。

◇米インテル、7〜9月期の売上2%増、データセンター牽引 (10月27日付け 日経 電子版)
→米半導体大手、インテルが26日発表した2017年7〜9期決算。売上高が前年同期比6%増の$16.149 billion(約1兆8407億円)、純利益は同34%増の$4.516 billion。主力のパソコン向けは前年同期とほぼ同水準だったが、クラウドの普及に伴ってデータセンターのサーバ向けの売り上げが同7%伸びた旨。特殊要因を除いた1株利益は0.94ドルで過去最高。

ベンダーランキングの上位常連のTexas InstrumentsおよびSTMicroelectronicsともに、二桁増の売上げの伸びを示している。

◇Auto chips power Texas Instruments' profit, revenue beat-Texas Instruments reports higher Q3 net, revenue (10月24日付け Reuters)
→Texas Instruments社(Dallas, Texas)の9月30日締め第三四半期売上げが$4.12 billion、前年同期比12%増で6四半期連続の増加、net incomeが$1.29 billion、前年同期$1.02 billion。車載および産業用半導体需要が引き続き増大の旨。

◇STMicro Sees Growth Across the Board (10月27日付け EE Times)
→STMicroelectronics(Geneva)の第三四半期販売高が約$2.14 billion、前四半期比11.1%増、前年同期比18.9%増。2017年は18%増の販売高の軌道にある旨。「製品グループ全部が前年比二桁の売上げ伸長を記録、4つの重点応用領域、Internet of Things(IoT), スマートフォン, 産業およびsmart drivingで全地域力強い需要が引っ張っている。」と、STのpresident and CEO、Carlo Bozotti氏。

【ARMのIoTへの取り組み】

ARMが、ARM TechCon(SANTA CLARA, Calif.)の場を含め、Internet of Things(IoT)に関する議論の発信を活発に行っている。IoT機器用のcybersecurity対策改善に向けて、同社Platform Security Architectureを関連intellectual property(IP)とともに投入している。

◇ARM Boosts IoT Security-Architecture, IP target MCUs (10月23日付け EE Times)
→ARMが、アーキテクチャー標準を発行、その取り入れを助ける3つの新製品をもって、Internet of Things(IoT)におけるセキュリティの水準を引き上げる旨。該新IPには安全確実なfirmwareが入っており、programmableセキュリティコアおよび安全確実なdebugging channelの旨。ARMのPlatform Security Architecture(PSA)は、複数のIoT使用事例の分析に基づくハードウェア&ソフトウェア仕様一式である旨。当初はCortex-M機器を目標とし、4月前にopen source licenseのもと無料でリリースされる実施例が入っている旨。

◇ARM Extends Mbed to Gateways (10月24日付け EE Times)
→ARMが、同社Mbedソフトウェア一式を拡げて、Internet of Things(IoT)上のgatewaysに向けたモジュールの枠組みを含める旨。プロセッサコアで知られる同社にとって、Mbed EdgeがIoTソフトウェア&サービスを深める1ステップとなる旨。

◇ARM unveils its Platform Security Architecture-Cybersecurity boosted with Arm's new architecture (10月24日付け New Electronics)
→ARMが今週、internet of things(IoT)機器用のcybersecurity対策改善に向けて、同社Platform Security Architectureを関連intellectual property(IP)とともに投入、該新アーキテクチャーは、Amazon, Cisco SystemsおよびGoogleがサポートの旨。

◇ARM CEO Sounds Security Alarm (10月26日付け EE Times)
→ARM TechCon(SANTA CLARA, Calif.)にて、ARM TechnologyのCEO、Simon Segars氏。Internet of Things(IoT)のインパクトおよび人間の能力を高める可能性を蝕む恐れのある問題、connected worldでのセキュリティ対応で参集するようハイテク業界に呼びかけた旨。

◇IoT May Need Sub-50-Cent SoCs-Panel previews rough road to 2027 end nodes (10月27日付け EE Times)
→ARM TechCon(SANTA CLARA, Calif.)のパネル討議にて。Internet of Things(IoT)の将来は、50 cents以下の半導体に依存する可能性の旨。IoTが求める寸法に収めるようSoCsは新しい種類のSRAMおよびフラッシュメモリ、connectivityおよびセンサを必要とするが、そこに至る行程はまだ明らかでない旨。今日のものでは電力を食い過ぎて、2027年のvolume IoT nodesに対応できない旨。

【現下の流れから】

それぞれの筋の市場、技術の流れの見方から取り出した3点である。
*wafer-level packaging(WLP)がflip chipを数量で2018年に上回る
*cloudおよびモバイルシステムにおけるedge computingの有望性
*サーバおよびデータセンターでのメモリ需要の増大

◇Wafer-level packaging device shipments to overtake flip chip tech in 2018 (10月24日付け ELECTROIQ)
→The Information Network(New Tripoli, PA)が最近発行したレポート、“Flip Chip/WLP Manufacturing and Market Analysis”。wafer-level packaging(WLP)を用いるICパッケージ数が、2018年にflip chip出荷を上回ると見る旨。2014年から2020年の期間でWLPが15%のcompound annual growth rate(CAGR)で伸びる一方、flip chipは5%止まりとみている旨。

◇Semiconductor firms eye edge-computing opportunities-Edge-computing tech said to attract TSMC, others (10月26日付け DIGITIMES)
→業界筋発。edge computingがcloudシステムの重要部分として有望になって、TSMCが同社先端7-nmプロセス技術をもって市場opportunitiesに目を向けている旨。Advanced Semiconductor Engineering(ASE), Siliconware Precision Industries(SPIL)およびChunghwa Precision Test Technology(CHPT)などTSMCのbackendパートナーも、それぞれのfan-out実装およびウェーハprobingサービスをもってモバイルedge computingの領域に入っていく見込みの旨。

◇Backend houses expect rising memory demand for servers and datacenters (10月26日付け DIGITIMES)
→IC backend housesが、high-bandwidthおよび高密度メモリデバイスを必要とするサーバおよびデータセンター応用に向けたメモリ需要について楽観的な見方をあらわしている旨。メモリ需要の伸びの見通しが、ロジックICより有望の旨。市場筋によると、high-endスマートフォンも先端featuresサポートに向けて高密度メモリを必要とする一方、SSDsのconsumer市場への移行増大がメモリ需要の全体の伸びを引っ張っている旨。


≪グローバル雑学王−486≫

これから3つの章にわたって、著者専門の中国経済論が展開されている。まずは、中国における経済バブルの状況、実態について、

『「米中経済戦争」の内実を読み解く』
 (津上 俊哉 著:PHP新書 1105) …2017年7月28日 第1版第1刷

より解きほぐしていく。2008年の米国でのリーマン・ショックを受けた中国の巨額景気対策、そして昨年2016年前半の「景気アクセル」と、それぞれの効果とずっと尾を引く副作用があらわされている。バブル崩壊後の1990年代の我が国との対比に、改めて注目している。


第6章 中国バブルは崩壊するのか ――90年代日本に似てきた中国経済

・第6章から第8章は、(著者の)本業の中国経済論

〇2009年以降の高成長は投資バブルの産物
・2016年の「景気アクセル問題」
 →2つの勢力のせめぎ合い、争点は「投資で成長を引っ張る余地がどれくらいあるか」
  …投資で成長の高め維持を狙う安定成長派
  …成長率が下がっても健全な経済成長を図ろうとする構造改革派
・2つの物差し:‥蟷饂業が優良であるか、△金があるか
 →この物差しから見て、過去5年あまりの中国経済に大きな問題が生じた
・2008年、米国で発生したリーマン・ショック
 →中国は、4兆元(当時レートで57兆円)投資という空前の大きさの景気対策を発動
・実際には4兆元投資以外にも、国有銀行に「貸出のバルブを全開しろ」という指令
 →大金融緩和が、「固定資産投資」が爆発的に伸びる引き金を引いた
  →「固定資産投資」…製造業の設備投資、不動産投資、政府のインフラ投資の総称

〇投資効率が急速に低下
・この数年、お金のかかる重厚長大産業は軒並み過剰投資→過剰設備→業績不振に陥って青息吐息
 →いちばんひどいのは鉄鋼業
 →不動産は、二極化現象が顕著
  …北京や上海などの大都市はまだ好調、地方の中小都市にはゴーストタウン化した例があちこちに
 →地方政府のインフラ投資は、5年の間に10年、15年分の公共投資を一気にやってしまった格好
  →不効率な事業しか残っていない状態に

〇投資の含み損が累積
・中国の「お金をたくさん借りる経済」で、厳密な減損評価を実施しているところはないだろう
 →とくに地方政府系
 →毎年アップする「表向きの簿価」と現実の市場価値の差額が「含み損」としてバランスシートに隠れている
・公式統計で言うと、銀行の不良債権比率はまだ1.7%程。「要注意債権」を加えると7%程度に

〇止まらない債務膨張
・儲からない投資には含み損が隠れており、そのためにした借金も「隠れ不良債権」化している
 →大きく傷んだバランスシート
・IMFは2016年8月、中国経済に関する年次の評価レポートを発表
 →消費や内需が主導する経済への転換などは評価、一方、債務が急速に増大しつつあると異例の警告
 →負債が急増すると後に金融危機が起こりやすい

〇投資バブルの「崩壊」
・2009年以降「お金をたくさん借りる経済」で起きた投資バブル
 →「崩壊すべきものが市場機能に対する政府の干渉・歪曲のせいで、崩壊していない」ことが問題
・バブルが崩壊すると、何が起きるか
 →無数の会社がいっせいに投資切り詰め・借金返済に向かう結果、大きく落ち込むマクロ景気
 →バブルの後に起きる「バランスシート不況」現象
 →長期金利(国債利回りで測る金利)が長期的に下落
・バランスシートの傷が癒えるには、ふつう10年の時間
 →いまの中国もその例外ではあり得ない
・この1-2年の間に世界に急速に拡がった「目下の中国経済最大の問題は過剰債務だ」という認識
 →中国の「お金をたくさん借りる経済」では、厳格な減損評価を実施していない
 →ほんとうに不良債権の認定を受けるのは、政府の後ろ盾のない民営企業ばかり

〇90年代の日本に似てきた中国経済――何が問題か
・1990年代後半に日本経済を襲った「バランスシート不況」
 →経済落ち込みを政府の公共投資拡大で穴埋め
  …故小渕恵三総理の時代ゆえ「オブチノミクス」
 →日本は経済や社会の安定を保つことに成功、その代償が財政赤字の急膨張
・日本がこれだけの借金を積み上げながら経済危機に陥らないでいるいくつかの理由
 →第1:日本が依然として世界一の純債権大国。海外から借金をする必要がない
 →第2:日本の借金は、債務累積にいちばん抵抗力のある中央財政に集中的に溜まっている
 →第3:かれこれ20年間ゼロ金利に近い状態、債務の雪だるま現象が起きにくい

〇中国は債務危機に襲われるのか
 ――90年代の日本が暗示するアナザー・シナリオ
・中国で債務が集中しているのは中央政府よりも脆弱な「非金融企業」
 →最終的には当該企業を管轄する政府部門が陰に陽に保証・代位弁済することが見込まれる「準政府債務」が多数

〇中央財政に債務負担の重心を移す改革も
・いま中国で続いている債務の累増
 →そのリスクは政府財政全体との絡みで判断すべき
・象徴する出来事が2015年から始まった「省級地方債」の発行
 →金が借りにくくなった地方政府に代わって省政府が代理で資金調達する仕組み
 →驚きのその発行量
  …2016年5兆元、2017年前半には国債の発行残高を上回るだろう
 →省政府が下級地方政府の「身代わり債務者」になったことを意味、「連帯保証」を上回る支援
・この地方債制度によって2015年の地方財政危機は回避
 →中国の事態は中央財政が負担をかぶる形でバランスシート不況の落ち込みを穴埋め
  →日本に似てきたと言える

〇年率6.5%以上の成長目標は非現実的
・中国のいま掲げている「年率6.5%以上の成長」の目標は非現実的
・中国がこれ以上のバランスシート劣化や債務の累増を避けるためには、しばらく有効需要不足で低成長になっても耐えるしかない
 →いまの中国には、ニューエコノミーの頼もしい成長の一方、重厚長大で過剰な設備・債務に悩む国有中心のオールドエコノミーも
 →政府の下支え策がない「自然体」では、しばらくゼロ近辺の低成長が続いても不思議ではない
 →政府が介入して景気の下支えをする、そこには「節度」があって然るべき

〇中央財政赤字も急増しているという衝撃
・IMFが2016年8月に出した中国経済に関する年次の評価レポート
 →(著者が)いちばん衝撃を受けたのは、IMFが中央財政赤字に地方財政赤字なども連結した中国の「正味の財政赤字」を推計した附表
 →いまの赤字幅を10年続けると、中国の債務はさらに80-100%積み上がる
・さらに悪い報せ。中国財政がほんとうに苦しくなるのは、高齢化がいよいよ本格化して年金債務が急増し始める2030年代以降
 →2030年の手前で総債務がすでに300%台半ばに達しているとしたら、中国財政はその先の年金債務を賄えるだろうか
 →景気の下支えには節度が必要

〇低成長の心構えができていない中国
・(著者は、)いまの中国は政府といい国民といい、「低成長に対する心構え」がまったくできていないと思う
 →直近でのGDP比較:1人当たり、米国は5万7000ドル、中国は7800ドル
 →しかし、GDP総額では中国はすでに米国の6割に
  →「さすがに届くだろう」というのが中国人の感覚
・それがなかなか達成できないから生まれた「中所得国の罠」という警句
 →経済成長に取り組んだ世界の多くの国で、1人当たりGDPが5000〜1万ドルの段階からさらに上に行くことができなかった

〇仇になった2016年の景気アクセル
・本稿を執筆している2017年5月の中国景気は悪くない
 →昨年前半の「景気アクセル」のお蔭
 →しかし、景気アクセルの副作用は露わ
・最近中国は「銀行、証券、保険という金融業態を横断的、統一的に監督する仕組みが必要」という議論が盛ん
 →今後規制も行政組織もその方向に改変されそう

〇金融業のハイリスク経営を懲罰する動き
・習近平主席が2016年10月、2017年4月の2度にわたって行った厳しい口調の講話
 →金融機関のハイリスク経営を懲罰する動きも加速
 →もう一方、日々の金融調節が絞られて、金利の上昇、資金市場のタイト化が加速
・金融当局は資金コストを引き上げて、金融機関のハイリスク経営を抑圧しようという作戦
 →すでに資金を運用している金融業界からは悲鳴
・かくも大きかった景気アクセルの弊害
 →主導し、成果を誇った李克強総理の行方如何に
・二期目の経済運営は、ミニ「バブル潰し」作戦といった荒療治をやる覚悟が必要になるかも

〇金融機関が悪いのか――ハイリスク経営に手を出す理由
・省級地方債は銀行の利益を犠牲にして地方財政危機を回避する試み
 →銀行業の利益は構造的に削られた
 →「自ずと」ノルマが下がることはない「社会主義市場経済」の中国
 →利ザヤが稼げるハイリスク経営に手を出したら、今度は懲罰される
 →「じゃあ、どうすれば良いんだ!?」…銀行経営陣の本音では
・究極的な責任の一切は、すべての権限を掌握したがる(市場に任せない)中国共産党に

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