2019年8月19日
|長見晃の海外トピックス
我が国では8月お盆休みの最中、米中貿易戦争は通貨安競争そして香港での暴動の局面が加わって、それぞれの切り口での応酬、駆け引きが高まっていく様相を呈している。日韓摩擦の方は、韓国が日本を輸出管理の優遇対象から除外すると反撃の一方、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は光復節での演説で「日本が対話なら協力」と批判のトーンをぐっと抑制した様変わりを見せている。このような空気が覆っては市場の好材料が見られるわけがなく、欧米景気の後退懸念が市場を揺らしており、ドイツの4-6月GDPにもあらわれている。半導体業界および各社において、摩擦被害の軽減そして5Gが特に注目材料、新分野への取り組みへの対応が引き続き熱を帯びてきている。
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2019年8月13日
|長見晃の海外トピックス
米中貿易戦争にこんどは通貨安競争の危険な応酬が加わる一方、韓国向け輸出が一部許可されたが安定輸出は見通せず反発が依然収まらない日韓摩擦と、ともに予断を許さない展開が続く中、米国・Semiconductor Industry Association(SIA)より6月そして4-6月第二四半期の世界半導体販売高が発表されている。昨年末からの販売高急減そして$32〜$33 Billion台の月次販売高が続くこれまで&現時点である。第二四半期販売高は前年同期比14.5%と落ち込む一方、前四半期比0.3%増と落ち着いて見えるが、なにより世界の政治・経済の動きからくる市場の推移、激変に一層ついていかざるを得ない当面の環境を受け止めている。
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2019年8月 6日
|服部毅のエンジニア論点
7月1日に、経済産業省が韓国に対する3種類の半導体材料の輸出規制を発表した。同省は、単なる「輸出管理の運用の見直し」と言うが、世耕大臣は、「徴用工問題で信頼が損なわれたことも理由のひとつ」とSNSで述べている。一方で、韓国側は事実上の輸出禁止ととらえ、国家非常事態だとしている。
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2019年8月 5日
|長見晃の海外トピックス
北京での協議も進展なく、輸入製品全体に及んでくる制裁関税「第4弾」の9月発動をTrump大統領が明らかにした米中摩擦の一方、半導体関連3品目の輸出規制に加えて輸出管理の優遇対象国、「ホワイト国」から韓国を外す政令改正を決定して韓国からの大きな反発を招いている日韓摩擦と、ますますともに袋小路に入って先が読めない展開となっている。この状況の中、多分に摩擦インパクトを受ける各社の四半期業績が発表され、また、米国・クアルコムと中国・テンセントの間ではゲーム端末、5Gを巡る半導体関連の提携があらわれている。揺らぐ市場環境の中でいろいろな変動要因を踏まえて、当面の事業展開をどう図るか、様々な切り口の読みが相次いでいる。
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2019年7月29日
|長見晃の海外トピックス
ともに治まるのに時間がかかりそうな米中および日韓の貿易摩擦の渦中にあって、次の市場拡大&成長を目指して、大手プレーヤーのM&A(企業の合併・買収)が見られるとともに、5G(第5世代移動通信システム)、AI(artificial intelligence)など新分野に備える各社の動きが一層熱を帯びており、メモリはじめ低迷材料の多い半導体業界には活性化に向けて一際の奮闘が求められる中である。M&Aではアップル、インテル、そしてマイクロソフトの名前が挙がる一方、5G、AIはじめ新分野の半導体製品化に向けてTSMC、Samsungなどの取り組みが続いている。
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2019年7月22日
|長見晃の海外トピックス
第2次世界大戦中の徴用工問題が伏線にあって、半導体・携帯電話産業に欠かせない化学製品の我が国から韓国への輸出規制を巡る日韓双方の応酬&摩擦が日々激しさを増していく現時点。韓国側が繰り返す賠償案提示に「極めて無礼だ」と日本側が非難するまでに。米国トランプ大統領がこの対立に仲裁する用意があるとする現時点に至っている。半導体業界においては、規制対象品目の1つ、「フッ化水素」について高純度品は圧倒的なシェアの日本メーカーに対して代替を日本以外で模索する動きが相次ぐ一方、DRAM価格が2週間で1割近く上昇と短期間の値動きとしては異例の大きさが見られて、輸出規制の影響が製品の取引価格にも波及してきている。
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2019年7月16日
|長見晃の海外トピックス
休戦&緩和措置のなか予断を許さない米中摩擦、それに半導体材料の輸出管理強化を巡る日韓の応酬が高まる一途。そんな中で開催された北米での世界最大級の半導体製造装置・材料の総合展示会、SEMICON West 2019(7月9-11日:Moscone Center in San Francisco)にて、今後の業界の然るべき展望を一層拡げていく議論&取り組みがあれこれ見られている。Moore's Law継続の健全性如何がCEOパネル討議であらわれる一方、インテルは同社ロードマップ上で3つの実装技術を初めて披露、今後の性能向上持続に向けて実装に向かっていく流れをあらわしている。従来のデバイス最先端微細化とともにシステム的に性能向上維持を図る方向性に注目である。
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2019年7月 8日
|長見晃の海外トピックス
新たな制裁見送り&貿易協議再開を決めた米中首脳会談後の余韻が残り、予断を許さない雲行きが覆う中で、米国Semiconductor Industry Association(SIA)からの月次世界半導体販売高が発表されている。この5月について$33.1 billion、前年同月比14.6%減と今年に入ってずっとの5ヶ月連続の落ち込みであるが、前月比では1.9%増と7ヶ月ぶりの僅かながらの増加を示している。対Huawei禁止措置が緩和されたが限定範囲であり、これまでの米中摩擦の市場インパクトの蓄積によるボディブローが一層あらわれてきている現状である。一方、半導体材料の輸出規制で我が国が韓国への対抗措置を実施、サプライチェーンの足並みの乱れにまた1つ輪がかかっている。
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2019年7月 4日
|泉谷渉の視点
自動車向けパワーデバイスは、いよいよ急速な上昇気流に乗ってきた。世界的な電動化シフトが進む自動車分野は、まさに「超オイシイ市場」になりつつあるのだ。
IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)で世界トップシェアを持つ三菱電機、トヨタ系に強い富士電機、さらにはSiCパワー半導体で世界トップを狙うローム、これに続く東芝、サンケン電気、新電元工業などの投資計画も急増する勢いであり、目が離せなくなってきたと言えるだろう。世界の自動車向けパワーデバイスはここ数年で2兆円以上の大型市場に成長すると見られ、設備投資で先頭を切っているのが 名立たる日本企業であることに注目したい。
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2019年7月 2日
|服部毅のエンジニア論点
米トランプ大統領は、6月29日、大阪での20カ国・地域首脳会議(G20サミット)終了後に記者会見を開き、中国通信機器大手のHuaweiに対して事実上禁輸措置を当面解除することを明らかにした。これと合わせて、iPhone等スマートフォンを含む、中国からの輸入品3000億ドル(約33兆円)分への追加関税を先送りにする方針も表明した。
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