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台湾TSMCの10月売上が過去最高額、九州でシリコン経済特区への検討始まる

2025年10月の台湾TSMCの売上額は、単月としては過去最高だった。わずかひと月で3674億台湾元(約1兆8000億円)となり、前年同月比で16.9%増であった。世界の半導体産業は9月も快調でSIA(半導体工業会)の発表では前年同期比25.1%増の694.7億ドル(約10兆70000億円)だった。キオクシアは残念ながら減収減益に終わった。一方で、ソフトバンクグループ(SBG)はOpenAIに11%を出資する。

TSMC売上の推移

図1 TSMCの月次売上の推移 単位は百万台湾元 1台湾元=5.01円 出典:TSMCの決算を元に筆者作成


台湾の半導体を含むIT業界は、毎月主要IT企業の売上額を集計、発表している。しかも発表が早い。企業が発表する四半期ごとの決算報告よりも売上額だけは速く発表されるため、少なくとも成長度合いを早く知ることができる。10月の発表では、UMCの売上額も報告されたが、前年同月比0.36%減の212億9500万台湾元と伸びていなかった。その絶対額もTSMCの1/10以下となり、もはやライバル関係ではなくなった。

これに対しTSMCの売上額は毎年10月の売上額は飛びぬけて高いという季節要因があるようだ。2023年も24年も10月が他の月よりも高い売上額を示してきた。今回は、これまでで最も高い単月売上額となった。TSMCの売上をけん引したのはAIデータセンター向けサーバー用の半導体の製造サービスが好調だったため。

世界半導体全体の売上額は25年9月の分で、WSTS(世界半導体市場統計)の数字に基づいてSIAが発表している。9月の694.7億ドルは前月比でも7.0%増加しており好調だが、やはりAIデータセンター需要によるものと見られる。というのは、生成AI関連需要が強い米国が平均を大きく上回る30.6%増加したからだ。日本は10.2%減というありさまで、半導体を購入する企業が少なくなってきている。

日本を代表する企業の一つ、キオクシアの25年7〜9月期の決算が発表された。売上額は前年同期比7%減の4483億円、営業利益は859億円となった。営業利益率は19.2%とまずまず。純利益は同62%減の406億円だった。11月14日に報じた日本経済新聞によると、早坂伸夫社長は顧客の在庫調整が一巡し回復基調に向かっているとの見方を示した。直前四半期の25年4〜6月期と比較すると、7〜9月の売上収益は31%増、純利益は2.2倍となっている。減収減益といえども回復方向に向かっているということだろう。


SBGが12月にはOpenAIに225億ドルを追加出資する、と12日の日経が報じた。SBGは、OpenAIと深くのめり込んでいるようで、全米各地に巨大なAIデータセンターを設置する「スターゲート」プロジェクトでも協業する。これまで、「SBGは2024年9月以降にオープンAIに複数回出資し、25年4月にも追加出資を取り付けた。オープンAIの組織再編が10月に完了して12月の出資が決まった」(日経)。その前に、SBGは所有していたNvidiaの全株を売却し、SBGの株価は一時的に下がっている。この資金を元にOpenAIに投資するものと思われる。


日本の興味深い動きとして、半導体特区の創設を目指す動きが現れた。14日付け日経の九州地方経済面によると、九州経済連合会は半導体産業の集積を加速するため、政府に新たな特区制度作りを求めるという。具体的には、進出する企業には法人税の減免、農地転用の規制緩和などを検討する。再びシリコンアイランド構想を狙ったものだが、九州はひとつにまとまりにくく県同士のライバル意識が極めて強い。そこで半導体製造が強い熊本、半導体設計が強い福岡、半導体アセンブリが強い大分など、各県の強みを生かしたコンソーシアム的な特区にすれば世界的にも強いアイランドになるのではないだろうか。

(2025/11/17)
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