AI半導体を巡って続く超大型アプローチ、強気の読み、波紋の動き他
AI(人工知能)過熱の勢いが続いており、倫理面など規制を求める声にとどまらず、経済的な先行きへの懸念が並行している現状を受け止めている。AI半導体に注目すると、インフラ契約を確保しているOpenAI、AIロボット向け半導体に取り組むTeslaはじめ、巨額の投資によるアプローチがあらわされている。先行するNvidiaに次いで、AI半導体の具体的な製品を擁するAMDは、現下の熱い活況の市場を受けて、今後3〜5年間で売上高が年間35%増加すると強気の予測をあらわしている。そのほか、AIの過熱の一方の懸念による波紋の動きが、関連各社のマネジメント、AI半導体の取り組み、そしてメモリ半導体価格の高騰の可能性、など拡がりの様相を呈している。
≪先行きの見定め如何≫
巨額の投資が飛び交うアプローチが、大まかに分けて以下の通りである。
[OpenAI関連]
◇Sam Altman says OpenAI will top $20 billion in annualized revenue this year, hundreds of billions by 2030 (11月6日付け CNBC)
→1)*サム・アルトマン氏によると、OpenAIは今年、年間売上高$20 billion以上を達成する見込みだという。
*同社は2030年までに売上高を数千億ドル規模にまで拡大する計画だと述べている。
*OpenAIはここ数ヶ月で1.4兆ドルを超えるインフラ契約を締結しており、これらの契約費用をどのように賄うのか疑問視されている。
2)OpenAIのCEOであるサム・アルトマン氏は、このAIスタートアップ企業は今年、年間売上高$20 billion以上を達成する見込みであり、2030年までに数千億ドル規模を目指していると述べた。同社はデータセンター拡張のために1.4兆ドルものインフラ契約を確保している。
◇OpenAI’s Broadcom Pact Underscores Europe’s Strategic Chip Moment (11月12日付け EE Times Europe)
→*OpenAIとBroadcomの提携は、パフォーマンス、自律性、そして戦略的優位性を獲得するための手段として、カスタムチップへと業界全体が移行しつつあることを反映している。
*OpenAIがBroadcomと提携し、カスタムAIチップを開発するという最近の決定は、重要な節目となる。$10 billionの投資が報じられているこの動きは、NVIDIAのGPUsへの依存を減らし、OpenAI特有のニーズに合わせてハードウェアをカスタマイズすることを目指している。この戦略は、Apple、Tesla、Google、およびAmazonといった企業による同様の決定を反映しており、これらの企業はいずれも、パフォーマンス、効率性、そして統合性における優位性を獲得するために、独自チップに投資してきている。
◇Hon Hai in talks with OpenAI on data center cooperation: Chairman―Hon Hai chief discusses data center collaboration with OpenAI (11月12日付け Focus Taiwan)
→Hon Hai Precision Industry(鴻海精密工業:フォックスコン)は、OpenAIとデータセンターの共同事業について協議しており、詳細は今月後半に開催される鴻海テックデーで発表される見込みである。Young Liu会長は、AIが来年の鴻海にとって大きな成長の原動力になると述べ、第4四半期のAIサーバーラック出荷台数が「2桁台後半」の増加を予測している。
◇Foxconn confirms OpenAI partnership, doubling down on trillion-dollar compute race (11月13日付け DigiTimes)
→フォックスコンのYoung Liu会長は、直近の決算説明会で、AIはもはや単なる成長の原動力ではなく、フォックスコンの未来を形作る最も決定的な力である、というメッセージを伝えた。劉会長は、世界で最も急速に成長するコンピューティング需要に対応するため、OpenAIとの緊密なパートナーシップを準備していると述べ、2025年11月21日〜22日に開催される鴻海テックデー(HHTD)で主要詳細を発表することを約束した。
◇ソフトバンクG、OpenAIに賭ける成長 後藤CFO「最も強く期待」 (11月12日付け 日経 電子版 02:00)
→ソフトバンクグループ(SBG)が米オープンAIへの投資偏重を強めている。12月には$22.5 billion(約3兆5000億円)を追加出資する。同社とは米国各地に巨大データセンターを建設する「スターゲート」計画でも協業する。SBGはAIインフラで収益を稼ぎ出す「プラットフォーマー」を目指して投資のアクセルを踏み続ける。
[Tesla関連]
◇Tesla Considers Building ‘Tera Fab’ to Meet Future Chip Needs (11月7日付け EE Times)
→1)イーロン・マスク氏は、AIロボット向けチップ需要を満たすため、テスラのテラファブ建設を検討している。果たして実現するのだろうか、それともまたしても大胆な約束に過ぎないのだろうか?
2)新たに承認された1兆ドルの報酬パッケージに期待を膨らませるイーロン・マスク氏は、昨日テキサス州オースティンで開催されたテスラの年次株主総会で、ごく少数の投資家に対し、チップ製造の構想を語り、テスラのチップ需要を満たすために月産100万枚規模の「テラファブ」を建設する計画を明かした。
3)イーロン・マスクは、新たに1兆ドル規模の報酬パッケージを受け取ったことで意気揚々と、テスラの投資家に対し、自身は半導体チップに夢中になっており、TSMC、サムスン、およびインテルといった既存メーカーの供給能力を超えてAI5およびAI6チップの需要を満たすため、月間最大100万枚のウェハーを生産できる巨大な「テラファブ」を建設する計画だと語った。
4)イーロン・マスク氏はテスラの株主に対し、テスラのAIとロボット工学への野望に対するチップ需要の急増に対応するため、毎月100万枚のウエハーを生産できる大規模な「テラファブ」を建設する計画だと語り、Optimusロボットを人類史上最大の製品チャンスと呼んだ。
◇Intel and Tesla: A Potential AI Chip Alliance Set to Reshape Automotive Autonomy and the Semiconductor Landscape (11月7日付け WRAL News)
→イーロン・マスク氏は、テスラが次世代AIチップであるAI5およびAI6の製造に関してインテルとの提携を検討していることを明らかにした。これは、自動運転およびロボット工学向けの大規模な供給体制を確保することを目的としている。この動きは、自動車向けAIの勢力図を塗り替え、Nvidiaに挑戦状を突きつけ、インテルのファウンドリ事業を活性化させる可能性を秘めている。
◇Elon Musk says Tesla needs to build ‘gigantic chip fab’ to meet AI and robotics needs (11月7日付け CNBC)
→1)*マスク氏は、テスラが必要とするチップの量を満たすためには、「巨大な」半導体製造工場を建設する必要があるだろうと述べた。
*テスラはTSMCとサムスンに依存しているが、サプライヤーの生産量を拡大しているにもかかわらず、依然として供給不足に直面している。
*テスラのチップ需要の増加は、マスク氏が世界経済の未来と見なすAIとロボット工学といった分野への注力に伴うものだ。
2)テスラのイーロン・マスクCEOは、TSMCとサムスンからの供給不足を理由に、AIとロボット工学における野心を実現するためには、「巨大な」半導体製造工場を建設する必要があるかもしれないと述べた。テスラはカスタムチップの生産を計画しており、月間10万枚から100万枚のウェハー生産を目指している。
◇Musk confirms Tesla AI5 and AI6 will be made at both Samsung and TSMC, reinforcing dual-foundry strategy―Tesla CEO confirms AI5, AI6 to be made by Samsung, TSMC―New comments from Musk confirm dual-fab production for Tesla's AI5 and AI6. (11月10日付け Tom's Hardware)
→テスラのCEO、イーロン・マスク氏は、同社がデュアルファウンドリー戦略を採用しており、AI5とAI6チップはサムスン電子のテキサス州テイラー工場とTSMCのアリゾナ州工場で製造されると述べた。各ファウンドリーで設計から物理的な形状への変換が行われるため、チップの性能は若干異なる。AI5はAI4の40倍の性能を持つと予想されており、2026年に生産開始予定。AI6は1年後に続き、AI5の2倍の性能を目指している。
[Anthropic]
◇米AI新興アンソロピック、7.7兆円インフラ投資 OpenAIに対抗 (11月13日付け 日経 電子版 05:21)
→AI開発の有力新興企業、米アンソロピックは12日、米国でデータセンターなどのAIインフラに$50 billion(約7兆7000億円)を投じると発表した。初となる自前の設備を2026年に稼働させる。巨額投資を進める競合の米オープンAIに対抗し、AI開発や運用の基盤を確保する。AIの計算処理を担うデータセンターを米東部ニューヨーク州と南部テキサス州に設ける。
次に、今後の強気の読みについて、AMDの予測である。
◇AMD’s Lisa Su sees 35% annual sales growth driven by ‘insatiable’ AI demand (11月11日付け CNBC)
→1)*AMDのCEO、リサ・スー氏は、今後3〜5年でデータセンター向けAIチップ市場で「2桁」のシェアを獲得できる可能性があると述べた。
*AIチップ市場は現在、NVIDIAが市場シェアの90%以上を占め、圧倒的なシェアを占めている。
*AMDは、AIチップへの「飽くなき」需要に牽引され、今後3〜5年間で売上高が年間約35%増加すると予測している。
2)AMDのCEO、リサ・スー氏は、AIチップ需要の急増を背景に、今後3〜5年間で売上高が年間35%増加すると予測している。スー氏は、AMDのAIデータセンター事業が年間80%成長し、2027年までに売上高が数百億ドルに達すると予測している。
◇AMD predicts accelerating sales growth on data center demand in next five years (11月13日付け Taipei Times)
→1)ゴールドラッシュ:「AIの変化の速度とペースは、私がこれまで見てきたものを超えている」と、データセンター事業者が「事業に真の価値」を見出している中、リサ・スー氏は述べた。
2)AMDは、AIデータセンター製品への需要の急増を背景に、今後5年間で年間売上高35%以上の成長を予測している。CEOのリサ・スー氏は、OpenAIおよびOracleとの提携が市場の力強い勢いを牽引し、AI売上高は年間80%増加すると述べた。
◇AMD、株価一時11%高 「年平均35%増収」強気見通し表明で (11月13日付け 日経 電子版 04:44)
→米半導体大手AMDの株価が12日、米株式市場で前日終値に比べ一時約11%上昇した。今後3〜5年で年平均で35%以上の増収率を見込むと表明したのを受け、高成長への期待が高まった。AI半導体で米エヌビディアの対抗馬として台頭している。AMDは11日にアナリスト向けの説明会を開いた。
そして、多方面に及ぶ波紋の動きである。これも大まかに分けて示していく。
[新たな取り組み]
◇元「プレステ」CPU開発者、NVIDIAの壁に挑む AI半導体会社設立―サーチライト (11月10日付け 日経 電子版 05:00)
→日本で米エヌビディアに対抗しようと意気込むAI半導体スタートアップが始動した。ソニーグループの家庭用ゲーム機「プレイステーション2(PS2)」の演算装置開発を担った技術者や、かつて富士通で世界一だったスーパーコンピューターの開発者らが集まった。「エヌビディア1強」の現状への危機感を胸に、高い壁に挑む。
日本でAI半導体を設計開発する企業が設立されるのは珍しい。
◇東大松尾教授参画のAI新興、80億円調達 三菱UFJなど出資 (11月12日付け 日経 電子版 02:00)
→AIスタートアップのThird Intelligence(東京・千代田)が、三菱UFJ銀行などを引受先とする第三者割当増資で80億円を調達したことが分かった。調達資金は人間と同様に様々なタスクを実行できる、国産の「汎用人工知能(AGI)」の開発に充てる。
[各社の取り組み]
◇Arm’s DreamBig Acquisition Reignites In-house Chip Prospects―Arm's DreamBig buy may signal shift to selling its own chips (11月11日付け EE Times)
→1)*Armは、AIチップ事業への野望を加速させるため、DreamBig Semiconductorを買収した。
*EE Timesが今年発表した、チップレット技術で注目すべきスタートアップ企業リスト「Silicon 100」にも選出されたDreamBig Semiconductorが、Armに買収された。この発表は、Armの最新決算報告の中で明らかにされた。この決算報告では、英国の半導体IPサプライヤーであるArmが、2025年10月にDreamBigを$265 millionで買収することで合意していた。
2)ArmはDreamBig Semiconductorを$265 millionで買収した。これは、AIとデータセンターの需要を取り込むために、自社製チップの製造へと移行する兆候である可能性がある。チップレット技術と高性能アクセラレータソリューションで知られるDreamBigは、MarsチップレットプラットフォームとMercury AI-SuperNICをArmに提供する。ArmがDreamBigの設計をライセンス供与するのか、それとも完全なチップとして製品化するのかという疑問が生じている。
3)Armは、AIおよびデータセンター戦略の加速を目指し、DreamBig Semiconductorを$265 millionで買収した。DreamBigのMARSチップレットプラットフォームとMercury AI-SuperNICは、高帯域幅かつエネルギー効率の高い接続性を提供し、Armの独自AIチップの設計・販売への取り組みを強化する。
[厳しい見方]
◇AI spending is not all equal. Wall Street rewards hyperscalers, punishes DoorDash and Duolingo (11月11日付け CNBC)
→1)*DoorDash、DuolingoおよびRobloxの株価は、AIとイノベーションへの大規模投資計画を投資家に警告したことを受けて下落した。
*巨大企業への待遇は異なり、アルファベットとアマゾンは設備投資のガイダンスを引き上げた後、ウォール街から好感を持たれた。
*「投資家は投資サイクルを好まない」と、Evercore ISIのMark Mahaney氏は先週、CNBCの「Closing Bell: Overtime」で語った。
2)AI関連投資が急増する中、アマゾン、グーグル、およびマイクロソフトといった巨大テック企業は投資拡大の恩恵を受けている。一方、DoorDash、Duolingo、およびRobloxといった中堅企業は、投資家がコストのかかる成長戦略と収益性見通しに疑問を抱く中、株価が急落している。
◇Wall Street cools on Oracle’s buildout plans as debt concerns mount: ‘AI sentiment is waning’ (11月13日付け CNBC)
→1)*オラクルは、AIインフラ構築の資金調達を債券市場に依存する傾向を強めている。
*投資家の懸念は高まり、株価は9月の高値から30%以上下落した。
*Barclaysのアナリスト、Andrew Keches氏は今週、顧客向けメモで「ORCLの信用力の軌道が改善する見込みは薄い」と述べた。
2)投資家の熱意が薄れる中、オラクルの株価は急落。AI関連株の急騰後、株価は3分の1下落した。OpenAIの巨額投資への疑念とオラクルの巨額資金調達ニーズは、同社の大胆なクラウド収益目標と資金調達戦略に対する懐疑的な見方を高めている。
[市場の見方関連]
◇AI Memory: Enabling The Next Era Of High-Performance Computing―New memory architectures bring bandwidth and efficiency, but also significant test and validation challenges. (11月11日付け Semiconductor Engineering)
→AIの爆発的な成長は、高帯域幅でエネルギー効率の高いメモリの需要を牽引している。HBMは、速度と効率を向上させるスタック設計によりトレーニングを牽引し、LPDDRは推論とエッジAIを強化する。高度なパッケージングは、メモリの設計とテストに変革をもたらしている。
◇[News] TSMC, Samsung Reportedly Cut 8-Inch Wafer Output, Boosting Korea’s DB HiTek (11月12日付け TrendForce)
→サムスンとTSMCは、GPUなどの先端チップ向けとして200mmファウンドリ生産から撤退し、300mmウェーハを優先している。このシフトは、韓国のDB HiTekの成長を後押ししている。同社は200mmウェーハに関する専門知識と急増するパワー半導体需要によって、利益と稼働率を押し上げている。
◇Samsung raised memory chip prices by up to 60% since September, according to reports - AI data center build out strangles supply―Reports: Samsung hikes memory chip prices amid AI demand (11月14日付け Tom's Hardware)
→1)これは、今後のメモリ価格の大幅な上昇を予兆する炭鉱のカナリアとなる可能性がある。
2)報道によると、サムスン電子はAIデータセンターの需要急増を受け、過去2ヶ月でメモリチップの価格を最大60%引き上げており、この動きを受けて一部企業がメモリの買いだめに動いているという。アナリストは、メモリ不足は2026年に悪化し、最大10年間続く可能性があると指摘している。
◇半導体装置に「スーパーサイクル」論 AI投資過熱も各社が強気見通し (11月14日付け 日経 電子版 08:13)
→世界の半導体需要が2026年に急拡大するとの見方が強まっている。半導体製造装置大手が7〜9月期(一部は8〜10月期)決算を発表し、各社のトップが強気の見通しを示した。AI向けデータセンター投資の過熱への懸念もあるなか、装置業界は需要の急拡大期を意味する「スーパーサイクル」に入るとの声が出ている。
◇Semiconductor Chip Market to Grow 16.1% Annually Despite Global Shortage (11月14日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)
→BCCリサーチの最新調査「半導体チップ:用途と不足の影響」によると、2025年から2030年の予測期間中に年平均成長率(CAGR)16.1%で成長し、2025年の$737.2 billionから2030年末には$1.6 trillionに達すると予測されている。
[各社マネジメント関連]
◇Intel CEO to oversee its AI efforts after executive departs for OpenAI (11月11日付け Reuters)
→インテルのCEO、リップブー・タン氏は、CTOのSachin Katti氏がOpenAIに入社し、AGI研究のためのコンピューティング・インフラストラクチャの設計に携わるため退社した後、同社のAIイニシアチブを率いることになる。カッティ氏の退社は、AIチップとファウンドリーサービスにおける競争力回復に苦戦するインテルにとって、さらなる幹部の退社となる。
◇AI研究の権威、ヤン・ルカン氏がメタ退社か FT報道 (11月13日付け 日経 電子版 05:23)
→英フィナンシャル・タイムズは12日までに、AI研究の第一人者であるヤン・ルカン氏が米メタを退社する意向だと報じた。基礎研究に重点を置くルカン氏と、「超知能」開発を急ぐメタとの間で意見の相違が生まれた可能性がある。
FTによると、ルカン氏は数カ月以内にメタを退社する意向を関係者に伝えた。スタートアップを立ち上げ、資金調達についての議論も始めたという。
[様々なリスク関連]
◇AI agents open door to new hacking threats (11月12日付け Taipei Times)
→1)サイバーセキュリティの専門家は、次世代のジェネレーティブAIであるAIエージェントが、「query injection」攻撃によってハッカーに乗っ取られる可能性があると警告している。これらの攻撃はAIの動作をリアルタイムで操作できるため、大手企業は防御力を強化し、ユーザー監視の強化を求めている。
2)サイバーセキュリティの専門家は、生成型AIの次世代であるAIエージェントが「query injection」攻撃のリスク増大に直面していると警告している。これらのシステムがオンラインで自律性を獲得するにつれ、研究者たちはハッカーによる悪用を防ぐために、より強力な安全対策と人間による監視を求めている。
(注)SQL(Structured Query Language)injection...悪意のあるコードを挿入し、後で SQL Server のデータベースエンジンのインスタンスに渡すことで解析と実行を行う攻撃
◇中国のハッカー、AIでサイバー攻撃を自動化 米アンソロピックが警告 (11月15日付け 日経 電子版 05:01)
→AI新興の米アンソロピックは13日、中国のハッカー集団が自社のAIをサイバー攻撃に利用していたと発表した。データを流出させるためのソースコード(ソフトの動作指示)の生成など作業の8〜9割をAIが実行していた。人間が関与せず、AIで自動化したサイバー攻撃が増える可能性があると警告した。
過熱のほとぼりが今後どうなっていくか、それぞれの先行きを注視するところである。特に、半導体市場の変貌の深まり如何に、今後の注目である。
激動の世界の概況について、以下日々の政治経済の動きの記事からの抽出であり、発信日で示している。
□11月10日(月)
米国および中国それぞれ、関税引き下げが、合意通り行われている。
◇米中両政府が関税引き下げ、首脳合意を履行 日本経済にも効果期待 (日経 電子版 17:26)
→米中両政府は10日、互いに追加関税を引き下げた。米国は合成麻薬フェンタニルを理由とした20%の対中関税を10%に下げ、中国も米国産大豆などに適用していた最大15%の報復関税を停止した。トランプ米大統領と中国の習近平国家主席が10月30日に韓国で開いた首脳会談で合意した。
□11月11日(火)
政府閉鎖解除を受けて最高値更新の前半から、12月利下げ観測後退で後半下げる展開となった、今週の米国株式市場である。
◇NYダウ381ドル高、ナスダック2%高 米政府閉鎖解除への動きを好感 (日経 電子版 07:01)
→10日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、終値は前週末比381ドル53セント(0.81%)高の4万7368ドル63セントだった。米連邦政府機関の一部閉鎖の解除に向け前進したことが好感された。エヌビディアが大幅高となるなど、前週に下げたハイテク株を中心に見直し買いが入った。
□11月12日(水)
◇孫正義氏のNVIDIA株手じまい、米テック株に寒風 (日経 電子版 06:48)
→11日の米株式相場は大幅続伸し、ダウ工業株30種平均は前日比559ドル(1.2%)高の4万7927ドルで引け、2週間ぶりに最高値を更新した。ベテランズデーで債券市場は休場。株式市場の参加者も少ないなか、米政府閉鎖の終結に対する期待感が相場を支えた。米連邦議会上院は前日夜、つなぎ予算案を可決した。
□11月13日(木)
◇NYダウ最高値、政府閉鎖の解除期待 AI投資懸念でテック株安は継続 (日経 電子版 07:23)
→12日の米株式相場は続伸し、ダウ工業株30種平均は前日比326ドル高の4万8254ドルと最高値をつけた。米政府閉鎖が解除へ向かうことへの期待が相場を支えた。一方、ハイテク株が多いナスダック総合株価指数はAIの過剰投資への懸念が根強く、前日比0.3%安と続落した。ダウは初めて4万8000ドル超えて取引を終えた。史上最長となった政府閉鎖が終了し、米国の経済活動が正常化することへの期待が高まっている。
米国政府閉鎖が最長を記録、やっと終了、傷跡もあらわされている。
◇米政府閉鎖が終了 経済に1.7兆円の傷、10月雇用統計は欠損の懸念 (日経 電子版 12:31)
→過去最長となった米政府閉鎖が12日、終了した。43日間の機能停止で集計できなかった10月分の雇用統計は欠損となる可能性がある。勝者なき政治闘争は経済に$11 billion(1.7兆円)規模の傷痕を残す。
□11月14日(金)
◇NYダウ797ドル安 利下げ観測後退でテック売り、NVIDIA4%安 (日経 電子版 06:25)
→13日の米株式相場は急落した。テクノロジー株主導で売りが広がり、テック銘柄の組み入れの大きいナスダック総合株価指数は前日比2%の大幅安となった。ダウ工業株30種平均は4万7457ドルと同797ドル安の急落となった。これまで急激に上昇してきたテック株の割高感に加えて、12月の追加利下げ期待が後退したことが響いた。
□11月15日(土)
◇NYダウ続落、2日で1100ドル超下落 12月利下げ論後退で景気警戒 (日経 電子版 06:20)
→14日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、前日比309ドル(0.7%)安の4万7147ドルで引けた。12月の米利下げを巡る観測の後退に伴い、ダウ平均は直近2日間で計1107ドル下落した。景気警戒に波及し、一般消費財など景気敏感株の下げが目立つ。もっとも、このところ弱かったテクノロジー銘柄には見直し買いも入っている。
≪市場実態PickUp≫
【Nvidia】
AI関連市場を先行&主導するNvidiaの今後に向けた取り組みとともに、同社の性能を大きく上回るとするスタートアップについて、以下の通りである。
◇Nvidia Unveils Blueprint for Urban AI at SCEWC―Accelerated compute and Digital Twins lay the groundwork for the urban 'AI Factory' (11月6日付け EE Times)
→1)Smart City Expo World Congress(SCEWC)において、都市のリーダーたちは、公共サービスの変革に向けた高性能AIの実用化に焦点を当てた。
SCEWCにおける活発な技術議論の中、アクセラレーテッド・コンピューティングとAIによって推進される都市管理の根本的な変化が進行している。NVIDIAは、「アクセラレーテッド・コンピューティングの創造者」としての地位を活用し、「都市の頭脳」と呼ぶものを構築している。これは、地方自治体を常に事後対応的な管理から、プロアクティブでデータ主導のガバナンスへと移行させるための中央知能システムである。
2)スマートシティエキスポにおいて、Nvidiaはコンピュータービジョン、生成AI、およびデジタルツインを組み合わせた「AIファクトリー」と呼ばれるAI駆動型都市管理システムを披露した。これらのシステムにより、都市は先を見越した行動を取り、サービスを最適化し、そして課題に迅速かつ低コストで、しかも地域主導で対処できるようになる。
◇NVIDIA’s Next-Gen Rubin GPUs Have Reportedly Entered Production, Also Secures HBM4 Samples From All Major DRAM Manufacturers―Report: Nvidia's Rubin GPUs enter production with HBM4 samples (11月9日付け Wccftech)
→NVIDIAのCEOであるジェンセン・フアン氏は、次世代GPUs「Rubin」が既に生産段階に入っていることを確認したと報じられている。Rubin GPUsは、主要サプライヤー各社からHBM4メモリのサンプルも確保済みだという。NVIDIAは以前、Rubin GPUsは2026年第3四半期までに量産体制に入る予定だと発表していた。
◇Tachyum processor claims 21x performance of Rubin Ultra―Tachyum's Prodigy Ultimate targets for AI, HPC markets (11月13日付け Electronics Weekly (UK))
→1)CPU、GPUおよびTPUを統合したUniversal Processorを開発するラスベガスのプロセッサスタートアップ企業、Tachyumは、2nmプロセス技術を用いた同社のProdigy Ultimateプロセッサが、NVIDIA Rubin Ultra NVL576の最大21.3倍のAIラック性能を提供すると主張している。推論性能は1,000PFLOPSで、Rubinの50PFLOPSを上回る。
2)Tachyumは、同社の2nmプロセス技術を用いたProdigy Ultimateプロセッサが、NVIDIA Rubin Ultra NVL576の21.3倍のAIラック性能を提供し、推論性能は1,000PFLOPSで、Rubinの50PFLOPSを上回るとしている。Prodigy Ultimateは、1,024個の高性能コアと24個のDDR5メモリコントローラーを搭載し、AI、高性能コンピューティング(HPC)およびサーバー市場をターゲットとしている。
◇Tachyum reveals 2nm Prodigy processor promising major AI performance gains (11月13日付け New Electronics)
→Tachyum は、2nm プロセス ノードで構築された次世代のProdigy Universal Processorを発表し、AIワークロードとHPCで前例のないパフォーマンスを実現すると主張している。
◇Nvidia to centralize AI server assembly with select manufacturers, altering ODM shipment model―Sources: Nvidia to seek more control over AI server assembly processes (11月13日付け DigiTimes)
→NVIDIAは、システム組み立て工程の管理を強化するため、AIサーバーODM出荷モデルを調整する予定だ。サプライチェーン筋によると、台湾のWistron Group、Quanta、およびFoxconnが組み立てを取り扱う。
【中国関連】
多方面に及ぶ以下の内容であり、大まかに分けている。
[半導体国産化]
◇China’s key weapons in its AI battle with the U.S. - massive Huawei chip clusters and cheap energy (11月6日付け CNBC)
→1)*中国のAI分野における米国との競争戦略は、ファーウェイ製チップの大規模なクラスターと安価なエネルギーを中心に展開されている。
*ファーウェイのシステムは一部の指標ではNvidiaのシステムと競合できるものの、より多くのチップと膨大なエネルギーを必要とする。
*中国政府の補助金、エネルギー割引、そして低価格の電力供給によって、これらのシステムの使用が可能になっている。
2)中国は、チップ性能ではNvidiaに後れを取っているにもかかわらず、安価なエネルギーとファーウェイ製チップの大規模クラスターを活用することでAI分野で進歩を遂げている。アリババやDeepSeekといった国内企業は、米国の輸出規制下においても、国産半導体を用いて高性能AIモデルを開発している。
◇China GenAI: Who Will Fill The Vacuum?―Jensen Huang: “We went from 95% market share to 0% in China.” (11月10日付け Semiconductor Engineering)
→米国は中国の軍事利用を制限するため、AIアクセラレータの輸出規制を強化し、NVIDIAの中国での売上高をゼロにまで減少させ、年間$35 billionの損失を被った。これに対し、中国はファーウェイ、アリババ、および百度が開発を主導し、国産チップの生産を加速させている。
◇China officials overseeing allocation of high-end AI chips, prioritizing homegrown options - government's AI chip pivot accelerates as US export restrictions bite―Reports: China prioritizes domestic AI chips amid US curbs―Huawei accelerators gain traction as Chinese cloud giants retrain away from Nvidia silicon. (11月12日付け Tom's Hardware)
→報道によると、中国当局は米国の輸出規制を受け、高性能AIチップの流通を監督し、HuaweiのAscendシリーズなどの国産チップを優先している。この変化は、国営データセンターやパブリッククラウドのプロジェクトで特に顕著で、現在、これらのプロジェクトでは外国製AIチップの使用が禁止されている。
◇China’s Tech Giants Race to Replace Nvidia’s AI Chips ―As China sours on Nvidia, homegrown players try to fill the void (11月13日付け IEEE Spectrum)
→中国は、国家からの圧力、安全保障上の懸念、そして輸出制限により、企業が国産AIチップへの移行を迫られる中、NVIDIAへの依存を減らす動きを見せている。HuaweiはAscendシリーズと大規模スーパーコンピューティングクラスターでこの移行をリードしているが、業界関係者は完全な導入には依然として慎重な姿勢を崩していない。
[米中はじめ摩擦関連]
◇China warns Dutch away from Nexperia as it lets chip exports resume―Netherlands court still overseeing governance at the chipmaker (11月7日付け The Register)
→中国が半導体メーカーであるNexperiaへの輸出許可を承認し、欧州への出荷が再開されたことで、中国とオランダ間の緊張は緩和された。自動車業界にとっては朗報となったものの、オランダ政府による経営支配や企業監督に関する問題は依然として未解決のままだ。
◇China suspends some critical mineral export curbs to the U.S. as trade truce takes hold (11月9日付け CNBC)
→1)*中国は、2025年10月9日に発表した複数のレアアース、加工技術、リチウム電池材料などの輸出制限を一時停止した。
*この撤回は、2024年12月に遡るガリウム、ゲルマニウム、アンチモンなどの超硬材料への輸出制限にも適用された。
*輸出制限の緩和は、10月30日に釜山で行われた習近平国家主席とトランプ大統領の会談後の進展を示している。
2)中国は米国への重要鉱物およびレアアースの輸出制限を緩和し、持続的な貿易休戦を示唆した。この撤回は釜山での習近平国家主席とトランプ大統領の会談を受けて実施され、ハイテク産業に不可欠なガリウム、ゲルマニウム、グラファイト、およびリチウム材料に対する規制緩和が含まれている。
◇中国、ガリウムなども対米輸出禁止を1年停止 米中首脳会談受け (11月9日付け 日経 電子版 14:59)
→中国商務省は9日、半導体材料などに使うガリウムやゲルマニウムといったレアメタルの米国向け禁輸措置を停止すると発表した。米中首脳会談の合意を受けたもので、2026年11月27日までを停止期間とした。中国は24年12月からガリウムやアンチモンなどのレアメタルの対米輸出を禁止していた。グラファイトもエンドユーザーや用途に関する審査を厳しくした。
◇ネクスペリア、民生用半導体の輸出再開 中国が態度軟化 (11月11日付け 日経)
→中国商務省は9日、オランダに本社を置く中国資本の半導体メーカー、ネクスペリアの製品について、民生用の輸出を解禁すると発表した。これまでは中国の工場からの出荷を制限していた。同社を管理下に置いたオランダ政府が措置の解消を検討しており、中国側は態度を軟化させている。
◇China is doing everything to stand on its own (11月14日付け Taipei Times)
→1)今のところ米国は優位に立っているが、中国が真に信頼できるエコシステムを構築すれば、その優位性は薄れるだろう。そして、中国共産党が特定の産業で成功しようと決意した時に何が起こるかを世界は既に目の当たりにしている。
2)習近平国家主席が技術力の向上、国内のイノベーションの推進、そして米国の圧力に対抗するための軍民融合の深化を進める中、中国は自立への取り組みを強めている。経済的な緊張にもかかわらず、北京は対外依存からの脱却とグローバルサプライチェーンの再構築に向けた取り組みを加速させている。
[YMTCの取り組み]
◇YMTC breaks ground on third fab―Reports: YMTC starts third fab, plans to increase production (11月11日付け Electronics Weekly (UK))
→1)日経新聞によると、Yangtze Memory Technologies Corp(YMTC:揚子江メモリーテクノロジーズ)は武漢で3番目のNAND工場を建設し、2027年に最初のシリコン生産を開始する予定だ。同社はまた、2番目の工場も拡張しており、DRAM市場への参入も検討しているという。
2)YMTCは、中国・武漢で3番目のNANDフラッシュメモリ工場の建設を開始し、2027年にシリコン生産を増強する計画だと報じられている。YMTCは2番目の工場も拡張しており、世界生産能力シェアを10%以上に引き上げ、NANDフラッシュメモリ市場でマイクロン・テクノロジーに迫り、4位の座を狙っている。
[AI懸念対応]
◇中国政府「AIのウソ」氾濫を警戒 9年ぶり法改正で取り締まり (11月11日付け 日経 電子版 11:00)
→中国政府は生成AIでつくった悪質なフェイク画像や動画の取り締まりを強化する。国内で誘拐事件の被害者を装ったり、実際には起きていない大地震の被害を伝えたりするSNS投稿が相次いでいるためだ。捏造したコンテンツが政権批判などに利用されかねないとの警戒感がにじむ。
2026年1月に改正インターネット安全法を施行する。
[新技術]
◇New Chinese optical quantum chip allegedly 1,000x faster than Nvidia GPUs for processing AI workloads - firm reportedly producing 12,000 wafers per year―CHIPX claims AI processing breakthrough―Nvidia is also investing in similar optical quantum technology (11月14日付け Tom's Hardware)
→中国企業のChip Hub for Integrated Photonics Xplore(CHIPX)は、AIワークロードをNVIDIAのGPUsの1,000倍高速に処理できるとされる光量子チップを開発した。CHIPXによると、このチップは既に航空宇宙や金融分野で利用されており、光子と電子部品の共パッケージング技術を活用することで、コンパクトかつスケーラブルな構成を実現しているという。
【Foxconn関連】
OpenAIとの連携を上に示しているが、ここではAI需要で最高益を記録した直近四半期業績について、以下の通りである。
◇Nvidia supplier Foxconn third-quarter profit beats expectations, rising 17% on AI demand (11月12日付け CNBC)
→1)*フォックスコンの第3四半期の利益は、AIサーバーの需要急増に支えられ、前年同期比17%増となりました。
*同社は、AIおよびICT製品が牽引役となり、下半期も引き続き成長を続けると見込んでいる。
*同社は、AIおよび自動化への取り組みを強化するため、NVIDIA、Stellantis、Uberおよび三菱電機との提携を拡大している。
2)フォックスコンは、AIサーバーおよびデータセンターの需要急増に支えられ、第3四半期の利益が前年同期比17%増となったと報告した。同社は、NVIDIAおよび三菱電機との提携を活用し、民生用電子機器以外の分野にも事業を拡大することで、継続的な成長を見込んでいる。
◇鴻海、AI需要で最高益 7〜9月17%増 「ブーム持続を楽観」 (11月13日付け 日経)
→台湾電機大手の鴻海精密工業が12日発表した2025年7〜9月期決算は、純利益が前年同期比17%増の576億台湾ドル(約2850億円)と同期間として過去最高となった。世界的なAIブームがAIサーバーの販売拡大につながった。米国工場の人手不足が成長持続の課題に浮上する。
7〜9月期の売上高は11%増の2兆589億台湾ドルと同期間として過去最高を更新した。
【注目の取り組み2点】
世界最小のGPU、そしてArmアーキテクチャー&AIチップレット統合、と2点注目である。
◇The world's ‘tiniest GPU’ heads to production - 200,000-transistor TinyGPU v2.0 can render gamepad-manipulated 3D images with up to 1K triangles in real-time―FPGA enthusiast submits "tiniest GPU" to Tiny Tapeout―This standalone 25 MHz GPU outputs at 320 x 240 pixels with 4-bit color, performing 3D rasterization, transformations, and lighting. (11月9日付け Tom's Hardware)
→アマチュアのフィールドプログラマブルゲートアレイ設計者、Pongsagon Vichit氏が、世界最小のGPUと称されるTinyGPU v2.0を発表した。20万個のトランジスタを搭載し、25MHzで動作する。このスタンドアロンプロセッサは、320 x 240ピクセルの3D画像を4ビットカラーでレンダリングし、ラスタライズ、変換およびライティング(lighting)処理を実行できる。
◇Tsavorite takes on Nvidia with composable AI chiplets based on Arm’s Neoverse architecture―AI startup Tsavorite touts chiplet's connectivity, scalability (11月10日付け SiliconAngle)
→Tsavoriteは、GPU、CPU、メモリ、そして接続機能を1つのデバイスに統合したチップレット「Omni Processing Unit」を発表した。ArmのNeoverseアーキテクチャをベースとするOPUは、MultiPlexusファブリックを使用することで、高速なネットワーク構築と拡張性を実現する。このAIスタートアップ企業は、このコンポーザブルチップレットに対し、米国、欧州およびアジアで$100 million以上の受注を獲得している。
◇Tsavorite secures over $100 million in pre-orders for AI chips to scale workflows (11月10日付け Reuters)
→AIスタートアップ企業のTsavorite Scalable Intelligenceは月曜10日、AIワークロードの拡張に使用されるチップの導入のため、米国、アジアおよび欧州の企業やクラウドプロバイダーから$100 million以上の事前注文を獲得したと発表した。
◇AI Chip Startup Tsavorite Emerges With $100 Million In Pre-Orders (11月13日付け EE Times)
→AIチップのスタートアップ企業であるTsavorite Scalable Intelligenceは、チップレットベースのAI推論アクセラレータの先行予約が$100 millionに達し、ステルスモードから脱却した。Tsavoriteのチップレットベースのソリューションは、独自のファブリックを介してロボットエッジからデータセンターまで拡張可能である。
【ASML関連】
グローバルなサプライヤ・ネットワーク、そして韓国での新キャンパスの開設について、以下の通りである。
◇[News] ASML’s Magic Uncovered: Tech and Partners Behind Its EUV Edge China Can’t Replicate (11月10日付け TrendForce)
→中国は国産リソグラフィー装置の開発を急いでいるが、ASMLのEUV技術における圧倒的な優位性は依然として揺るぎない。ASMLはグローバルな統括役として、ZeissやCymerといった100社以上の有力サプライヤーを調整し、中国がまだ複製できない5nm以下のチップ製造を可能にする$350 millionもの高額な装置を生産している。
◇ASML unveils Hwaseong Campus as it looks to deepen ties with Samsung and SK hynix―ASML's S. Korean campus to foster Samsung, SK Hynix ties―ASML, the Dutch semiconductor equipment maker, has unveiled a new campus in South Korea. (11月12日付け New Electronics (UK))
→ASMLは、サムスン電子およびSKハイニックスとの連携強化のため、韓国に$164 millionを投じた新キャンパスを開設した。この施設は、メンテナンス施設、トレーニングセンター、そして深紫外線(DUV)および極端紫外線(EUV)リソグラフィー技術の再生センターを備え、アジアの主要拠点となる。
◇ASML completes construction of chip equipment plant in S. Korea (11月12日付け Yonhap News Agency)
→ASMLは韓国の華城市に1万6000平方メートルの新しい製造キャンパスを完成させ、半導体サプライチェーンを強化し、サムスンやSKハイニックスとの技術協力を深めるとともに、アジアのチップエコシステム全体で戦略的プレゼンスを拡大している。


