Wolfspeed再起動、チャプター11からの素早い復帰で攻めに転ずる
SiCパワーデバイスの基板やデバイスを提供していたWolfspeedが再起動する。2025年6月に日本の民事再生法に相当する米連邦破産法第11条(通称チャプター11)の適用を申請、以来再建の道を歩んできたが、このほど財務の再構築を成功裏に終えた。フリーキャッシュフローの自己資金を元にSiCの200mm垂直統合ラインを活用していくという。
図1 Wolfspeedが生産してきたSiCパワートランジスタ 出典:Wolfspeed, Inc.
Wolfspeedは、SiCウェーハ製造からそれを使ったパワートランジスタ(図1)まで手掛けている垂直統合型の企業である。競争力のある200mmラインはこれからの重要なインフラになる。
破産申請以来、Wolfspeedは再建の道を進めてきた。ルネサスエレクトロニクスは破産よりずっと前に、SiCウェーハを確保するため、「前金」としてWolfspeedに20億ドルを預託し、ウェーハ基板を10年間供給してもらう契約を結んでいた。ルネサスは、この20億ドル分を損失計上していた。この預託金を出資金に変換し、ルネサスはWolfspeedの株主となった。
再建の過程の中で、Wolfspeedは債務を70%削減し、2030年までに債務返済の満期を迎える。加えて、年間の現金利息を60%に減らし、潤沢な流動性を維持していく。資金を回しながら顧客にSiCのソリューションを提供する。自己資金を増やしながら、新しいビジネスプランとして200mmの製造ラインを活用するという有利な立ち位置にいることで、セキュアで拡張性のある米国のサプライチェーンの土台を堅固にして、持続可能な成長へと進めていくとしている。
同社CEOのRobert Feurle氏は次のように語っている。「Wolfspeedは再建のプロセスを急速に進めてきた。新時代の幕開けを新しいエネルギーを持って成長するという気持ちと起業家精神をもって、Wolfspeedを再起動する。新時代に向け、安定な財務を築き、スケールアップしていく『さら地』と、垂直統合型の200mm工場、資金力のあるバックと共に未来を切り開いていく」。
「さらに立ち上がってくるエンド市場の新需要、すなわちAIやEV(電気自動車)、産業、エネルギー分野などを捉えられる好位置につけている。成功を信じている価値ある社員や顧客、ベンダー、融資してくれた人たちには感謝の気持ちでいっぱいだ」と同氏は述べている。
参考資料
1. “Wolfspeed Successfully Completes Financial Restructuring, Emerges as Financially Stronger Company Well Positioned in Silicon Carbide Market”, Wolfspeed Newsroom, (2025/09/29)


