2019年5月20日
|長見晃の海外トピックス
連日各種報道を賑わせている通り、決裂の事態は回避されたものの米中摩擦は激化の一途を辿り、収束への道筋、シナリオが一向に見通せなくなってきている。トランプ政権は、中国からの輸入品すべてに制裁関税を課す「第4弾」の詳細を公表、発動は6月末以降になるとしている。6月下旬に大阪で開催の20カ国・地域(G20)首脳会議での米中首脳会談の可能性が模索されている。一方、トランプ大統領が米企業について安全保障上リスクがある企業の通信機器の調達を禁じる大統領令に署名するとともに、米商務省は中国の通信機器最大手、Huaweiに対する米国製ハイテク部品などの事実上の禁輸措置を発表している。Huaweiの半導体製造部門、HiSiliconからは、米国の措置は織り込み済みとの反応もみられている。
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2019年5月15日
|服部毅のエンジニア論点
昨年7月に「韓国でなかなか育たない非メモリビジネス事情―韓国政府の危機感」と題して、中国勢の隆盛で韓国の半導体産業が競争力を失ってしまうのではないかという強い危機感を持つ韓国政府が非メモリ強化策を打ち出したがどれも成功していないことを紹介した(参考資料1)。
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2019年5月13日
|長見晃の海外トピックス
半導体業界にも大きく影を落とす米中貿易摩擦であるが、遅過ぎるとする交渉の進展に業を煮やした米国トランプ大統領が、中国製品$200 billionに対する関税を10%から25%に上げると宣告、振り回された1週間となっている。
米中両政府ワシントンDCでの2日間の閣僚級協議が行われる最中、米東部時間5月10日午前0時1分(日本時間同日午後1時1分)、上記制裁関税が引き上げられ、中国も報復措置をとるとしている。両国間の交渉は継続として決裂は回避された形であるが、世界経済の重荷と称される該摩擦の先行きは予断を許さないところがある。このような中、半導体最先端微細化に向けたトップ3社の取り組み、動きに今後の糧として注目させられている。
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2019年5月10日
|泉谷渉の視点
「プレステVR(仮想現実)をやっていると頭がクラクラしてきて気持ちがいい。でも完全に酔っぱらった状態になるので、アブナイかもしれない。1日6時間以上やることは年がら年中であり、こんなに夢中になってしまってよいのかしら、と深く思い悩むこともあるのよ」。
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2019年5月 7日
|長見晃の海外トピックス
米国・Semiconductor Industry Association(SIA)より月次世界半導体販売高データが発表され、この3月について$32.3 billion、前月比1.8%減、前年同月比13%減、そして1-3月四半期について$96.8 billion、前四半期比15.5%減、前年同期比13%減、とそれぞれ発表され、引き続き大きな落ち込みを呈している。昨年半導体サプライヤランキングで首位を維持したSamsungの1-3月業績も、売上高が前年同期比13%減、営業利益が同60%減と昨年終わりからの悪化が止まらない。2位のIntelも年間売上げ予測を下方修正している中、首位を取り返せるかどうか。ともに今年後半の持ち直しを期待している。
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2019年4月29日
|長見晃の海外トピックス
メモリ半導体およびスマートフォンのSamsung、そしてファウンドリー事業を引っ張るTSMCに、それぞれの競合激化のなか噴出した問題あるいは停滞局面の市場を打開する動きが見られている。Samsungが先行して打ち上げた折り畳み新型スマートフォンが、画面損傷の品質問題が生じて発売が延期されている。メモリ半導体の落ち込みから、SamsungはシステムLSIでも世界一を目指す「半導体ビジョン2030」を掲げ、12年で13兆円の投資規模としている。最先端微細化をリードするTSMCは、7-nmから5-nmへという従来の展開に対して顧客が簡単に移行できるとして6-nmへの取り組みを打ち上げている。
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2019年4月22日
|長見晃の海外トピックス
第5世代モバイル通信(5G)に向けた半導体を巡るサプライヤ各社の状況が激しく変化し、業界構図が大きく変貌している。Apple対Qualcommの2年以上にわたる知財紛争が急遽決着が図られ、ライバルに出遅れていたApple「iPhone」の5G対応の前進が可能となる。この決着の直後に、Intelが、5G handsetsに向けたmodem半導体生産計画の断念を発表、該半導体事業ではQualcommが数少ない主要競合とともに残る形になる。一方、5G、人工知能(AI)はじめ新分野に向けた最先端微細化の取り組みが、TSMC、Samsung Foundryなどから更新され、今後の市場の熱気の高まりを予感させている。
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2019年4月15日
|長見晃の海外トピックス
第5世代モバイル通信(5G)および人工知能(AI)に向けた半導体はじめ開発の取り組み、そしてそれぞれに織り成す業界模様が見られてきている。5Gについては、Appleの遅れにライバルたちが虎視眈々の全体状況のもと、Huaweiが5G半導体をApple向けに販売を検討と、入り組んだ構造となっている。
AIは、牽引してきているNvidiaそしてIntelに対抗する動きが目立ってきており、Qualcomm、Flex Logixの半導体およびWave ComputingのAI用IPなどの打ち上げが続いている。半導体市場の早期盛り返しに向けた新分野での活発な展開に引き続き注目である。
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2019年4月 8日
|長見晃の海外トピックス
米国Semiconductor Industry Association(SIA)より月次世界半導体販売高が発表され、この2月について$32.9 billionで、前月比7.3%減、前年同月比10.6%減となっている。前月比は4ヶ月連続の減少で3ヶ月連続の7%台減、前年同月比では2ヶ月連続の減少で2月は2ケタ%のマイナスである。DRAM価格が大幅に低下、第三四半期まで続くとの予想が見られ、Samsungの第一四半期売上高、営業利益が前年同期比それぞれ14%、60%減と大きな影響があらわれている。米中摩擦そして世界経済の減速の懸念に依然覆われる中、今年後半には新技術・新分野の活力が引っ張る市場の戻しへの期待が続いている。
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2019年4月 4日
|服部毅のエンジニア論点
先月は中国の半導体製造業界の一端を紹介したので(参考資料1)、今月は中国の半導体設計事情を覗いてみよう。
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