Semiconductor Portal

» セミコンポータルによる分析 » 週間ニュース分析

メモリでSamsungがSK hynixを抜き返す

メモリビジネスでSamsungがSK hynixを抜き返した。2025年第3四半期における決算報告を先週SamsungとSK Hynixがそれぞれ発表、メモリビジネスの売上額をSamsungが明らかにした。それによると、Samsungのメモリ売上額は26.7兆ウォン(1ウォン=0.107円)となりHynixの24.45兆ウォンを抜いた。

SamsungとSK hynixの売上・営業利益推移

図1 Samsung (青)とSK hynix(灰)の売上額と営業利益の推移 出典:SamsungとSK hynixの決算発表を筆者がまとめた


Samsung半導体の売上額は、前年同期比13%増の33.1兆ウォンだが、メモリだけの売上額は同20%増の26.7兆ウォンとメモリの回復が大きい。非メモリ部門(ファウンドリとモバイルプロセッサ、CMOS Image Sensor、ディスプレイドライバなどのICを生産)の売上額は、1年前の24年第3四半期に7兆ウォンだったため、今期は8.6%減の6.4兆ウォンとなり、マイナス成長となった。この結果、半導体全体の成長率は13%成長にとどまった。

営業利益は、半導体全体としてしかSamsungは公表していないが、売上額の21.1%と少し盛り返した。前四半期は0.4兆ウォンしかなく、赤字寸前だった。というのは、2024年第2四半期の営業利益が6.45兆ウォンをピークに25年第2四半期の0.4兆ウォンまで減少し続けてきたためだ。今回、ようやく増加に転じたのである。

SamsungのメモリはHBMで出遅れたことが大きいが、最近はAMDのGPUチップセットMI350に搭載するためのHBM3Eが納入することが7月に決まったため、Nvidiaへの納入も期待されている。12枚のDRAMダイを積層したこのHBM3Eは、実はMicronも同様にAMDに納入することが決まったため、これまでのSamsungのHBM製品とは信頼性が違うことを見せつけていく必要があろう。

これに対して、メモリしか生産しないSK hynixも決して悪いわけではない。25年第3四半期における売上額は前年同期比39%増の24.45兆ウォンと絶好調なのである。加えて、営業利益ではSK hynixは、11.38兆ウォンとSamsungの7兆ウォンよりも大きい。むしろ安定した成長を遂げているといえそうだ。

SamsungとSK hynixの売上・営業利益推移

図2 Samsungのメモリ部門と非メモリ部門(折れ線)の売上額比較 出典:Samsungの決算発表を筆者がまとめた


また、Samsungの非メモリ部門は2022年第4四半期の7.93ウォンをピークに落ちてきており、そのレベルまでまだ回復していない。同社はメモリで稼ぎ非メモリは実はまだそれほど稼いでいないようだ(図2)。しかし、ファウンドリ部門はTeslaへの2nmプロセスのSoCの生産受注を獲得したことで、27年以降の売上額が期待されている。

(2025/11/04)
ご意見・ご感想