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服部毅のエンジニア論点

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2039年に向けたロジックデバイス微細化ロードマップ最新版を読み解く

2039年に向けたロジックデバイス微細化ロードマップ最新版を読み解く

ベルギーの世界最先端半導体研究機関であるimecは去る5月下旬に創立40周年記念イベント「ITF(imec Technology Forum)World 2024」をベルギー・アントワープで開催した。その基調講演で、同社CEOのLuc Van den hove氏(図1)が、ロジックデバイス微細化のロードマップ2024年最新版を発表した。さらに、imecは、EUやベルギー・フランダース政府の補助金および民間企業の出資金、総額約4200億円で、2nmおよびそれ以下のデバイスの試作ラインを建設することを発表した。同社は、半導体要素技術開発だけではなく、ロードマップを自ら実証するため、試作や少量生産まで手掛ける模様である(参考資料1)。 [→続きを読む]

韓国・漢陽大学の産官学協業の熱心さに驚嘆:集中講義してきました!

韓国・漢陽大学の産官学協業の熱心さに驚嘆:集中講義してきました!

韓国仁川(インチョン)国際空港の南50kmに位置する京畿道安山(アンサン)市に漢陽(ハニャン)大学ERICAキャンパスがある(注1)。ERICAとは、Education Research,Industry Cluster at Ansan(安山における教育・研究・産業集合体)の略で、文字通り、巨大キャンパス内に、評判の高い工学部はじめ9学部42学科の校舎や研究棟のほか、Korea Electrotechnology Research Institute など3つの韓国国立研究所やLG Innotek などの民間企業の研究所、韓国大手インターネット・サービスプロバイダであるKAKAOの巨大データセンタや多数のスタートアップの事業施設などが同居している。 [→続きを読む]

2024年半導体製造装置顧客満足度ランキング、トップはアドバンテスト、日本企業健闘

2024年半導体製造装置顧客満足度ランキング、トップはアドバンテスト、日本企業健闘

米国の半導体装置業界動向調査会社であるVLSI Researchは、1988年以来、毎年、世界半導体製造装置メーカー顧客満足度調査を世界中の半導体工場のユーザー対象に大規模に実施しており、この種の調査としては半導体業界唯一である。 この度、同社より「2024年版半導体製造装置顧客満足度ランキング・トップ10」情報を入手することができたので紹介しよう。 [→続きを読む]

半導体デバイス・回路国際会議に見る日本の劣勢、半導体研究者の奮起を期待

半導体デバイス・回路国際会議に見る日本の劣勢、半導体研究者の奮起を期待

IEEE Symposium on VLSI Technology and Circuits (通称:VLSIシンポジウム)は、日本と米国の学会関係者の尽力で1981 年に始まった国際会議で、いまや、半導体デバイス技術中心のIEDM(International Electron Device Meeting)、半導体回路中心のISSCC(International Solid-State Circuits Conference)と並ぶ世界3大半導体国際会議の一つに成長してきている。IEDMとISSCCは、米国勢が中心になって米国内だけで開催されているのに対して、VLSIシンポジウムは日本(京都)と米国(ハワイ)で毎年交互に開催されている。 [→続きを読む]

2023年半導体企業および半導体装置メーカー売上高ランキング最終版を読み解く

2023年半導体企業および半導体装置メーカー売上高ランキング最終版を読み解く

カナダに本拠を置く半導体市場調査およびリバースエンジニア会社であるTechInsightsは米VLSI Researchや米IC Insights、米IC Knowledgeなどの半導体市場調査・情報提供会社を次々と買収して巨大化したが、一方で、メディアを含め有料会員以外への情報提供が激減してしまった。そんな中で、TechInsights より2023年世界半導体企業売上高ランキングトップ25と世界半導体装置メーカー売上高ランキングトップ15に関する最終確定版を入手したので、ここに紹介するとともにそのデータを読み解くことにしよう。 [→続きを読む]

経営戦略だけではなく人事政策も脱日本・欧米流に大変身のルネサス

経営戦略だけではなく人事政策も脱日本・欧米流に大変身のルネサス

前回のブログで、「ルネサスは過去と決別し新たな門出」(参考資料1)と題して、ルネサスエレクトロニクスが、日本の「伝統的な半導体メーカー」から脱皮し、ハードとソフトが融合した新たなシリコンバレー流ビジネスモデルを構築しようとしているように見えると述べた。これは、あくまでのルネサスの技術面について議論したブログだったが、その後、人事面でも「伝統的日本企業」から脱皮しようとしていることが明らかになった。 [→続きを読む]

ルネサスは過去と決別し新たな門出、Nvidiaは圧倒的一人勝ちで業界業績つり上げ

ルネサスは過去と決別し新たな門出、Nvidiaは圧倒的一人勝ちで業界業績つり上げ

去る2月15日に恒例の「SPIマーケットセミナー」がオンラインで開催された。今回のテーマは「2024年の世界半導体市場、回復へのシナリオ」。このセミナーの最後に、ホットな話題として取り上げられていたルネサスエレクトロニクスとNvidiaについてコメントさせていただいた。ほんのわずかな時間しか残されていない中での舌足らずの発言だったため、本稿で補足させていただくことにする。 [→続きを読む]

「TSMC熊本第2工場は12/16nmか7nmあるいは...」-TSMC決算説明会

「TSMC熊本第2工場は12/16nmか7nmあるいは...」-TSMC決算説明会

台TSMCは、去る1月18日に2023年第4四半期の決算説明会(台積公司法人説明会、図1)でCFO による同四半期の業績説明(参考資料1)に続いて、同社CEOの魏哲家(C.C. Wei)氏と同社会長の劉徳音(Mark Liu)氏は、機関投資家(世界的に有名な証券会社や投資銀行など)の多種多様な質問に即答した。 [→続きを読む]

TSMCが台湾で次々と建設する "Advanced" Backend Fabとは何?

TSMCが台湾で次々と建設する

前回のブログ(参考資料1)で、TSMCの台湾域内だけではなくグローバルなファブ一覧を示したが、実はこれがTSMCのファブのすべてではない。前回紹介したのは、前工程(Frontend、ウェーハプロセス工程)のファブだけであって、実は「先進的な後工程」(先進アッセンブリと最終テスト)のファブが以下のように台湾内の5ヵ所に点在している。これらの既存ファブとは別に今後さらに2つのファブを増設する見込みである。 [→続きを読む]

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