津田建二の取材手帳
国境をなくしたコンソシアムにおけるコラボレーションが進む中、日本では日本独自のコンソシアムを作るべしとか、国産のOSを浸透させようとか、時代錯誤的な発言を最近いくつかのセミナーで聞いた。本当に日本独自開発の技術は日本のためになるのだろうか、考察してみる。
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先週、京都で開かれたエレクトロニクス実装学会関西支部主催のワークショップで基調講演させていただく機会があった。ポスターセッションもあり、新しい実装技術、半導体パッケージング技術の最先端分野を見ることができた。私だけではなく、参加されたベテランエンジニアの方々も最先端の製造技術が日本で多数生まれていると実感したと述べていた。
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シンガポールの方が日本よりも豊かになった。国際通貨基金(IMF)が先日発表した国民一人当たりのGDP(国内総生産)は、3万5000米ドルを超え、日本の3万4300米ドルをついに超えた。GDPの絶対値では日本はまだ世界第二位の経済大国ではあるが、国民一人当たりのGDPはどんどん下がっていっている。
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シンガーソングライターのはしりであったボブ・ディランの歌に「時代は変わる」という曲がある。米国がベトナム戦争を始めた1960年代に、時代は真の民主主義へと変わるだろう、というメッセージを伝えた歌であるが、実は6月のDAC(Design Automation Conference)のパネルディスカッションでこの曲を紹介し、今の時代がまさにこの歌の通りだと述べた講演者がいた。
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米国のサンフランシスコでアップルの開発者会議がモスコーンセンターで昨日(米国時間6月9日)から始まった。朝、テレビを見ていると、これから3GのiPhoneの発表がありそうだというアナウンサーが、CNNだけでなくABCも興奮しながら伝えている。どのテレビ局も朝にワイドショーとしてこの話題を採り上げており、今いるロサンゼルスからはとても行けないので、今朝のUSA Todayで掲載された記事を簡単に紹介しよう。
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20年ぶりにロサンゼルスのアナハイムに来た。昔のいちご畑はすっかり姿を消し、南国ムードいっぱいの木を植えており、ディズニーランドリゾートに相応しい街に変身している。残念ながら仕事の都合でディズニーランドには行けないが、DAC(Design Automation Conference)で賑やかなLSI設計の世界を楽しんでいる。
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テレビ東京に「技あり!にっぽんの底力」という番組がある。日本にはまだまだ一流の技術が数多く残されていることを強調する番組だ。日本の半導体メーカーを見ていても技術はあることを強く感じる。それは確かだ。しかし、その技術がちっとも売り上げ・利益に結びついていない。これも事実である。さあ、どうする!
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4月に学校を出たばかりの新人が入社してひと月たった。伊藤忠商事の丹羽宇一郎会長が若手社員育成法について語っている記事が5月10日の日本経済新聞に掲載されている。人材が会社の繁栄のカギを握るとよく語っている同氏は、最近の若手は「伝書鳩世代」と呼び言われたことを伝えるだけ、指示が来るまでじっとしている姿勢も多いと嘆く。少子化やゆとり教育のせいか競争意識が乏しく、逆境にさらされたこともないのに自分はよくやっていると思い込んでいるともいう。
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変革期を迎えている半導体ビジネスのスマイルカーブがどのように変わっているか、について議論しよう。かつてメモリービジネスがムーアの法則を引っ張っていた時代は、半導体ビジネスの最も高い価値はチップを製造する微細化技術にあった。18〜24カ月ごとにトランジスタ数が2倍に増えるという法則に則ってトランジスタ数、それを達成するための微細化技術が半導体ビジネスをドライブしていた。ところが、、、、、、。
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