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半導体産業のグローバル化をどう進めるか、そのヒントは9月4日に

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半導体産業のみならず、エレクトロニクス産業が内需に向いており、海外への販売が不足している。グローバル化は、海外販売はもとより、顧客との共同開発、信用のある部品調達サプライチェーンなど、設計・製造・調達・販売でも重要になってきている。国際競争力を強化しなければもはや生き残れなくなるからだ。セミコンポータルは、9月4日(木)にフォーラム「半導体エグゼクティブセミナー グローバル化をどう進めるか」(http://www.semiconportal.com/spiforum/0809/)を東京秋葉原のUDXコンファレンスで開催する。

このフォーラムでは、半導体企業がグローバル化するためのヒントになるようなテーマを話し合うことで、もっと強くなるためのアイデアを提供する。携帯電話の分野ではNTTドコモ仕様さえ設計製造していればビジネスができていた業態がもはや時代遅れになっていることを、ガラパゴス現象とまで言われるようになってきた。このブログでもグローバル化の必要性を以前から訴えてきた。

日本は世界第2位のGDPをいまだにキープしている国である。そこそこ大きな市場はある。しかし、グローバル化の波は否が応でも押し寄せており、銀座にはルイヴィトン、ジョルジオ・アルマーニなど世界ブランドの店が並んでいる。消費者は喜んで世界のブランド商品を手に入れる。同じことが半導体の世界でも起きている。今、注目を集めているアナログ回路の日本市場は、アナログ・デバイセズやリニアテクノロジー、テキサス・インスツルメンツ、ナショナル・セミコンダクター、マキシム・インテグレーテッド・プロダクツなど、外資系半導体メーカーの独壇場になっている。

これに対して日本の半導体メーカーは、外資がやってきにくい自動車産業のように長い付き合いを要求する市場にわれもわれもと殺到しているが、実は自動車エレクトロニクスの世界的な成長率8~10%は半導体全体の成長率とさほど変わらない。海外市場に目を向けると10%を超す成長率の市場が見えてくる。海外市場の方がよほどおいしい。かつて、DRAMで世界チャンピオンになった日本の半導体メーカーはDRAMをIBMやH-P、バロース、DEC、NCRなど米国へガンガン輸出しており、その販売額の海外比率はきわめて高かった。

ここ十数年、内需志向になってしまったからこそ、今グローバル化をどう進めるか、半導体メーカーはここに頭を痛めている。今回のSPI(セミコンダクタポータル社)フォーラムは、日本の半導体企業が成長するためのグローバル化に焦点をあてた。

以前から台湾や韓国へ半導体製造装置を売ってきた東京エレクトロンからは東哲郎会長、欧州での携帯電話市場やベトナムでデザインセンター活用など積極的にグローバル化を進めるルネサス テクノロジからは伊藤達会長兼CEOが、それぞれ講演する。起業時からグローバル市場を相手にする英国ベンチャー企業Innovision社のDavid Wollen CEOや、インドの半導体事情とグローバル企業とのアライアンスを進めるIndia IT ClubのHarsh Obrai 取締役からも講演がある。

半導体の市場調査で定評のあるアイサプライ・ジャパンの南川明副社長は、日本企業のグローバル化がいかに遅れており、これからどう進めていくか世界各地の企業からのヒントを語る。そして私は、半導体ビジネスに今注力する英国は産官学が一体となっていかにしてグローバルな競争力を持たせるか、ビジネスの基本に立ち返り半導体ビジネスを今後20年に渡って発展させていく仕組みについて述べる。これは2月に1週間かけて英国のロンドンからケンブリッジ、バース・ブリストルを回り、政府関係3カ所、大学2か所と大学発ベンチャーインキュベーションセンター、技術移転組織、さらに民間ベンチャー企業7社を訪問した。その時のレポートである。官の支援という意味が日本とまるで違うことについてお話しする。英国は日本や米国、欧州大陸のコンソシアムをしっかり学び、英国流に改善し、競争力をつけるためのベストな仕組み作りを考え出した。グローバル化は大前提である。

こういった半導体ビジネスのグローバル化こそが今後20年にわたり国家を成長させるエンジンとなる。この考えが今の日本にとっても必要だと私は信じている。

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