2013年7月22日
|長見晃の海外トピックス
パソコンからモバイル機器への急激な流れのなか、代表する大手の設計および製造の今後の方向性を巡る取り沙汰が喧しくなっている。Appleは、自前のfabを手に入れて自分ならではの半導体を作るか、ファウンドリー委託先をさらに増やすかの分かれ道が見られる。一方、インテルはパソコンの低迷が色濃く表れる業況を発表、モバイル巻き返しにかけてパソコンとのツートッププロセッサ戦略という軸足転換を打ち上げている。肝心の市場では、ハイエンドのスマートフォンの売れ行きが思わしくなく、新興経済圏のGDPの伸び率低下が進むという難しい追い打ち局面を呈している。
[→続きを読む]
2013年7月16日
|長見晃の海外トピックス
10年ひと昔、3年ひと昔、ドッグイヤーなど折に触れて技術変化の激しさあるいは周期を表わしてきた感じ方であるが、このところのパソコンからモバイル機器への急激な流れは、今までの基準、通り相場を大きく変えるdisruptiveという表現がより当てはまりそうな情勢である。技術的には、低電力設計、材料と半導体業界の立ち位置が変わらざるを得ないとともに、ビジネス的にもモバイルへの怒涛の急流に舵を切り直さざるを得ない大手プレーヤーの変革の動きが続いている。
[→続きを読む]
2013年7月 8日
|泉谷渉の視点
シェールガス革命の波が世界の経済、政治、社会を変えようとしている。1kW/時あたりのコスト6円という驚異的な低価格エネルギーのシェールガスは、石炭、石油といった化石燃料が枯れていくという状況下で登場し、瞬く間に世界の次世代エネルギーの主役の座に就こうとしている。埋蔵量は既存の天然ガスと合わせ400年以上と言われており、原子力のようなリスクは全くなく、ちなみにCO2排出量も石炭・石油に比べて非常に少ない。
[→続きを読む]
2013年7月 8日
|長見晃の海外トピックス
米SIAから恒例の月次世界半導体販売高の発表が行われ、今回は先の5月分である。大方の予想を上回って、3年余りぶりとなる前月比伸び率4.6%と大きく飛躍、全地域が前月比プラスとなるのも2012年9月以来となっている。内訳としては、AmericasとAsia Pacificが大きく引っ張り、欧州と我が国は微増に留まっている。スマートフォン、タブレットなどモバイル機器の伸びに依存する昨今の市場情勢をさらに色濃く映し出しており、TSMCおよびSamsungを巡る動きにそれが端的に表われている。
[→続きを読む]
2013年7月 1日
|長見晃の海外トピックス
新興市場を代表する中国、そしてモバイル機器の急拡大、と何をいまさらという感じであるが、いろいろな切り口で改めての認識が求められる雰囲気を感じている。半導体市場の6割近くをAsia Pacificが地域別に占め、その中の大きな比率を中国が引っ張る現時点である。グローバルエレクトロニクス生産の半分以上が中国という下りが見られるが、当然かもしれない。もう一つ、DRAM市場も然り、応用分野として長らく引っ張っているパソコンをモバイル機器が今にも追い抜くというデータが表われている。
[→続きを読む]
2013年6月26日
|鴨志田元孝の技術つれづれ
固定概念や先入観からの脱却は難しいものだとつくづく感じた。私事に関わることなのでこのコラムの目的には沿わないかもしれないが、この度、50年越しの疑念が少し晴れたような気がしたので、恥を承知で敢えてまとめてみたい。反面教師として読んでいただければ幸いである。
[→続きを読む]
2013年6月25日
|長見晃の海外トピックス
年2回開催される世界的なスーパーコンピューティングに関する国際会議、ISC'13(International Supercomputing Conference)(6月17-20日:Leipzig, Germany)にて、恒例のトップ500が発表されている。世界各国が威信をかけて計算速度を競うこの場、今回は中国が開発した「天河2号」が、我が国の「京」などを抜いて2年半ぶりの世界一となっている。目まぐるしく変わるランキングとともに、高性能を実現する中身、そしてこのようなアプローチの蓄積から拡がる興味深い応用展開に注目している。
[→続きを読む]
2013年6月17日
|長見晃の海外トピックス
スマートフォン用プロセッサ受託製造対応が引っ張って、ファウンドリー最大手、TSMCの5月販売高が最高を更新、前年同月比17.2%増と勢いが続いている。そのようななか、インテルからは、モバイルも含めたプロセッサ製品ラインの整備、AMDはゲーム機CPU、Broadcomは市場最高性能の通信用プロセッサの打ち上げと、新たな市場開拓に向けた追い上げが高まってきている。一方、半導体市場、そして世界経済と全体で見ると停滞感が否めないところがあり、危機感の警鐘が随時聞こえてくる受け止めである。
[→続きを読む]
2013年6月13日
|大和田敦之の日米の開発現場から
6月20日は、集積回路の発明者であるジャック・キルビーの命日である。没後8年、供養の意味を込めて彼の想い出を書いてみたい。テキサス・インスツルメンツ社(TI)における大先輩だったキルビー氏は、集積回路を発明した功績で2000年にノーベル物理学賞を授与されている。米国特許番号は3,138,743。その主たる図面を図1に示す。
[→続きを読む]
2013年6月10日
|泉谷渉の視点
台湾TSMCといえば、今や半導体ファウンドリ企業の代表格である。世界の半導体産業の流れがファブレス、ファブライトに向かう追い風を受け、ひとり勝ちともいうべき繁栄の時代を迎えている。世界最先端のSPICEモデルを一手に集め、回路設計も多種多彩のひな型を常にウォッチングし、しかもプロセス技術も超一流と来れば、もう言うことは何もない。モーリス・チャンが築き上げた帝国はまさに「わが世の春」を迎えている。
[→続きを読む]