2013年3月29日
|津田建二の取材手帳
半導体産業はこれから先、どうなるのだろうか。少なくとも日本だけを取材していてはその全貌をつかむことはできない。先月、Mobile World Congress(MWC)に参加する機会に恵まれ、スペインのバルセロナに行ってきた。この展示会は元々、通信オペレータ(NTTドコモやKDDI、ソフトバンクなど)の集まるイベントであったが、今やオペレータの上を行くビジネスを展開しているアップル社やグーグル社などOTT(Over the top)も携帯機器市場のど真ん中にいる。もちろん、半導体メーカーも多い。とにかく動きが速い。
[→続きを読む]
2013年3月25日
|長見晃の海外トピックス
特に今年に入ってから、ファウンドリー業界関係の話題が集中して上がってくる傾向を受け止めている。モバイル機器対応の製造を軸に、圧倒的首位のTSMCにSamsungおよびGlobalfoundriesが急伸して迫るランキング構造になるとともに、Intelが最先端プロセス技術ファウンドリー事業を展開、Globalfoundriesからは積極的なビジネスモデルの提言、提案と、息つく間もない感じ方である。今回もまたまたその流れ、最先端技術での連携と中国ファウンドリー勢の活動からくる引き続く脈動である。
[→続きを読む]
2013年3月22日
|大和田敦之の日米の開発現場から
今、日本の半導体産業は残念ながら弱体化してきた。しかし、かつてはもっと弱かった。それでも大国(米国)に挑戦してきた。1960年代、欧米のデバイスメーカーはMOSFETの開発の最中で、種々の技術を競っていた。弱かった日本が挑戦した例として、(001)面のMOSFET技術を紹介しよう。この開発ではむしろ日本が先頭に立ち、以降の半導体産業全体でトップに立つことができるようになった。この技術は当時、米国でも手がついていなかったようだ。
[→続きを読む]
2013年3月18日
|長見晃の海外トピックス
Apple社モバイル機器の売上げ鈍化が報じられているなか、次のiPhoneなどに向けた製造受託獲得を巡るファウンドリー・プレーヤー間の戦いが繰り広げられている。今までSamsungがプロセッサ製造を行っていたが、諸般の状況から次機種についてはTSMCそして半導体最大手、Intelの登場が取り沙汰されている。最先端半導体プレーヤーの顔ぶれがますます絞られていくなか、パソコンからモバイル機器への流れを受けて、今度は"最先端ファウンドリー製造"による今後の"Appleパイ"を巡るせめぎ合いの局面である。
[→続きを読む]
2013年3月15日
|禿節史のデザインフィロソフィ
シャープは2012年9月15日に記念すべき100周年を迎えた。だがそのシャープが深刻な経営不振に陥っている。その原因として、堺工場への無謀な投資とそれに伴う高額の負債、経営陣のリーダーシップの欠如などさまざまな分析がなされている。今、経営の立て直しの途上であり、再建の一助となればと思い筆を執った。
[→続きを読む]
2013年3月11日
|長見晃の海外トピックス
米SIAからの恒例の世界半導体販売高発表、2013年の出だし、1月分が発表されている。前月からは2.8%下回っているが、これは季節的パターンの範囲内として、前年同月比では3.8%上回っているというのは明るい材料という大方の受け取りとなっている。中国も7.5%と安定成長に入る経済成長率目標が打ち出すなか、雇用情勢、株高と世界の弾みを引っ張る米国の安定した舵取りに大きくかかるのは、我が国そして半導体業界も然りという状況と見る。この弾みから期待する消費動向など、当面の経済の成り行きに注目である。
[→続きを読む]
2013年3月 5日
|泉谷渉の視点
「新たなフロンティアランナーはなんだろう。ここに来てIT産業は明らかに鈍化しており、一種の踊り場を迎えている。長い歴史観で見れば、再び新時代を切り開くものが出てこない限り、我々の成長は止まったままになってしまうだろう。」
[→続きを読む]
2013年3月 4日
|長見晃の海外トピックス
Intel社がFPGA大手、Altera社に対して最先端の14-nm FinFETプロセス技術によるファウンドリー製造事業を行うことを発表、波紋を広げている。新進気鋭のFPGA開発会社に対する同様の対応がここ数年見られていたが、こんどはFPGA大手ということで、もう一方の雄、Xilinxに対して、そしてファウンドリー事業という意味では、最大手のTSMC、およびApple向けプロセッサを製造しているSamsungに対するインパクトが予想されてくる。パソコンからモバイル機器シフトが顕著な中、この展開が及ぼす成り行きに注目である。
[→続きを読む]
2013年2月25日
|長見晃の海外トピックス
この時期恒例のInternational Solid-State Circuits Conference(ISSCC)、本年で60周年を迎えるとのこと、最先端微細化技術の粋の競い合いから、アプリ主軸の当世風に色合いを変えるとともに、プレーヤーの顔ぶれもグローバル化、統合、変遷などいろいろ移り変わり、と改めて半導体業界の激動模様をISSCC時間軸で振り返っている。メインフレームからパソコン、携帯電話、そして今日のモバイル機器と、各社・各国・各地域のそれぞれの強みが発揮された経緯とともに今後の方向性に考え、思いを巡らすところがある。
[→続きを読む]
2013年2月22日
|大和田敦之の日米の開発現場から
本年1月、NHKなどの報道によると、半導体製造会社のルネサスエレクトロにクスは北海道と福井県、熊本県にある3工場を国内企業に売却することを決定した。昨年12月のこのセミコンポータルの記事でも詳しく紹介されたが、同社は官民で作られたファンド「産業革新機構」などからの1,500億円とされる出資を迎えて経営の再建に邁進する運びだ(参考資料1)。3工場の売却はその線に沿っていると考えられる。
[→続きを読む]