2020年6月 9日
|泉谷渉の視点
いまや怒り狂っており、目もうつろな米国のトランプ大統領は、民主党のバイデン元副大統領に追撃されている大統領選の状況もあって、中国叩きの路線をさらに強めている。いよいよというか、とうとうというか、5月15日は米国製の製造装置を使った半導体について中国ファーウェイ(華為科技)向けの輸出禁止を発表した。これに促されるようにして、台湾TSMCはファーウェイからの新規受注を停止したのだ。これはある種、大変なことである。
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2020年5月 8日
|泉谷渉の視点
新型コロナウイルスの世界的流行はまさに世界大恐慌とも言うべき様相を呈している。IMFの2020年の世界経済予想はマイナス3%であり、09年のリーマンショックの0.1%を凌ぐものであり、サプライズな落ち込みになっているのだ。
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2020年4月 7日
|泉谷渉の視点
世界の半導体生産は2018年に50兆円となり、過去最大規模に拡大した。しかし2019年はメモリ不況の影響で12%程度マイナス成長となり、44兆円程度に落ち込んだと思われる。2020年については、メモリの需給バランスが良くなってきたことで価格も上昇しており、5G高速スマホおよび5G対応のデータセンターの投資が成長要因となり、少なくとも10%成長の48兆円超まで回復してくると見られていた。
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2020年3月10日
|泉谷渉の視点
「2020年の世界半導体市場は5G端末、エッジでのミニデータセンター、通信業者の投資が引っ張るだろう。これまでのテレビ、パソコン、スマホというシンプルな市場構造から、いわゆるニューウェーブが登場してきたわけで、このインパクトは大きい。しかし最大の不安要因は、何と言っても中国・武漢発の新型コロナウィルスの世界的な蔓延である。残念ながら、すべての市場予測は下振れするしかない」。
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2020年2月 6日
|泉谷渉の視点
世界で半導体を最も多く生産する地域はどこであろう。それは韓国ではない。米国でもない。実は、世界の地域別半導体生産能力は台湾がトップであり、全体のおよそ4分の1を占める。
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2020年1月 7日
|泉谷渉の視点
2020年の半導体産業の成長予測については、様々な分析および憶測が流れている。一般的によく引用される予測で言えば、WSTS(世界半導体市場統計)は、2020年の世界半導体市場が前年比5.9%増の4330億ドルとなり、回復を見せるとしている。5Gの立ち上がりやデータセンサー関連の投資が牽引するというのだ。
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2019年11月29日
|泉谷渉の視点
日韓貿易摩擦が続く中で、韓国政府の打ち出した重要材料の国産化推進策については、全くもって困ったものだと言うしかない。毎年2000億円近い開発支援金を拠出し、半導体、液晶、自動車部品などの材料もしくは素材を韓国企業が生産できるようにするというのだ。これを聞いた材料大手の日本企業は呵々(かか)大笑いしてこう言い放った。
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2019年11月14日
|泉谷渉の視点
「LGディスプレイがフッ化水素の100%国産化を完了」、「中国やロシアなど、様々な素材を日本以外から調達」、「韓国政府は部品・素材の国産化に全力投球」。こうした報道が飛び交う中で、筆者は11月10日に韓国・ソウルに渡り「なぜ日本は素材産業が強いのか」というテーマで講演をさせていただいた。中央日報をはじめとする地元メディアの方々も聴講していた。なにしろ韓国は、日本からコア装置・材料の53%を輸入しており、得意とする半導体デバイスの生産が拡大すればするほど対日貿易赤字が積みあがる、というジレンマがずっと続いている。
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2019年10月 4日
|泉谷渉の視点
「これは何ということだ。あり得ない。この十数年間、日本半導体の盟主としてトップを走ってきた東芝がソニーに抜かれてしまうのか(編集注)。時代は変わったと言うしかない。」これは、電子デバイス産業新聞の記事を見て、ひたすら唸り続けたベテラン証券アナリストの言である。
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2019年8月28日
|泉谷渉の視点
2019年7月4日、日本政府による半導体材料の対韓輸出規制が発動された。規制されたのは半導体やディスプレイの材料となるレジスト(感光材)、エッチングガス(フッ化水素)、フッ化ポリイミドの三品目。今後は個別契約ごとに日本政府の許可を取る必要があり、90日程度の時間がかかるようになる。ちなみに、半導体を作るには700の工程が必要であり、その中で一つの材料が欠けても製造することはできない。
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