泉谷渉の視点
「車載向け半導体市場は、世界景気にかかわらず、この10年間じわじわと確実に伸びてきている。2014年の車載用半導体の世界市場は約3兆円となっており、センサデバイスが最も伸びている。半導体の花形と言われるフラッシュメモリの市場規模にほぼ匹敵するほどに成長している」(半導体アナリストの南川明氏)。
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いよいよというべきか。やっぱりというべきか。中国スマートフォンメーカー大手のシャオミ(小米科技)は、低価格モデルの「Redmi 2A」に初めて中国製のアプリケーションプロセッサを採用した。これまで米国や日本をはじめとする海外メーカーから半導体を調達していた中国が、ついに本格的な国産化への一歩を踏み出したのだ。
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「半導体世界チャンピオンのインテルもとうとう息切れか。2011年から4年連続で年間100億ドルを超える設備投資を実施してきたものの、2015年の設備投資は当初計画の100億ドルから87億ドルに減額すると聞いている」。この談話は、インテルに蹴散らされ敗走を重ねてきた、あるデバイスメーカー幹部のやっかみである。
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「国内の医療機器市場は現状で約2.7兆円となっているが、金額ベースでは治療機器(カテーテル、ペースメーカーなど)が53%、診断機器(内視鏡、CT、MRIなど)が26%を占めている。一般的に治療機器の成長率が高く、市場規模も大きい。医療機器の種類は非常に多く、約30万種が存在すると言われている。この医療機器分野に大きく期待できるとして成長戦略の柱の1つに据えた」(経済産業省幹部)。
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「トリリオンセンサの時代がやって来たことに対し、鈍感な人たちがまだたくさんいる。バイオ、医療、ネットワークなどに必要なセンサの数を指数関数的に計算すれば、何と45兆個のセンサが必要になるのだ。しかし、その多くは、まだ開発されていない」。
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微細加工10ns以下の半導体製造プロセスについて大きな壁が立ちふさがっていることは誰でも知っている。とりわけ露光装置については、これまでの延長線上で行かれないとされており、EUVなど様々な次世代装置の開発が進められているものの、いまだブレークスルーは見られない。微細化限界を超えなければウエアラブル端末、ヘルスケア端末、さらにはM2Mに代表される長距離かつ高周波の無線通信の時代も見えてはこないのだ。
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「半導体設備投資をめぐる状勢が変化しているように思う。これまでの予想では2015年は14年の593億ドル(現在の為替レートで約7兆円)で収束すると思われる。2015年については536億ドル(同約6兆3000億円)に減ってくると見込まれていた。しかし意外と減らないと見る向きも多い。もしかしたら増えるとの強気の観測もされているのだ」。
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「サムスン電子は現在の韓国にあって単なるITの一大企業ではない。GALAXYと液晶テレビで今や世界中がサムスンに注目している。そしてまた、韓国のGDPの20%はサムスングループが占有しており、何と納税額の30%がサムスングループの人たちが払っているのだ」。
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「ITの成熟化は見えている。確かにここに来て半導体製造装置に対する発注は急速に高まり、一時的な繁忙はきている。しかしそれにしても、次世代を切り開く産業にシフトして行かなければ、電子デバイスの将来は切り開けないのだ」こう語るのは、半導体業界の名物アナリストとして知られる南川明氏である。
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「これはどうしたことか。世界的には太陽電池ブームが大きくトーンダウンしてきた状況下で、わが国のメガソーラー計画は実に2000件以上に達している。再びの太陽電池ラッシュの波は日本から起き始めたのだ」。筆者が親しくする業界紙の編集長がうなりながらに語った言葉ではある。
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