2022年12月23日
|服部毅のエンジニア論点
今からちょうど75年前の1947年(昭和22年)の暮れも押し迫った12月23日火曜日の午後のこと、米国ニュージャージー州マレーヒルのベル電話研究所(注1)で2人の研究者、バーディーン(J. Bardeen)とブラッテン(W. H. Brattain)(図1奥の2人))は、発明したばかりの(正確には、信号増幅作用を発見したばかりの)点接触型トランジスタを研究所の幹部にみせていた。もっとも、これが、「トランジスタ」と命名されたのはずっと後のことであるが(注2)。
[→続きを読む]
2022年12月19日
|長見晃の海外トピックス
新型コロナウイルスによる累計感染者数は16日金曜夕方時点、世界全体で6億5185万人、1週間前からから401万人増、前週比15万人増である。中国では、経済混乱、感染拡大の中、「ゼロコロナ」政策の緩和追加が示唆されている。米中対立がまた一段と深まって、米国Biden政権は、中国のメモリ半導体メーカー、YMTCはじめ30社超をEntity List、事実上の禁輸リストに加えるとする一方、中国はこれに前後して、米国政府の包括的な半導体輸出制限は半導体の通常の国際貿易を妨害するものとして世界貿易機関(WTO)に提訴している。この対立の狭間で、世界の各国・地域それぞれに自らの半導体強化に向けた様々な対応模様が噴出しており、以下取り出していく。
[→続きを読む]
2022年12月12日
|長見晃の海外トピックス
新型コロナウイルスによる累計感染者数は9日金曜夕方時点、世界全体で6億4784万人、1週間前からから386万人増、前週比24万人増と横這いである。中国では、「ゼロコロナ」政策の経済への打撃から、新たな緩和策が示されているが、先行き予断を許さない情勢である。米国・Semiconductor Industry Association(SIA)より月次世界半導体販売高が発表され、この10月について$46.9 billion、前月比0.3%減、前年同月比4.6%減と、前月に続きともにマイナスである。1月から10月までの累計がほぼ$500 billionに達し、昨年記録した年間最高の$541 billionを上回るのは確実と思われる。TSMCのアリゾナ拠点建設を祝う式典、および従来比3倍超の投資発表に注目である。
[→続きを読む]
2022年12月 7日
|泉谷渉の視点
Amazon(アマゾン)というカンパニーは、いかにも新しいように見えるが、もうすでに創業して30年以上が経っている。筆者もまた年がら年中、アマゾンで買い物をするのであるが、先ごろの同社の株価の一気トーンダウンには驚かされた以外の何物でもない。何と、アマゾンの株価は超低迷の領域に入り、2021年7月の最高値から40%近くの下落を記録した。史上最大の株価引き下げと言ってよいだろう(編集注1)。
[→続きを読む]
2022年12月 5日
|長見晃の海外トピックス
新型コロナウイルスによる累計感染者数は2日金曜夕方時点、世界全体で6億4398万人、1週間前からから362万人増、前週比24万人増と、依然増え加減ではある。世界経済に懸念を生じている中国の「ゼロコロナ」政策は、段階的緩和を探っている。半導体市場も本年を締めて、来年を見通すタイミング、予測がいくつかあらわされているが、前半の活況が後半急に落ち込んでいく中、本年の販売高は昨年を若干上回って史上最高を更新、そして来年は昨年並み以下に減っていく、との見方となっている。米国・Semiconductor Industry Association(SIA)が、レポート“The Growing Challenge of Semiconductor Design Leadership”を発表、課題提起に注目している。
[→続きを読む]
2022年12月 1日
|服部毅のエンジニア論点
先端半導体開発および製造に必須のEUV露光技術は、ロジックデバイスについては、台TSMC、韓Samsungともに7nmプロセスから、DRAMに関しては、Samsung、韓SK hynixとも10-nm台の4世代目にあたる1α(あるいは1Aとも呼ばれる。最小線幅15nm前後といわれている)DRAMから採用を始めている。
[→続きを読む]
2022年11月28日
|長見晃の海外トピックス
新型コロナウイルスによる累計感染者数は25日金曜夕方時点、世界全体で6億4036万人、19日土曜朝から338万人増、前週比65万人増と、増加の度合いを強めている。中国では1日の 感染者数が過去最高を記録、経済への打撃の懸念が高まっている。半導体市場の本年後半に入っての急落急減のデータが、DRAMについてIC Insightsから、第三四半期半導体売上げランキングについてOmdiaから、それぞれあらわされ、メモリの落ち込みが特に目立つ内容である。11月19日までタイで開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に、台湾代表としてTSMCの創設者、Morris Chang(張忠謀)氏が出席、米中両国首脳との接触も見られた中での記者会見に注目している。
[→続きを読む]
2022年11月21日
|長見晃の海外トピックス
新型コロナウイルスによる累計感染者数は土曜19日朝時点、世界全体で6億3698万人、金曜11日夕方から273万人増、前週比28万人増と、むしろ増え加減である。我が国の1日の感染者数が約2ヶ月ぶりの大台越え、「新たな波が始まった」という声が聞かれている。米中、戦争、北朝鮮と日々激動が見られる中、半導体業界では、PCはじめ需要の失速、そして米国の対中規制の余波が引き続いて、様々なインパクトに見舞われる中での各方面の対策&対応の動きが見られている。直近四半期でのPC市場激減、中国の半導体メーカーへの米国規制の検討の動きの下、米国・マイクロンのメモリ半導体を2割減産、オランダ・ASMLの韓国および台湾における動き、など注目している。
[→続きを読む]
2022年11月15日
|服部毅のエンジニア論点
ベルギーの先端半導体デジタル技術研究所であるimecは、去る11月7日に東京で技術イベントを開催した。そこで日本政府の半導体戦略の策定を陣頭指揮する経産省商務情報政策局の野原諭局長が、「ディープテックトランスフォーメーション:コンピューテイングパワーと半導体」と題して基調講演を行った。
[→続きを読む]
2022年11月14日
|長見晃の海外トピックス
新型コロナウイルスによる累計感染者数は金曜11日夕方時点、世界全体で6億3425万人、1週間前から245万人増、前週比18万人増と、プラスに転じている。我が国でも「第8波」につながる拡大傾向が見られ、インフルエンザとともに警戒を要している。米中摩擦、米国の対中国輸出新規制そして各国・地域の製造強化の渦中、経済安全保障の中核としての半導体が一層クローズアップされる動きが相次いでいる。我が国では、政府支援の次世代半導体新会社が本格始動、2027年の国内量産を目指している。米国の新規制に抵触しないよう、設計変更を施す動きが見られている。ドイツは自国半導体工場の中国への売却を阻止、リトアニアの台湾代表処など、注目暇なしである。
[→続きを読む]