2015年7月21日
|長見晃の海外トピックス
半導体業界のM&A(mergers and acquisitions:合併と買収)の進行にここ数ヶ月注目し続けている感じ方があるが、これに輪をかけるように、しかも本当かと思うような大胆な内容の買収提案が報道され、世界の半導体および関連業界に敏感な波紋を呼んでいる。米Wall Street Journalが、中国国有企業のTsinghua Unigroup(紫光集団)が、米国のMicron Technologyの総額230億ドル(約2兆8430億円)での買収を提案と報じたのが発端の模様で、これを受けTsinghuaのChairmanもMicronへの関心を示したとなっている。米国はもとより、韓国、台湾はじめ直後の市場の受け取りを以下追っている。
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2015年7月13日
|長見晃の海外トピックス
米国Semiconductor Industry Association(SIA)より月次世界半導体販売高発表があり、今回はこの5月についてであり、総額が$28.2 billionで前月比2.1%増、前年同月比5.1%増と高水準を維持している。前年比ではこれで25ヶ月連続の増加とのことであるが、Americas、Chinaが大きく引っ張ってJapanおよびEuropeのマイナスをカバーする地域別内訳も定着している状況がある。スマートフォンの伸び、そして大きくは中国経済の一層の鈍化と、通年パターンでは後半に盛り返す年間半導体販売高であるが、その予測の下方修正が見え始めてきている。
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2015年7月 9日
|大和田敦之の日米の開発現場から
成長戦略を進めていた安倍総理のリーダーシップのもと、新聞各紙によると「ものづくり白書」がこの6月9日に閣議決定された。これはもちろん、製造業を振興させることを目指すものだが、半導体産業がその中核を形成することは言うまでもない。
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2015年7月 6日
|長見晃の海外トピックス
10%増近い史上最高の販売高を記録した半導体業界を牽引するモバイル機器の飽和感が増すなか、この春以降のM&A関連の活発な動きが依然続いている。ここのところ目まぐるしく変転して注目となったIntegrated Silicon Solution Inc.(ISSI)は、中国投資コンソーシアムへの売却を株主が承認、また、IBM社のmicroelectronics製造事業のGlobalFoundriesへの売却について政府の承認が得られて、ともに大きな山を越える段階に至っている。一方、M&Aの火種の方はいまだ尽きることなく、世界各地でくすぶりが続いている。
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2015年7月 2日
|泉谷渉の視点
「車載向け半導体市場は、世界景気にかかわらず、この10年間じわじわと確実に伸びてきている。2014年の車載用半導体の世界市場は約3兆円となっており、センサデバイスが最も伸びている。半導体の花形と言われるフラッシュメモリの市場規模にほぼ匹敵するほどに成長している」(半導体アナリストの南川明氏)。
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2015年6月29日
|長見晃の海外トピックス
半導体業界M&Aの熱い動きが依然続く中、世界の両大国、米国と中国の間の一方ではドイツの車載向けSRAM市場の覇権を巡る戦い、もう一つは中国の半導体業界自立化に向けた先端技術開発を行う合弁の設立と硬軟対照的な動きが業界の景観に映ってきている。前者はここ数ヶ月にわたり今なお及ぶCypressと中国投資家コンソーシアム、Uphillの間のIntegrated Silicon Solution Inc(ISSI)買収争奪戦であり、後者は中国政府から反競争的慣行について罰金を課せられたQualcommが中国のファウンドリー最大手、SMICなどとR&D合弁を組んで中国での14-nm技術開発を支援していく動きである。
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2015年6月22日
|長見晃の海外トピックス
市場シェア拡大、新市場創出に向けた半導体業界のM&Aの熱気が依然活発である。Integrated Silicon Solution(ISSI)を巡るCypressと中国投資家グループの攻防もまた反転の動きが見られている。IntelおよびKeysight(Agilentのテスト&計測事業スピンオフ)の買収はじめ新たな動きが加わって、一向に収まる気配となっていない。そんな中、新市場の代表格、Internet of Things(IoT)に向けた市場展開を促進する動きが目立ってきており、Renesas Electronics、Alcatel-Lucentなどからプラットフォームおよびツールキットの発表が相次いでいる。
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2015年6月15日
|長見晃の海外トピックス
半導体業界のM&Aについて、日替わりのように攻勢が急転する状況が見られている。先週のIntelのAltera買収に続いて今週は、Integrated Silicon Solution(ISSI)を巡って同じシリコンバレーのCypress Semiconductorが攻勢をかける一方で、中国の投資家グループが対抗する動きを仕掛けて、買収価格がつり上がってきている現時点である。週末では中国側が上回っているという理解であるが、昨年に比べて減速が避けられないという見方が支配的な半導体業界の事業拡大、新市場開拓に向けたこのような喧騒が、当面鳴り止みそうにない情勢を受け止めている。
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2015年6月11日
|大和田敦之の日米の開発現場から
よく知られているようにグーグル社は、全自動運転車の最初の試験を、2009年に始めて既に成功裡に終えたようだ。カリフォルニアの車道を10万マイル(約16万km)走ったとのことだ。その自動車旅行は通常の旅と比べて事故はより少なく信頼が置けて効率的だった、としている。東京(東名高速道路東京IC)から大阪(名神高速道路豊中IC)までの往復距離が1,048kmなので往復153回ということになる。筆者が考えるに相当まじめに走ったな!と思っている。当然ながら、路上試験は東名のような高速道路も必要だが、それだけでは駄目で、一般道路を含むあらゆる車道を走行試験する必要がある。グーグルは最近12件の事故の例を示していて公平な態度を示した(参考資料1)。
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2015年6月 8日
|長見晃の海外トピックス
事態が一転、IntelのAltera買収が発表され、ここ数ヶ月の半導体業界のM&Aの嵐が鳴り止まず、引き続いて増幅していく情勢がグローバルに見られている。そんな中、米SIAから恒例の月次世界半導体販売高が発表され、今回はこの4月分である。前年同月比で見た増加基調が続いてこの4月で24ヶ月連続と、モバイル機器が主に牽引する拡大が2年に及んでいる。先行きの規模の拡大、Iotはじめ新市場を見据えた現下のM&Aの展開は、半導体業界の新たなmap、勢力図を一層の時間軸速度で形作ろうとしている。
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