2012年7月 9日
|長見晃の海外トピックス
米SIAから5月の世界半導体販売高が発表され、ここ数カ月は前月比伸びる基調となっているが、1月〜5月累積販売高は前年同期に比べてすべての地域にわたって下回っている状況である。奇しくもこの発表とほぼ同じタイミングで、マイクロンのエルピーダ買収およびルネサスのMCU事業にさらに集中して工場の売却あるいは閉鎖と人員削減を大幅に行うという再建施策が発表され、本当に慌ただしい事態の受け止め方となっている。最先端技術を先駆けて開拓、積み重ねて花開くやりがい、飽くなき半導体の面白さを我が国挙げてぜひとも維持していかなければならないというさらなる思いである。
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2012年7月 3日
|泉谷渉の視点
毎年のことであるが、5月の中旬になると風光明媚で知られる日本三景の一つである松島の温泉旅館にむさくるしい男たちが続々と集まってくる。その男たちとは、国内の主要半導体メーカーのエンジニアや工場長などである。ある半導体関連の商社が主催する会合であるが、非公式に様々な情報交換ができることで参加者が増えている。単なる交流会ではなく、セミナーやパネルディスカッションも開催されるのだ。
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2012年7月 2日
|長見晃の海外トピックス
タブレットそしてスマートフォンを巡るプレーヤー間の競合の事態の動きが一層目まぐるしさを増してきている。マイクロソフトに続いて今度は、グーグルが自社ブランドのタブレットを投入、アップルiPadの半額以下の価格設定としている。市場の顧客満足が如何に反応するか、間断のない仁義なき戦いの様相に映ってくる。28-nm生産capacity不足へのクアルコムの対応が引き続き注目となる一方、アップルとサムスンの間の特許、デザイン係争は、サムスンの一部機種の米国内販売差し止めという事態を迎えている。
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2012年6月25日
|長見晃の海外トピックス
前回の本欄に続く市場制覇を目指した打ち上げの1つのトドメの雰囲気を感じてしまうが、気を揉ませたマイクロソフトからのタブレットの発表が行われて、上記の通り議場で刺殺された共和制ローマ末期の独裁官、ガイウス・ユリウス・カエサル(ジュリアス・シーザー)の最期の言葉がタイトルに使われた記事も見られるほどである。スマートフォン、タブレットはじめモバイル機器のアップルを軸とする急拡大は、ついにマイクロソフトまで同社初めてとなるコンピュータハード製作に駆り立てているという感じ方である。
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2012年6月19日
|大和田敦之の日米の開発現場から
エルピーダメモリの倒産やルネサスエレクトロニクスの不調など試練の中にあるわが半導体業界であるが、SMBすなわちSmall & Medium Businessの中には、隠れたチャンピオン企業と呼ぶに相応しい企業が存在することも事実である。
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2012年6月18日
|泉谷渉の視点
日本電子回路工業会(JPCA)が創立50周年を迎えた。この記念となる展示会が6月13日〜15日に東京ビッグサイトで開催された。半導体産業新聞も主催者の一角に加わっており、様々な企画のお手伝いをさせていただいた。
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2012年6月18日
|長見晃の海外トピックス
半導体・エレクトロニクス業界の永続する活性化に欠かせない上記のタイトルの動きが、またまた喧しくなってきている。AppleのOSリニューアルが発表されたのに続いて、MicrosoftからはAppleに対抗してタブレットを打ち上げる動きが控えているようである。MPUの宿命のライバル、IntelとAMDの対抗するスタンスが、Heterogeneous System Architecture(HSA)結成を巡って今また垣間見えている。また、モバイル機器市場の拡大を左右する28-nm生産capacityをはじめTSMCの機敏な動きに、さらに拍車がかかっている。
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2012年6月11日
|長見晃の海外トピックス
米国SIAより4月の世界半導体販売高および恒例の年2回、中期予測の発表が行われている。本年に入ってからの累積販売高は前年を5.9%下回っているが、4月の前月比伸び率が3.4%増と、2年ぶりの水準となっているとともに、中期的にも多分に今後のこの勢いの継続への期待を込めて、本年は昨年から若干の増、2013年そして2014年はそれぞれ7.2%増、4.4%増と力強く伸びるという見方が表わされている。これに反応するかのように、新たな機軸の市場創出および展開を巡る競合の様相が各方面に見え始めている。
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2012年6月 4日
|長見晃の海外トピックス
半導体の微細化は、急拡大のモバイル機器に向けた28-nmに対応する現状、7-nmまで見渡す今後の展開など、プロセスノードに纏わる話題が中軸となる一方、3-D ICs、すなわち垂直、縦方向にICsを積み重ねる(stacking)三次元ICsが、もう一つの微細化ソリューションとしてここ数年着実な進展を示している。最近、Wikipediaで「Three-dimensional integrated circuit」が掲載されていると知り、またロジックおよびメモリそれぞれでさらに具体的な取り組みの発表が続いている現状を受けて、以下のアップデートである。
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2012年5月28日
|長見晃の海外トピックス
エルピーダメモリの支援入札に続いてルネサスエレクトロニクスが再建に向けた大幅な再構築を迫られる事態となって、両社の前身の一員として1970年代から半導体と共に歩み、今も業界の一角で活動している小生としては忸怩たる思いが続いている。かつて1980年から1990年代前半に世界を席巻した我が国の半導体メーカーであるが、世界のグローバル化の急進展、エレクトロニクス機器の一般消費者への急拡大という世界経済の構図からくる圧力に対して、従来システムからの変革が今また徹底的に求められている。
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