津田建二の取材手帳
半導体産業はこれから先、どうなるのだろうか。少なくとも日本だけを取材していてはその全貌をつかむことはできない。先月、Mobile World Congress(MWC)に参加する機会に恵まれ、スペインのバルセロナに行ってきた。この展示会は元々、通信オペレータ(NTTドコモやKDDI、ソフトバンクなど)の集まるイベントであったが、今やオペレータの上を行くビジネスを展開しているアップル社やグーグル社などOTT(Over the top)も携帯機器市場のど真ん中にいる。もちろん、半導体メーカーも多い。とにかく動きが速い。
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今年の半導体産業はどうなるか、今年もまた世界中のアナリストのデータと取材を元に占ってみた。これを特集記事として2013年の半導体市場展望を企画した。この記事は、ウェブではなく紙媒体の「セミコンポータル エグゼクティブサマリーレポート」に掲載した。本全体は185頁建て。
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半導体回路のオリンピックと言われるISSCC。2月に米国で開かれるIEEE主催International Solid-State Circuits Conference 2013では、日本から発表される論文数は米国の73件に対して30件と第2位に返り咲いた(図1)。ISSCC 2012では韓国からの論文件数が2位だったため、今回は巻き返したことになる。
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かつて、ラジオ少年だった頃、3球ラジオや5球スーパーラジオ、あるいは1石鉱石ラジオをいじくっていた。トランジスタが現れた頃、1石トランジスタあるいは3石トランジスタのラジオにも飛び付いた。トランジスタや真空管の配線を図面通りにつなぐと、ラジオの動作はよくわからなかったものの、スピーカーから音が流れた時は興奮した。無線の電波を何かしら増幅すればスピーカーで音を聞くことができるという自然科学を体験した。
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最近、いろいろなところから日本の半導体産業はどうなるのでしょうか、という意見をいただき議論する機会が増えている。中には、数千億円をかけてしっかりしたIDMを作ろう、もっとリーダーシップの強い企業を作ろう、と考えておられる方々もいる。一方で、ファブライトやファブレスへ向かうべきと述べる方もいる。いずれの方たちも共通している思いは、日本の半導体産業を何とかしなければならない、ということである。
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ISSCC(International Solid-State Circuits Conference)のアジア版というべき、A-SSCC(Asian Solid-State Circuits Conference)が11月12〜14日、神戸国際会議場で開かれる。総合テーマ「スマート社会に向けたICテクノロジー」に沿った基調講演が4件あり、採択された論文にもこのテーマを具現化した研究成果が続出しそうだ。
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半導体デバイスと材料を中心とする国際会議SSDM(International Conference on Solid State Devices and Materials)が今回、京都で初めて開かれることになった。VLSI Technologyと同様、企業からの論文発表件数は減少気味だ。だからといって、中身をよく分析してみると、技術開発までが衰退している訳ではなさそうだ。
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最近、半導体やその関連企業の業績がまだら模様になっている。製造装置が全く伸びていない企業から、好調な企業まである。この先は、落ちていくのか、成長するのか、予断を許さない。こういった環境の中で、今年の後半から1年くらい間の半導体産業の動向を占ってみた。半年に一度、セミコンポータルが発行する「エグゼクティブサマリーレポート」誌において、今夏も「2012年後半の半導体市場展望」を特集企画した。
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最近、海外企業から、原稿を寄稿したいのですが、という問い合わせをいただくことが多くなってきた。セミコンポータルの会員に役に立つ原稿であるなら、おおいに書いていただこうという思いを伝えている。ただ、海外企業からの寄稿だけでは偏ってしまうため、国内の半導体企業や製造装置・材料企業からの原稿も欲しい。これからは寄稿を強化したい。
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カーエレクトロニクスは、昔からノイズとの戦いである。エンジンを回転させ、火花を飛ばすというクルマの構造上、電磁波は絶えず出てゆく。電気自動車になってもモータの回転は磁石のN極とS極を変えていく訳だから、やはりノイズは出る。半導体チップ側でも微細化技術が進むにつれ、電圧の減少と共に外来ノイズに弱くなる。
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