2016年5月 2日
|長見晃の海外トピックス
パソコンの低迷を受けてインテルから人員削減、新分野への舵の切り換え加速が打ち出されたばかりのところに、モバイル機器を引っ張るアップルから13年ぶり減収、そしてiPhone初の減少という2016年1〜3月期連結決算が発表されて、中国はじめ新興経済圏の減速あるいは不透明感の中、業界および各社から事業戦略の基軸をリスク回避に向けて転換、あるいは補強する動きが相次いでいる。明らかになった大きな市場の転換点の発表直後でまだ序章に過ぎず、経済状況を踏まえた今後の推移に注目を要するところである。
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2016年4月25日
|長見晃の海外トピックス
パソコン市場が減少、スマホはじめモバイル機器市場の伸びが減速する中、IoT(Internet of Things)はじめ次の市場の牽引役への注目と期待が高まらざるを得ない現在の環境であるが、半導体最大手、インテルが、大きくパソコンからIoTに事業の軸足を移行する機敏な動きを打ち出している。4月に入って早々、トップ人事の異動が注目を引いたばかりであるが、すぐに続いてこれから今年中にかけて最大1万2000人を削減するとしている。「今こそ戦略的な方向にとことん取り組むべきとき」と言う同社CEO、Brian Krzanich氏が引っ張る今後の展開に集まる注目である。
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2016年4月19日
|泉谷渉の視点
「世界の半導体はデジタル家電全体の伸び悩みや、一大アプリであるパソコンの後退もあって、2015年は微減の約40兆円市場にとどまっている。しかしながら、IoT時代の到来を考えれば再上昇し、2025年ごろには50兆円は楽々超えていくだろう。ただし、今や世界半導体の市場別シェアでいけば、ダントツのシェア60%を占有するのは、中国を筆頭格とするアジア諸国だ。時代はすさまじい勢いで回転している」。
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2016年4月18日
|長見晃の海外トピックス
世界経済が減速、半導体販売高も前年比割れのデータが続く現状、次の市場牽引役の実質的な登場を期待する雰囲気が一層高まってきている。中でもモノのインターネット、IoT(Internet of Things)が、consumer、産業そして自動車用など広範なアプリが考えられ、ネット接続の通信手段を巡って3つの陣営が標準化に向けて凌ぎを削っている。何が中軸になるのか、広すぎて捉え難さを感じるところもあるが、様々な切り口での現下のIoTへの取り組み、そして一方で浮上してくる課題に関連する内容に以下注目している。
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2016年4月11日
|長見晃の海外トピックス
米国Semiconductor Industry Association(SIA)から月次世界半導体販売高、今回はこの2月分が発表されているとともに、昨年、2015年の半導体業界の各種データの最終結果が示されている。2月の世界半導体販売高は$26.0 billionで前月比3.2%減、前年同月比6.2%減と、昨年の特に後半からの減少傾向が続いている。改めて見る2015年の世界半導体売上げの最終データは、それぞれの見方があるが、Gartner社2.3%減、IHS社2%減となっている。世界経済減速基調が続くなか、中核のモバイル機器に加えて新市場、新技術への注目、そして期待が一層高まっていくところがある。
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2016年4月 5日
|大和田敦之の日米の開発現場から
セミコンダクターポータル既報の通り(参考資料1)、インテル社を率いたGrove氏が先月に逝去されたと、伝えられた。私は光栄にも1967年にご本人にお会いしたことがあったので、急にそのことを思い出した。本人の御冥福を祈りつつ忘れないうちに書いてみたい。
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2016年4月 4日
|長見晃の海外トピックス
中国経済の伸びの鈍化で世界の半導体市場も低迷傾向が見られる現時点であるが、その中国で半導体生産を新たに立ち上げる動きがいくつかあらわれてきている。最も注目されるのは、台湾のファウンドリー世界最大手、TSMCの中国における同社初の300-mm fab計画について南京の政府との合意に達していることである。2018年後半に16-nmプロセスを立ち上げる予定となっており、最先端のバランスの舵取りに注目である。他に、湖北省武漢でのメモリ製品R&Dプロジェクト、米Micronと台湾PTIの西安の合弁fabなど、それぞれの段階、意味合いはあるが、今後の展開に注目するところである。
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2016年3月28日
|長見晃の海外トピックス
世界経済の減速のなか、半導体の世界でも新市場、新技術の展開を求めて、今後の方向性を模索する動きが高まってきている。半導体業界をずっと引っ張ってきているインテルのMoore則も停滞してきて、'Tick-Tock'2年の周期から3年スパンのProcess-Architecture-Optimizationへの移行が打ち出されている。韓国ではSamsungが企業文化を改革、startupとして革新を図っていく宣言を行う一方、中国ではそのSamsung追撃を狙って3D NANDフラッシュ製品に向けたメモリfabの起工が行われようとしている。
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2016年3月22日
|長見晃の海外トピックス
半導体市場の最先端を引っ張る微細化が、一桁nanometerを目指す世代を迎えている。TSMC Technology Symposium for North America(3月15日:San Jose Convention Center)では、向こう2年にわたって10-nmおよび7-nmノードを展開するロードマップがプレゼンされているのをはじめ、ベルギーのR&D機関、imecでは7-nm以降に向けたクリーンルームの増設が行われている。具体的な製品開発に向けて特に設計との連携が見られており、競合各社の取り組みを見比べながら、互いの凌ぎあいに注目である。
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2016年3月14日
|長見晃の海外トピックス
1月の世界半導体販売高が4年ぶりの前年同月比マイナスのスタートとなり、2月の台湾の半導体各社業績も旧正月が入ることもあって、TSMCはじめ前年比大きく落とす結果となっている。長らく市場を引っ張ってきているスマートフォンはじめモバイル機器の飽和感、伸びの減速が高まっていく中、勢い新しい市場、応用、そして技術への注目が熱気を帯びてきており、新たなキーワードの揃い踏みを受け止めている。標準化など本格的な市場化に向けたそれぞれの動き、進展に当面目を向けていくことになりそうである。
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