2018年11月19日
|長見晃の海外トピックス
この時期恒例、2つのランキング・データに注目、ともに現下の業界模様が色濃く醸し出されている。IC Insightsからの2018年半導体サプライヤ(ファウンドリーを含む)販売高ランキング・トップ15予測では、Samsungの前年比26%増に対し、インテルは同14%増とともに大きく伸びていながら伸び率の差で首位と2位の開きが一層拡大、さらにSK HynixがTSMCを抜いて3位に入っている。米中摩擦をくっきり反映するデータ、スーパーコンピュータ・トップ500では、500の比率で中国が45%と拡げる一方、米国は22%とこれまでで最低、一方、計算速度ランキングのトップ2を米国が奪還している。
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2018年11月12日
|長見晃の海外トピックス
需要の伸びの鈍化、メモリ半導体の価格低下が囁かれて、先行きの警戒感が日々強まっている半導体市場に、波乱含みの要因が次々顔をもたげてきている様相である。引き続く米中摩擦は、米国中間選挙の結果を経て貿易交渉に米国のより強硬な姿勢が予想される中、半導体関連へのインパクトの出具合に目が離せない。7-nmがキーワードの最先端の取り組みは、今後に向けてインテル対AMD、そして突っ走るTSMCの構図の成り行きである。そして技術ライセンス供与を迫られる中、業績が低下しているQualcommを巡る動きである。
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2018年11月 5日
|長見晃の海外トピックス
米中間の摩擦がまた熱くなっており、中国の通信機器大手、中興通訊(ZTE)に続く形で、中国の半導体メーカーの一角でDRAMに取り組むFujian Jinhua Integrated Circuit Co.(JHICC)に対する米国サプライヤによる装置、材料など販売の禁止を米商務省が発している。さらに、JHICCとともに台湾・UMCおよび台湾人3人を、米マイクロンから企業秘密を盗み出した罪で起訴し、トランプ政権は中国の知的財産権の侵害取り締まりをさらに強める姿勢を示している。11月中にも米中首脳会談による歩み寄り、雪解けが探られているが、日々一喜一憂の駆け巡りとなっているこのところである。
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2018年10月29日
|長見晃の海外トピックス
いつもは月始めに行われる米国Semiconductor Industry Association(SIA)からの月次世界半導体販売高の発表が、今回は10月26日にこの9月分そして第三四半期(7-9月)について行われている。増勢が引き続いて、9月の$40.9 billion、第三四半期の$122.7 billionともに、月次、四半期の史上最高を更新している。この半導体販売高の熱い活況の一方では、このところもたげてきている市場の先行きへの警戒感が一層強まっており、米中摩擦のインパクト、半導体各社の業績予測での警告、そして製造装置のbillings、メモリ価格見通しのデータに色濃くあらわれてきている。
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2018年10月22日
|長見晃の海外トピックス
人工知能(AI:artificial intelligence)の急激な進展に目を奪われ過ぎた嫌いがあるやもしれずであるが、スマホに続く新分野の中の先駆けであるIoT(Internet of Things)の着実な進化、進展の現時点に注目している。各社の動きでは、ライバルのARMとIntelがIoT運用への主要な障壁を取り除く狙いの戦略的連携を発表、という大きな動きが見られ、焦点の絞りにくさのあるIoTに一石が投じられている。そして、IoTによる共創を1つに謳うCEATEC JAPANの見学から、多くの分野に及ぶ現況とともに、かつてのエレクトロニクスショーからの変遷を改めて辿っている。
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2018年10月15日
|長見晃の海外トピックス
インテルの10-nm開発先延ばしおよび14-nm供給逼迫の一方、AMDはファウンドリー戦略を変更、TSMCと結びついてプロセッサ市場シェアを拡大、とインテルとAMD関連の生産対応の局面がここ数週間激動を呈している。最先端微細化を公約してその通りに長年業界を引っ張ってきたインテルだけに、TSMCおよびSamsungの7-nm対応を目にするとインテルの実態は如何にと振り返らざるを得ないところがある。AMDも、もともとの製造分身で後にIBMの半導体部門が合体しているGlobalFoundriesが7-nmの開発を中止という最近の背景があり、それぞれの今後の展開の方向性に目が離せない状況である。
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2018年10月 9日
|長見晃の海外トピックス
米国Semiconductor Industry Association(SIA)より月次世界半導体販売高が発表され、この8月について$40.16 billionと初めて$40 billionの大台を突破、前月比1.7%増、前年同月比14.9%増と前年比の伸びは穏やかになりながらも依然増勢を保っている。2018年1-8月累計(毎月発表時点データ)も$306.63 billionに達し、前年相当比19.4%増となっている。本年の年間販売高が$400 billion台の後半深くをうかがう勢いであるが、大きく販売高を左右するDRAMについて市場の伸びの鈍化、および価格の低下の具体的なデータが積み重なってきている現時点でもある。
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2018年10月 1日
|長見晃の海外トピックス
米中摩擦の制裁関税の双方応酬が繰り広げられる中、米国トランプ政権が9月24日に中国からの輸入品2千億ドル(約22兆円)分を対象に第3弾を発動、家具や家電など計5745品目に10%の関税を上乗せする内容である。消費者に身近な製品が多く含まれて、本格的な悪影響の高まりが懸念されるところである。中国側も即座に報復措置の構えで対抗する一方、アジアのメーカーが生産を中国から東南アジアに移す動き、そして関税引き上げによる負担分を価格転嫁する動きが相次いでいる。知的財産(IP)は非常に重要ながら制裁関税では何の成果も得られないと、半導体業界の働きかけが続いている。
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2018年9月25日
|長見晃の海外トピックス
米国が繰り出す制裁関税措置に中国が都度対抗、協議の場も危ぶまれている米中摩擦の中、活況の世界半導体市場を引っ張っているメモリ半導体も需要の鈍化が見られてきて、Samsungが生産増強計画を抑制する報道が出てきている一方、東芝メモリは新たな製造拠点をオープン、開発の前線強化を図っている。もう1つ、中国半導体業界では、政府が支援するTsinghua Unigroupが2018 IC Summit(9月19日開幕:南京市)を開催、現時点のアップデートが行われる一方、設計開発の新たな動きが引き続いている。
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2018年9月18日
|長見晃の海外トピックス
Appleが「iPhone」新機種を発表、中でも顔認識の高速化および写真の高品質化などにつながる人工知能(AI)技術を搭載した半導体、A12 Bionicが"最も強力なスマートフォン半導体"と謳われている。先月末に発表されたHuaweiのKirin 980とともに、「最初の7-nmプロセッサ」とAIおよび微細化の最先端を競い合っている。クラウドへの依存を減らして自ら学習していくAI半導体は、すべてを変えるcomputing時代への先触れとして世界中の注目の熱気が一層感じられており、Intelはじめさらなる具体的な取り組みが方々であらわれてきている。
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