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3月の世界半導体販売高、さらに増勢強め$100 billionの大台すぐ手前

米国・Semiconductor Industry Association(SIA)から月次世界半導体販売高が発表され、今回はこの3月および1−3月第一四半期のデータである。従来の見方から驚かされるのは3月の伸びっぷりであり、2月から11.5%と二桁の増加、$99.5 billionの販売高で$100 billionの大台に迫る水準である。昨年3月は$50 billion台であり、AIブームの織り成す勢いをあらわしており、従来の半導体の物差しを取り換えざるを得ない様相となっている。第一四半期販売高も、前の四半期比25%増と大幅な増え方である。AIが煽る現下の株式市場と同様、今後どこまで&いつまでと気持たせな状況が続いている。メモリ高騰、Appleの生産委託とともに、以下の所感である。

≪見通せない先行き≫

米国・SIAからの今回の発表が、次の通りである。

☆☆☆↓↓↓↓↓
〇グローバル半導体販売高が、2025年第四四半期から2026年第一四半期で25%の増加―3月の世界半導体販売高が、前年同月比79.2%増、前月比11.5%増 …5月4日付け SIA/Latest News

米国半導体工業会(SIA)は本日、2026年第一四半期のグローバル半導体販売高が$298.5 billionで、2025年第四四半期と比較して25%の増加と発表した。2026年3月のグローバル販売高は$99.5 billionで、前年同月、2025年3月の$55.5 billionと比べて79.2%増加、そして前月、2026年2月の販売高を11.5%上回った。
月次売上高は世界半導体貿易統計(WSTS)によって集計され、3ヶ月移動平均を示している。SIAは、売上高で米国半導体業界の99%、米国以外の半導体企業の約3分の2を代表している。

「世界の半導体売上高は2026年に$1 trillion(1兆ドル)に達する見込みで、第1四半期の売上高は2025年第4四半期の売上高を大幅に上回っている。」とSIAのpresident and CEO、John Neuffer氏。
「アジア太平洋地域、南北アメリカ、および中国における好調な売上が世界の半導体市場の成長を牽引し、半導体とその半導体によって実現される無数のテクノロジー製品に対する幅広く堅調な需要を浮き彫りにした。」

地域別では、3月販売高前年比で、Asia Pacific/All Other (108.5%), the Americas (83.1%), China (74.8%), Europe (46.5%), およびJapan (7.4%)と、すべてで増加した。3月販売高前月比では、the Americas (13.3%), China (12.7%), Asia Pacific/All Other (9.8%), Europe (8.4%), およびJapan (7.1%)と、すべてで増加した。

                      【3ヶ月移動平均ベース】

市場地域
Mar 2025
Feb 2026
Mar 2026
前年同月比
前月比
========
Americas
18.46
29.84
33.81
83.1
13.3
Europe
4.23
5.72
6.20
46.5
8.4
Japan
3.77
3.78
4.05
7.4
7.1
China
15.30
23.73
26.74
74.8
12.7
Asia Pacific/All Other
13.78
26.16
28.72
108.5
9.8
$55.54 B
$89.23 B
$99.52 B
79.2 %
11.5 %

--------------------------------------
市場地域
10-12月平均
1- 3月平均
change
Americas
26.07
33.81
29.7
Europe
4.91
6.20
26.1
Japan
3.73
4.05
8.6
China
21.58
26.74
23.9
Asia Pacific/All Other
23.33
28.72
23.1
$79.63 B
$99.52 B
25.0 %

-------------------------------------

※3月の世界半導体販売高 地域別内訳および前年比伸び率推移の図、以下参照。
https://www.semiconductors.org/wp-content/uploads/2026/05/March-2026-GSR-Table-and-Graph.pdf
★★★↑↑↑↑↑

今回の発表を受けて、業界各紙の取り上げである。

◇Global semi sales surge 79% in March and remain on track to reach $1T in 2026: SIA (5月5日付け Seeking Alpha)
→WSTSのデータによると、3月の世界の半導体売上高は$99.5Bに達し、前年同月比79%増となった。2026年第1四半期の売上高は前年同期比25%増の$298.5Bとなった。これは半導体業界全体にとって朗報だが、特に世界最大の半導体製造能力を持つTSMCにとっては大きな追い風となる。

◇Sharp Increase in Global Semiconductor Sales in Q1 2026 (5月5日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)
→本日、欧州半導体工業会(ESIA)は、2026年第1四半期の世界半導体市場が前年同期比79.2%増の大幅な成長を記録し、売上高が$298.55 billionに達したと発表した。欧州市場も力強い成長を遂げ、売上高は2025年第1四半期比46.5%増の$18.6 billionとなった。これらの数値はすべて、WSTSの最新レポートに基づいている。
 2026年第1四半期の世界市場拡大は、主にMOSメモリ(+236.4%)、ロジック(+40.1%)、MOSマイクロ(+18.8%)、アナログ(+14.9%)チップが牽引し、データセンターやAIアプリケーション、クラウドコンピューティング、自動車アプリケーションからの需要増加に支えられた。ヨーロッパで
 も同様の売上傾向が見られ、MOSメモリ(+176.8%)、ロジック(+35.9%)、アナログ(+21.6%)が成長の主な貢献要因となった。注目すべきは、分析対象となったすべての製品カテゴリが四半期中に成長を記録したこと。MOSメモリは、堅調なAI関連需要と有利な価格設定により、特に力強い成長を遂げ、独立した牽引役として際立っている。世界的に見ると、MOSメモリの売上が市場全体の拡大を大きく後押しした。

◇Global semiconductor sales hit nearly $300 billion in Q1 2026 - chips are on track to top $1 trillion for this year, says report―SIA: Semiconductor revenue reached $298.5B in Q1―Volume is up 25% quarter-over-quarter, and sales totaled $99.5 billion in March alone. (5月6日付け Tom's Hardware)
→1)SIAによると、2026年第1四半期の世界半導体売上高は$298.5 billionに達し、前四半期比で25%の大幅増となった。SIAは、今年の売上高が$1 trillionを超える見込みだと見ている。この約$300 billionの全体売上高は、ロジック、メモリ、アナログ、ミックスドシグナル、その他の種類のチップの売上高である。2026年3月の月間売上高は$99.5 billionで、2025年3月の$55.5 billionから79.2%増加、2026年2月からは11.5%増加した。これらの月間数値は、WSTSによる3ヶ月移動平均で算出されている。
 2)SIAによると、世界の半導体売上高は第1四半期に$298.5 billionに達し、前四半期比で25%増加した。3月単月では$99.5 billionを記録した。アジア太平洋地域、南北アメリカ、中国における旺盛な需要に牽引され、同業界の市場規模は今年$1 trillionを超える見込みだ。

◇Global Semiconductor Sales Increase 25% from Q4 2025 to Q1 2026 (5月7日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)
→SIAは本日、2026年第1四半期の世界半導体売上高が2,985億ドルとなり、2025年第4四半期と比較して25%増加したと発表した。2026年3月の世界売上高は995億ドルで、2025年3月の555億ドルと比較して79.2%増加、2026年2月の売上高と比較して11.5%増加した。月間売上高はWSTSによって集計され、3ヶ月移動平均を表している。SIAは、売上高ベースで米国半導体産業の99%、米国以外の半導企業の約3分の2を代表している。

2021年、2022年と相次いで年間半導体販売高の最高を更新して、2023年は減少に転じたが、2024年はAI需要が牽引してまたも過去最高を更新するとともに、$600 billionの大台に初めて載せた経緯となっている。
そして、2025年は$800 billionが望める水準に大きく飛躍、本当にどこまでいくのか、本年2026年は$1 trillion(1兆ドル)に達するとの予測が出るまでに至っている。
パソコン、スマホなど従来の主要応用分野の本格回復がいまだ道半ばという見方の中、AIが大きく引っ張る現下の市場がどう推移するか、引き続き今後に注目するところである。そこでAI牽引の状況があらわれた2024年以降について、以下の見方を続けることにする。
以下、米国・SIAの月初の発表時点の販売高、そして前年同月比および前月比が示されている。2026年販売高データについての蓄積メモ:2024年12月から2025年2月までは、前月比減少で停滞したが、それもあって2026年1月は前年比46.1%増にもなっている。$80 billion台に達して、年間$1 trillionの予測に向け幸先良い出だしである。
2月は、前年が底の水準ということで、前年比61.8%増と大幅増、$90 billionに迫る値となっている。ここ5ヶ月で$70 billionに入っての駆け上がりであり、この増勢いつまでどこまでとの見方になりがちである。
3月はさらに増勢を強めて$99.52 billionと$100 billionの大台にほぼ迫る水準となっている。前年比79.2 %増、前月比11.5 %増と、以下の推移に示す通り、記録的な伸びっぷりである。AIブームの凄さに注目するのみである。

販売高
前年同月比
前月比
販売高累計
2024年 1月 
$47.63 B
15.2 %
-2.1 %
2024年 2月 
$46.17 B
16.3 %
-3.1 %
2024年 3月 
$45.91 B
15.2 %
-0.6 %
2024年 4月 
$46.43 B
15.8 %
1.1 %
2024年 5月 
$49.15 B
19.3 %
4.1 %
2024年 6月 
$49.98 B
18.3 %
1.7 %
2024年 7月 
$51.32 B
18.7 %
2.7 %
2024年 8月 
$53.12 B
20.6 %
3.5 %
2024年 9月 
$55.32 B
23.2 %
4.1 %
2024年10月 
$56.88 B
22.1 %
2.8 %
2024年11月 
$57.82 B
20.7 %
1.6 %
2024年12月 
$56.97 B
17.1 %
-1.2 %
$616.70 B
 
2025年 1月 
$56.52 B
17.9 %
-1.7 %
2025年 2月 
$54.92 B
17.1 %
-2.9 %
2025年 3月 
$55.90 B
18.8 %
1.8 %
2025年 4月 
$56.96 B
22.7 %
2.5 %
2025年 5月 
$58.98 B
19.8 %
3.5 %
2025年 6月 
$59.91 B
19.6 %
1.5 %
2025年 7月 
$62.07 B
20.6 %
3.6 %
2025年 8月 
$64.88 B
21.7 %
4.4 %
2025年 9月 
$69.47 B
25.1 %
7.0 %
2025年10月 
$72.71 B
27.2 %
4.7 %
2025年11月 
$75.28 B
29.8 %
3.5 %
2025年12月 
$78.88 B
37.1 %
2.7 %
$766.48 B
 
年間最高更新
 
2026年 1月 
$82.54 B
46.1 %
3.7 %
2026年 2月 
$88.78 B
61.8 %
7.6 %
2026年 3月 
$99.52 B
79.2 %
11.5 %


AIブームの煽りを受けて、半導体市場は大きく変容していると感じざるを得ないところである。AIデータセンター向けのHBMはじめ生産の傾斜、その反動としての従来の応用分野向けの不足および価格高騰という見え方である。この関連の内容を以下取り出している。

◇AI supercycle reshapes chips as Samsung rides price boom and TSMC builds platform―AI investment stretch turns memory shortages into windfall while TSMC cements platform edge (5月2日付け Chosun Biz)
→生成型AIは半導体スーパーサイクルを再構築し、GPUsとメモリの需要急増を牽引し、供給不足と価格の急騰を引き起こしている。サムスンとTSMCは、AI主導の構造的成長がチップを長期的な収益源へと変貌させ、過去最高の利益を計上した。

◇The chip industry is booming again, but only for companies building AI infrastructure (5月4日付け TechSpot)
→1)シリコンウェハーの出荷量は昨年13%増加し、そのほぼ全てをAIデータセンターが占めている。
 2)業界団体Semiの報告によると、シリコンウェハーの出荷量は前年同期比13.1%増の3,275 MSIとなった。これは、季節的な要因による四半期ベースでの4.7%減にもかかわらず、AIとデータセンターの需要が牽引する一方で、PCとスマートフォン市場の低迷と、生産能力が先端チップへとシフトしていることが背景にある。

◇Huawei on track to sell inference chips worth $12bn this year―Huawei anticipates $12B in AI chip sales this year (5月4日付け Electronics Weekly (UK))
→1)フィナンシャル・タイムズ紙によると、ファーウェイは既に受注している案件に基づき、AI ICsの売上高が昨年の$7.5bnから今年は$12bnに増加すると見込んでいる。
 2)フィナンシャル・タイムズ紙の報道によれば、ファーウェイはAscend 950PRの好調な受注に牽引され、AIチップの売上高が今年$7.5 billionから$12 billionに増加すると予測している。中国政府は、米国によるNVIDIAへの輸出規制を受け、国内企業に対し国産チップの使用を奨励している。

◇Huawei targets US$12 billion in AI chip sales as China firms seek Nvidia alternatives (5月4日付け DigiTimes)
→フィナンシャル・タイムズ紙によると、ファーウェイは今年、中国のAIチップ市場で最大のシェアを獲得する見込みで、中国のテクノロジー企業がNvidiaに代わる国内製チップの発注を加速させていることから、売上高は少なくとも60%増加すると予想されている。

◇[News] Micron Says AI Still in Early Stage as Memory Demand Reportedly Seen Exceeding 50% of Total Market This Year (5月4日付け TrendForce)
→MicronのCEO、Sanjay Mehrotra氏は、AI需要の加速に伴い、メモリ不足はまだ始まったばかりだと警告している。同氏によると、DRAMとNANDの供給は極めて逼迫した状態が続いており、推論処理の規模拡大に伴い、2028年まで大容量メモリへのニーズが高まるにつれ、AIが需要の50%以上を占める可能性もあるという。

◇After the frenzy, the fallout: why the chips are down for Shenzhen’s tech traders (5月6日付け South China Morning Post)
→1)世界のメモリ大手各社がAI需要で利益を上げる一方で、深セン華強北のトレーダーたちはチップ価格の急落と損失に苦しんでいる。
 2)AIによる半導体価格の上昇は、DDR4チップ価格が40%近くも暴落したことで、深セン華強北のトレーダーたちには及ばない。買い付けが遅れた投機家たちは、深刻な在庫損失、低迷する消費者需要、そして世界的なチップ価格高騰からの痛ましい乖離に直面している。

◇Desperate SK hynix customers offer to buy its EUV machines and fund new fabs as memory capacity hits zero amid crushing AI-driven shortages - worsening global shortages pry open wallets to the tune of hundreds of millions of dollars―Memory capacity issue at SK Hynix has customers scrambling―Available capacity is "essentially zero," source says. (5月8日付け Tom's Hardware)
→AI需要による深刻なメモリ不足を受け、大手テクノロジー企業がSKハイニックスの半導体生産ラインへの投資やASMLの極端紫外線(EUV)リソグラフィ装置の買収を提案していると報じられている。専用メモリ生産ラインへの資金提供を含むこれらの提案は、メモリ業界では前例のないものだ。

激変の市場環境で特に注目させられたのがAppleを巡る動きである。TSMCへの生産委託から、拠点多様化に向けてインテル、Samsungとの接触が伝えられ、インテルと生産委託暫定合意に至る以下の同社関連の内容である。

◇Apple CEO Tim Cook warns of extended memory crunch. ‘We’ll look at a range of options’ (5月1日付け CNBC)
→1)*アップルは木曜30日に四半期決算を発表し、ティム・クックCEOはメモリ供給の制約が深刻化していると警告した。
  *クック氏は、アップルは「様々な選択肢を検討する」と述べた。アナリストらは、価格引き上げやサプライヤーとの長期契約締結などが考えられると指摘している。
  *多くのテクノロジー企業が決算報告の中で、AI需要による供給制約を強調した。
 2)アップルのティム・クックCEOは、AI需要に牽引されたメモリ価格の高騰が供給を圧迫し、コストを押し上げていると警告した。メタとマイクロソフトは設備投資予測を引き上げ、アップルは世界的な供給不足の中で、サプライヤーとの契約、価格改定、および利益率のトレードオフなどを検討している。

◇Report: Apple considers Intel and Samsung to diversify chip manufacturing away from TSMC―Talks still in early stages (5月4日付け 9to5Mac)
→ブルームバーグの報道によると、アップルはTSMC以外の主要デバイスチップの生産拠点を多様化するため、インテルとの初期段階の協議を進め、サムスン電子の施設も評価しているとのこと。
 ブルームバーグによれば、アップルは代替の製造パートナーを探すことで、TSMCへの依存度を低減しようとしている。

◇Apple said to be talking to Intel and Samsung about building key device processors―Reports: Apple eyes Intel, Samsung for chip production (5月5日付け Engadget)
→ブルームバーグの報道によると、アップルはTSMCへの依存度を下げるため、「主要デバイス用チップ」の製造に関してサムスンとインテルに打診したという。iPhoneメーカーであるアップルはインテルと初期段階の協議を行い、最近テキサス州で建設中のサムスンのチップ工場を視察したとされている。関係者によると、現時点で発注は行われておらず、両社との協議はまだ初期段階にあるという。

◇Intel soars 13% on report of Apple chip talks, hits new all-time high (5月5日付け CNBC)
→1)*インテルの株価は、アップルが米国向けデバイスにインテル製チップの採用を検討しているとの報道を受け、13%急騰した。
  *インテルは歴史的な好調ぶりを見せており、4月には114%も急騰し、過去最高の月間株価を記録した。
  *AIの台頭により、インテルのCPUsに対する需要が再び高まっている。
 2)アップルがインテルおよびサムスンと米国でのチップ生産について協議しているとの報道を受け、インテルの株価は13%急騰し、過去最高値を更新した。強力なパートナーシップ、AIによる需要増、そして政府支援といった追い風が、インテルの業績の劇的な好転を後押ししている。

◇Apple explores using Intel and Samsung to build main device chips in the US (5月6日付け Taipei Times)
→アップルは、TSMC以外の半導体生産拠点を多様化するため、インテルやサムスンと初期段階の協議を進めている。これは、供給制約の緩和、地政学的リスクに対する耐性の向上、およびAI主導の需要急増に伴う追加生産能力の確保を目的としているが、現時点では正式な発注は確認されていない。

◇Apple eyes Samsung for iPhone chips after decade with TSMC―Apple executives have toured Samsung's Texas fab as TSMC strains to meet AI chip demand (5月6日付け The Korea Herald)
→アップルは、AI需要の高まりによって供給が逼迫する中、TSMCへの依存度を下げるため、サムスンとインテルをチップ製造パートナーとして検討しており、初期段階の協議や訪問は行っているものの、まだ発注は行っていない。これは、段階的な二社調達戦略の可能性を示唆している。

◇Apple、「Siri」のAI機能遅れで和解へ 購入者に390億円支払い (5月6日付け 日経 電子版 13:53)
→米アップルが、音声アシスタント「Siri」のAI機能の追加が遅れたことをめぐる集団訴訟で、同社製のスマートフォンを購入した原告側に2億5000万ドル(約390億円)を支払う和解案で合意したことが、5日分かった。
 原告側が5日、米連邦地裁に提出した資料で明らかになった。

◇Apple、米インテルと半導体の生産委託で暫定合意 WSJ報道 (5月9日付け 日経 電子版 05:57)
→米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは8日、米アップルが半導体の生産を米インテルに委託することで暫定的に合意にしたと報じた。先端品の調達を分散し、米国への生産回帰を進める狙いがある。
 報道を受けてインテル株は一時前日比で19%高と急騰した。1カ月前と比べ2倍の水準になっている。

Appleの例を一つに、あまりもの変動&インパクトで従来の取り組みへの対策&変更を余儀なくされる状況を受け止めており、引き続き目が離せないところである。


激動の世界の概況について、以下日々の政治経済の動きの記事からの抽出であり、発信日で示している。

□5月4日(月)

イラン情勢を巡る動き&駆け引きが引き続いている。

◇イラン、封鎖解除や戦闘終結など14項目提案 報道官「米国が回答」 (日経 電子版 04:10)
→イランは米国との戦闘終結に向けた14項目の提案について米国から回答があり、内容を精査していることを明らかにした。イランメディアが3日、イラン外務省のバガイ報道官の話として伝えた。
 仲介国のパキスタンを通じて回答を受け取った。米国の回答が具体的にどのような内容だったかは触れていない。

□5月5日(火)

AI&半導体頼みの株高、そしてイラン情勢に揺れる値動きが続く米国株式市場である。

◇NYダウ続落557ドル安、イラン情勢再び緊迫 米原油106ドル台に上昇 (日経 電子版 05:27)
→4日の米株式市場でダウ工業株30種平均は前週末比557ドル37セント安の4万8941ドル90セントと続落した。イラン情勢の緊迫感が再び高まったことを背景に主力株が売られた。米原油先物相場の上昇も、投資家心理の重荷になった。

□5月6日(水)

◇米S&Pとナスダック最高値、イラン警戒やや和らぐ インテル13%高 (日経 電子版 05:23)
→5日の米株式市場でS&P500種株価指数は前日比58.47ポイント(0.8%)高の7259.22と反発し、最高値を更新した。イラン情勢への警戒がやや和らぎ、主力株が買い戻された。メモリー関連株高も相場を押し上げた。
 ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は258.32(1.0%)ポイント高の2万5326.12と最高値をつけた。ダウ工業株30種平均は前日比356ドル35セント(0.7%)高の4万9298ドル25セントと3営業日ぶりに反発した。

□5月7日(木)

◇NYダウ612ドル高、米原油7%安 米・イラン戦闘終結期待広がる (日経 電子版 05:38)
→6日の米株式市場でダウ工業株30種平均は前日比612ドル34セント(1.2%)高の4万9910ドル59セントと続伸した。米国とイランの戦闘終結への観測が広まった。原油先物相場は大きく下落し、金価格は上昇した。
 米ニュースサイトのアクシオスは6日、米国がイランとの戦闘終結に向けた覚書を用意し、合意に近づいていると報じた。

米中首脳会談が来週と間近、慌ただしい動きがうかがえている。

◇トランプ氏、米中会談前に「イランと合意可能性」 1ページの覚書か―核兵器断念「イランも同意」主張 (日経 電子版 07:07)
→トランプ米大統領は6日、米公共放送PBSのインタビューで、14〜15日に予定する米中首脳会談の前にイランとの戦闘終結に合意する可能性があると発言した。「終結する可能性が高い」と述べた。イラン側は強硬な姿勢を崩しておらず、米国の思惑通りに進むかは依然不透明だ。

□5月8日(金)

◇NYダウ313ドル安、米・イラン終戦期待がやや後退 原油94ドル台 (日経 電子版 05:48)
→7日の米株式市場でダウ工業株30種平均は前日比313ドル62セント(0.6%)安の4万9596ドル97セントと反落した。米国とイランの戦闘終結に向けた不透明感が強まり、主力株が売られた。

◇トランプ氏、難題先送りの「1ページ」合意案 米中会談前に駆け込みか―イラン、米国案を「検討中。結論はまだ」 (日経 電子版 06:24)
→米国とイランが戦闘終結に向けて検討する覚書は、2月以降の戦闘状態を停止するだけの大枠の合意になりそうだ。分量はわずか1ページと伝えられ、核問題などハードルの高い論点は先送りする可能性がある。

□5月9日(土)

◇ナスダックとS&P500が最高値更新 ハイテク株主導、インテル14%高 (日経 電子版 06:06)
→8日の米株式市場でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反発し、終値は前日比440.880ポイント高の2万6247.076(速報値)だった。6日以来の最高値を更新し、初めて2万6000台に乗せた。半導体株を中心にハイテク株が買われた。
 多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も反発し、2日ぶりに最高値を更新した。ダウ工業株30種平均は小幅に反発し、終値は前日比12ドル19セント高の4万9609ドル16セント(速報値)だった。


≪市場実態PickUp≫

【イーロン・マスク氏】

半導体関連でもいっそうの注目。投資8兆円というTerafabの計画、および注目のAI新興、Anthropicへの態度を翻してデータセンター提供、と以下の通りである。

◇Elon Musk’s Terafab chip factory in Texas could cost up to $119 billion, filing shows (5月6日付け CNBC)
→1)*イーロン・マスク氏は3月、テスラ、スペースXおよびxAI向けに半導体チップを製造するテラファブ・プロジェクトの計画を正式に発表した。
  *新たな提出書類によると、第1段階の建設費用は$55 billionで、最終的には$119 billionに達する可能性がある。
  *Creative Strategiesの半導体アナリスト、Ben Bajarin氏は、マスク氏が「15年戦略」に着手していると述べている。
 2)イーロン・マスク氏は、テキサス州東部に大規模なテラファブ半導体工場を建設する計画で、初期費用は少なくとも$55 billion、最大$119 billionとなる見込みだ。スペースX、テスラ、xAI、およびインテルが共同で建設を進め、半導体供給の確保とAI生産の促進を目指す。

◇スペースX、AI半導体巨大工場「テラファブ」の計画判明 投資8兆円 (5月7日付け 日経 電子版 03:30)
→米スペースXは米南部テキサス州でAI半導体工場に550億ドル(約8兆6000億円)を投資する。同州の自治体が公表した。かねて表明してきた大規模半導体製造「テラファブ」の計画とみられる。AIに必須な半導体を自ら量産する狙い。
 テキサス州グライムズ郡(Grimes County)が計画の公聴会についての案内を公表した。

◇マスク氏がアンソロピックに急接近、OpenAIへ包囲網 自社AIは遅れ (5月8日付け 日経 電子版 05:38)
→起業家イーロン・マスク氏が米AI新興アンソロピックと組んだ。データセンターを提供し、両者の宿敵である米オープンAIへの包囲網をつくる。マスク氏の独自AIの開発が遅れていることも背景にある。
 マスク氏が率いるスペースXは6日、米南部テネシー州に持つデータセンター「コロッサス1(Colossus 1)」をアンソロピックに丸ごと貸し出すと発表した。

◇マスク氏、アンソロピックに「感銘」 かつては「人間嫌い」と批判 (5月8日付け 日経 電子版 09:35)
→起業家イーロン・マスク氏が米AI新興アンソロピックへの評価を一変させた。6日、自身の米スペースXがアンソロピックにデータセンターを貸し出すと発表。批判してきた同社に「感銘を受けた」と述べた。
 「アンソロピックは人間嫌い(Misanthropic)だ」。マスク氏は2月、X(旧ツイッター)に投稿した。


【Nvidia関連】

5月14〜15日のトランプ大統領訪中を控えて、米中摩擦の狭間にあるNvidiaにも注目である。Corningと提携、「光技術」への取り組み強化の動き、など以下の通りである。

◇Prices of Nvidia's B300 server at $1 million in China on US curbs (5月1日付け Economic Times CIO)
→中国におけるAIコンピューティングへの強い需要により、Nvidia B300サーバーの価格は1台あたり約$1 millionにまで上昇している。これは、半導体輸入の取り締まりや密輸対策によって供給が逼迫し、競争が激化するとともに、急速に成長しているレンタル市場の活動が活発化しているためだ。

◇Jensen says Nvidia now has 'zero percent' market share in China - says US export policy 'has already largely backfired'―Nvidia CEO: China market share drops to zero―US export restrictions bite. (5月3日付け Tom's Hardware)
→NvidiaのCEO、ジェンセン・フアン氏は、米国の輸出規制により、同社のAIアクセラレーターの中国市場シェアがゼロになったと述べた。フアン氏は、この政策は「ほぼ裏目に出た」とし、中国のAI技術における自給自足への取り組みを加速させ、ファーウェイやカンブリコンといった国内企業が勢いを増していると指摘した。

◇Nvidia’s push into physical AI sparks rally in partners (5月4日付け Taipei Times)
→NVIDIAがアジア地域全体でパートナーシップを強化し、半導体分野からロボット工学などの物理AI分野へと事業を拡大していることを受け、アジア株は上昇している。アジアのサプライヤーが生産コストの約90%を担うようになった(従来は65%)。世界的なAI投資の急増を背景に、需要が高まっている。

◇Nvidia CEO Jensen Huang says China should not have Blackwell or Rubin AI GPUs - firmly states US should have 'the first, the most, and the best' when it comes to AI hardware―Nvidia CEO: China shouldn't have access to latest AI GPUs―To maintain the AI lead in America. (5月5日付け Tom's Hardware)
→NvidiaのCEO、ジェンセン・フアン氏は、米国がAI技術で優位性を維持するため、中国はBlackwellやRubinシリーズを含む同社の最新AI GPUsを入手すべきではないと述べた。フアン氏は、AIハードウェアにおける米国の優位性が経済と国家安全保障の両面で大きなメリットをもたらすと強調した。米国政府はNvidiaのH200プロセッサの中国への販売を承認したが、Nvidiaは最近出荷していない。一方、Advanced Micro Devices(AMD)は中国の顧客に$390 million相当のAI GPUsを販売している。

◇NVIDIA and Corning Announce Long-Term Partnership To Strengthen U.S. Manufacturing for AI Infrastructure (5月6日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)
→NVIDIAとコーニング社は本日、次世代AIインフラストラクチャを支えるために必要な高度な光接続ソリューションの米国における製造を大幅に拡大するための、複数年にわたる商業および技術提携を発表した。

◇Nvidia CEO says AI partnership with Corning will ‘revitalize American manufacturing’ (5月7日付け CNBC)
→1)*NVIDIAのCEO、ジェンセン・フアン氏は、コーニングとの提携を、米国製造業への再投資の機会として強調した。
  *この提携の一環として、コーニングは米国における光製造能力を10倍に増強する。
 2)フアンCEOは、コーニングとの提携による米国における光接続製造の拡大を強調し、AIインフラの構築は史上最大規模であると述べた。この提携は、国内サプライチェーンを強化し、雇用を創出し、将来のデータセンター向けシリコンフォトニクス技術の発展を促進する。

◇Nvidia inks US$500 million deal with fiber-optic maker Corning (5月8日付け Taipei Times)
→NvidiaはAIインフラにおけるパートナーシップを強化するため、コーニングの株式$500 million相当を取得した。コーニングは新工場建設により米国内の光ファイバー容量を50%以上増強する予定で、両社はAIデータセンターやチップを支える高速光ネットワークの拡張を進める。

◇ソフトバンクが国産AIサーバー開発へ AI主権で需要、NVIDIAと協議 (5月8日付け 日経 電子版 02:00)
→ソフトバンクがAIサーバーの開発と生産に乗り出す。主要部品の設計や最終組み立てに2020年代末までに参入することを検討する。経済安全保障の観点からAIインフラを国内で整備する重要性が増していることに対応する。

◇NVIDIA、NTTのお株奪う「光技術」傾倒 米コーニングなど提携拡大 (5月8日付け 日経 電子版 05:24)
→米エヌビディアが光で信号を送る高速データ処理技術に力を入れている。AIが進化する中、通信や計算の心臓部の技術を大幅に見直す必要が出ているためだ。光部品の米コーニングなど提携も広げる。
 エヌビディアは6日、光ファイバーなどを手がけるコーニングとの連携を発表した。コーニングは米国内に3工場を新たに建設し、光接続部品の同国内の生産能力を10倍に高める。


【Anthropic関連】

いまや袂を分かったOpenAIを上回るほどの注目を浴びるAnthropicという受け止めである。今週は、サンフランシスコで開発者会議を開催、さらにイーロン・マスク氏率いる米スペースXと提携、と相次ぐ動きが以下の通りである。

◇So, About That AI Bubble (5月1日付け The Atlantic)
→*Claude CodeをはじめとするAIエージェントの台頭により、収益はようやく期待に追いつきつつある。
 *6ヶ月前、AI業界はまさにバブル状態だった。企業は数千億ドルもの資金(その多くは借入金)を投じて新たなデータセンターを建設していたが、収益化への明確な道筋は見えていなかった。専門家やジャーナリスト(私も含め)は、AI開発の現状を1800年代の鉄道バブルや90年代のドットコムバブルと比較していた。いずれも投機が過剰投資を招き、最終的に株式市場の暴落につながった。OpenAIのCEO、サム・アルトマン氏でさえ、公然と疑問を呈していた。「投資家全体がAIに過剰に興奮している段階にあるのだろうか?」と彼は昨年語った。「私の意見では、そうだ。」

◇Anthropic in early talks to buy DRAM-less AI inference chips from UK startup - Fractile's SRAM architecture reduces need for pricey memory during extreme pricing and shortage crunch―Anthropic eyes Fractile's DRAM-less chips (5月3日付け Tom's Hardware)
→1)Claudeの開発元であるAnthropicは、Nvidia、Google、およびAmazonに加えて、4番目のチップサプライヤーを探している。
 2)Anthropicは、メモリコスト削減のため、DRAMではなくSRAMを採用したAI推論チップの購入について、英国のスタートアップ企業、Fractileと初期段階の協議を行っている。2027年までに商用化される見込みのFractileのチップは、Nvidia、AmazonおよびGoogleに加えて、AnthropicにとってAIサーバー用シリコンの供給源となる可能性がある。

◇Anthropic Eyes UK Startup’s Fusion Tech Promising 100x Faster AI Inference at One-Tenth the Cost of NVIDIA’s Groq (5月3日付け Wccftech)
→*Anthropic社は、AI推論ブースターとして融合アーキテクチャを開発している英国のスタートアップ企業、Fractile社と初期段階の協議を行っていると報じられている。
 *Claude AIの開発元であるAnthropic社は、AI推論を100倍向上させ、コストを10分の1に削減できるSRAM技術を持つ英国のスタートアップ企業と初期段階の協議を行っていると報じられている。

◇AI「Mythos」登場、米がソフト欠陥の全件分析を断念 検知が急増 (5月4日付け 日経 電子版 18:47)
→米政府機関が世界の主要ソフトウエアに関する脆弱性をすべて分析し、評価するのを取りやめた。米新興アンソロピックの「Mythos(ミュトス)」といった高度なAIの登場で、急増する脆弱性の検知に分析が追いつかない実態を反映した。
 脆弱性の分析や評価を手掛ける米国立標準技術研究所(NIST)が、脆弱性に関する分析について、緊急性が高い案件に限定する方針を示した。

◇アンソロピックCEO「中国のAI、6〜12カ月でMythosに追いつく」 (5月6日付け 日経 電子版 06:17)
→米新興アンソロピックのダリオ・アモデイCEOは5日、新型AIモデル「Mythos」の性能に「中国勢が6〜12カ月後に追いつくだろう」と述べた。
 5日に米東部ニューヨーク市で金融業界向けのイベントを開き、米銀大手JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEOと対談した。

◇米、先端AIを事前検証 グーグルなど米3社と合意 「ミュトス」登場で関与強める (5月7日付け 日経)
→トランプ米政権は5日、先端AI(人工知能)の安全保障上のリスクを、公開前から検証できるようにすることでグーグル、マイクロソフト、xAIの米3社と合意した。米アンソロピックの強力なAI登場を機に国の関与を強める。
 米商務省傘下の「AI標準・イノベーションセンター(CAISI)」が米AI各社と合意を結んだ。先端AIの能力や安全性の評価を担当する専門機関で、AI企業と米政府の窓口の役割も担っている。

◇アンソロピックCEO「売上高80倍に成長」 Mythos投入は安全配慮 (5月7日付け 日経 電子版 06:33)
→米AI新興アンソロピックのダリオ・アモデイCEOは6日、対話型AI「クロード」利用が急増し、1〜3月の売上高の伸びが続けば年間売上高は前年の80倍に成長すると語った。
 6日に米サンフランシスコ市で開いた技術イベントに登壇した。自律的に動くエージェントの普及で、顧客によるAIの利用量も同期間に80倍のペースで伸びたという。

◇Anthropic CEO says 80-fold growth in first quarter explains ‘difficulties with compute’ (5月7日付け CNBC)
→1)*サンフランシスコで開催されたAnthropicの開発者会議で、CEOのDario Amodei氏は、同社のAI事業が第1四半期に年率換算で80倍の成長を遂げたと述べた。
  *アモデイ氏によると、同社は当初10倍の成長を見込んで計画を立てていたが、成長率があまりにも急激だったため、Anthropicはコンピューティング需要に対応しきれていないという。
  *「より多くのコンピューティング能力を提供できるよう、できる限り迅速に取り組んでいる」とアモデイ氏は語った。
 2)AnthropicのCEO、ダリオ・アモデイ氏は、需要が計画していた10倍の成長をはるかに上回る80倍に急増し、コンピューティング能力に大きな負担がかかっていると述べた。同社はSpaceX Colossus 1のキャパシティを確保し、Claudeの急速な普及に対応するため契約を拡大するとともに、$900 billionの企業価値での資金調達を目指している。

◇アンソロピック企業価値OpenAI超えへ CEO「1人で10億ドル事業作れる」―企業価値は9720億ドルの評価も (5月7日付け 日経 電子版 11:47)
→AI新興の米アンソロピックが攻勢に出ている。6日に技術イベントを開き、起業家イーロン・マスク氏率いる米スペースXと提携すると発表した。自律的に動くAIエージェントの使い勝手を高める新機能も公表した。
 アンソロピックは業界全体のAI開発の方向性を左右する存在になってきており、企業価値も比例して高まっている。

◇アンソロピック、成長制約は計算資源 スペースXとの提携に活路 (5月9日付け 日経 電子版 05:00)
→米新興アンソロピックにとって、計算資源の確保が成長に向けた課題となっている。AIの性能を高めても、安定的に運用するのに欠かせないインフラであるためだ。競合のデータセンターを使う契約を結び、確保に向けた活路を探る。
 アンソロピックは6日、起業家イーロン・マスク氏が率いる米スペースXからデータセンターを借りると発表した。


【TSMC関連】

高NA EUV技術の採用見送り、台湾での0.1nm級最先端fab建設の計画、およびグローバルな9つの新工場建設について、以下示している。

◇[News] Behind TSMC’s High-NA EUV Deferral: Low-NA Stays Strong, Customer Landscape Shifts, and ASML Quietly Pivots (5月1日付け TrendForce)
→TSMCはA13ノードにおいて高NA EUV技術の採用を見送り、より安価な低NA装置の活用を拡大する計画だ。この動きはASMLの次世代システムに対する短期的な需要を抑制する一方で、低NA製品の好調な販売を強化し、パッケージングと多様な顧客層への注力へとシフトさせるものとなる。

◇TSMC seeking approval for advanced fab in expanded Hsinchu Science Park (5月4日付け Taipei Times)
→TSMCは、新竹科学園区龍潭(Longtan)キャンパスに最先端のウェハー製造工場を建設するため、政府の承認を求めている。同社は、地元住民の反対を受けて2023年に棚上げされたプロジェクトを再検討しており、0.1nm級の技術を導入する計画だ。投資額は5000億〜6000億台湾ドルに上る可能性があるが、現在審査中である。

◇TSMC to build 9 new plants this year to boost global footprint (5月7日付け Taiwan News)
→1)先進的なチップ製造とパッケージング技術への需要に応えるための取り組み
 2)TSMCはグローバル展開を拡大し、今年、台湾、米国、日本、およびドイツに9つの新工場を建設する。3nm、2nm、および1.4nmプロセスの製造を進めるとともに、AIを活用した先進的なパッケージング能力を強化し、高性能コンピューティングと半導体需要の拡大を支える。


【Samsung関連】

AIブームを受けてSamsungの株価時価総額が$1 trillionを突破、アジア企業ではTSMCに次ぐとのこと。最先端技術への取り組みとともに以下の通りである。

◇[News] Samsung Foundry Reportedly Wins Optical Module Order, Steps Up Silicon Photonics and CPO Drive (5月1日付け TrendForce)
→サムスンファウンドリはシリコンフォトニクス事業を加速させ、初期受注を獲得するとともに、グローバル顧客との交渉を進めている。2026年下半期の量産開始を目指し、2029年までにCPOの展開を目標としており、AIデータセンターのパフォーマンス向上に不可欠な光技術として位置づけている。

◇Samsung Electronics Surpasses $1 Trillion Market Value as AI Chip Demand Surges―Samsung tops $1T valuation on AI memory chip surge (5月6日付け The Korea Times (Seoul))
→サムスン電子は、AIメモリチップへの需要の高まりを受け、時価総額が$1 trillionを突破した。これは、TSMCに次いで、アジア企業としては2番目に達成した快挙だ。この急成長は、AIインフラに対する投資家の楽観的な見方を反映しているものの、サムスンの企業価値は、Nvidia、AlphabetおよびAppleといった米国の巨大テクノロジー企業には依然として及ばない。

◇Samsung Testing Its Next-Generation Exynos On The 1.4nm Process, Initial Specifications Boast 96MB Of Cache, Higher Clock Speeds & More―Samsung tests Exynos on 1.4nm process, eyeing efficiency (5月6日付け Wccftech)
→サムスン電子は、次世代Exynosシステムオンチップ(SoC)を1.4ナノメートルプロセスでテストしており、効率と性能の向上を示している。このチップは10コアCPUクラスタと96メガバイトのシステムレベルキャッシュを搭載している。歩留まりの安定性に関する課題やTSMCなどの競合他社との競争が続く中、今回の動きはサムスンの半導体ロードマップにおける大きな前進となる。

◇サムスン時価総額1兆ドル 韓国株最高値、初の7000超え (5月7日付け 日経)
→6日の韓国株式市場で総合株価指数(KOSPI)が最高値を更新した。前営業日である4日に比べ447.57ポイント(6%)高の7384.56で取引を終えた。7000超えは初めて。半導体関連銘柄を中心に買われ、サムスン電子の時価総額は初めて1兆ドル(約156兆円)を上回った。


【中国のAIおよび半導体関連】

米国の規制を受けるなかの国内自立化の進展の度合いに注目の以下の内容である。米中首脳会談を来週に控え、諸々の懸案の進展如何への注目である。

◇Exclusive: China targets 70% advanced domestic silicon wafer use by 2026 (5月5日付け Nikkei Asia)
→1)Eswin率いる地方リーダーたちが、自給自足の目標達成に向けて大規模な事業拡大を推進
 2)中国は今年、半導体メーカーが使用するシリコンウェハーの70%以上を国内で生産することを目指しており、世界的な技術競争の激化を背景に、半導体サプライチェーンの国産化を加速させていると、日経アジアが報じている。

◇Supersized and scaling: China pushes 10,000-card computing clusters in AI race (5月5日付け South China Morning Post)
→1)都市やテクノロジー大手は、大規模なAIクラスターの構築を競い合っている。規模拡大によってモデルの学習速度が向上し、コストが削減され、普及が進むと見込んでいるのだ。
 2)中国では、都市やテクノロジー企業がAI処理能力の拡大を競う中、1万枚のカードからなるAIコンピューティングクラスターが急速に構築されている。ファーウェイ、アリババ、ムーアスレッドは国産チップを用いて競争を繰り広げ、米中間の技術競争の中で、国営・民間プロジェクトも拡大している。

◇China’s chip self-sufficiency push is real this time-but the target has been here before (5月6日付け TechWire Asia)
→日経新聞のリーク報道によると、中国は2026年末までにシリコンウェハーの国内調達率を70%以上に引き上げることを目標としている。Eswinなどの企業や米国の輸出規制に後押しされ、北京は先端チップ生産におけるギャップが拡大しているにもかかわらず、半導体の自給率向上を加速させている。

◇China’s chipmakers pour revenue into R&D, outpacing US ratios―Chinese chipmakers outpace US peers in R&D spending (5月6日付け South China Morning Post (Hong Kong))
→1)中国の半導体設計メーカーは、売上高の最大半分を研究開発に投じており、これは米国企業を大きく上回る水準だ。これは、中国政府が技術自立を推進する中で明らかになった。
 2)中国の半導体メーカーは、米国企業よりも高い割合で売上高を研究開発に充てており、Moore ThreadsとMetaXは第1四半期にそれぞれ売上高の50%と45%を研究開発に費やした。一方、AMDやIntelといった米国企業は、通常、売上高の20%から30%を研究開発に投じている。NVIDIAの研究開発比率は昨年8.6%に低下した。

◇In the global AI race, a sanctioned Chinese firm says cheaper models can still win (5月6日付け CNBC)
→1)*アナリストらは、プラットフォーム企業が資金力とユーザー獲得において優位性を持つようになったことで、AI競争は技術面だけにとどまらず、より広範な領域へと移行していると指摘する。
  *SenseTimeの共同創業者であるLin Dahua氏はCNBCに対し、品質面での差はあるものの、低コストモデルが市場シェアを獲得できると確信していると語った。
  *米国による制裁対象となっている香港上場企業であるセンスタイムは、中東進出計画に変更なく、グローバル展開を積極的に進めている。
 2)ディープシークやアリババなどが新システムをリリースする中、中国のAI企業はモデル開発競争を繰り広げている。センスタイムはmultimodal AIへと方向転換し、SenseNova U1でコスト効率を最優先することで、資金力のあるプラットフォーム大手や国内の競合他社との競争の中で損失を縮小している。

◇Could China’s embrace of AI shape how its used globally? (5月7日付け Taipei Times)
→中国ではOpenClawのようなAIエージェントが急速に普及しており、企業がツールをスーパーアプリに統合するにつれ、多くの人が設定支援を求めている。6億人を超えるユーザーが大規模な普及を牽引し、米国のトークン利用を上回り、中国は大規模な実世界AIテストエコシステムへと変貌を遂げつつある。

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