2018年1月 5日
|長見晃の海外トピックス
新しい年、2018年を迎え、ちょうど週の区切りとなったことで2017年の半導体業界をここで振り返ってみる。販売高が2016年の後半から盛り返して同年10月から毎月$30 billionを越え、2017年3月から最新データの10月まで前月比増が続いている。2017年販売高は約20%増、$400 billionを越える勢いが見込まれているが、世界の政治経済の激動のなか、米国および中国が牽引する実態が半導体市場データにくっきりあらわれている。データセンター、人工知能(AI)、自動運転はじめ新分野、新技術の躍動が、これまでのモバイル機器、PCs市場に熱い相乗効果を生み出している2017年でもある。
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2017年12月25日
|長見晃の海外トピックス
本年の半導体販売高は、年初の予想が何回か上方修正され、昨年比約20%増とかつての半導体業界高度成長期を彷彿させる奥深い二桁の伸びが見込まれている中、あと1週間を残すところとなっている2017年である。メモリ価格の上昇が伸びの大方を引っ張っており、増勢いまだ収まらず、今年を締めるというよりは現下の状況ができるだけ長く続いてほしいという声が聞こえてくる感じ方である。このような"狂騒曲"が鳴り止まない中で迎える年末年始、関連する市場そして各社のこの高い波に乗り続ける動きを追っている。
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2017年12月19日
|服部毅のエンジニア論点
10月に本欄で採り上げた東芝に関する「中国恐るべし!」記事(参考資料1)は、幸い長期にわたり多くの方々に読まれ続けているようなので、今度は、その続編として「WD恐るべし!」というタイトルで「WDは決して四日市での東芝メモリとの製造協業を手放さない」という趣旨の予測記事を書くための準備を先月から始めていた。
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2017年12月18日
|長見晃の海外トピックス
今年の半ばから後半にかけて刻々と動き、成り行きに注目させられていた東芝と米ウエスタンデジタル(WD)の間の東芝・半導体メモリ子会社、「東芝メモリ」を巡るすべての係争が取り下げられ、和解に至っている。残すは各国、特に中国の独占禁止法の審査通過となる。もう1つ、半導体製造装置の国際展示会、「SEMICON JAPAN」に出かけたが、ここでも史上最高を大きく更新する今年の出荷額見込みが席巻する話題となっている。ともに、改めて"グローバルな協調と競争"の重みを感じさせている。
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2017年12月11日
|長見晃の海外トピックス
米国・Semiconductor Industry Association(SIA)から月次世界半導体販売高が発表され、この10月について$37.1 billion、前月比3.2%増、前年同月比21.9%増と業界史上最大の月次販売高総計を記録している。月当たり$30 billion越えも昨年10月から13ヶ月、前月比増もこの3月から続き、勢いを増して現在に至っている。本年10月までの累計も$329.4 billionとなり、これまでの業界最高の昨年販売高、$338.9 billionの97%とほぼ並ぶ水準に達しており、本年は20%台の増加、$400 billion越えと大幅な更新の見方が固まるところとなっている。先行きへの警戒感を伴いながらなお活発に世界半導体市場が展開し続けている現時点である。
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2017年12月 5日
|泉谷渉の視点
一時期のメディアの狂乱的な東芝に対する扱いにはひたすら辟易していた。憲法に保証されている表現の自由であるからして何を書いても良いのであろうが、それにしても紙の上でもネット上においても「東芝半導体売却」という見出しが多いのには恐れ入った。これは明確な間違いである。東芝はフラッシュメモリを量産するメモリ部門を売却するのであって、東芝半導体全部を売却するのではないからだ。
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2017年12月 4日
|長見晃の海外トピックス
IC Insightsに続き、World Semiconductor Trade Statistics(WSTS)そしてIHS Markitより本年の世界半導体販売高予測があらわされて、それぞれの見方で$438.5 billion、$408.6 billionそして$428.9 billionと、約20%増の大幅な伸び、$400 billionの大台越えが一致して固まってきている。メモリの高価格が引っ張って、第三四半期からSamsungがインテルを本年累計で上回ったというデータも見られている。そんな中、今後の市場の変化、方向性の備えて事業の体力そして体質の強化を図っていくM&Aに、注目すべき動きがいくつかあらわれている。
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2017年11月27日
|長見晃の海外トピックス
メモリ半導体が引っ張る熱い活況の半導体市場と決まり文句で表わされるこのところの業況となっているが、我が国の10月輸出にも半導体関連が引っ張って中国向けが単月として過去最大を記録する形であらわれている。本年の半導体ベンダーランキング予想がIC Insightsから示されて、販売高が昨年比48%増のメモリのSamsungが同7%増のプロセッサのIntelをついに上回って1993年以降初めてIntel以外の首位になりそうである。一方、あまりの高値がいつまで続くか、先行きへの警戒感が並行して漂う現時点の様相である。
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2017年11月22日
|服部毅のエンジニア論点
オランダ南部に位置するアイントホーフェン市は、オランダを代表する世界企業フィリップスの発祥の地であり、人口当たりの特許出願件数が世界一(OECD調べ)のハイテク都市である。いわば、オランダのシリコンバレーだ。フィリップスから2006年に分離独立した車載半導体で世界トップのNXP セミコンダクタ―ズ本社所在地でもあり、近郊には世界最大の半導体リソグラフィ装置メーカーASML本社工場や富士フイルムの欧州研究拠点がある。
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2017年11月20日
|長見晃の海外トピックス
DRAMはじめ、フラッシュメモリなど、メモリ半導体製品の価格上昇に収まる気配が見られない状況が続いている。史上最高を大きく更新するのは確実で$400 billion台突破をうかがう本年の世界半導体販売高を、メモリ半導体市場が大きく引っ張っている。サプライヤが限られる上に、生産能力も大きくは上がっていない状況が輪をかけているが、首位の韓国のSamsungが昨年の倍を超える設備投資を打ち上げて競合への圧倒的な差をつけるのをはじめ、他のメモリサプライヤおよびメモリ市場関連での熱気に煽られた様々な活況の動きが相次いでいる。
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